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3章〜マリンマリン王国水の都〜&真相の光

114、光のシャワー

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 しばらくして世界樹は落ち着いた。

 ピタッと動きが止まったかと思ったら恥ずかしそうにゆっくりと顔を上げて私達の顔を伺う。あぁ、何とも言えないこの可愛らしさ!!

「「可愛いっ!!」」

 だからソークと被るのも仕方がないんだよ…………。

 悶絶したいけどそうも行かない状況なのを忘れちゃいけない。忘れか……何でも無いです。

「ねぇソーク、どうやってソークと世界樹の事説明するの?」
「ああ…………。もう全て話さない?」
「私はそれでいいんだけど、あのお付きの人達にも話すの?大丈夫?」
「大丈夫。父上は信頼出来る人しか外交で連れて行かないから。でも事前に鑑定はしておこうか」
「まあそれが妥当だよね。あと世界樹、何他人事のように私達から離れているの?」
「いや、その説明に関しては他人事ですし……」
「「…………」」

 恨みがましい目で世界樹を見る。

「可愛いって言っていたのは嘘なんですか?」
「嘘じゃないよ。ただそれはそれ、これはこれ」
「そんなぁ~」

 フリでは無く本気で項垂れる世界樹を見てあぁ遺伝だなぁ、と思う。勿論世界樹とホォリビルの事だよ。私とソークはこんな情け無くはない!!

「……とりあえず結界解除するからね」
「その目は世界樹だけに向けて!」
「…………」

 無視ですね。生温かい目を向けるのは世界樹にだけで結構です。


 ソークが結界を解除した為、魔法が崩れて光のシャワーとなる。

「綺麗」

 思わず呟いた。

「なら良かった」 

 ソークが光のシャワー以上に綺麗な笑顔を浮かべる。

 うぅ、ソークがスパダリ過ぎて逆に辛い。私を殺す気!?


 光のシャワーの隙間から段々と外が見えて来る。

 周りの人達は、全く動いていない。

 つまり、ソークは結界の中に完全な異空間を創って時差が無いようにしたのだ。
 
 皆に不自然に思われないようにとよく出来ている…………けど。


「力戻ったばかりなのに何無茶してるのっっ!?」
「…………。まぁ、僕は力が自分の中に眠っていただけだしね。そこまで無茶な事ではないよ」

 私はソークに怪訝な目を向ける。

 いやいやいや。そんな訳ないからね。一瞬で異空間創るなんて久し振りなんだから充分無茶だよ?

 でもこれは野暮なので言わない。うん、成長したな私。


 光が完全に収まると同時に皆は動き出した。

「………………??ソーク、右手を何で挙げたんだ?」
「あ。何でもない、です」

 ソークは少し恥ずかしそうに言う。確かに振り返ってみると、格好づけていたのにそれが意味を成していなかった。

「ブッ」
「リティア」

 名前を呼ばれただけ。でもその声がとてつもなく震えていて、私は更に笑えてくる。

 右手を前に出して待ったを掛ける。


(しばらくお待ち下さい)


「ごめんね。もう大丈夫。だから、私達に起こった全てを話そうと思う」
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