117 / 117
115 AM2時13分 虜囚の果てに
しおりを挟む
「すまない、本当にすまない」
サニーディの謝罪の声といっしょに僕の腫れ上がった頬に濡れたハンカチがそっとおかれる。
そのわずかな感触でも僕の鋭敏になった肌は痛みを訴えて反射的に身をかたく緊張させた。
「す、すまない。痛かったか? だが冷しておいたほうが腫れははやくひくのだ。我慢してくれ」
もう一度の「すまない」。この「すまない」は何度目だっけかなぁ。そんなつまらないことを考えながら腫れたまぶたの向こうでかいがいしく介抱してくれてぃるこの人望のないヴェルガーの姿を視線で僕は追った。
こんばんわ、皆川夏です。僕は今ヴェアテ帝国の侵略軍の宿営地で捕まっています。
牢屋……って言うとたいていのヒトたちが石やコンクリートの細壁があって出入り口が鉄の柵で出来ている感じのをイメージするだろうけれども、僕のイメージとしては穴って感じだ。
穴だいたい3メートル直径くらいのまるい穴で深さは5、6メートルってところかな?
登るところはもちろん穴だって上にしか空いていないからおいおい、酸欠とか大丈夫なの? ってこわくなるけれども、どうやら死んだってそれはそれでしょーがないってスタンスらしい。
ここに放り込まれた時だって一緒に落とされたサニーディが僕を抱えてくれなきゃ骨折でもしていただろうしね。
と、夢も希望もない穴ぐらに僕は服をすべて剥ぎ取られ手足を枷でつながれた状態で寝ころがっている。ちなみに全身は乱暴なエルフ兵たちの殴る蹴るでひどく腫れ上がっていて動くことも億劫だ。
そんな満身創痍な僕を敵だったはずのサニーディは献身的に看護している。
もちろん看護ったって薬やら包帯やらがあるわけじゃない。彼女は自分にと割り当てられた飲料水を自分の服を割いて作ったハンカチに湿らせ、それで僕の身体の血を拭い患部を冷してくれているのだ。
だから鎧を剥ぎ取られ僕といっしょにここへ落とされたサニーディはもう下着姿一歩手前って見た目になってしまっている。
ハッキリ言ってエロい。もちろんあの奇蹟の爆乳であるゆまは姉ちゃんにはおよばないけれども、がっしりと鍛えられた浅黒い肌に盛り上がる双球は充分なボリュームを湛えて上から灯される松明の明かりに照らされてハッキリとした陰影を僕の視界に映していた。
ちなみに穴ぐらの上から牢番になったエルフ兵がいやらしげな視線をサニーディに送っているけれども、彼女は僕の介護に夢中で気がついていない。
代わりに僕が彼女に代わってそのフラチモノに抗議の眼をおくったんだけれども、鼻で嗤われるだけで終った。う~ん、みじめだ。
身体が動かないのに頭は普段こんなに働かないだろってくらいにいろいろな事を考えてしまう。
アオちゃんの身柄、ここからの脱出方法、ゆまは姉ちゃんとグリコ、彼女たちがつれていってくれたトロールの赤ちゃん、無事に逃げられたトロールさんたち、反対に逃げずに侵略軍に立ち向かったトロールさんたちの安否。ヨウタロウさんの安否、この集落が、いや、この森、大陸がどうなるのか。さらにはじいちゃんばあちゃんやシャノンやエミおばさんといったあっち側のひとたちの事……いろいろと頭によぎるけれどもどれも中途半端な泡みたいに結論が出せないでいた。
結局、「でも僕負けたんだなぁ」って考えで頭によぎったことが消えてゆくんだ。
思えばここまでコテンパンに負けたのってはじめてだったんだよね。
あのおそろしい見た目のキマイラだって結局ライオンにアリの半身を持ったミルメコレオになって僕たちは退けたんだ。アオちゃんと僕ならばどんな困難な障害だって協力な敵だって問題になりはしない、結局は打破できるって信じていたんだ。
けれど今の僕はどうだろう、ボコボコに蹴られ殴られ裸に剥かれて自由を奪われて牢穴ぐらの虜囚だ。
アオちゃんは今魔法を封じる包帯みたいな魔道具に縛られたうえちいさな檻に囚われているそうだ。
魔法を封じる魔道具はサニーディにも巻かれている。赤黒いいかにも禍々しい色合いで本当に包帯みたいな太さだ。それを首と両手首、両足首に巻かれている。
それのせいでサニーディは土を階段にする事も空を飛ぶ事も叶わずこの簡素な穴ぐらから出れないでいるのだそうだ。
幸いなのはアオちゃんは魔法と動きを封じられただけでひどい乱暴はされていないだろうってサニーディが保証してくれたことだろう。
サニーディいわくあのエルフ兵たちは粗暴でがめつくはあるけれど、大金を稼ぐチャンスは決して不意にしないだろうとの事だ。
アオちゃんが僕みたいな痛い思いをしなくてすむってのはとてもうれしい知らせだった。
「……本当に、どうしてこんな事に。こんなハズではなかったのだが」
気が付くとサニーディの手が停まっていてポツリとそんな呟きが聴こえてきた。
うつむいている彼女の表情は上で燃えている松明の灯りのせいで陰になっていて仰向けに転がっている僕であってもうかがえない。
けれどもその女性としては幅広くよく鍛えられた肩がわずかに震えているところを見ると泣いているのかも知れない。
「ど、どうして、帝国で、た、戦っているの?」
僕は切れ切れになる声でそんな質問をサニーディに投げかける。
「うん? どういう事だ?」
「だ、だって、さ、サニーディ、アナタはほ、ほかの兵士みたいに、野蛮じゃない。」
せいせいどうどうとして、ど、どう見たって、帝国のやりようとあって、ないよ」
それに上司としての信頼もされていない。正直率いるべき兵士たちから舐められている様子だった。
…ってこれはサニーディには伝えないけれどね。
「ア、アナタは誇り高いし戦ったって強いんだ。て、帝国の、下にいなくたって、生きていけるんか、な、ないかな」
「…………」
口の中が切れててしゃべりづらいけれども、彼女に僕は自分の思っている事やトロール族が置かれた状況、疑問なんかを時間をかけながらも伝える。
要約すればトロール族のみんなは貧しいながらもうまくやっていて帝国なんかの手伝いを必要とはしていない事、サニーディに関しても彼女の高潔さは帝国の主義とはそぐわない事なんかをだ。
僕の辿々しい言葉をサニーディは何も言わずに聴いていてくれた。
僕の言葉が途切れるとサニーディはちいさくその燃えるような赤髪を横に降った。
「ナツ.ミナガワ、貴公の賢さには目を見張るものがあるが、しかし未だ幼いな。理想とは高所に咲く花の如くとは我々ヴェルガーに伝わる諺だが、花を求める者たちの足元はしがらみや責任といった泥にぬかるんで容易には掴み採れはしないのだよ」
聴いてくれわたしの足を掴むぬかるみの話を。そう言ってサニーディは弱々しく僕に笑った。
サニーディの謝罪の声といっしょに僕の腫れ上がった頬に濡れたハンカチがそっとおかれる。
そのわずかな感触でも僕の鋭敏になった肌は痛みを訴えて反射的に身をかたく緊張させた。
「す、すまない。痛かったか? だが冷しておいたほうが腫れははやくひくのだ。我慢してくれ」
もう一度の「すまない」。この「すまない」は何度目だっけかなぁ。そんなつまらないことを考えながら腫れたまぶたの向こうでかいがいしく介抱してくれてぃるこの人望のないヴェルガーの姿を視線で僕は追った。
こんばんわ、皆川夏です。僕は今ヴェアテ帝国の侵略軍の宿営地で捕まっています。
牢屋……って言うとたいていのヒトたちが石やコンクリートの細壁があって出入り口が鉄の柵で出来ている感じのをイメージするだろうけれども、僕のイメージとしては穴って感じだ。
穴だいたい3メートル直径くらいのまるい穴で深さは5、6メートルってところかな?
登るところはもちろん穴だって上にしか空いていないからおいおい、酸欠とか大丈夫なの? ってこわくなるけれども、どうやら死んだってそれはそれでしょーがないってスタンスらしい。
ここに放り込まれた時だって一緒に落とされたサニーディが僕を抱えてくれなきゃ骨折でもしていただろうしね。
と、夢も希望もない穴ぐらに僕は服をすべて剥ぎ取られ手足を枷でつながれた状態で寝ころがっている。ちなみに全身は乱暴なエルフ兵たちの殴る蹴るでひどく腫れ上がっていて動くことも億劫だ。
そんな満身創痍な僕を敵だったはずのサニーディは献身的に看護している。
もちろん看護ったって薬やら包帯やらがあるわけじゃない。彼女は自分にと割り当てられた飲料水を自分の服を割いて作ったハンカチに湿らせ、それで僕の身体の血を拭い患部を冷してくれているのだ。
だから鎧を剥ぎ取られ僕といっしょにここへ落とされたサニーディはもう下着姿一歩手前って見た目になってしまっている。
ハッキリ言ってエロい。もちろんあの奇蹟の爆乳であるゆまは姉ちゃんにはおよばないけれども、がっしりと鍛えられた浅黒い肌に盛り上がる双球は充分なボリュームを湛えて上から灯される松明の明かりに照らされてハッキリとした陰影を僕の視界に映していた。
ちなみに穴ぐらの上から牢番になったエルフ兵がいやらしげな視線をサニーディに送っているけれども、彼女は僕の介護に夢中で気がついていない。
代わりに僕が彼女に代わってそのフラチモノに抗議の眼をおくったんだけれども、鼻で嗤われるだけで終った。う~ん、みじめだ。
身体が動かないのに頭は普段こんなに働かないだろってくらいにいろいろな事を考えてしまう。
アオちゃんの身柄、ここからの脱出方法、ゆまは姉ちゃんとグリコ、彼女たちがつれていってくれたトロールの赤ちゃん、無事に逃げられたトロールさんたち、反対に逃げずに侵略軍に立ち向かったトロールさんたちの安否。ヨウタロウさんの安否、この集落が、いや、この森、大陸がどうなるのか。さらにはじいちゃんばあちゃんやシャノンやエミおばさんといったあっち側のひとたちの事……いろいろと頭によぎるけれどもどれも中途半端な泡みたいに結論が出せないでいた。
結局、「でも僕負けたんだなぁ」って考えで頭によぎったことが消えてゆくんだ。
思えばここまでコテンパンに負けたのってはじめてだったんだよね。
あのおそろしい見た目のキマイラだって結局ライオンにアリの半身を持ったミルメコレオになって僕たちは退けたんだ。アオちゃんと僕ならばどんな困難な障害だって協力な敵だって問題になりはしない、結局は打破できるって信じていたんだ。
けれど今の僕はどうだろう、ボコボコに蹴られ殴られ裸に剥かれて自由を奪われて牢穴ぐらの虜囚だ。
アオちゃんは今魔法を封じる包帯みたいな魔道具に縛られたうえちいさな檻に囚われているそうだ。
魔法を封じる魔道具はサニーディにも巻かれている。赤黒いいかにも禍々しい色合いで本当に包帯みたいな太さだ。それを首と両手首、両足首に巻かれている。
それのせいでサニーディは土を階段にする事も空を飛ぶ事も叶わずこの簡素な穴ぐらから出れないでいるのだそうだ。
幸いなのはアオちゃんは魔法と動きを封じられただけでひどい乱暴はされていないだろうってサニーディが保証してくれたことだろう。
サニーディいわくあのエルフ兵たちは粗暴でがめつくはあるけれど、大金を稼ぐチャンスは決して不意にしないだろうとの事だ。
アオちゃんが僕みたいな痛い思いをしなくてすむってのはとてもうれしい知らせだった。
「……本当に、どうしてこんな事に。こんなハズではなかったのだが」
気が付くとサニーディの手が停まっていてポツリとそんな呟きが聴こえてきた。
うつむいている彼女の表情は上で燃えている松明の灯りのせいで陰になっていて仰向けに転がっている僕であってもうかがえない。
けれどもその女性としては幅広くよく鍛えられた肩がわずかに震えているところを見ると泣いているのかも知れない。
「ど、どうして、帝国で、た、戦っているの?」
僕は切れ切れになる声でそんな質問をサニーディに投げかける。
「うん? どういう事だ?」
「だ、だって、さ、サニーディ、アナタはほ、ほかの兵士みたいに、野蛮じゃない。」
せいせいどうどうとして、ど、どう見たって、帝国のやりようとあって、ないよ」
それに上司としての信頼もされていない。正直率いるべき兵士たちから舐められている様子だった。
…ってこれはサニーディには伝えないけれどね。
「ア、アナタは誇り高いし戦ったって強いんだ。て、帝国の、下にいなくたって、生きていけるんか、な、ないかな」
「…………」
口の中が切れててしゃべりづらいけれども、彼女に僕は自分の思っている事やトロール族が置かれた状況、疑問なんかを時間をかけながらも伝える。
要約すればトロール族のみんなは貧しいながらもうまくやっていて帝国なんかの手伝いを必要とはしていない事、サニーディに関しても彼女の高潔さは帝国の主義とはそぐわない事なんかをだ。
僕の辿々しい言葉をサニーディは何も言わずに聴いていてくれた。
僕の言葉が途切れるとサニーディはちいさくその燃えるような赤髪を横に降った。
「ナツ.ミナガワ、貴公の賢さには目を見張るものがあるが、しかし未だ幼いな。理想とは高所に咲く花の如くとは我々ヴェルガーに伝わる諺だが、花を求める者たちの足元はしがらみや責任といった泥にぬかるんで容易には掴み採れはしないのだよ」
聴いてくれわたしの足を掴むぬかるみの話を。そう言ってサニーディは弱々しく僕に笑った。
0
お気に入りに追加
15
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
3年振りに帰ってきた地元で幼馴染が女の子とエッチしていた
ねんごろ
恋愛
3年ぶりに帰ってきた地元は、何かが違っていた。
俺が変わったのか……
地元が変わったのか……
主人公は倒錯した日常を過ごすことになる。
※他Web小説サイトで連載していた作品です
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
竜との出会いがほのぼのとさせられます。描写されるうさぎとの対象が秀逸ですね。
感想をいただきありがとうございます。
今後とも夏と竜をどうぞご贔屓に