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第十五話
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翌日。
私は自室で婚約披露宴のことについて考えていた。
私が知る未来のものとは明らかに異なった披露宴。
未来が変わってしまったのは明白だった。
原因を探そうと頭を回すと、すぐにそれは見つかった。
「そうか……クレアだ……」
前回の披露宴前日には私はクレアの元を訪れてはいなかった。
しかし今回は彼女の元を訪れ、未来から来たという話をした。
おそらくあれが原因となって、未来が改変されてしまったのだろう。
「そういえばクレア……あの時……」
去り際の彼女の言葉が鮮明に思い出される。
『もうあなたが襲われることもないかもしれないし……』
もしかしたらクレアは犯人に心当たりがあって、犯行を止めるように言いに行ったのかもしれない。
それで犯人が改心したのなら、私が襲われなかった説明がつく。
しかし……それならばどうしてクレアは披露宴の会場に現れなかったのか。
疑問符が浮かび再び頭を悩ますも、意外と早く恐ろしい仮説へと辿り着く。
「もしかして……逆にクレアは……犯人に……」
そう思いかけたところで部屋の扉が叩かれた。
ビクッと体を振るわせると、次いで使用人の声が部屋の外から聞こえてくる。
「お嬢様……お嬢様にお客様がいらっしゃっていますが、どうなさいますか?エレノアという方ですが……」
「エレノア……さんが?」
エレノアさんは容姿端麗なその見た目から学園時代に目立っていた人……。
確かウィリアムの幼馴染だったような……。
いつか話してくれたウィリアムの言葉を思い出す。
彼からは、とても美しく優しい女性だと聞いている。
私は部屋の扉を開けると、そこに立っていた使用人に言った。
「ありがとう、今すぐ行くわ」
……応接間に到着すると、そこには美しい金色の髪をした女性が座っていた。
まるで女神のような雰囲気を漂わせる彼女は、丁寧な所作で立ち上がると、私に一礼をした。
「はじめましてシャーロットさん。エレノアです。いつもウィリアムがお世話になっています」
透き通るような綺麗な声に、思わずうっとりとしてしまう。
「こ、こちらこそ、た、たくさん助けて頂いて……」
これじゃあまるで私が使用人みたいだ。
緊張した私は貴族らしからぬ焦った態度を取ってしまう。
しかしそんな私を非難するでもなく、彼女は楽しそうに笑った。
「ふふっ、やっぱり噂に聞いていた通り面白い人なのね……実は今日はシャーロットさんに話があってきたの。少しだけお時間いいかしら?」
「は、はい」
私が頷くと彼女の目の前のソファーに座った。
それを見て彼女も腰を下ろす。
使用人がささっと出て行ってしまい、部屋には二人だけになる。
すると彼女は急に悲しそうな顔になり、言葉を紡いだ。
「クレアのこと……聞いてる?」
「え?クレア?」
先ほどの仮説が頭をよぎる。
私はエレノアに青い顔を向けた。
「クレアに何かあったんですか……?」
エレノアの瞳がじっと私を見つめる。
まるで私を試すように……。
程なくして審査終了の合図のように、彼女は静かに口を開いた。
「クレアは……自殺したの……」
「……え?」
私は自室で婚約披露宴のことについて考えていた。
私が知る未来のものとは明らかに異なった披露宴。
未来が変わってしまったのは明白だった。
原因を探そうと頭を回すと、すぐにそれは見つかった。
「そうか……クレアだ……」
前回の披露宴前日には私はクレアの元を訪れてはいなかった。
しかし今回は彼女の元を訪れ、未来から来たという話をした。
おそらくあれが原因となって、未来が改変されてしまったのだろう。
「そういえばクレア……あの時……」
去り際の彼女の言葉が鮮明に思い出される。
『もうあなたが襲われることもないかもしれないし……』
もしかしたらクレアは犯人に心当たりがあって、犯行を止めるように言いに行ったのかもしれない。
それで犯人が改心したのなら、私が襲われなかった説明がつく。
しかし……それならばどうしてクレアは披露宴の会場に現れなかったのか。
疑問符が浮かび再び頭を悩ますも、意外と早く恐ろしい仮説へと辿り着く。
「もしかして……逆にクレアは……犯人に……」
そう思いかけたところで部屋の扉が叩かれた。
ビクッと体を振るわせると、次いで使用人の声が部屋の外から聞こえてくる。
「お嬢様……お嬢様にお客様がいらっしゃっていますが、どうなさいますか?エレノアという方ですが……」
「エレノア……さんが?」
エレノアさんは容姿端麗なその見た目から学園時代に目立っていた人……。
確かウィリアムの幼馴染だったような……。
いつか話してくれたウィリアムの言葉を思い出す。
彼からは、とても美しく優しい女性だと聞いている。
私は部屋の扉を開けると、そこに立っていた使用人に言った。
「ありがとう、今すぐ行くわ」
……応接間に到着すると、そこには美しい金色の髪をした女性が座っていた。
まるで女神のような雰囲気を漂わせる彼女は、丁寧な所作で立ち上がると、私に一礼をした。
「はじめましてシャーロットさん。エレノアです。いつもウィリアムがお世話になっています」
透き通るような綺麗な声に、思わずうっとりとしてしまう。
「こ、こちらこそ、た、たくさん助けて頂いて……」
これじゃあまるで私が使用人みたいだ。
緊張した私は貴族らしからぬ焦った態度を取ってしまう。
しかしそんな私を非難するでもなく、彼女は楽しそうに笑った。
「ふふっ、やっぱり噂に聞いていた通り面白い人なのね……実は今日はシャーロットさんに話があってきたの。少しだけお時間いいかしら?」
「は、はい」
私が頷くと彼女の目の前のソファーに座った。
それを見て彼女も腰を下ろす。
使用人がささっと出て行ってしまい、部屋には二人だけになる。
すると彼女は急に悲しそうな顔になり、言葉を紡いだ。
「クレアのこと……聞いてる?」
「え?クレア?」
先ほどの仮説が頭をよぎる。
私はエレノアに青い顔を向けた。
「クレアに何かあったんですか……?」
エレノアの瞳がじっと私を見つめる。
まるで私を試すように……。
程なくして審査終了の合図のように、彼女は静かに口を開いた。
「クレアは……自殺したの……」
「……え?」
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