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第四章 再建準備編

第五十八話 いいか? まずは家だそして技術屋だ

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 無事に魔王領についたワタクシ達は早速、優先順位の高い建物を相談で決めその作成及び技術を習得する者を集い作業にかかります。

 やはり優先は住宅関連となりますわね。
 王都を中心に東西南北に拠点となる街を造る事となりました、しかし一気に出来るわけでもなくまずは北と西から取り掛かる事となりました。各都市には住居スペースはもちろん作るのですが、北は住宅メインでコルリスの街へ通じるため宿場町も必要と判断ですわ。
 西は中央都市に近い位置に青豆畑南側に味噌醤油の倉を造ります、そして西の海沿いに港を造る事になります。

 予定では南には娯楽関連、東には鉱山になる山があるので工業地区とする予定ですわよ。
 そして、また嬉しいお知らせですわ住人が増えましたのよ。

 エルフにドワーフと言った亜人に獣人がメインでやってきましたわ。
 うさ耳の女性獣人に犬耳猫耳。あらあらまあまあ、より取り見取りだなコノヤロウですわ。

 そしてこの世界では獣人にも二パターンあるそうですわね、人に動物の特徴を持つパーツが付いているタイプの獣人と、犬や猫が二足歩行してるような見た目の獣人の二種類ですわね。
 バウスさんは前者ですわね。

 そしてドワーフ! 製造においてこれほど凶悪な存在はおりませんわね、まさにファンタジー界の匠! コルリス武器屋の親父もガラス工房の親父もドワーフでしたわね。
 技術屋を雇う事も考えた方がよろしいですわね。

 軌道に乗ってきましたわねー。
 住人が増えるのなら、国営の木造三階建てのアパート造りますわよー!
 色々と話し合った結果、大工の皆様と建築技術者の希望者を中心に各地に移動して作業開始して頂きましたわ。

 大工の皆様も得意分野が色々あるようで、道の整備が得意な方もおられたのでインフラ整備の方もお願いしておきますわ、とりあえずは王都から都市に繋がる大通りから作っていきますわよ。

 ワタクシは次の計画に着手すべく行動を開始しますわ

「次は技術者ですわね。道具もなるべくなら自国で生産したいですわよね」
「コルリスの武器屋とこないだのガラス屋かしらぁ?」

 ワタクシの呟きにベティさんが反応しました。

「そうですわね、今のところはその辺りにしかツテはありませんわね」

 ワタクシがそう言った後にベティさんが面白そうな提案をしてきましたわ。

「そうそう、マナカちゃんは魔法の道具に興味はあるかしら?」
「魔法の道具ですの?」
「ええ、そういった道具の研究をしてる子にならアテがあるわよぉ」

 この魔王領にあった重さを半分にする道具袋みたいなヤツかしら? どちらにせよ面白いですわね。

「面白そうですわね、詳しく聞いてもよろしいかしら?」
「いいわよー」

 ――
 ――――

 ベティさんの話はこんな感じでしたわ
 元々はとある貴族お抱えの錬金術師だったが、その貴族が失脚したので田舎に引っ越し一人で研究に没頭するようになったそうですわ。
 それでその錬金術師はいまコルリスから西に一日ほど向かった場所の小さな村に住んでるそうですわね。

「その時は魔法の道具の作成やエロ大根の研究をしてたわねぇ」
「へー、良く分かりませんが凄そうですわ……は? 最後何ておっしゃいました?」

 確か最後にエロ大根って言いませんでした?
 ワタクシとベティさんが会話をしていたところ、マウナさんもやってまいしました。

「途中からですがお話を聞かせていただきました、面白そうな話ですね」
「マウナさんも興味があって?」
「ええ、とても」

 ならば次はやはり技術者の確保ですわね。
 ワタクシはその旨を伝え、技術者確保と盗賊狩りを進める事といたしましたわ。

 今回は三つのグループに分かれて行動となりましたわ。
 ワタクシとベティさんを中心としたグループはベティさんの知り合いをスカウトに、マウナさん、アルティアさんを中心としたグループはガラス工房に向かいます。
 そして米田中尉を中心としたグループが近隣の盗賊退治を実行することになりましたわ。
 明日を準備にあてて明後日から皆さん出発することとなりましたわ。

「では、明後日に出発しますわよー」
「「「了解」」」

 ――
 ――――

 今回は大工の受け入れや今後の課題を詰め解散としましたわ。
 そしてナルリアちゃんがワタクシの所にサッカーボールほどの大きさをした、丸い謎の物体を二個持ってきましたわ。

「――マナカ、盗賊たちがこんなの持ってた」
「なんですのこれ? 何か虫の卵っぽいですわね」

 このサイズの卵から生まれる虫なんてどんなサイズなんですの?
 ワタクシ達がナニコレと言ってる物を見たマウナさんが教えてくれましたわ。

「それはキャピラータの卵ですね、割と珍しい魔物の卵です」
「――キャピラータ!」
「どんな魔物ですの?」

 名前からして虫ですわよね、しかも芋虫っぽいですわね。これでゲジだったら泣きますわよ。

「馬ほどのサイズになる芋虫の魔物です、基本的に温厚な性格で小さいころから飼えば人にも懐きますよ」
「――凄い! マナカこれ飼おう」
「そうですわね、面白そうですしいいですわよ」
「意外にも足が速く馬より速く走れる個体もいますし、力もとても強く馬の三倍くらいの力があるので昔は農業にも使われていました」
「ハラショーですわ」

 巻き舌で発音するのですわよ。
 これを育てれば色々使えそうですわね、そして個体数を増やしていきましょう。

「最近は数が減ってきたので使われることは減りましたからね。それもあってか卵は割と高値で売れるんですよ」
「へー、そうなんですのね」
「――マナカこれどうしよう?」

 ワタクシ少し考えてから。

「そうですわね、王都に小屋でも作ってもらいましょう」
「――うはー、元気に育てよ!」

 ナルリアちゃんは大喜びしてますわね。

「この個体を人工的に増やすことは可能ですの?」
「どうでしょう? 無理ではないと思いますよ」
「うふふ、なら試す価値はありますわね」

 ワタクシは馬以外にも移動や作業にこの魔物が使えないかを考えますわ。
 もし、増やすことができるなら国営のバスを引かせたり、色々な荷運びにも使えそうですわよね。

「――名前は何にしよう?」

 ナルリアちゃんは名前を考えながらニコニコしておりますわね、尊いですわ!
 そしてナルリアちゃんは卵に自分の名前を書いております……そしてもう一つの卵にはワタクシの名前を書いておりますわね。

「マナカさんは何を考えてるんです?」
「この魔物を増やして荷運びなどに使おうと考えておりますのよ」
「キャピラータの養殖ですか、やってみる価値はありますね」
「でしょ?」

 マウナさんは納得すると。

「では、他にも卵が無いか探しましょう。あとゴブリン達にこの卵の世話もさせましょう」
「ええ、お願いしますわね」
「小屋が出来るまでは城の中庭で卵を保管しましょう」

 マウナさんがそう言うと使い魔を使い何かの指示を出しました。
 そしてワタクシとナルリアちゃんに。

「では中庭に向かいましょう」

 そう言って中にはの方に向かっていきましたわ。
 ワタクシ達も付いていくと中庭にゴブリン達が藁を持ってきておりましたわ。

「では、ここに置いておきましょう」

 マウナさんがゴブリン達に何かを話しかけております、どうやら世話の支持のようですわね。
 ゴブリン達も頷いておりますわね。
 ワタクシとナルリアちゃんは卵をゴブリン達に任せると、明日の準備へと移ることとしましたわ。

 ――
 ――――

 そして出発の日になりましたわ。
 ベティさんとナルリアちゃん、そして今回はサティさんが同行しますわー!

「皆さま、おはようございます」

 サティさんがメイド服ではなくマントのついた冒険者っぽい服装でワタクシ達の前に現れますわ。

「サティさんもごきげんよう」
「――ごきげんよう」
「あら? サティさんその格好も似あってるわねぇ」

 サティさんは恭しく頭を下げますわ。
 さて、それではワタクシ達は準備も整ったので出発するといたしましょう。

 こうしてワタクシ達はベティさんの知り合いの錬金術師? に会いに出発しました。

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