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第十五話
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「それで、これからどうするんだい?」
「分からない。もう……疲れちゃった……」
「……そうかい」
そう言ったきり、老婆は何も言わなかった。
しかし、しばらくして老婆は私に試すような視線を向けると、呟いた。
「もう一度……過去へ戻ってみるかい?」
私はハッとして起き上がる。
「できるの?」
「ああ。でもおすすめはしないよ。お嬢さんの体に相当な負担がかかることになるからね。あと一回なら何とかなるだろうが、その次はもう無いと思ってくれ」
「そう……」
私は少し考える。
もし過去に戻れるなら……。
いや、しかし、過去に戻った所で私は本当に幸せになれるのだろうか。
ジェームズだけでなく、ワイマールも浮気をした。
本当にこの二人と再び一緒になることが私にとって良いことなのだろうか?
「悩むかい?」
老婆は少しバカにするように私に問いかける。
「うん、もう一度やり直せるのは素敵なことだけど、本当にそれで良いのかしら……」
「……恋人のことは好きなんじゃないのかい?」
「分からないわ……」
「そうか……」
そう言って、老婆は再び黙り込んだ。
しばらく沈黙の時間が流れる。
そして、老婆は意を決したように口を開いた。
「お嬢さん、この魔法はね。ただ過去に戻るだけの魔法じゃないんだ。過去に戻って真実を知ることが出来る魔法なのさ。言ってる意味分かるかい?」
「えっと……」
私が戸惑っていると、老婆がため息をつく。
「お嬢さんは二回も恋人に裏切られた。そのことに対してお嬢さんは、どう思っているんだい?」
「それは……不幸なことだと思っているわ。」
「ほう、ただの不幸だと?本当にそう思っているのかい?」
「……何が言いたいの?」
私が問いかけると、老婆は私に指をさした。
「いいかいお嬢さん。真実というのはね、常にその両の目で見たものだけなんだよ。他人の言葉を借りるんじゃなくて……その目で、見るべくして見た現実こそが真実なのさ」
「……」
はっきりと理解できない老婆の言葉に私は言葉を返せなかった。
「つまりね……不幸になった原因を、くまなく正確に探しあてること。それが今のお嬢さんに必要なことだと私は思うのさ。過去に戻って見つけてきなさい。この老婆に言えることはそれだけさ」
「不幸になった原因……」
熟考するように私は目線を下げる。
今までの出来事が走馬灯の様に頭を駆け巡った。
「過去に戻って……真実を見つける……それが私のやるべきこと……過去に戻る意味」
私が呟くごとに老婆は嬉しそうに頷いた。
「さて、お嬢さん。……決心はついたかい?」
少しの間の後、老婆がそう言うと、私は力強く頷いた。
「ええ、もちろん」
「分からない。もう……疲れちゃった……」
「……そうかい」
そう言ったきり、老婆は何も言わなかった。
しかし、しばらくして老婆は私に試すような視線を向けると、呟いた。
「もう一度……過去へ戻ってみるかい?」
私はハッとして起き上がる。
「できるの?」
「ああ。でもおすすめはしないよ。お嬢さんの体に相当な負担がかかることになるからね。あと一回なら何とかなるだろうが、その次はもう無いと思ってくれ」
「そう……」
私は少し考える。
もし過去に戻れるなら……。
いや、しかし、過去に戻った所で私は本当に幸せになれるのだろうか。
ジェームズだけでなく、ワイマールも浮気をした。
本当にこの二人と再び一緒になることが私にとって良いことなのだろうか?
「悩むかい?」
老婆は少しバカにするように私に問いかける。
「うん、もう一度やり直せるのは素敵なことだけど、本当にそれで良いのかしら……」
「……恋人のことは好きなんじゃないのかい?」
「分からないわ……」
「そうか……」
そう言って、老婆は再び黙り込んだ。
しばらく沈黙の時間が流れる。
そして、老婆は意を決したように口を開いた。
「お嬢さん、この魔法はね。ただ過去に戻るだけの魔法じゃないんだ。過去に戻って真実を知ることが出来る魔法なのさ。言ってる意味分かるかい?」
「えっと……」
私が戸惑っていると、老婆がため息をつく。
「お嬢さんは二回も恋人に裏切られた。そのことに対してお嬢さんは、どう思っているんだい?」
「それは……不幸なことだと思っているわ。」
「ほう、ただの不幸だと?本当にそう思っているのかい?」
「……何が言いたいの?」
私が問いかけると、老婆は私に指をさした。
「いいかいお嬢さん。真実というのはね、常にその両の目で見たものだけなんだよ。他人の言葉を借りるんじゃなくて……その目で、見るべくして見た現実こそが真実なのさ」
「……」
はっきりと理解できない老婆の言葉に私は言葉を返せなかった。
「つまりね……不幸になった原因を、くまなく正確に探しあてること。それが今のお嬢さんに必要なことだと私は思うのさ。過去に戻って見つけてきなさい。この老婆に言えることはそれだけさ」
「不幸になった原因……」
熟考するように私は目線を下げる。
今までの出来事が走馬灯の様に頭を駆け巡った。
「過去に戻って……真実を見つける……それが私のやるべきこと……過去に戻る意味」
私が呟くごとに老婆は嬉しそうに頷いた。
「さて、お嬢さん。……決心はついたかい?」
少しの間の後、老婆がそう言うと、私は力強く頷いた。
「ええ、もちろん」
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