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第97話 永遠の別れじゃないんだぞ?
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「じゃあ、行ってくる。 夜には戻るから、頼むぞ」
セムネイル達は4次元の扉の前で、暫しの別れを妻達としていた。
「お気を付けて、セムネイル様。 セリスちゃん達も、無理しないでね」
「お兄さんなら心配ないと思うけど、ちゃんと夜には家に帰って来ておくれよ」
ローズとサシャをセムネイルは抱きしめる。
「勿論だ、約束する」
「我等、魔王の使徒にローズさんとサシャの護衛は任せてくださいね!」
「はは、まぁ……直ぐに会えるから、泣くなよタリア」
「「私達も……胸が張り裂ける様です!!」」
「いや、カリンとコリンも号泣なの!? 夜には会えるんだってば!」
タリアとカリンコリンは泣きじゃくっており、セムネイルは順番に抱きしめながら頭を撫でた。
「アヤメ、3人を頼むぞ」
「ふふ、リーダーはタリアなんですけどね。 わかりました」
アヤメも優しく抱きしめ、暫しの別れを告げる。
そして、亜人の娘達とキュイジーヌも見送りに来ていた。
「我等、亜人一同セムネイル様方の無事を心よりお祈りしておりますわ」
亜人代表のプレーリーが頭を下げると、他の娘達も頭を下げた。
「いや、あのさ……夜には帰って来るんだよな? 何で、こんな永遠の別れみたいな事してんの?」
キュイジーヌの言葉にセムネイルは苦笑する。
「いや、すまん。 俺も分からない」
「ふふ、それだけ貴方様の存在が大きいという事ですわ」
「そうです! 私も、セムネイル様から少しの間でも離れると考えたらとっても寂しいですから」
「俺は寂しくないぞ?! だって、俺はセムネイルと一緒だからな!」
「いや、ノラちゃん……それは煽りだよ? でも、あはは……セムネイルは本当に愛されてるのね」
セリス達にフォローされたセムネイルは笑いながら門へと向かう。
「じゃあ、行くか。 あ、門は閉じるから各自指輪で門を開いてくれ。 また夜にな!」
ようやくセムネイル達は4次元の門を潜るのであった。
◆◇◆
セムネイル達はサシャの宿屋を出て、南にある城門へと向かっていた。
「さ~て、魔王の花束初のクエストだ。 頑張るか」
「ふふ、そうですわね」
妻達と談笑しながら歩いていると、壊れた城門が見えてきた。
「此処は……魔物に突破された城門だったのか。 失敗したな……通れないかもしれん」
壊れた城門では多くの衛兵や職人達が作業しており、明らかに通行止めがされているのが見える。
「え~……じゃあ、城壁飛び越して行こうよ」
グラの提案にセムネイルは笑う。
「分かった、もし無理そうならそうしよう。 とりあえず聞いてみるか」
城門へと近付くと、セムネイルに気付いた衛兵長ザモンがやって来た。
「これはセムネイル殿! どうかされましたか?」
「ザモンか。 作業中にすまん。 実は南のミンガムに依頼でな。 通らしてもらっても良いか?」
ザモンはセムネイルの低姿勢に思わず微笑む。
「全く、貴方という人は。 あんな事をしでかす割に、礼儀を弁えられている事が殊更恐ろしく感じますな。 勿論、お通り下さい。 この街に、貴方を止める無礼な衛兵は1人も居りません」
遠回しに、この街の領主を話も聞かずに殺したのに何故衛兵長如きの私には礼儀を払うのかと言われたセムネイルは苦笑する。
「そうか、感謝する」
セムネイル達は衛兵や職人達に礼を述べながら、ブルムフの街を出た。
「セムネイル! 此処からどれぐらい掛かるんだ?」
「ん? いや……知らん!!」
ノラの質問にあっさりと答えるセムネイルをグラは白い目で見ていた。
「いやいや……ローズちゃんに聞いときなさいよ」
セムネイル達は4次元の扉の前で、暫しの別れを妻達としていた。
「お気を付けて、セムネイル様。 セリスちゃん達も、無理しないでね」
「お兄さんなら心配ないと思うけど、ちゃんと夜には家に帰って来ておくれよ」
ローズとサシャをセムネイルは抱きしめる。
「勿論だ、約束する」
「我等、魔王の使徒にローズさんとサシャの護衛は任せてくださいね!」
「はは、まぁ……直ぐに会えるから、泣くなよタリア」
「「私達も……胸が張り裂ける様です!!」」
「いや、カリンとコリンも号泣なの!? 夜には会えるんだってば!」
タリアとカリンコリンは泣きじゃくっており、セムネイルは順番に抱きしめながら頭を撫でた。
「アヤメ、3人を頼むぞ」
「ふふ、リーダーはタリアなんですけどね。 わかりました」
アヤメも優しく抱きしめ、暫しの別れを告げる。
そして、亜人の娘達とキュイジーヌも見送りに来ていた。
「我等、亜人一同セムネイル様方の無事を心よりお祈りしておりますわ」
亜人代表のプレーリーが頭を下げると、他の娘達も頭を下げた。
「いや、あのさ……夜には帰って来るんだよな? 何で、こんな永遠の別れみたいな事してんの?」
キュイジーヌの言葉にセムネイルは苦笑する。
「いや、すまん。 俺も分からない」
「ふふ、それだけ貴方様の存在が大きいという事ですわ」
「そうです! 私も、セムネイル様から少しの間でも離れると考えたらとっても寂しいですから」
「俺は寂しくないぞ?! だって、俺はセムネイルと一緒だからな!」
「いや、ノラちゃん……それは煽りだよ? でも、あはは……セムネイルは本当に愛されてるのね」
セリス達にフォローされたセムネイルは笑いながら門へと向かう。
「じゃあ、行くか。 あ、門は閉じるから各自指輪で門を開いてくれ。 また夜にな!」
ようやくセムネイル達は4次元の門を潜るのであった。
◆◇◆
セムネイル達はサシャの宿屋を出て、南にある城門へと向かっていた。
「さ~て、魔王の花束初のクエストだ。 頑張るか」
「ふふ、そうですわね」
妻達と談笑しながら歩いていると、壊れた城門が見えてきた。
「此処は……魔物に突破された城門だったのか。 失敗したな……通れないかもしれん」
壊れた城門では多くの衛兵や職人達が作業しており、明らかに通行止めがされているのが見える。
「え~……じゃあ、城壁飛び越して行こうよ」
グラの提案にセムネイルは笑う。
「分かった、もし無理そうならそうしよう。 とりあえず聞いてみるか」
城門へと近付くと、セムネイルに気付いた衛兵長ザモンがやって来た。
「これはセムネイル殿! どうかされましたか?」
「ザモンか。 作業中にすまん。 実は南のミンガムに依頼でな。 通らしてもらっても良いか?」
ザモンはセムネイルの低姿勢に思わず微笑む。
「全く、貴方という人は。 あんな事をしでかす割に、礼儀を弁えられている事が殊更恐ろしく感じますな。 勿論、お通り下さい。 この街に、貴方を止める無礼な衛兵は1人も居りません」
遠回しに、この街の領主を話も聞かずに殺したのに何故衛兵長如きの私には礼儀を払うのかと言われたセムネイルは苦笑する。
「そうか、感謝する」
セムネイル達は衛兵や職人達に礼を述べながら、ブルムフの街を出た。
「セムネイル! 此処からどれぐらい掛かるんだ?」
「ん? いや……知らん!!」
ノラの質問にあっさりと答えるセムネイルをグラは白い目で見ていた。
「いやいや……ローズちゃんに聞いときなさいよ」
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