上 下
64 / 143
2章〜フォレスト王国王都〜

49、温かい皿。皆なら何に使う?

しおりを挟む
 あ、すみっこにガラクタのような魔道具もある。見てみようっと。

 温かい皿、冷たい皿、精霊召喚のブローチが特に気になったからその三つを買った。

 ん?四人に何故か驚かれた。解せぬ。

「お、お嬢ちゃん、それでいいのかい?私が言うのもなんだが役に立つか分からないよ?それにそのブローチは魔力を流しても何にもなかったらしい」
「役に立つよ。温かい皿は、この皿に作った料理を乗せてマジックバッグに入れれば、温かいままで美味しいでしょ?」

 まあ私の場合は無限収納インベントリの誤魔化し用で使えると思ったからなんだけどね。

 いや、信頼している人になら誤魔化しはいらないと分かってるよ?

 だけど信頼していない人に出す時にはこの皿がいいかなと思って。

「冷たい皿は、冷たい方が美味しい料理とか、夏に役立つと思う。ブローチは、……まあ、ただ面白そうだったからなんだけどね」
「リティアはいろんな事を思いつくね」

 そもそも常識が違うんだよとは言えないから、笑って誤魔化した。

「…店主、その温かい皿は後何枚ある?」
「後七皿ありますよ」
「では七皿全部くれ」
「はい。銀貨三枚と銅貨五枚です」

 皿を買った後、魔道具の露店を離れた。

「ノークさん、何で温かい皿、七枚も買ったの?」
「俺も気になる」
「僕も」

 あ、何か仲良くなる為にプライベートでは敬語をやめたらしい。

「ん?リティアが分からないのは分かるが、お前達は考えれば分かるぞ?」

 二人共、しばらく考えて、ハッとした。何かに気づいたらしい。でも私は分からん。

「何?」
「これは俺達だからなんだが、普通俺達は毒見をされてから食べる。だから大体料理は冷めてるんだ…。だが、この皿があれば温かい料理が食べられるだろ?」
「そうだね」

 流石にこの場所で王族という言葉は出さない。

 そっか、王族だから毒見をしないといけないんだね。…あれ?それを考えるとこの買い食いはいいのかな??

「まあまあまあ。今日ぐらいはいいだろ?」
「う…ん?…ま、いっか。大丈夫だったもんね」
「さて、次はどこに行こうか。皆、行きたいところはあるか」
「父さん、俺はお腹が空いた。だからどこか店で食べたい」
「お、いいな。ここら辺でいい店を探すか」
「「「うん」」」


 結局、何か賑わっている店に入った。皆でいろんな飲食店を見て来たんだけど、皆どこがいいのか分からなかった。

 だから店の混み具合でどこの店がいいのか判断。

 王族とこっちの常識なしの私達は、これでも頑張って探したんだからっ!

 だから適当過ぎとか言わないでね。

 くっ。スマホで探せばチョチョイのちょいだったんだもん。そもそもほとんど自炊だったんだもん。

 そんな私に人気店の見分け方なんて求めないで!!


 それはともかく、ウサギ印の看板の賑わっている店に入った。

 うわぁ~。いい匂いが漂っている。これはお腹が空く匂いだ…。


 早く食べたいっ!!
しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。 異世界転生しちゃいました。 そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど チート無いみたいだけど? おばあちゃんよく分かんないわぁ。 頭は老人 体は子供 乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。 当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。 訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。 おばあちゃん奮闘記です。 果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか? [第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。 第二章 学園編 始まりました。 いよいよゲームスタートです! [1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。 話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。 おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので) 初投稿です 不慣れですが宜しくお願いします。 最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。 申し訳ございません。 少しづつ修正して纏めていこうと思います。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅

散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー 2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。 人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。 主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

めんどくさがり屋の異世界転生〜自由に生きる〜

ゆずゆ
ファンタジー
※ 話の前半を間違えて消してしまいました 誠に申し訳ございません。 —————————————————   前世100歳にして幸せに生涯を遂げた女性がいた。 名前は山梨 花。 他人に話したことはなかったが、もし亡くなったら剣と魔法の世界に転生したいなと夢見ていた。もちろん前世の記憶持ちのままで。 動くがめんどくさい時は、魔法で移動したいなとか、 転移魔法とか使えたらもっと寝れるのに、 休みの前の日に時間止めたいなと考えていた。 それは物心ついた時から生涯を終えるまで。 このお話はめんどくさがり屋で夢見がちな女性が夢の異世界転生をして生きていくお話。 ————————————————— 最後まで読んでくださりありがとうございました!!  

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!

さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ 祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き! も……もう嫌だぁ! 半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける! 時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ! 大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。 色んなキャラ出しまくりぃ! カクヨムでも掲載チュッ ⚠︎この物語は全てフィクションです。 ⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!

処理中です...