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58 暴風のなかの幻獣
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台風がやって来ているさなか、吹田さんは#あちら_・・・_#との結界のある籠目大社の改築工事の指揮を執っていたんだけど、台風の中継に来ていたテレビ局のひとたちと避難するしないで押し問答になった。
吹田さんが突き飛ばされて地面に倒れ込んだ瞬間、タイミング悪く大風が吹き足場が崩れてしまったんだ。
果たして足場のすぐ傍にいた吹田さんは無事なんだろうか?
僕たちは食い入るように画面を見詰めていた。
やがて少しずつ舞いあげられた水煙が落ち着き視界が晴れだした。
大岩を囲っていた足場は見るも無惨なほどに崩れている。
吹田さんは?
いたっ!
「室長っ!」
「……っ!」
「吹田さんっ!」
「キューー…」
「刑部君」
吹田さんは半ば泥水に沈んだみたいに蹲り倒れていた。レインコートに包まれたその背中には一本の足場の骨組みがのし掛かっている。
吹田さんの異常に気が付いた他の作業員さんが駆け寄って助け起こすけど、吹田さんはぐったりとしていて動かない。
大丈夫なのだろうか? 居間では誰もがひと言もしゃべらずに画面の向こうの吹田さんを注視していた。
「あっ! チクショウッ!!」
不意に太郎さんが悪態をついた。
画面が籠目大社の中継からスタジオに移ったからだ。
やっぱりアナウンサーさんが吹田さんを突き飛ばした画はかなり不味かったみたいで、スタジオのアナウンサーさんが『先程の中継では不適切な行いがございました。視聴者の皆様にはまことに申し訳ございません』とか言っている。
『さて、次は行列のできる人気のラーメン店を…』
さらにはさっきまでのことがまるでなかったかのように話題を逸らす始末に僕は酷く腹が立った。
じいちゃんは腕を組んで難しい顔をしていて、ばあちゃんとアオちゃんは心配そうだ。太郎さんと花子さんはそれぞれ携帯で電話をかけている。
どこへだろう? 吹田さんはさっきの様子だと電話に出られる感じじゃなかったから異種属調査室の本部かもしれない。
「スミマセン、テレビのチャンネルを替えてもよろしいでしょうか?」
「ああ、構わんよ」
電話を耳に充てたまま太郎さんはじいちゃんに断りリモコンに手をのばした。
テレビの画面が別な局へと切り替わる。
そこでも台風の中継をやっていて、さらにはさっきまで映っていた籠目大社の境内が映されていた。
さきほどよりも離れた場所からの映像。どうやら違う局のひとも籠目大社に居たみたいだけど、さっきのアナウンサーさんほど近くにまでは近寄っていなかったみたいだ。
「今確認しました。ええ、ええ、脆くなっていますね。先程の足場の倒壊が原因でしょう」
どうやら吹田さんが突き飛ばされたのも大事だったけど、それ意外にも山田さんたちがこの神社を気にする理由があるみたいだ。
「大岩、なんだか傾げていないかしら?」
「えっ!? あ、ホントだっ!」
ばあちゃんがポツリと呟いた。
吹田さんのことで頭に血が昇っててそこまで注意して見ていなかったけど、確かに倒壊した足場の中心に据えられた大岩は心なしか傾いている。
大岩はその周りがしめ縄が締められているんだけど、それが地面に対して斜めになってるんだ。
ふつうしめ縄って地面と水平になるように飾っとくもんだもんね。
僕らが観ている合間にもしめ縄はどんどんと斜めに傾げていく。
いくら足場が崩れて地面が雨でグズグズになってるにしたってこれはおかしい。大岩は何十年も何百年もそこにあったはずでそんなにバランスが悪いモノじゃないはずなのに…
「#あっち_・・・_#から誰かが押しておるんじゃ」
じいちゃんの呟き。
あっち? あっちって岩の後側って意味じゃないよね? じいちゃんが言っている#あっち_・・・_#ってのはつまりアオちゃんがいたあっちって意味で……幻獣の住んでる世界って意味で……
「つ、つまり押してるのはげ、幻獣…」
太郎さんが呻く。
『崩れるぞぉぉーーーーーッ!! 退避ッ! 退避ぃーーーッ!!』
テレビの向こうで作業員さんが叫んだ次の瞬間、大岩がゴロリと転がった。
不自然なほど大岩が細かく砕けその破片がそこらじゅうに飛び散る。
その礫はカメラを構えて大岩を撮っていたひとにもぶつかったらしく、悲鳴と共に画面が乱れた。
幸い……なんだろうか? カメラマンさんの手を離れたカメラはしかし、地面に転がったままそれでも大岩のあった場所を映している。
雨でぼやけたレンズに映る不鮮明な影。
大岩ほどに大きくはないけれど、自動車くらいはあるソレはどこかしら禍々しい雰囲気を漂わせている。
「ピー、キュゥゥ、ピュルルル~」
「アオちゃん?」
怯えた鳴き声をあげてアオちゃんが僕のシャツにしがみついてくる。
ツメがシャツに食い込んで痛みをおぼえるけれど、僕はアオちゃんの不安を和らげようと両手でアオちゃんを抱き寄せた。
『きゃぁぁっ!?』
画面の向こうで誰かが悲鳴をあげた。
それに反応したのか影がサッと動く。
「あれはっ」
動き出したことで逆に不鮮明だったソレの全体像がわかってきた。
ライオン。
最初に頭に浮かんだ印象は百獣の王とも呼ばれる四つ足の獣ライオン。
けれどその尻尾はひどく長いうえに不自然なくらいに自由自在に動き回っている。
まるでライオンとは別な意思を持った生き物みたいに…
そして肩にあたる部分には長いナニカ。
瘤? いや、それよりもずっと大きい。
ライオンがカメラに近付いたおかげでわかった。
あれは首だ。シカとかヤギとか草食獣の首。
「アイツは」
見覚えがある。僕はアイツを知っている。
アオちゃんと裏山の神社で出会ったあの日、じいちゃんに再び神社に連れられ見せてもらった#あちら側_・・・・_#での景色、そこで僕たちを恐怖に陥れた幻獣こそが今カメラの向こう側にいる獣だった。
「…キマイラ」
そうキマイラだ。
あの時、あの瞳に見据えられた恐怖を僕はまだ覚えている。
幻獣が出入り出来ないよう張られた結界越しであったにも関わらず僕とじいちゃんは一目散に逃げ出した。
敵わないと本能で悟ったからだ。
その幻獣が今、結界の向こう側ではなく、僕らの住む世界を闊歩している。
距離こそ離れているけれど、その事実が例えようもなく恐ろしかった。
キマイラは悠然と暴風雨の中を歩いている。
天災だろうとひとの力だろうとものともしないといった余裕に満ちた足取りで。
それはまさしく王者の振る舞い。
キマイラは不意に脚を留めた。
そして何かを探すみたいに周囲を見渡し次いで地面に転がっているカメラの方向を向く。
未だカメラのレンズは雨水でぼやけている。
だのに何故だろう、キマイラの強い視線はやけにハッキリと映っている。
「……ひッ!!」
嘲笑った。
カメラ越しにこちらを見て嘲笑ったのだ。
それは獲物を見つけた笑み。
捕食者が欲望を満たす対象を探し出した残酷な歓喜。
『グワオオォォォォォッッ!!』
お腹に重く響く咆哮を響もすとキマイラはカメラに向かって駆け出した。
数歩でカメラに辿り着く。
そこで籠目大社からの中継は途絶えた。最後にカメラに映されたのはキマイラの太い前肢、カメラはキマイラに踏み潰されたのだ。
「ふっ、はぁぁ~っ」
誰かが大きく息を吐いた。
緊張感が解かれ安堵したのだ。誰だろう? じいちゃんかばあちゃんか、太郎さんか花子さんか、あるいはその全員か。
だけど僕の緊張はまだ解かれてはいない。
だって…
「太郎さん、花子さん、吹田さんに大至急連絡をしてください」
だって…
「え!? ナツ君、でも室長はさっきの幻獣の件でソレどころじゃないはずだよ。いや、それ以前にケガで治療中かもしれないし…」
だって…
「それでも連絡をっ!」
だって…
「ナツ君?」
だって…
「キマイラはここに来ます! アオちゃんを襲いにやって来ますっ!」
僕のアオちゃんを殺そうと走り出したのだから。
吹田さんが突き飛ばされて地面に倒れ込んだ瞬間、タイミング悪く大風が吹き足場が崩れてしまったんだ。
果たして足場のすぐ傍にいた吹田さんは無事なんだろうか?
僕たちは食い入るように画面を見詰めていた。
やがて少しずつ舞いあげられた水煙が落ち着き視界が晴れだした。
大岩を囲っていた足場は見るも無惨なほどに崩れている。
吹田さんは?
いたっ!
「室長っ!」
「……っ!」
「吹田さんっ!」
「キューー…」
「刑部君」
吹田さんは半ば泥水に沈んだみたいに蹲り倒れていた。レインコートに包まれたその背中には一本の足場の骨組みがのし掛かっている。
吹田さんの異常に気が付いた他の作業員さんが駆け寄って助け起こすけど、吹田さんはぐったりとしていて動かない。
大丈夫なのだろうか? 居間では誰もがひと言もしゃべらずに画面の向こうの吹田さんを注視していた。
「あっ! チクショウッ!!」
不意に太郎さんが悪態をついた。
画面が籠目大社の中継からスタジオに移ったからだ。
やっぱりアナウンサーさんが吹田さんを突き飛ばした画はかなり不味かったみたいで、スタジオのアナウンサーさんが『先程の中継では不適切な行いがございました。視聴者の皆様にはまことに申し訳ございません』とか言っている。
『さて、次は行列のできる人気のラーメン店を…』
さらにはさっきまでのことがまるでなかったかのように話題を逸らす始末に僕は酷く腹が立った。
じいちゃんは腕を組んで難しい顔をしていて、ばあちゃんとアオちゃんは心配そうだ。太郎さんと花子さんはそれぞれ携帯で電話をかけている。
どこへだろう? 吹田さんはさっきの様子だと電話に出られる感じじゃなかったから異種属調査室の本部かもしれない。
「スミマセン、テレビのチャンネルを替えてもよろしいでしょうか?」
「ああ、構わんよ」
電話を耳に充てたまま太郎さんはじいちゃんに断りリモコンに手をのばした。
テレビの画面が別な局へと切り替わる。
そこでも台風の中継をやっていて、さらにはさっきまで映っていた籠目大社の境内が映されていた。
さきほどよりも離れた場所からの映像。どうやら違う局のひとも籠目大社に居たみたいだけど、さっきのアナウンサーさんほど近くにまでは近寄っていなかったみたいだ。
「今確認しました。ええ、ええ、脆くなっていますね。先程の足場の倒壊が原因でしょう」
どうやら吹田さんが突き飛ばされたのも大事だったけど、それ意外にも山田さんたちがこの神社を気にする理由があるみたいだ。
「大岩、なんだか傾げていないかしら?」
「えっ!? あ、ホントだっ!」
ばあちゃんがポツリと呟いた。
吹田さんのことで頭に血が昇っててそこまで注意して見ていなかったけど、確かに倒壊した足場の中心に据えられた大岩は心なしか傾いている。
大岩はその周りがしめ縄が締められているんだけど、それが地面に対して斜めになってるんだ。
ふつうしめ縄って地面と水平になるように飾っとくもんだもんね。
僕らが観ている合間にもしめ縄はどんどんと斜めに傾げていく。
いくら足場が崩れて地面が雨でグズグズになってるにしたってこれはおかしい。大岩は何十年も何百年もそこにあったはずでそんなにバランスが悪いモノじゃないはずなのに…
「#あっち_・・・_#から誰かが押しておるんじゃ」
じいちゃんの呟き。
あっち? あっちって岩の後側って意味じゃないよね? じいちゃんが言っている#あっち_・・・_#ってのはつまりアオちゃんがいたあっちって意味で……幻獣の住んでる世界って意味で……
「つ、つまり押してるのはげ、幻獣…」
太郎さんが呻く。
『崩れるぞぉぉーーーーーッ!! 退避ッ! 退避ぃーーーッ!!』
テレビの向こうで作業員さんが叫んだ次の瞬間、大岩がゴロリと転がった。
不自然なほど大岩が細かく砕けその破片がそこらじゅうに飛び散る。
その礫はカメラを構えて大岩を撮っていたひとにもぶつかったらしく、悲鳴と共に画面が乱れた。
幸い……なんだろうか? カメラマンさんの手を離れたカメラはしかし、地面に転がったままそれでも大岩のあった場所を映している。
雨でぼやけたレンズに映る不鮮明な影。
大岩ほどに大きくはないけれど、自動車くらいはあるソレはどこかしら禍々しい雰囲気を漂わせている。
「ピー、キュゥゥ、ピュルルル~」
「アオちゃん?」
怯えた鳴き声をあげてアオちゃんが僕のシャツにしがみついてくる。
ツメがシャツに食い込んで痛みをおぼえるけれど、僕はアオちゃんの不安を和らげようと両手でアオちゃんを抱き寄せた。
『きゃぁぁっ!?』
画面の向こうで誰かが悲鳴をあげた。
それに反応したのか影がサッと動く。
「あれはっ」
動き出したことで逆に不鮮明だったソレの全体像がわかってきた。
ライオン。
最初に頭に浮かんだ印象は百獣の王とも呼ばれる四つ足の獣ライオン。
けれどその尻尾はひどく長いうえに不自然なくらいに自由自在に動き回っている。
まるでライオンとは別な意思を持った生き物みたいに…
そして肩にあたる部分には長いナニカ。
瘤? いや、それよりもずっと大きい。
ライオンがカメラに近付いたおかげでわかった。
あれは首だ。シカとかヤギとか草食獣の首。
「アイツは」
見覚えがある。僕はアイツを知っている。
アオちゃんと裏山の神社で出会ったあの日、じいちゃんに再び神社に連れられ見せてもらった#あちら側_・・・・_#での景色、そこで僕たちを恐怖に陥れた幻獣こそが今カメラの向こう側にいる獣だった。
「…キマイラ」
そうキマイラだ。
あの時、あの瞳に見据えられた恐怖を僕はまだ覚えている。
幻獣が出入り出来ないよう張られた結界越しであったにも関わらず僕とじいちゃんは一目散に逃げ出した。
敵わないと本能で悟ったからだ。
その幻獣が今、結界の向こう側ではなく、僕らの住む世界を闊歩している。
距離こそ離れているけれど、その事実が例えようもなく恐ろしかった。
キマイラは悠然と暴風雨の中を歩いている。
天災だろうとひとの力だろうとものともしないといった余裕に満ちた足取りで。
それはまさしく王者の振る舞い。
キマイラは不意に脚を留めた。
そして何かを探すみたいに周囲を見渡し次いで地面に転がっているカメラの方向を向く。
未だカメラのレンズは雨水でぼやけている。
だのに何故だろう、キマイラの強い視線はやけにハッキリと映っている。
「……ひッ!!」
嘲笑った。
カメラ越しにこちらを見て嘲笑ったのだ。
それは獲物を見つけた笑み。
捕食者が欲望を満たす対象を探し出した残酷な歓喜。
『グワオオォォォォォッッ!!』
お腹に重く響く咆哮を響もすとキマイラはカメラに向かって駆け出した。
数歩でカメラに辿り着く。
そこで籠目大社からの中継は途絶えた。最後にカメラに映されたのはキマイラの太い前肢、カメラはキマイラに踏み潰されたのだ。
「ふっ、はぁぁ~っ」
誰かが大きく息を吐いた。
緊張感が解かれ安堵したのだ。誰だろう? じいちゃんかばあちゃんか、太郎さんか花子さんか、あるいはその全員か。
だけど僕の緊張はまだ解かれてはいない。
だって…
「太郎さん、花子さん、吹田さんに大至急連絡をしてください」
だって…
「え!? ナツ君、でも室長はさっきの幻獣の件でソレどころじゃないはずだよ。いや、それ以前にケガで治療中かもしれないし…」
だって…
「それでも連絡をっ!」
だって…
「ナツ君?」
だって…
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