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1章〜フォレスト王国カイヴの街〜

33、部屋でゴロゴロ〜

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「これからどこ行く?」
「『『どこでもいい』』」
「私もどこでもいいんだよね…」
「「『『………』』」」

 うん、皆似た者同士だね。ここは私が提案しよう。何を提案するかって?それは……部屋でゴロゴロさっ!

 え…。と思うかもしれないけど、明日は王都初日で疲れると思うんだよ。だから部屋でゴロゴロも悪くないと思うの。

「じゃあ私が提案するね。いろんな所に行くのはやめて、部屋でゴロゴロしない?本もいっぱい買ってあるから退屈しないよ」
「俺はリティアの決めた事でいい」
『我も賛成だ。字はもともと神獣だから読める。だから本を読んでみたい』
『ボクも本を読みたいです』
「じゃあ戻ろっか」

 あ、寮には戻ったけど、お昼はそのまま屋台で買って食べたよ。

 
 寮に戻ってきたらクーイと会った。

「あれ?戻ってきたの?」
「うん。やっぱり部屋でゴロゴロしようかと思って」
「そうなんだね。もうお昼は食べたの?」
「うん。屋台で食べてきたよ」
「そっか。…仕事終わったらリティアの部屋に行っていい?」
「勿論!お話しよう」
「うん」

 部屋でこの前買った本を出す。沢山買っといてよかったよ。これだけあれば皆退屈しないよね…。

 
 そこから皆無言で本を読んだ。皆本を食い入るように見ている。

 そんな部屋の中を知らないクーイが部屋にやって来た。

「リティア、仕事終わったから一緒に過ごそ、ひっ!」

 従魔の皆は本を読むのを邪魔されて、不満げにクーイを見た。そしてクーイはその視線を感じ、顔がひきつっていた。

 この時間に来たが運の尽きだよ、クーイ。

 そんな可哀想なクーイの為に、私は助け舟を出した。

「クーイ、皆の邪魔になっちゃうからクーイの部屋に行こう!」
「…そうだね。そうしよう」
「『『イヤ』』」
「何で!?え、僕邪魔なんだよね!?何で従魔達に否定されなきゃならないの?」
「リティアと一緒にいたいからな。もう本はいいからここにいろ」

 私の船は撃沈した!

 …いや、不機嫌な視線が弱くなったから撃沈していないのかな?じゃあ、

私の船はボロボロになった!

かな?

「と、ところで皆、部屋で何していたんだい?」
「本を読んでいたんだよ。前街に行った時に本屋行ったでしょ?」
「うん。行ったけど、ま、まさか従魔の子達まで読めるの?」
「?そうだよ」
「(…規格外には規格外が集うのか!?)」
「ん?何か言った?」
「なんでもないよ」

 いや、絶対何か言ってたと思うけど…。ま、いいか。

「ベッド座っていい?」
「うん」
「今日教会は行ったんでしょ?なに祈ったんだい?」
「ん~、祈ったというか、報告、かな。新しい家族が出来ましたって言う報告を神様達にして来たの」
「そうなんだね」
「クーイは前一緒に教会行った時、何祈ったの?」
「ん~、秘密かな」
「え~、私は言ったのにぃ」

 そんな感じで今日が過ぎていった。



 
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