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幕間
三伏(後編)―②
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シーナさんはとっても料理が上手だ。だから、きっとさっき食べた夕食も変わらず美味しかったんだと思う。でも、僕はあまりそのことを覚えていない。
いつもは隣り合わせに座るんだけど、今日はアリシアがシーナさんの席に座って向かい合って少し早めの夕食を食べた。僕が覚えているのはそのくらいだ。
そして、お風呂でしっかりと身体を洗った僕は、こうして今、自分のベッドに腰を下ろしてアリシアが来るのを待っている。
待っている時間はとても長く感じたけれど、他のことをする気持ちには全くなれず、ただ黙って僕はその時を待った。
「ルイ……。入ってもいい?」
ノックと一緒に部屋の外から聞こえてきたアリシアの声に、僕のドキドキしっぱなしの心臓は一層激しく音を立てる。
「うっ、うん」
僕がそう答えると、ドアが開いて恐る恐るといった感じでアリシアは部屋に入ってきたんだけれど……。
「…………」
僕は言葉を発することができなかった。ただあまりにも目の前の女の子が可愛くて、綺麗で、そしてエッチで……。
アリシアは肌が透ける薄い絹のドレスのようなものと、股間を覆う白いパンティーしか身に着けていなかった。彼女の胸はその先端はドレスの刺繍で隠されていたけれど、その形も大きさも、そして僅かに露出した桃色の乳輪まで顕になっている。
燃えるように赤くて美しい髪の色と白い肌。そして色っぽいドレスとパンティーに、僕の理性はどうにかなってしまいそうだ。
僕は何も言えずに、溢れてくる唾液を飲み込んだ。
「どうかしら? その、変じゃあない?」
アリシアが心配そうに尋ねてくる。
僕は慌てて「その、すごく綺麗だよ」と言うのが精一杯だった。
本当はもっともっとアリシアの綺麗なところを褒めたかったんだけれど、僕はそのあまりにも魅力的なアリシアの姿を、どう言葉で表現すればいいのか分からなかった。
「……嬉しい。良かった。ルイに褒めてもらえて……」
アリシアはそう言うと、恥ずかしそうにしながら、僕の前に足を進めてくる。僕もそれに合わせて立ち上がる。でも、その時に僕のその、おしっこをする場所が固くなってしまって、少し変な感じがした。
「……あっ、その……。ルイ、それって……」
僕のその部分は、服の上からでも分かるくらい固くなっている。それをアリシアに見つかってしまった。
「……あっ、その……これは……。ごめん、アリシア……」
僕の卑猥な欲望を見られてしまった。
大好きで、誰よりも大切にしたいと思っていたはずなのに、僕はアリシアを嫌らしい目で見てしまっている。あの綺麗な躰に見惚れるだけでなく、触りたいと思ってしまう。そして、そして、もっと卑猥なことをしたいと考えている。
この間、授業で習ったときから、その行為に興味を惹かれていた。
……いいや、違う。僕はもっと前からアリシアにこんな気持ちを持ってしまっていたんだ。僕を救ってくれた、僕に幸せをくれた、僕が生まれてきてよかったと思えるようにしてくれた。そんな、そんな大切な女の子に僕は、ずっと……。
「最低だ……」
僕は顔を俯ける。
きっとアリシアは僕を嫌いになる。当たり前だ。こんな嫌らしい僕なんかは、アリシアには相応しくない。
「―――い」
アリシアの口から思いもしなかった言葉が漏れた。
「えっ? あっ、アリシア……。今、なんて……」
僕はそれが信じられなくて、顔を上げてアリシアを見る。
「……嬉しい。嬉しいわ、ルイ。良かった。私、私は……」
アリシアは微笑んでいた。ポロポロと涙をこぼしながら。
「あっ、アリシア……」
「……ルイ!」
アリシアは勢いよく抱きついてきた。その勢いで僕はアリシアに押し倒されて、ベッドに倒れ込む。
「よかった、本当に。ずっと不安だったの。私なんかじゃあ、どんな格好をしてもルイに喜んでもらえないんじゃないかって。女の子として見てもらえないんじゃあないかって、ずっとずっと、心配で……」
アリシアの瞳から零れ落ちる涙が、僕の顔にかかる。
「そんな、そんなわけないよ。僕はずっとアリシアが大好きで、誰よりも大切で。でも、僕は君を、その、エッチな目で見てしまって……」
僕は真っ直ぐなアリシアの瞳に耐えられなくて、俯くしかなかった。
「お願い、目をそらさないで、ルイ。私を、どうか私を見て……」
アリシアは僕の右手を優しく掴むと、それを自分の胸に当てた。
柔らかかった。温かかった。そして、感じた。すごい速さで脈打つアリシアの心臓の音を。
「……どうしようもないくらいに、私の心臓はドキドキしているの。これはね、私がすごく緊張しているから。そして、その、興奮しているからなのよ」
アリシアは顔を真っ赤にして、僕に微笑む。
「その、ルイが……おっ、男の子の部分を固くしてくれて、わっ、私も、その……。すごくエッチな気持ちに……」
とても恥ずかしい事をアリシアは口にする。それは、僕のことを気遣ってくれているからだ。僕が罪悪感を抱かないようにと、恥ずかしい気持ちを堪えて……。
僕はアリシアの優しさに感謝しながら、アリシアの頭を空いている手で優しく撫でる。そして、そのままそれを優しく引き寄せてキスをする。
アリシアが、こんなエッチな僕のことを受け入れようとしてくれているのが同仕様もなく嬉しかった。
いつもよりも長くキスを交わした僕たちは、お互いを見つめ合う。
僕もアリシアも興奮で息が荒くなってしまっていた。
「ねぇ、ルイ。私以外の女の子と、キスをしたことってあるの?」
不意にアリシアが思いもかけないことを尋ねてくる。
「そんなことしたことないよ。アリシアとだけだよ……」
僕が答えると、アリシアはホッとした顔になる。
「……よかった。それじゃあ、こういうエッチなことをしたこともないのよね? 私がルイと初めてこういうエッチな事をする女の子になるのよね?」
アリシアの問に、僕は「うん」と頷いた。
「嬉しいわ。……私はね、ルイ。貴方の特別になりたい。特別な女の子にしてもらいたいの。だから、私の初めてを貰って。そして、ルイの初めてを私に頂戴」
「アリシア……」
「実践するのは初めてだから、気持ちよくなかったらごめんなさい……」
アリシアはそう言うと、もう一度唇を重ねてきた。僕は目を閉じて、もちろんそれを受け入れる。でも、
「んっ!」
不意に僕の口の中に何かが入り込んできた。異物が入ってくることへの驚きで、口を思わず離そうとしてしまったけれど、僕の両頬を抑えるアリシアの手がそれを許してはくれない。
「アリシア、舌を……」
僕は口の中に入ってきたのがアリシアの舌だということにようやく気づいた。
アリシアの舌は僕の中で動き回る。でも、その動きはおっかなびっくりといった感じで、懸命に何かを探しているみたいに思えた。
目を開けてアリシアを見ると、とても慌てたような表情をしていた。探しているものが見つからずに困っているような……。
僕はアリシアが何をしようとしているのかを理解して、おずおずとだけど舌を動かし、彼女のそれに触れる。するとアリシアは安堵の表情をして僕の舌に自分の舌を絡めてきた。
「んっ、んんっ……」
「あっ、んん、あむっ……」
初めはくすぐったい感じしかしなかったけれど、だんだん不思議な感覚に変わっていった。そしてそれが、恥ずかしいけど気持ちいいという感覚なのだと気づくまでには、大して時間はかからなかった。
僕とアリシアは口と舌で感じる快感に陶酔する。このままずっとこうしていたいと思ってしまうほどに。
でも、アリシアは不意に舌を動かすのを止めて、唇を離してしまう。
「……はぁっ、はぁっ。ごっ、ごめんなさい。こんなに気持ちいいなんて思わなかったから、私、夢中で……。大丈夫? 気持ち悪くなかった? その、ごめんなさい、私ばっかり気持ちよくなってしまって……」
アリシアは僕にそう言って謝る。
おかしな話だと思う。僕もすごく気持ちよかった。そして、こんなに一生懸命頑張ってくれたアリシアにとても感謝しているのに。
「……アリシア」
僕の言葉に、アリシアが不安げに躰をビクッとさせる。だから僕は微笑んだ。そして……。
「んっ! んんっ!」
僕は素早くアリシアの唇と自分の唇を重ねると、アリシアがしてくれたように舌を絡ませ合う。今度は僕がアリシアを気持ちよくさせたいと思ったから……。
僕とアリシアの荒い息と舌を絡ませ合うことで出る音しか聞こえない。でも、それは僕たちにとってこの上なく幸せで、そして狂おしいほどに渇望する時間だった。
舌を絡ませ合うエッチなキスに僕たちは溺れ続けた。
……長い時間、僕たちはそれを続けてきたけれど、
「んっ、んんんっ!」
アリシアが不意に躰を痙攣させて、そのまま力なく僕に向かって倒れてきた。僕はその下敷きになる。
「……あっ、ああ……。なっ、何? 今のはいったい……」
「大丈夫? アリシア……」
僕は心配して、抱き起こそうとアリシアの背中に服越しに手をやった。するとまた、
「あんっ、んっ……」
アリシアが今まで聞いたこともない声を上げて、躰を震わせる。
「なっ、なんなの、これって……。躰がおかしいわ。こんな、こんなふうになるなんて。ルイにただ触られただけで、こんなに感じてしまうなんて……」
戸惑うアリシア。でも、僕はそんなアリシアを見て、すごく可愛いと思った。
ほんの数ヶ月早く生まれたからという理由で、いつもお姉さん風を吹かすアリシアも大好きだけど、こんなふうに女の子らしい一面を見せてくれるところもすごく魅力的だ。
「可愛いよ、アリシア」
僕がそう言って微笑むと、アリシアは顔を更に赤くする。でも、
「なっ、なによ、ルイ。かっ、可愛いなんて言わないでよ。その、私のほうがお姉さんなんだから。……さっ、さっきはルイに気持ちよくさせられちゃったけれど、ここからはきちんと私がリードをするんだからね!」
アリシアはそんな文句を言って、ぷいっと横を向く。
僕にはその仕草もとても可愛く思えて、アリシアの頬に優しくキスをした。
「ううっ……」
アリシアは文句を言いたいような顔をしていたけれど、「もうっ」と一言だけ言って、懸命にベッドから起き上がろうと腕に力を込める。
「アリシア、その、無理はしないほうが……」
「むっ、無理なんてしてないわよ。でっ、でも、少しの間私には触れないで。まだ、躰がおかしいの。あっ、その、ルイに触られるのが嫌なわけじゃあないのよ。ただ、私ばっかり気持ちよくなるのは寂しいから……」
アリシアの気遣いに、僕は胸が熱くなった。本当に、本当に、僕はこの女の子を好きになってよかったと思う。
「……その、ルイ。身体を起こして、ベッドに腰掛けて……」
「……うん。分かったよ」
アリシアの言葉通りに、僕は起き上がってベッドの端に腰掛ける。
きっとまた何か僕のためにしてくれようとしているのは分かったけれど、僕も初めての経験だから、アリシアが何をしようとしているのかまるで分からない。
ただ、相変わらず僕の心臓は、興奮で忙しなく脈打っている。
「……その、先に言っておくけれど……。私がこんな事をするのはルイだけよ。その、本当に特別なの。だから、これからすごくエッチなことをするけれど、私のこと……嫌いにならないでね……」
「うっ、うん。大丈夫だよ。僕がアリシアを嫌うことなんてないよ」
むしろ僕は、いったいアリシアが何をしようとしているのかに興味津々だった。
「……その、ルイ。足を開いて……」
「……えっ? その、それって……」
僕は戸惑ってしまったけれど、アリシアは僕以上に困っているようで、身体を硬直させたまま動けないでいる。
少しの間、気まずい時間が流れた。
でも、きっとアリシアは僕以上に恥ずかしいはずだと考えて、僕は両膝を離して、足を、そして股を開く。
恥ずかしかった。ズボンを履いているとはいっても、固くなっている僕の嫌らしい部分をアリシアに見せるのは。でも、それを堪えて僕は足を開いたままにする。けれど……。
「あっ、あっ、その、ごめん、ごめんなさい! 順番が違ったわ。その、まず、裸になって、ルイ。その、あの……。ルイの男の子の部分を見せてほしいの……」
「えっ? ええっ? ……あっ、うん。その、わっ、分かったよ……」
覚悟を決めて行動したというのに、アリシアは僕に更に恥ずかしいことを要求してくる。
でも、アリシアはずっと前から肌を僕に見せてくれているんだ。僕が今更戸惑ってアリシアを困らせてはいけない。
僕は立ち上がって、まず上着を全て脱いだ。続けてズボンを脱ぐ。そして、パンツに手を掛けた。でも、その、すごく熱い視線を感じて、僕はそれを脱ぐことを躊躇ってしまう。
「あっ、アリシア。そっ、その、向こうを向いていてくれないかな?」
「だっ、大丈夫よ。私は大丈夫だから、ルイのを見せて……」
僕が恥ずかしいのに、アリシアは、自分は大丈夫だからとパンツを脱ぐように言う。恥ずかしそうにしながらも、チラチラといった感じで僕の恥ずかしい部分を見てくる。
僕は仕方なく全裸になると、素早くベッドに腰をかけて、股間を手で隠す。
「あっ、どうして隠しちゃうの?」
「いやっ、だって……」
僕はあまりの恥ずかしさに顔を俯けて文句を言おうとしたけれど、
「そっ、その、恥ずかしいのは私も同じなんだから。お願いだから見せて。……わっ、私も脱ぐから……」
アリシアはそう言って、下着を脱ぎ始める。
まだあまり大きくないけれど、女の子らしい膨らんだ胸。ピンクの小さな突起がすごく可愛いくてエッチだ。そして、アリシアは最後に残った股間を覆うパンティーにも手をかける。
「…………」
僕は目を奪われた。アリシアの一糸まとわない綺麗な姿に。こんなに綺麗なものは他にないのではと思えるくらいに美しいと思った。でも、僕の視線は自然とアリシアの股間部分に集中してしまう。
そこには僕の股間にあるような奇妙な形のものはなく、なだらかですごく綺麗。でも、そこから太ももにかけて濡れているのが分かった。
「……ええっと、女の子は……」
僕は最近授業で習ったことを思い出す。
たしか、女の子は興奮すると股間が濡れてくると習った。その、男の子のペニスを迎え入れるために……。
「そっ、その、ルイ……。さすがにアソコばかりを見つめられ続けると、……はっ、恥ずかしいんだけれど……」
アリシアはそう言って股間を手で隠してしまう。
「あっ……」
無遠慮に凝視し続けてしまった事への罪悪感を覚えながらも、もっと見たかったのに、という気持ちが勝ってしまう。
だから、僕は手で隠されてもしばらくアリシアの恥ずかしい部分を見つめ続けてしまった。
「もっ、もう、ルイ! だから、恥ずかしいんだってば! わっ、私ばっかり恥ずかしいのはずるいわよ!」
アリシアはそう言うと、すごい勢いで迫ってくる。そして、
「……ルイのも見せて。というか見せなさいよ」
ベッドに腰掛ける僕に、完全に座った目で脅迫してきた。
「あっ、あの、アリシア……。僕も恥ずかしいんだけ……」
「いいから、見せて!」
アリシアの声が剣呑なものに変わった。
息も荒いし、視線は僕が手で懸命に隠している股間部分を凝視し続けている。
「……うっ、うん。分かったよ……」
僕は覚悟を決める。そして手を離して、固くなっているペニスをアリシアにさらけ出した。
あまりの恥ずかしさに、僕は顔を背けて下を向く。でも……。
「…………」
少し待ってもアリシアから何の反応もないので、僕は恐る恐る視線をアリシアに向ける。すると、アリシアは両手で口元を抑えながら、興味深そうに僕の固くなったペニスを凝視し続けていた。
「……すっ、すごい。おっ、男の子って、すごいのね……」
ようやくアリシアは言葉を口にしたけれど、すごいしか言わない。そして、食い入るように僕のペニスを見つめていたんだけれど……。
「そっ、その、ルイ。触ってもいい?」
「えっ! あっ、その、うん……」
僕が許可をすると、アリシアは嬉しそうに微笑み、おっかなびっくりといった感じで、僕の大切な部分に触れてくる。
「……はぁ~。不思議。すごく硬いんだけれど、弾力があって……温かい……」
アリシアは興味深そうに僕のペニスを弄ぶ。ただ、だんだんその触り方が大胆になっていく。
「うっ、あっ、アリシア。あんまり強く握らないで!」
「あっ、えっ、ごっ、ごめんなさい!」
僕の悲鳴じみた言葉に、アリシアは慌ててペニスから手を離す。
「そっ、その、痛かったの? ごめん、ごめんなさい!」
アリシアは泣き出しそうな顔で、何度も謝ってくる。でも、その、別に痛みはないんだけれど……。
「だっ、大丈夫だよ。そっ、その、痛かったわけじゃあないから……」
でも、その感覚を説明するのはあまりにも恥ずかしすぎて、僕はそれ以上言葉に出すことができない。
「そっ、そう。良かったわ」
アリシアはそう言ってホッとした顔をしたんだけれど……。
「……その、ルイ。もう一回触らせて。その、貴方にしてあげたいことがあるの……」
「あっ、アリシア?」
アリシアは、もう一度僕の両膝の間に躰を割り込ませてくる。
「……お願い、ルイ……」
上目遣いに僕を見るアリシアは、この上なく可愛かった。
だから僕はすっかり見惚れてしまって、アリシアが何をしようとしているのかを考えもせずに、「うん」と頷いてしまった。
「……ルイ。その、痛かったら言ってね……」
アリシアはそう言うと、僕のペニスを優しく両手で包んで、それを下に動かす。すると、僕のペニスの先端部分が顕になった。
あまり露出することのないその部分が、空気に触れて少しピリピリする。
「あっ、そっ、その。まっ、丸くて、まるで何かの果物みたいね……」
アリシアは僕のピンク色の先端部分を、そんなふうに表現した。そして、「こっ、これなら……」と言って、もう一度僕を上目遣いに見る。
「ルイ。本当に、私にとって貴方は特別なの。だっ、だから、私、頑張るわね……」
アリシアはそういうと、不意に僕のペニスの先端部分に口付けをしてきた。
「あっ、アリシア! そっ、そんな……」
ピリピリする先端に、アリシアの柔らかな唇の感触が伝わってくる。そして、アリシアは更にその部分を優しく舐めていく。
「あっ、アリシア。だっ、駄目だよ。そんな汚いところを……」
きちんとお風呂で洗ったつもりだけれど、そこはおしっこをする部分だ。アリシアにそんな部分を舐めさせるわけには行かない。そう思った。
でも、あまりにもペニスから感じる刺激が強くて、精液が出てしまうのを懸命に堪えるだけで精一杯で、僕は歯を食いしばって懸命に強烈な快感に抗っていた。
でも、アリシアは更に口を大きく開けて、僕のペニスを口に含んでしまう。
温かな口の中の感触。そして柔らかな舌の感触があまりにも気持ちよすぎて、僕は耐えることができなかった。
「うっ、あああっ……」
意識が飛んでしまいそうになるほどの快感に、僕はつい反射的にアリシアの頭を掴んで精液を彼女の口に出してしまった。
射精のあまりの気持ちよさと脱力感に、僕は体から力が急速に抜けて、ベッドに倒れてしまう。
「はっ、はっ、はぁ……」
僕は懸命に呼吸を整えようとしていたのだけれど、射精したばかりのペニスにまた刺激が加わる。
アリシアがまた僕のを舐めてくる。そしてそれだけではなくて、口全体で僕のペニスに吸い付いてきた。
「だっ、駄目、駄目だよ、アリシア。そっ、そんな事をされたら、また……」
僕は上半身を起こして、止めようとしたんだけれど、そこにさらに強烈な快感がやって来て、僕は体をのけぞらせてまたベッドに倒れ込んでしまう。
「あっ、アリシア、アリシアっ!」
再びペニスに精液がこみ上げて、僕はそれをまったく堪えられずにまたアリシアの口に射精してしまう。
「んっ、んんっ……」
精液が出ているのに、アリシアはまったく口を離そうとしない。いや、そもそもさっきの射精からずっと口を離していない。でも、それって、まさか、僕の出した精液を……。
慌てて起き上がってアリシアを見ると、懸命に僕の出したものを飲み込もうとしている最中だった。
「あっ、アリシア。そっ、そんなモノを飲まないで……」
僕はそう言ったのに、アリシアは喉を鳴らして全てを飲み込んでしまう。
「……んっ、んん。……だっ、大丈夫よ。ちょっと飲みにくかったけれど……ルイのだもの」
アリシアは微笑む。
……その笑顔に僕は言葉を見失う。
けれど、胸の奥底からこみ上げてくる、このどうしようもないほどの、狂おしいまでの気持ちはなんだろう?
僕はアリシアが好きだ。大好きだ。でも、でも、それだけじゃあない。そんな言葉では言い表せない、この感情は何なのかな?
「綺麗にしてあげるね。ルイ」
アリシアはそう言って、僕のペニスに少し付着していた精液も綺麗に舐め取ってくれた。
「ふふっ、綺麗になったわ、ルイ。……すごいのね、精液を出したら柔らかくなるって聞いていたけれど、こんなに硬いままなんだから……」
アリシアは、どこでそんな知識を得たのだろう?
この街には、僕以外に男の人はいないらしいのに。
……でも、もしも僕以外の男がいたとしたら?
どうして、どうしてこんな事を思ってしまうのだろう? アリシアも初めてだと言っていたのに、その言葉を疑ってしまうなんて……。
「あっ、アリシア!」
僕は気がつくと、アリシアの肩を掴み、体を入れ替えて彼女をベッドに押し倒していた。
「るっ、ルイ……」
アリシアは驚いているけれど、僕も自分の行動に驚いていた。こんな事をするなんて思ってもみなかった。
でも、僕はアリシアを欲しいと思ってしまった。……いや、そんな軽い気持ちだけじゃない。僕はアリシアを僕だけのものにしたいと思ってしまっているんだ。
こんなに僕のことを思ってくれて、僕のために頑張ってくれる女の子を独占したいと考えている。
大好きで、もうそんな言葉では表せないくらい大切で大事にしたい女の子なのに、なんとしてでも自分だけのものにしたいという気持ちもまぜこぜになってしまっている。
「ルイ……。私ね、もう覚悟を決めているの。今日、絶対に貴方のものにしてもらうんだって……。だからね……私にちょうだい。ルイだけの女の子になった証を……」
アリシアは静かに足を動かして、股を開く。
「……挿れて……。ルイのを、私の女の子の部分に……」
そこまで言うと、アリシアは両手で顔を塞ぎ、黙ってしまう。
きっとどうしようもないくらい恥ずかしいのに、その言葉を口にしてくれたんだろう。僕が物おじしないように。
「……うん。アリシア。君を僕のものにするよ。僕だけの女の子にするから……」
僕は少し身体を起こす。そしてアリシアの開かれた両足の膝に手をやって固定すると、アリシアの一番恥ずかしいだろう部分を見る。
アリシアの股間はすごく柔らかそうで、真ん中に割れ目があった。そこから淡い桃色の部分が露出している。
そこはすごく濡れていて、アリシアの呼吸に合わせて少し動いて……。
「……綺麗だ、アリシア……」
初めて見る女の子の大切な部分。でも、僕は驚くよりも先に綺麗だと思った。
これから、僕はこの綺麗な部分に……。
「……あっ、んんっ……」
アリシアの柔らかな股間に触れて、両手の親指でそれを開く。
「……すごく濡れているよ、アリシア……」
「うっ、うう。そっ、そんな事言わないで……」
アリシアが顔を両手で覆ったまま可愛い非難の声を上げる。
その姿も可愛くて、そしてアリシアの女の子の部分が綺麗で嫌らしくて、僕のペニスはガチガチに固くなっている。
「……ここかな?」
僕は両手でアリシアの女性器を、プッシーを開いたまま、ペニスの先端でその部分に触れる。愛液で濡れたその部分の感触だけで気持ちいい。
「……ルイ、その、もっと下……。んっ、あんっ。そっ、そう。そこ。そこが、ルイのペニスを挿れてもらうための部分……」
プッシーを僕のペニスでなぞっていき、僕はアリシアの指示する部分でそれを止めて、狙いを定める。
「アリシア……。いっ、挿れるよ……」
「……うん。その、きっと痛がっちゃうと思うけれど……、構わずに、ルイが気持ちよくなることだけを考えてね」
僕はアリシアの言葉に少し躊躇する。でも、
「私は、ルイの初めてをいい思い出にしてもらいたいの。だから、私に気を使わないで……」
そう言ってくれたアリシアの言葉が、僕に覚悟を決めさせてくれた。
「……アリシア」
「うん。私を、貰って……」
僕は頷いて、躊躇なくペニスを目標の場所に差し挿れた。
「―――くっ、ううっ……!」
アリシアが懸命に悲鳴を堪えたような苦悶の声を上げる。そして手で覆われていたけど、アリシアが涙を流していることが分かり、僕はペニスを差し入れたまま硬直する。
「……どっ、どうしたの、ルイ? そっ、その、うっ、動いたほうが男の子は気持ちがいいって、私は知っているんだから。えっ、遠慮はしないで……」
無理に笑おうとするアリシアがあまりにも健気で、僕は口を開く。
「大丈夫。大丈夫だよ。アリシアと繋がっているだけで、僕はすごく気持ちがいいんだ……。すごく温かくて、柔らかくて……」
「ルイ……大丈夫だから、私に気を使わないで……」
アリシアの言葉に、僕は首を横に振るう。
「ねぇ、アリシア。僕はこのまま君の中に出したい。あんまりにもアリシアの中が気持ちよくて、我慢ができないんだ。……駄目かな?」
僕はできるだけ優しい声でアリシアに尋ねる。
「……もう。私に嘘が通じないのは分かっているはずじゃない……。……でも、ありがとう、ルイ。大好きよ……。お願い、私の中に出して……」
そう言うアリシアは、ものすごく愛らしかった。
「うん……」
僕はそう言って、我慢するのを止めてアリシアの中に精液を注ぎ込む。
「……あっ……。出ているのよね、ルイ? 私の中に出してくれているのよね?」
「……うっ、うん。でっ、出ているよ……」
精液を出した事による快感に、僕は少し声が上ずってしまう。女の子の大切な部分に、プッシーに精液を出すのがこんなに気持ちいいなんて知らなかった。
「……ごめん、ごめんね、ルイ。もっと、もっと他にもしてあげたいことがあったのに、私……」
何度も謝るアリシアに、僕は微笑んで、
「ありがとう。アリシア。僕の初めてが君で嬉しかった」
そう心から感謝する。
「……ルイ……。ありがとう、私も貴方が初めての相手でこの上なく嬉しいわ」
僕たちは抱きしめ合って、何度も何度も口づけをした。
僕たちの始めては、決して失敗なんかじゃない。僕とアリシアはしっかりと結ばれたんだ。心も躰も……。
「……ねぇ、アリシア」
「なぁに、ルイ」
腕の中で幸せそうに微笑むアリシアに、僕は愛おしさがこみ上げてくる。
僕たちは疲れて、二人で一緒に同じベッドで抱き合いながら少し休むことにしたんだけれど、お互い興奮でまだ眠れそうにない。
「今日は何処に行っていたの? 朝も帰りも一人で……」
僕はずっと疑問に思っていたことを尋ねる。
「……えっと、その……」
アリシアは少しの間目を泳がせていたけれど、観念して答えてくれた。
「……ルイとこうなるための準備をしていたのよ。さっき見せた下着を頼んでおいた裁縫屋に取りに行ったり、先輩に男の子に喜んでもらえる方法を教えてもらいに行ったり……」
「……そうだったんだ。僕のために頑張ってくれていたんだね」
胸がジーンと熱くなる。
「……うん。頑張ったつもりよ。その、あまり上手くはできなかったけれど……」
そう言って悲しげな顔をするアリシアの頭を、僕は優しく撫でる。
「……ルイ。その、私、痛みが引いたらまた頑張るわ。だから、その、こういった事は私以外の女の子とはしないで……」
「うん。分かったよ」
僕があっさりそう答えると、しかし、何故かアリシアは不服そうにジト目を僕に向ける。
「もう、ルイってば、全然分かってない!」
突然怒り出したアリシアに、僕は困惑する。
「もっと、こういうときは、しっかりと私の目をしっかりと見つめて……みっ、見つめ……」
僕はアリシアが言うように、彼女の瞳をしっかりと見つめる。
「それで、どうすればいいの、アリシア?」
「うっ、ううっ……。そっ、その、優しく私の顎に手を当てて、きっ、キスをしてく……」
アリシアの言葉が言い終わる前に、僕はアリシアの顎を優しく持ち上げてキスをする。
「……分かったよ。僕がこんな事をするのはアリシアだけだから……」
キスの後に、僕はそう言って微笑む。
アリシアは顔を真っ赤にして、小さく頷いた。
「……ごめんね、ルイ。でも、心配なの。クラスのみんなばかりか、学校中の女の子が、ルイの事を狙っているから……」
思いもかけない言葉に、僕はぎょっとする。
「えっ? どういうことなの?」
「もう! そういう無防備なところが私は心配なの!」
アリシアは口を尖らせる。
「どうして、あの視線を感じないのよ。元からそういった視線はたくさんあったけれど、先月から性教育の授業が始まったでしょう? あれ以来、いままでそういったことに関心がなかった娘たちも、ルイを嫌らしい目で見るようになって来て……。
わっ、私は不安で仕方がなかったんだからね……」
アリシアの瞳に涙が浮かんだ。
「そっ、そうだったんだ。みんな以前とあまり対応が変わったように見えなかったんだけれど……」
でも、そう言われてみれば、プリントなんかを渡す際に、必要以上に手を握られたことがあった気がする。
「貴方はこの街でたった一人の男の子なのよ。女の子達は、みんなルイとこういうエッチなことがしたくて堪らないのよ。その気持ちを悟られないように隠しているだけなの」
アリシアは迷いなく断定する。
「だから、私は……、私は……」
そうか、アリシアは心配で仕方なくて、シーナさんが居ない今日、僕と結ばれようとしたんだ。
「うん。ごめんね。アリシアの不安な気持ちを分かってあげられなくて。でも、それが分かっても、僕の答えは変わらないよ。こういった事は、アリシア以外の女の子とは絶対にしない」
僕がそう言うと、アリシアは黙って僕にキスをしてきた。僕は喜んでそれを受け入れる。
「……信じているからね、ルイ……」
「うん。僕を信じて、アリシア……」
僕たちはそう誓いあった。
その後、しばらくの間は平穏だった。
……僕とアリシアが関係を持ったことは、すぐにシーナさんにバレてしまったけれど。
でも、シーナさんは僕たちのことを祝福してくれた。
それから、僕は今まで以上に勉強も、運動も、学校行事も、家でのお手伝いも頑張った。アリシアも同じように頑張って、僕たちは似合いのカップルだと言われるようになった。
ただ、平穏だったのはそこまでだったんだ。
僕とアリシアがあまりにも仲が良かったせいで、いつの頃かアリシアに対して良くない感情を持つ人達が現れ始めてしまった。
アリシアの友達や仲のいい先輩は、懸命にアリシアを庇ってくれたけれど、僕というただ一人の男の子を独占することへの嫉妬は、僕が考える以上に膨れ上がってしまっていた。
このままでは、アリシアが危ないと思い、僕はシーナさんや友達に何度も相談を持ちかけた。
そして、僕はアリシア以外の女の子とも関係を持つしかないと理解した。
独占をしているという事実を和らげるには、それしか方法がなかったんだ。
僕は何度もアリシアと話し合った。そして、僕が関係を持つのは、アリシアと特に仲が良くて、僕のことを大切に思ってくれそうな女の子達だけにすることとなった。
その女の子というのが、同級生のレイア、リミファ、ティア。そして、先輩のサリアだった。
「ルイ。きちんとレイア達のことも大切にしてあげてね」
「うん。大切にするよ……」
初めて他の女の子とも関係を結ぶことになったあの日、辛いはずなのに、アリシアは優しいから、友達のことを慮ってそう言っていた。だから、僕もその気持ちに応えることにした。
「でも、僕の一番は、ずっとアリシアだよ。それだけは譲れない」
僕はそう宣言して、レイア達にもその事はしっかりわかってもらえるように努力した。
それが、功を奏したのだろう。アリシアに対して悪感情を顕にする人は大幅に減った。
そして、再び僕たちの楽しい生活が戻ってきたんだ。
けれど、たった一つだけ、僕たちが失敗したことがあるとすれば。それは、アリシアを含めて五人以上の女の子と関係を持ってしまったことだった。
そう、四人までならば、あの『手紙』が届くことはなかったはずなのに……。
いつもは隣り合わせに座るんだけど、今日はアリシアがシーナさんの席に座って向かい合って少し早めの夕食を食べた。僕が覚えているのはそのくらいだ。
そして、お風呂でしっかりと身体を洗った僕は、こうして今、自分のベッドに腰を下ろしてアリシアが来るのを待っている。
待っている時間はとても長く感じたけれど、他のことをする気持ちには全くなれず、ただ黙って僕はその時を待った。
「ルイ……。入ってもいい?」
ノックと一緒に部屋の外から聞こえてきたアリシアの声に、僕のドキドキしっぱなしの心臓は一層激しく音を立てる。
「うっ、うん」
僕がそう答えると、ドアが開いて恐る恐るといった感じでアリシアは部屋に入ってきたんだけれど……。
「…………」
僕は言葉を発することができなかった。ただあまりにも目の前の女の子が可愛くて、綺麗で、そしてエッチで……。
アリシアは肌が透ける薄い絹のドレスのようなものと、股間を覆う白いパンティーしか身に着けていなかった。彼女の胸はその先端はドレスの刺繍で隠されていたけれど、その形も大きさも、そして僅かに露出した桃色の乳輪まで顕になっている。
燃えるように赤くて美しい髪の色と白い肌。そして色っぽいドレスとパンティーに、僕の理性はどうにかなってしまいそうだ。
僕は何も言えずに、溢れてくる唾液を飲み込んだ。
「どうかしら? その、変じゃあない?」
アリシアが心配そうに尋ねてくる。
僕は慌てて「その、すごく綺麗だよ」と言うのが精一杯だった。
本当はもっともっとアリシアの綺麗なところを褒めたかったんだけれど、僕はそのあまりにも魅力的なアリシアの姿を、どう言葉で表現すればいいのか分からなかった。
「……嬉しい。良かった。ルイに褒めてもらえて……」
アリシアはそう言うと、恥ずかしそうにしながら、僕の前に足を進めてくる。僕もそれに合わせて立ち上がる。でも、その時に僕のその、おしっこをする場所が固くなってしまって、少し変な感じがした。
「……あっ、その……。ルイ、それって……」
僕のその部分は、服の上からでも分かるくらい固くなっている。それをアリシアに見つかってしまった。
「……あっ、その……これは……。ごめん、アリシア……」
僕の卑猥な欲望を見られてしまった。
大好きで、誰よりも大切にしたいと思っていたはずなのに、僕はアリシアを嫌らしい目で見てしまっている。あの綺麗な躰に見惚れるだけでなく、触りたいと思ってしまう。そして、そして、もっと卑猥なことをしたいと考えている。
この間、授業で習ったときから、その行為に興味を惹かれていた。
……いいや、違う。僕はもっと前からアリシアにこんな気持ちを持ってしまっていたんだ。僕を救ってくれた、僕に幸せをくれた、僕が生まれてきてよかったと思えるようにしてくれた。そんな、そんな大切な女の子に僕は、ずっと……。
「最低だ……」
僕は顔を俯ける。
きっとアリシアは僕を嫌いになる。当たり前だ。こんな嫌らしい僕なんかは、アリシアには相応しくない。
「―――い」
アリシアの口から思いもしなかった言葉が漏れた。
「えっ? あっ、アリシア……。今、なんて……」
僕はそれが信じられなくて、顔を上げてアリシアを見る。
「……嬉しい。嬉しいわ、ルイ。良かった。私、私は……」
アリシアは微笑んでいた。ポロポロと涙をこぼしながら。
「あっ、アリシア……」
「……ルイ!」
アリシアは勢いよく抱きついてきた。その勢いで僕はアリシアに押し倒されて、ベッドに倒れ込む。
「よかった、本当に。ずっと不安だったの。私なんかじゃあ、どんな格好をしてもルイに喜んでもらえないんじゃないかって。女の子として見てもらえないんじゃあないかって、ずっとずっと、心配で……」
アリシアの瞳から零れ落ちる涙が、僕の顔にかかる。
「そんな、そんなわけないよ。僕はずっとアリシアが大好きで、誰よりも大切で。でも、僕は君を、その、エッチな目で見てしまって……」
僕は真っ直ぐなアリシアの瞳に耐えられなくて、俯くしかなかった。
「お願い、目をそらさないで、ルイ。私を、どうか私を見て……」
アリシアは僕の右手を優しく掴むと、それを自分の胸に当てた。
柔らかかった。温かかった。そして、感じた。すごい速さで脈打つアリシアの心臓の音を。
「……どうしようもないくらいに、私の心臓はドキドキしているの。これはね、私がすごく緊張しているから。そして、その、興奮しているからなのよ」
アリシアは顔を真っ赤にして、僕に微笑む。
「その、ルイが……おっ、男の子の部分を固くしてくれて、わっ、私も、その……。すごくエッチな気持ちに……」
とても恥ずかしい事をアリシアは口にする。それは、僕のことを気遣ってくれているからだ。僕が罪悪感を抱かないようにと、恥ずかしい気持ちを堪えて……。
僕はアリシアの優しさに感謝しながら、アリシアの頭を空いている手で優しく撫でる。そして、そのままそれを優しく引き寄せてキスをする。
アリシアが、こんなエッチな僕のことを受け入れようとしてくれているのが同仕様もなく嬉しかった。
いつもよりも長くキスを交わした僕たちは、お互いを見つめ合う。
僕もアリシアも興奮で息が荒くなってしまっていた。
「ねぇ、ルイ。私以外の女の子と、キスをしたことってあるの?」
不意にアリシアが思いもかけないことを尋ねてくる。
「そんなことしたことないよ。アリシアとだけだよ……」
僕が答えると、アリシアはホッとした顔になる。
「……よかった。それじゃあ、こういうエッチなことをしたこともないのよね? 私がルイと初めてこういうエッチな事をする女の子になるのよね?」
アリシアの問に、僕は「うん」と頷いた。
「嬉しいわ。……私はね、ルイ。貴方の特別になりたい。特別な女の子にしてもらいたいの。だから、私の初めてを貰って。そして、ルイの初めてを私に頂戴」
「アリシア……」
「実践するのは初めてだから、気持ちよくなかったらごめんなさい……」
アリシアはそう言うと、もう一度唇を重ねてきた。僕は目を閉じて、もちろんそれを受け入れる。でも、
「んっ!」
不意に僕の口の中に何かが入り込んできた。異物が入ってくることへの驚きで、口を思わず離そうとしてしまったけれど、僕の両頬を抑えるアリシアの手がそれを許してはくれない。
「アリシア、舌を……」
僕は口の中に入ってきたのがアリシアの舌だということにようやく気づいた。
アリシアの舌は僕の中で動き回る。でも、その動きはおっかなびっくりといった感じで、懸命に何かを探しているみたいに思えた。
目を開けてアリシアを見ると、とても慌てたような表情をしていた。探しているものが見つからずに困っているような……。
僕はアリシアが何をしようとしているのかを理解して、おずおずとだけど舌を動かし、彼女のそれに触れる。するとアリシアは安堵の表情をして僕の舌に自分の舌を絡めてきた。
「んっ、んんっ……」
「あっ、んん、あむっ……」
初めはくすぐったい感じしかしなかったけれど、だんだん不思議な感覚に変わっていった。そしてそれが、恥ずかしいけど気持ちいいという感覚なのだと気づくまでには、大して時間はかからなかった。
僕とアリシアは口と舌で感じる快感に陶酔する。このままずっとこうしていたいと思ってしまうほどに。
でも、アリシアは不意に舌を動かすのを止めて、唇を離してしまう。
「……はぁっ、はぁっ。ごっ、ごめんなさい。こんなに気持ちいいなんて思わなかったから、私、夢中で……。大丈夫? 気持ち悪くなかった? その、ごめんなさい、私ばっかり気持ちよくなってしまって……」
アリシアは僕にそう言って謝る。
おかしな話だと思う。僕もすごく気持ちよかった。そして、こんなに一生懸命頑張ってくれたアリシアにとても感謝しているのに。
「……アリシア」
僕の言葉に、アリシアが不安げに躰をビクッとさせる。だから僕は微笑んだ。そして……。
「んっ! んんっ!」
僕は素早くアリシアの唇と自分の唇を重ねると、アリシアがしてくれたように舌を絡ませ合う。今度は僕がアリシアを気持ちよくさせたいと思ったから……。
僕とアリシアの荒い息と舌を絡ませ合うことで出る音しか聞こえない。でも、それは僕たちにとってこの上なく幸せで、そして狂おしいほどに渇望する時間だった。
舌を絡ませ合うエッチなキスに僕たちは溺れ続けた。
……長い時間、僕たちはそれを続けてきたけれど、
「んっ、んんんっ!」
アリシアが不意に躰を痙攣させて、そのまま力なく僕に向かって倒れてきた。僕はその下敷きになる。
「……あっ、ああ……。なっ、何? 今のはいったい……」
「大丈夫? アリシア……」
僕は心配して、抱き起こそうとアリシアの背中に服越しに手をやった。するとまた、
「あんっ、んっ……」
アリシアが今まで聞いたこともない声を上げて、躰を震わせる。
「なっ、なんなの、これって……。躰がおかしいわ。こんな、こんなふうになるなんて。ルイにただ触られただけで、こんなに感じてしまうなんて……」
戸惑うアリシア。でも、僕はそんなアリシアを見て、すごく可愛いと思った。
ほんの数ヶ月早く生まれたからという理由で、いつもお姉さん風を吹かすアリシアも大好きだけど、こんなふうに女の子らしい一面を見せてくれるところもすごく魅力的だ。
「可愛いよ、アリシア」
僕がそう言って微笑むと、アリシアは顔を更に赤くする。でも、
「なっ、なによ、ルイ。かっ、可愛いなんて言わないでよ。その、私のほうがお姉さんなんだから。……さっ、さっきはルイに気持ちよくさせられちゃったけれど、ここからはきちんと私がリードをするんだからね!」
アリシアはそんな文句を言って、ぷいっと横を向く。
僕にはその仕草もとても可愛く思えて、アリシアの頬に優しくキスをした。
「ううっ……」
アリシアは文句を言いたいような顔をしていたけれど、「もうっ」と一言だけ言って、懸命にベッドから起き上がろうと腕に力を込める。
「アリシア、その、無理はしないほうが……」
「むっ、無理なんてしてないわよ。でっ、でも、少しの間私には触れないで。まだ、躰がおかしいの。あっ、その、ルイに触られるのが嫌なわけじゃあないのよ。ただ、私ばっかり気持ちよくなるのは寂しいから……」
アリシアの気遣いに、僕は胸が熱くなった。本当に、本当に、僕はこの女の子を好きになってよかったと思う。
「……その、ルイ。身体を起こして、ベッドに腰掛けて……」
「……うん。分かったよ」
アリシアの言葉通りに、僕は起き上がってベッドの端に腰掛ける。
きっとまた何か僕のためにしてくれようとしているのは分かったけれど、僕も初めての経験だから、アリシアが何をしようとしているのかまるで分からない。
ただ、相変わらず僕の心臓は、興奮で忙しなく脈打っている。
「……その、先に言っておくけれど……。私がこんな事をするのはルイだけよ。その、本当に特別なの。だから、これからすごくエッチなことをするけれど、私のこと……嫌いにならないでね……」
「うっ、うん。大丈夫だよ。僕がアリシアを嫌うことなんてないよ」
むしろ僕は、いったいアリシアが何をしようとしているのかに興味津々だった。
「……その、ルイ。足を開いて……」
「……えっ? その、それって……」
僕は戸惑ってしまったけれど、アリシアは僕以上に困っているようで、身体を硬直させたまま動けないでいる。
少しの間、気まずい時間が流れた。
でも、きっとアリシアは僕以上に恥ずかしいはずだと考えて、僕は両膝を離して、足を、そして股を開く。
恥ずかしかった。ズボンを履いているとはいっても、固くなっている僕の嫌らしい部分をアリシアに見せるのは。でも、それを堪えて僕は足を開いたままにする。けれど……。
「あっ、あっ、その、ごめん、ごめんなさい! 順番が違ったわ。その、まず、裸になって、ルイ。その、あの……。ルイの男の子の部分を見せてほしいの……」
「えっ? ええっ? ……あっ、うん。その、わっ、分かったよ……」
覚悟を決めて行動したというのに、アリシアは僕に更に恥ずかしいことを要求してくる。
でも、アリシアはずっと前から肌を僕に見せてくれているんだ。僕が今更戸惑ってアリシアを困らせてはいけない。
僕は立ち上がって、まず上着を全て脱いだ。続けてズボンを脱ぐ。そして、パンツに手を掛けた。でも、その、すごく熱い視線を感じて、僕はそれを脱ぐことを躊躇ってしまう。
「あっ、アリシア。そっ、その、向こうを向いていてくれないかな?」
「だっ、大丈夫よ。私は大丈夫だから、ルイのを見せて……」
僕が恥ずかしいのに、アリシアは、自分は大丈夫だからとパンツを脱ぐように言う。恥ずかしそうにしながらも、チラチラといった感じで僕の恥ずかしい部分を見てくる。
僕は仕方なく全裸になると、素早くベッドに腰をかけて、股間を手で隠す。
「あっ、どうして隠しちゃうの?」
「いやっ、だって……」
僕はあまりの恥ずかしさに顔を俯けて文句を言おうとしたけれど、
「そっ、その、恥ずかしいのは私も同じなんだから。お願いだから見せて。……わっ、私も脱ぐから……」
アリシアはそう言って、下着を脱ぎ始める。
まだあまり大きくないけれど、女の子らしい膨らんだ胸。ピンクの小さな突起がすごく可愛いくてエッチだ。そして、アリシアは最後に残った股間を覆うパンティーにも手をかける。
「…………」
僕は目を奪われた。アリシアの一糸まとわない綺麗な姿に。こんなに綺麗なものは他にないのではと思えるくらいに美しいと思った。でも、僕の視線は自然とアリシアの股間部分に集中してしまう。
そこには僕の股間にあるような奇妙な形のものはなく、なだらかですごく綺麗。でも、そこから太ももにかけて濡れているのが分かった。
「……ええっと、女の子は……」
僕は最近授業で習ったことを思い出す。
たしか、女の子は興奮すると股間が濡れてくると習った。その、男の子のペニスを迎え入れるために……。
「そっ、その、ルイ……。さすがにアソコばかりを見つめられ続けると、……はっ、恥ずかしいんだけれど……」
アリシアはそう言って股間を手で隠してしまう。
「あっ……」
無遠慮に凝視し続けてしまった事への罪悪感を覚えながらも、もっと見たかったのに、という気持ちが勝ってしまう。
だから、僕は手で隠されてもしばらくアリシアの恥ずかしい部分を見つめ続けてしまった。
「もっ、もう、ルイ! だから、恥ずかしいんだってば! わっ、私ばっかり恥ずかしいのはずるいわよ!」
アリシアはそう言うと、すごい勢いで迫ってくる。そして、
「……ルイのも見せて。というか見せなさいよ」
ベッドに腰掛ける僕に、完全に座った目で脅迫してきた。
「あっ、あの、アリシア……。僕も恥ずかしいんだけ……」
「いいから、見せて!」
アリシアの声が剣呑なものに変わった。
息も荒いし、視線は僕が手で懸命に隠している股間部分を凝視し続けている。
「……うっ、うん。分かったよ……」
僕は覚悟を決める。そして手を離して、固くなっているペニスをアリシアにさらけ出した。
あまりの恥ずかしさに、僕は顔を背けて下を向く。でも……。
「…………」
少し待ってもアリシアから何の反応もないので、僕は恐る恐る視線をアリシアに向ける。すると、アリシアは両手で口元を抑えながら、興味深そうに僕の固くなったペニスを凝視し続けていた。
「……すっ、すごい。おっ、男の子って、すごいのね……」
ようやくアリシアは言葉を口にしたけれど、すごいしか言わない。そして、食い入るように僕のペニスを見つめていたんだけれど……。
「そっ、その、ルイ。触ってもいい?」
「えっ! あっ、その、うん……」
僕が許可をすると、アリシアは嬉しそうに微笑み、おっかなびっくりといった感じで、僕の大切な部分に触れてくる。
「……はぁ~。不思議。すごく硬いんだけれど、弾力があって……温かい……」
アリシアは興味深そうに僕のペニスを弄ぶ。ただ、だんだんその触り方が大胆になっていく。
「うっ、あっ、アリシア。あんまり強く握らないで!」
「あっ、えっ、ごっ、ごめんなさい!」
僕の悲鳴じみた言葉に、アリシアは慌ててペニスから手を離す。
「そっ、その、痛かったの? ごめん、ごめんなさい!」
アリシアは泣き出しそうな顔で、何度も謝ってくる。でも、その、別に痛みはないんだけれど……。
「だっ、大丈夫だよ。そっ、その、痛かったわけじゃあないから……」
でも、その感覚を説明するのはあまりにも恥ずかしすぎて、僕はそれ以上言葉に出すことができない。
「そっ、そう。良かったわ」
アリシアはそう言ってホッとした顔をしたんだけれど……。
「……その、ルイ。もう一回触らせて。その、貴方にしてあげたいことがあるの……」
「あっ、アリシア?」
アリシアは、もう一度僕の両膝の間に躰を割り込ませてくる。
「……お願い、ルイ……」
上目遣いに僕を見るアリシアは、この上なく可愛かった。
だから僕はすっかり見惚れてしまって、アリシアが何をしようとしているのかを考えもせずに、「うん」と頷いてしまった。
「……ルイ。その、痛かったら言ってね……」
アリシアはそう言うと、僕のペニスを優しく両手で包んで、それを下に動かす。すると、僕のペニスの先端部分が顕になった。
あまり露出することのないその部分が、空気に触れて少しピリピリする。
「あっ、そっ、その。まっ、丸くて、まるで何かの果物みたいね……」
アリシアは僕のピンク色の先端部分を、そんなふうに表現した。そして、「こっ、これなら……」と言って、もう一度僕を上目遣いに見る。
「ルイ。本当に、私にとって貴方は特別なの。だっ、だから、私、頑張るわね……」
アリシアはそういうと、不意に僕のペニスの先端部分に口付けをしてきた。
「あっ、アリシア! そっ、そんな……」
ピリピリする先端に、アリシアの柔らかな唇の感触が伝わってくる。そして、アリシアは更にその部分を優しく舐めていく。
「あっ、アリシア。だっ、駄目だよ。そんな汚いところを……」
きちんとお風呂で洗ったつもりだけれど、そこはおしっこをする部分だ。アリシアにそんな部分を舐めさせるわけには行かない。そう思った。
でも、あまりにもペニスから感じる刺激が強くて、精液が出てしまうのを懸命に堪えるだけで精一杯で、僕は歯を食いしばって懸命に強烈な快感に抗っていた。
でも、アリシアは更に口を大きく開けて、僕のペニスを口に含んでしまう。
温かな口の中の感触。そして柔らかな舌の感触があまりにも気持ちよすぎて、僕は耐えることができなかった。
「うっ、あああっ……」
意識が飛んでしまいそうになるほどの快感に、僕はつい反射的にアリシアの頭を掴んで精液を彼女の口に出してしまった。
射精のあまりの気持ちよさと脱力感に、僕は体から力が急速に抜けて、ベッドに倒れてしまう。
「はっ、はっ、はぁ……」
僕は懸命に呼吸を整えようとしていたのだけれど、射精したばかりのペニスにまた刺激が加わる。
アリシアがまた僕のを舐めてくる。そしてそれだけではなくて、口全体で僕のペニスに吸い付いてきた。
「だっ、駄目、駄目だよ、アリシア。そっ、そんな事をされたら、また……」
僕は上半身を起こして、止めようとしたんだけれど、そこにさらに強烈な快感がやって来て、僕は体をのけぞらせてまたベッドに倒れ込んでしまう。
「あっ、アリシア、アリシアっ!」
再びペニスに精液がこみ上げて、僕はそれをまったく堪えられずにまたアリシアの口に射精してしまう。
「んっ、んんっ……」
精液が出ているのに、アリシアはまったく口を離そうとしない。いや、そもそもさっきの射精からずっと口を離していない。でも、それって、まさか、僕の出した精液を……。
慌てて起き上がってアリシアを見ると、懸命に僕の出したものを飲み込もうとしている最中だった。
「あっ、アリシア。そっ、そんなモノを飲まないで……」
僕はそう言ったのに、アリシアは喉を鳴らして全てを飲み込んでしまう。
「……んっ、んん。……だっ、大丈夫よ。ちょっと飲みにくかったけれど……ルイのだもの」
アリシアは微笑む。
……その笑顔に僕は言葉を見失う。
けれど、胸の奥底からこみ上げてくる、このどうしようもないほどの、狂おしいまでの気持ちはなんだろう?
僕はアリシアが好きだ。大好きだ。でも、でも、それだけじゃあない。そんな言葉では言い表せない、この感情は何なのかな?
「綺麗にしてあげるね。ルイ」
アリシアはそう言って、僕のペニスに少し付着していた精液も綺麗に舐め取ってくれた。
「ふふっ、綺麗になったわ、ルイ。……すごいのね、精液を出したら柔らかくなるって聞いていたけれど、こんなに硬いままなんだから……」
アリシアは、どこでそんな知識を得たのだろう?
この街には、僕以外に男の人はいないらしいのに。
……でも、もしも僕以外の男がいたとしたら?
どうして、どうしてこんな事を思ってしまうのだろう? アリシアも初めてだと言っていたのに、その言葉を疑ってしまうなんて……。
「あっ、アリシア!」
僕は気がつくと、アリシアの肩を掴み、体を入れ替えて彼女をベッドに押し倒していた。
「るっ、ルイ……」
アリシアは驚いているけれど、僕も自分の行動に驚いていた。こんな事をするなんて思ってもみなかった。
でも、僕はアリシアを欲しいと思ってしまった。……いや、そんな軽い気持ちだけじゃない。僕はアリシアを僕だけのものにしたいと思ってしまっているんだ。
こんなに僕のことを思ってくれて、僕のために頑張ってくれる女の子を独占したいと考えている。
大好きで、もうそんな言葉では表せないくらい大切で大事にしたい女の子なのに、なんとしてでも自分だけのものにしたいという気持ちもまぜこぜになってしまっている。
「ルイ……。私ね、もう覚悟を決めているの。今日、絶対に貴方のものにしてもらうんだって……。だからね……私にちょうだい。ルイだけの女の子になった証を……」
アリシアは静かに足を動かして、股を開く。
「……挿れて……。ルイのを、私の女の子の部分に……」
そこまで言うと、アリシアは両手で顔を塞ぎ、黙ってしまう。
きっとどうしようもないくらい恥ずかしいのに、その言葉を口にしてくれたんだろう。僕が物おじしないように。
「……うん。アリシア。君を僕のものにするよ。僕だけの女の子にするから……」
僕は少し身体を起こす。そしてアリシアの開かれた両足の膝に手をやって固定すると、アリシアの一番恥ずかしいだろう部分を見る。
アリシアの股間はすごく柔らかそうで、真ん中に割れ目があった。そこから淡い桃色の部分が露出している。
そこはすごく濡れていて、アリシアの呼吸に合わせて少し動いて……。
「……綺麗だ、アリシア……」
初めて見る女の子の大切な部分。でも、僕は驚くよりも先に綺麗だと思った。
これから、僕はこの綺麗な部分に……。
「……あっ、んんっ……」
アリシアの柔らかな股間に触れて、両手の親指でそれを開く。
「……すごく濡れているよ、アリシア……」
「うっ、うう。そっ、そんな事言わないで……」
アリシアが顔を両手で覆ったまま可愛い非難の声を上げる。
その姿も可愛くて、そしてアリシアの女の子の部分が綺麗で嫌らしくて、僕のペニスはガチガチに固くなっている。
「……ここかな?」
僕は両手でアリシアの女性器を、プッシーを開いたまま、ペニスの先端でその部分に触れる。愛液で濡れたその部分の感触だけで気持ちいい。
「……ルイ、その、もっと下……。んっ、あんっ。そっ、そう。そこ。そこが、ルイのペニスを挿れてもらうための部分……」
プッシーを僕のペニスでなぞっていき、僕はアリシアの指示する部分でそれを止めて、狙いを定める。
「アリシア……。いっ、挿れるよ……」
「……うん。その、きっと痛がっちゃうと思うけれど……、構わずに、ルイが気持ちよくなることだけを考えてね」
僕はアリシアの言葉に少し躊躇する。でも、
「私は、ルイの初めてをいい思い出にしてもらいたいの。だから、私に気を使わないで……」
そう言ってくれたアリシアの言葉が、僕に覚悟を決めさせてくれた。
「……アリシア」
「うん。私を、貰って……」
僕は頷いて、躊躇なくペニスを目標の場所に差し挿れた。
「―――くっ、ううっ……!」
アリシアが懸命に悲鳴を堪えたような苦悶の声を上げる。そして手で覆われていたけど、アリシアが涙を流していることが分かり、僕はペニスを差し入れたまま硬直する。
「……どっ、どうしたの、ルイ? そっ、その、うっ、動いたほうが男の子は気持ちがいいって、私は知っているんだから。えっ、遠慮はしないで……」
無理に笑おうとするアリシアがあまりにも健気で、僕は口を開く。
「大丈夫。大丈夫だよ。アリシアと繋がっているだけで、僕はすごく気持ちがいいんだ……。すごく温かくて、柔らかくて……」
「ルイ……大丈夫だから、私に気を使わないで……」
アリシアの言葉に、僕は首を横に振るう。
「ねぇ、アリシア。僕はこのまま君の中に出したい。あんまりにもアリシアの中が気持ちよくて、我慢ができないんだ。……駄目かな?」
僕はできるだけ優しい声でアリシアに尋ねる。
「……もう。私に嘘が通じないのは分かっているはずじゃない……。……でも、ありがとう、ルイ。大好きよ……。お願い、私の中に出して……」
そう言うアリシアは、ものすごく愛らしかった。
「うん……」
僕はそう言って、我慢するのを止めてアリシアの中に精液を注ぎ込む。
「……あっ……。出ているのよね、ルイ? 私の中に出してくれているのよね?」
「……うっ、うん。でっ、出ているよ……」
精液を出した事による快感に、僕は少し声が上ずってしまう。女の子の大切な部分に、プッシーに精液を出すのがこんなに気持ちいいなんて知らなかった。
「……ごめん、ごめんね、ルイ。もっと、もっと他にもしてあげたいことがあったのに、私……」
何度も謝るアリシアに、僕は微笑んで、
「ありがとう。アリシア。僕の初めてが君で嬉しかった」
そう心から感謝する。
「……ルイ……。ありがとう、私も貴方が初めての相手でこの上なく嬉しいわ」
僕たちは抱きしめ合って、何度も何度も口づけをした。
僕たちの始めては、決して失敗なんかじゃない。僕とアリシアはしっかりと結ばれたんだ。心も躰も……。
「……ねぇ、アリシア」
「なぁに、ルイ」
腕の中で幸せそうに微笑むアリシアに、僕は愛おしさがこみ上げてくる。
僕たちは疲れて、二人で一緒に同じベッドで抱き合いながら少し休むことにしたんだけれど、お互い興奮でまだ眠れそうにない。
「今日は何処に行っていたの? 朝も帰りも一人で……」
僕はずっと疑問に思っていたことを尋ねる。
「……えっと、その……」
アリシアは少しの間目を泳がせていたけれど、観念して答えてくれた。
「……ルイとこうなるための準備をしていたのよ。さっき見せた下着を頼んでおいた裁縫屋に取りに行ったり、先輩に男の子に喜んでもらえる方法を教えてもらいに行ったり……」
「……そうだったんだ。僕のために頑張ってくれていたんだね」
胸がジーンと熱くなる。
「……うん。頑張ったつもりよ。その、あまり上手くはできなかったけれど……」
そう言って悲しげな顔をするアリシアの頭を、僕は優しく撫でる。
「……ルイ。その、私、痛みが引いたらまた頑張るわ。だから、その、こういった事は私以外の女の子とはしないで……」
「うん。分かったよ」
僕があっさりそう答えると、しかし、何故かアリシアは不服そうにジト目を僕に向ける。
「もう、ルイってば、全然分かってない!」
突然怒り出したアリシアに、僕は困惑する。
「もっと、こういうときは、しっかりと私の目をしっかりと見つめて……みっ、見つめ……」
僕はアリシアが言うように、彼女の瞳をしっかりと見つめる。
「それで、どうすればいいの、アリシア?」
「うっ、ううっ……。そっ、その、優しく私の顎に手を当てて、きっ、キスをしてく……」
アリシアの言葉が言い終わる前に、僕はアリシアの顎を優しく持ち上げてキスをする。
「……分かったよ。僕がこんな事をするのはアリシアだけだから……」
キスの後に、僕はそう言って微笑む。
アリシアは顔を真っ赤にして、小さく頷いた。
「……ごめんね、ルイ。でも、心配なの。クラスのみんなばかりか、学校中の女の子が、ルイの事を狙っているから……」
思いもかけない言葉に、僕はぎょっとする。
「えっ? どういうことなの?」
「もう! そういう無防備なところが私は心配なの!」
アリシアは口を尖らせる。
「どうして、あの視線を感じないのよ。元からそういった視線はたくさんあったけれど、先月から性教育の授業が始まったでしょう? あれ以来、いままでそういったことに関心がなかった娘たちも、ルイを嫌らしい目で見るようになって来て……。
わっ、私は不安で仕方がなかったんだからね……」
アリシアの瞳に涙が浮かんだ。
「そっ、そうだったんだ。みんな以前とあまり対応が変わったように見えなかったんだけれど……」
でも、そう言われてみれば、プリントなんかを渡す際に、必要以上に手を握られたことがあった気がする。
「貴方はこの街でたった一人の男の子なのよ。女の子達は、みんなルイとこういうエッチなことがしたくて堪らないのよ。その気持ちを悟られないように隠しているだけなの」
アリシアは迷いなく断定する。
「だから、私は……、私は……」
そうか、アリシアは心配で仕方なくて、シーナさんが居ない今日、僕と結ばれようとしたんだ。
「うん。ごめんね。アリシアの不安な気持ちを分かってあげられなくて。でも、それが分かっても、僕の答えは変わらないよ。こういった事は、アリシア以外の女の子とは絶対にしない」
僕がそう言うと、アリシアは黙って僕にキスをしてきた。僕は喜んでそれを受け入れる。
「……信じているからね、ルイ……」
「うん。僕を信じて、アリシア……」
僕たちはそう誓いあった。
その後、しばらくの間は平穏だった。
……僕とアリシアが関係を持ったことは、すぐにシーナさんにバレてしまったけれど。
でも、シーナさんは僕たちのことを祝福してくれた。
それから、僕は今まで以上に勉強も、運動も、学校行事も、家でのお手伝いも頑張った。アリシアも同じように頑張って、僕たちは似合いのカップルだと言われるようになった。
ただ、平穏だったのはそこまでだったんだ。
僕とアリシアがあまりにも仲が良かったせいで、いつの頃かアリシアに対して良くない感情を持つ人達が現れ始めてしまった。
アリシアの友達や仲のいい先輩は、懸命にアリシアを庇ってくれたけれど、僕というただ一人の男の子を独占することへの嫉妬は、僕が考える以上に膨れ上がってしまっていた。
このままでは、アリシアが危ないと思い、僕はシーナさんや友達に何度も相談を持ちかけた。
そして、僕はアリシア以外の女の子とも関係を持つしかないと理解した。
独占をしているという事実を和らげるには、それしか方法がなかったんだ。
僕は何度もアリシアと話し合った。そして、僕が関係を持つのは、アリシアと特に仲が良くて、僕のことを大切に思ってくれそうな女の子達だけにすることとなった。
その女の子というのが、同級生のレイア、リミファ、ティア。そして、先輩のサリアだった。
「ルイ。きちんとレイア達のことも大切にしてあげてね」
「うん。大切にするよ……」
初めて他の女の子とも関係を結ぶことになったあの日、辛いはずなのに、アリシアは優しいから、友達のことを慮ってそう言っていた。だから、僕もその気持ちに応えることにした。
「でも、僕の一番は、ずっとアリシアだよ。それだけは譲れない」
僕はそう宣言して、レイア達にもその事はしっかりわかってもらえるように努力した。
それが、功を奏したのだろう。アリシアに対して悪感情を顕にする人は大幅に減った。
そして、再び僕たちの楽しい生活が戻ってきたんだ。
けれど、たった一つだけ、僕たちが失敗したことがあるとすれば。それは、アリシアを含めて五人以上の女の子と関係を持ってしまったことだった。
そう、四人までならば、あの『手紙』が届くことはなかったはずなのに……。
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