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第十八話
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野菜や魚が置かれているコーナーに向かう途中、冷凍庫で冷やされたジュースが目に入った。
「そういえば、村上さんはビールとか飲むの?」
少し離れたところに置かれた缶ビールを見ながら彼女に問う。
「あまり飲みませんね。あ、でも飲めないわけではないですよ。祝いの場とかでは飲むので」
「じゃあ、一本ぐらい買って帰る?」
「いいんですか?」
「今日は祝いの日だしね」
「ではお言葉に甘えて」
そう言うと、彼女はビールコーナーの方に進んだ。
対してビールを法律上飲めない俺はジュースを選ぶことのした。
冷凍庫に入った物をガラス扉越しに見る。すると目の前にビールによく似た色をしたジュースが目に入った。
それを冷凍庫から取り出すとカゴに入れる。
彼女の方も選んだようで戻ってきた。手にはノンアルコールのほろよいが握られている。
「桃なんだ」
カゴに入れたほろよいを見て彼女に聞いた。
「桃、好きなので。秋原さんはジンジャーエールなんですね」
「ビールっぽいから選んだ」
「ふふ、じゃあこんばんは2人ともお酒ですね」
俺の子供っぽい発言に彼女は笑って返した。
魚コーナーでマグロ、ブリ、カツオの刺身を取り、野菜コーナーではキャベツなどよく使う物だけを取った。
初めは空だった買い物カゴが満帆になったのでレジに来たのだが・・・。
「かなり並んでますね」
「そうだな」
家電でも並んでいたのでなんとなく想像はしていたが、目の前の光景は想像以上だった。
6個あるレジには長蛇の列ができ、面倒であまり使われていないセルフレジすらも並んでいる。
俺たちが呆気に取られている間も、列はまだまだ長くなっていく。
「早く並びましょう」
「あ、ああ」
俺はカートを押し、1番短い列に並んだのだが、それでも前には10人以上が並んでいる。
「早く来て良かったですね」
「本当にそうだな」
後ろを見るとすでに3人が並んでいた。遅く来ていれば今頃はもっと長い列になっていただろう。
列に並ぶ人たちを見ていると斜め前に美智子さんの姿が見えた。
「そういえば秋原さんってなんのバイトをしているんですか?」
「言ってなかったっけ?」
「はい、聞いていません」
前にバイトの話をしたときに一緒に言ったつもりでいたが、その話には触れていなかったのか。
徐々に前に進みながら話をする。
「喫茶店だよ」
「喫茶店ですか?なんか意外です」
「そう?」
首を傾げながら聞くと彼女は首を縦に振った。
「私はてっきりファストフード店とかだと思ってました」
「まぁ、高校生のバイトって言ったらそこら辺だよね」
「どうして今のバイト先を選んだんですか?」
「それはたまたまだよ」
そんな会話を続けながら順番を待った。
マンションに帰って来ると既に昼を過ぎていた。
お昼は刺身などを買ったので食べて帰ることをせず、並んでいる間に彼女に適当に弁当を取って来てもらった。帰りに鍵を作る予定だったのだが、店が休業していたので作ることは出来なかった。
彼女が弁当以外を冷蔵庫に収めている間に買ったドライヤーを箱から取り出す。箱と中のビニールを別々に捨て、ドライヤーを洗面台に置いた。
戻って彼女の手伝いをしようとキッチンに向かったのだが、エコバックから物を取り出し終えたところだった。手に持っていたエコバックは綺麗に小さく畳まれていた。
「秋原さん、エコバッグはどこに戻せば?」
「頂戴」
手を差し伸べながら言うと、彼女は畳んだエコバッグを2つ俺に渡した。
「ちょっと遅くなったけど、お昼にしようか」
「そうですね、弁当は温めますか?」
「俺はいいや、お腹空いたから早く食べたい」
キッチンに積まれて置かれた弁当を一つ取ると割り箸と共にテーブルに持って行く。彼女も弁当を温めないようで、俺と同じように弁当を持って来た。
それぞれいつもの定位置に着くと、弁当を包んでいるラップを外してから手を合わせた。
「「いただきます」」
それから夕飯までは各自の時間を過ごした。彼女はいつものように部屋の掃除などの家事をこなしているようだった。部屋にこもっていた俺は、冬休みに入ってから一度も手をつけていなかった宿題をやっつけることにした。
ようやく全体の半分が終わったので、椅子に座ったまま大きく背伸びをした。背中や肩からはポキポキと骨が鳴る音はする。
腰周りもほぐそうと体を捻る。窓から見える景色は真っ黒になっていた。
「もう夜!」
椅子から立ち上がり時計を見る。時刻は6時を過ぎていた。俺は急いで部屋を出た。
リビングに行くと、味噌汁のいい匂いが漂って来た。
「もうすぐ出来ますよ」
部屋から出て来た俺に気付いた彼女が声をかけてきた。彼女はまな板に今日買った魚を乗せて切っていた。
「ごめん、今日は俺が作ろうと思っていたのに」
彼女の祝いの日だからと思っていたのだが、勉強に集中し過ぎて忘れていた。普段は違うことにすぐ気が向くのに・・・。
忘れていた自分を憎んでいると、彼女は笑顔を作って見せた。
「気にしないでください。今朝作って貰いましたから」
あれを作ったって言っていいのかわからないが、彼女がいいと言うのならいいのだろう。
だが、俺もいつものように何もしないでいるのは違うと思った。
「手伝うよ」
キッチンに向かい彼女に声をかける。
「いえ、大丈夫ですよ。もう終わりますから」
しかし本当に終わりのようで、刺身は全部切られ、味噌汁は完成し、ご飯も出来ている。今日は海鮮丼なのでこれ以上のおかずはいらないだろう。
「そっか」
俺は引き下がるようにソファに向かった。
「そういえば、村上さんはビールとか飲むの?」
少し離れたところに置かれた缶ビールを見ながら彼女に問う。
「あまり飲みませんね。あ、でも飲めないわけではないですよ。祝いの場とかでは飲むので」
「じゃあ、一本ぐらい買って帰る?」
「いいんですか?」
「今日は祝いの日だしね」
「ではお言葉に甘えて」
そう言うと、彼女はビールコーナーの方に進んだ。
対してビールを法律上飲めない俺はジュースを選ぶことのした。
冷凍庫に入った物をガラス扉越しに見る。すると目の前にビールによく似た色をしたジュースが目に入った。
それを冷凍庫から取り出すとカゴに入れる。
彼女の方も選んだようで戻ってきた。手にはノンアルコールのほろよいが握られている。
「桃なんだ」
カゴに入れたほろよいを見て彼女に聞いた。
「桃、好きなので。秋原さんはジンジャーエールなんですね」
「ビールっぽいから選んだ」
「ふふ、じゃあこんばんは2人ともお酒ですね」
俺の子供っぽい発言に彼女は笑って返した。
魚コーナーでマグロ、ブリ、カツオの刺身を取り、野菜コーナーではキャベツなどよく使う物だけを取った。
初めは空だった買い物カゴが満帆になったのでレジに来たのだが・・・。
「かなり並んでますね」
「そうだな」
家電でも並んでいたのでなんとなく想像はしていたが、目の前の光景は想像以上だった。
6個あるレジには長蛇の列ができ、面倒であまり使われていないセルフレジすらも並んでいる。
俺たちが呆気に取られている間も、列はまだまだ長くなっていく。
「早く並びましょう」
「あ、ああ」
俺はカートを押し、1番短い列に並んだのだが、それでも前には10人以上が並んでいる。
「早く来て良かったですね」
「本当にそうだな」
後ろを見るとすでに3人が並んでいた。遅く来ていれば今頃はもっと長い列になっていただろう。
列に並ぶ人たちを見ていると斜め前に美智子さんの姿が見えた。
「そういえば秋原さんってなんのバイトをしているんですか?」
「言ってなかったっけ?」
「はい、聞いていません」
前にバイトの話をしたときに一緒に言ったつもりでいたが、その話には触れていなかったのか。
徐々に前に進みながら話をする。
「喫茶店だよ」
「喫茶店ですか?なんか意外です」
「そう?」
首を傾げながら聞くと彼女は首を縦に振った。
「私はてっきりファストフード店とかだと思ってました」
「まぁ、高校生のバイトって言ったらそこら辺だよね」
「どうして今のバイト先を選んだんですか?」
「それはたまたまだよ」
そんな会話を続けながら順番を待った。
マンションに帰って来ると既に昼を過ぎていた。
お昼は刺身などを買ったので食べて帰ることをせず、並んでいる間に彼女に適当に弁当を取って来てもらった。帰りに鍵を作る予定だったのだが、店が休業していたので作ることは出来なかった。
彼女が弁当以外を冷蔵庫に収めている間に買ったドライヤーを箱から取り出す。箱と中のビニールを別々に捨て、ドライヤーを洗面台に置いた。
戻って彼女の手伝いをしようとキッチンに向かったのだが、エコバックから物を取り出し終えたところだった。手に持っていたエコバックは綺麗に小さく畳まれていた。
「秋原さん、エコバッグはどこに戻せば?」
「頂戴」
手を差し伸べながら言うと、彼女は畳んだエコバッグを2つ俺に渡した。
「ちょっと遅くなったけど、お昼にしようか」
「そうですね、弁当は温めますか?」
「俺はいいや、お腹空いたから早く食べたい」
キッチンに積まれて置かれた弁当を一つ取ると割り箸と共にテーブルに持って行く。彼女も弁当を温めないようで、俺と同じように弁当を持って来た。
それぞれいつもの定位置に着くと、弁当を包んでいるラップを外してから手を合わせた。
「「いただきます」」
それから夕飯までは各自の時間を過ごした。彼女はいつものように部屋の掃除などの家事をこなしているようだった。部屋にこもっていた俺は、冬休みに入ってから一度も手をつけていなかった宿題をやっつけることにした。
ようやく全体の半分が終わったので、椅子に座ったまま大きく背伸びをした。背中や肩からはポキポキと骨が鳴る音はする。
腰周りもほぐそうと体を捻る。窓から見える景色は真っ黒になっていた。
「もう夜!」
椅子から立ち上がり時計を見る。時刻は6時を過ぎていた。俺は急いで部屋を出た。
リビングに行くと、味噌汁のいい匂いが漂って来た。
「もうすぐ出来ますよ」
部屋から出て来た俺に気付いた彼女が声をかけてきた。彼女はまな板に今日買った魚を乗せて切っていた。
「ごめん、今日は俺が作ろうと思っていたのに」
彼女の祝いの日だからと思っていたのだが、勉強に集中し過ぎて忘れていた。普段は違うことにすぐ気が向くのに・・・。
忘れていた自分を憎んでいると、彼女は笑顔を作って見せた。
「気にしないでください。今朝作って貰いましたから」
あれを作ったって言っていいのかわからないが、彼女がいいと言うのならいいのだろう。
だが、俺もいつものように何もしないでいるのは違うと思った。
「手伝うよ」
キッチンに向かい彼女に声をかける。
「いえ、大丈夫ですよ。もう終わりますから」
しかし本当に終わりのようで、刺身は全部切られ、味噌汁は完成し、ご飯も出来ている。今日は海鮮丼なのでこれ以上のおかずはいらないだろう。
「そっか」
俺は引き下がるようにソファに向かった。
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