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2章〜フォレスト王国王都〜

80、ケモミミは通じないらしい。……結構ショック

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 今、私達は庭園でお茶をしています。

 ……ソークとロークもケモミミ見られるの恥ずかしいかな、と思っていたんだけどなー。違うのかなー。

 少し八つ当たり気味な私を許してね。

 私、精神がゴリゴリと削られているのを感じます。

 何故かって?


 ケモミミのせいだよっ!!

 
 ソークとロークもケモミミのはずなのに、何故かメイドも、通りすがりの人も皆特に私を見てくるの。

 何でさっ!!

 せめて、このうさ耳を気にしない救世主がこの空間に欲しい。切実に。

「……三人共、その耳はどうしたんですか?」

 そう思っていたら救世主現るっ!!

 バッとその救世主がいる方を向く。救世主はリチャードくんだった。

 何故ここに?と思わなくもなくないが、救世主なことには変わりない。せっかくなのだからとお茶に誘うのだ。

「リチャードくんも一緒にお茶しない?」

 少しリチャードくんの言葉に間があいた。

「……ではいただきます」

 えぇぇ。め、迷惑だったのかな?何か顔が強張っている。

 そして王子達は何故か呆然としている。なぜに?

「リ、リチャード?お前、そんな敬語使うような奴だったか?」

 この言葉に、ソークも頷いている。それでも王子達二人はやや呆然。リチャードくんは少し居心地が悪そうにしている。

 え、何この状況。

 救世主だと思っていたのに何か救世主なのか微妙なんですけども~。

「あ~……。だってさぁ、リティア様って王族と同等なんだろ?」
「いや僕達王族……」
「あっ」

 微っ妙~な沈黙。

 ここは私が話そう。

「リチャードくん、普通に話して?」
「分かった」

 そしてまた沈黙。

 
 リチャードくんそのまま何か喋ってよ!!(八つ当たり気味)


 そしてリチャードくんの視線までもが私の耳に。救世主じゃないんかいっ!
 
 んん。言葉、何か変なのがでたわ……。
 
「……その耳は何故なのか聞いてもいいのか?」

 少し思案してからリチャードくんは聞いて来た。

 リチャードくんはケモミミ事件(私命名)について知らないんだね。

「それはノークさんに聞いてね。ケモミミにした張本人だから」
「ノークさん?けもみみ?」
「陛下をノークさんって呼んでる。そして獣人の耳だから略してケモミミ」
「獣人訳されてなくないか?」
「細かい事は気にしない!!」
「えええぇぇ」

 そういやこの世界漢字使われてないもんね。通じないモノはしょうがない!私が言っているのを聞いてケモミミが皆分かるようになったらいいな。

 私の小さな野望、かな?

 
 いや、まずその前に獣人奴隷を無くしたい。

 これが最初の私のささやかな?野暮である!!

  
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