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夏休み 双子訪問
第二十四話
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背伸びを終えたいずみがよし!、と声をあげた。
「美夢行こうか」
「そう~だね」
二人の言葉足らずの会話を私がわかるわけがなく、首を傾げていると二人が私の方に向いた。
「遥華行くよ」
「ハルちゃんも行こう」
「・・・どこに?」
「「思い出巡り!」」
二人が息ぴったりに答えてくれた。ほんと双子って阿吽の呼吸だよね。まぐれかもしれないけど。
「でも来たばかりで疲れたでしょう?明日でいいんじゃない?」
「明日は明日の予定があるの」
「と言うわけなんだよね」
「二人って元気だね」
「もちろん!」
いずみが腰に手を当てながら胸を張って言った。いずみの元気の良さに感心しつつ、自分の怠けっぷりに呆れてしまう。
「それに私たちのこの時間は有限だからね、一秒でも無駄にしたくないんだよね」
美夢が寂しそうな顔でそう呟いた。私はいつもここにいて、ここ以外の場所で生活をしたことがない。
でも二人はここで育った。二人にとってここは故郷なのだ。今住んでいる場所よりも長くいて、いろんな思い出がある。
「そう、だよね。じゃあ行こっか」
「ママ、今から出かけて来る!」
玄関で靴を履きながらリビングにいるママに伝える。私の声は届いたようでママはリビングから顔を出した。
「あんまり遅くならないようにね、今日は二人が好きだったハンバーグだから」
「ハンバーグ!」
「ありがとうございます」
靴を履いて待ついずみが嬉しそうに笑みを見せるなか、美夢は礼儀正しく頭を下げていた。
「じゃあ行ってきます」
「行ってきま~す」
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
ママに玄関で見送られながら私たちは外に出た。ちゃんと日焼け止めを塗ってから。
「暑いね」
美夢が公園のベンチに座って軽く濡らしたハンカチで額を拭っている。私もその隣で一緒に日陰に隠れている。一方のいずみは近所の子たちを炎天下の中鬼ごっこをして遊んでいる。
私も最初はいずみに誘われて一緒にしていたのだけど、なにせここ十日間部屋でごろごろとしていたのですぐにばててしまった。少し運動しないだけで体が怠くなる。夏って本当に嫌い。
最初の思い出の地、私たちがいつも遊んでいた近くの公園。この公園は私の家と天野家のちょうど中間ぐらいに設けられている。
学校とは逆方向なので二人がいなくなってからはこっちに来ることはなかった。
元あった錆びた滑り台は今ではプラスチックのゾウを模したものに変わっていたり、青と赤色だったブランコの椅子は全部白に塗り替えられている。
三人で回りながら遊んだ回転ジャングルジムはもう姿を消している。
「変わっちゃったね」
「そうだね」
私たちの知っている公園はもうここにはなかった。変わっていないのは子供の遊ぶ姿と回りを囲む木々ぐらいだろう。
「次行こっか」
「もう汗だくになって」
汗だくで帰って来たいずみの額に美夢が再度濡らしたハンカチで拭いてあげている。その姿が妹の汗を拭く姉の姿に見えた。本当は逆なんだけどね。
「次ってどこ行く予定なの?」
私が二人に聞くといずみがう~んと唸った。
「商店街も行きたいし、神社にも行きたいし・・・、どこから行く?」
いずみは悩んだ末に美夢に答えを求めた。
「そうだね・・・ここから近い順に行こうか」
「じゃあ商店街ね」
「商店街か、まだみんなやってるかな」
過去の記憶に浸っているいずみの汗も徐々に引いていき、私たちは近所の子たちにバイバイをしてから商店街に向かった。
「美夢行こうか」
「そう~だね」
二人の言葉足らずの会話を私がわかるわけがなく、首を傾げていると二人が私の方に向いた。
「遥華行くよ」
「ハルちゃんも行こう」
「・・・どこに?」
「「思い出巡り!」」
二人が息ぴったりに答えてくれた。ほんと双子って阿吽の呼吸だよね。まぐれかもしれないけど。
「でも来たばかりで疲れたでしょう?明日でいいんじゃない?」
「明日は明日の予定があるの」
「と言うわけなんだよね」
「二人って元気だね」
「もちろん!」
いずみが腰に手を当てながら胸を張って言った。いずみの元気の良さに感心しつつ、自分の怠けっぷりに呆れてしまう。
「それに私たちのこの時間は有限だからね、一秒でも無駄にしたくないんだよね」
美夢が寂しそうな顔でそう呟いた。私はいつもここにいて、ここ以外の場所で生活をしたことがない。
でも二人はここで育った。二人にとってここは故郷なのだ。今住んでいる場所よりも長くいて、いろんな思い出がある。
「そう、だよね。じゃあ行こっか」
「ママ、今から出かけて来る!」
玄関で靴を履きながらリビングにいるママに伝える。私の声は届いたようでママはリビングから顔を出した。
「あんまり遅くならないようにね、今日は二人が好きだったハンバーグだから」
「ハンバーグ!」
「ありがとうございます」
靴を履いて待ついずみが嬉しそうに笑みを見せるなか、美夢は礼儀正しく頭を下げていた。
「じゃあ行ってきます」
「行ってきま~す」
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
ママに玄関で見送られながら私たちは外に出た。ちゃんと日焼け止めを塗ってから。
「暑いね」
美夢が公園のベンチに座って軽く濡らしたハンカチで額を拭っている。私もその隣で一緒に日陰に隠れている。一方のいずみは近所の子たちを炎天下の中鬼ごっこをして遊んでいる。
私も最初はいずみに誘われて一緒にしていたのだけど、なにせここ十日間部屋でごろごろとしていたのですぐにばててしまった。少し運動しないだけで体が怠くなる。夏って本当に嫌い。
最初の思い出の地、私たちがいつも遊んでいた近くの公園。この公園は私の家と天野家のちょうど中間ぐらいに設けられている。
学校とは逆方向なので二人がいなくなってからはこっちに来ることはなかった。
元あった錆びた滑り台は今ではプラスチックのゾウを模したものに変わっていたり、青と赤色だったブランコの椅子は全部白に塗り替えられている。
三人で回りながら遊んだ回転ジャングルジムはもう姿を消している。
「変わっちゃったね」
「そうだね」
私たちの知っている公園はもうここにはなかった。変わっていないのは子供の遊ぶ姿と回りを囲む木々ぐらいだろう。
「次行こっか」
「もう汗だくになって」
汗だくで帰って来たいずみの額に美夢が再度濡らしたハンカチで拭いてあげている。その姿が妹の汗を拭く姉の姿に見えた。本当は逆なんだけどね。
「次ってどこ行く予定なの?」
私が二人に聞くといずみがう~んと唸った。
「商店街も行きたいし、神社にも行きたいし・・・、どこから行く?」
いずみは悩んだ末に美夢に答えを求めた。
「そうだね・・・ここから近い順に行こうか」
「じゃあ商店街ね」
「商店街か、まだみんなやってるかな」
過去の記憶に浸っているいずみの汗も徐々に引いていき、私たちは近所の子たちにバイバイをしてから商店街に向かった。
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