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再会の巻
二度と、離さない
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直接的な行為はありませんが、ヒロインが他の人と致す表現があります。
玄関にあっちゃんの靴がある。
珍しいな、と思いつつ俺はリビングのドアを開ける。しかし、目当ての人物はいない。
背負うにはきつくなったランドセルをソファに置く。自分は成長期は早い方だったのか、小学校六年になった頃に身長がぐんと伸びた。あと二センチであっちゃんに追いつく。そうしたら告白しようと心に決めていた。もちろん振られる前提だ。告白をすることで、少しでも男として意識して欲しかった。
冷蔵庫から牛乳を取り出す。コップになみなみと注ぎ、一気に飲み干す。
靴はあれど気配がしない。おかしいなと思っていると、二階から言い争う声が聞こえた。
「あっちゃん?」
とんとんと階段を上っていくと、何を言っているかわからないが声が大きくなる。
声の発信元は、どうやら長兄のかえにぃの部屋からのようだ。
普段あっちゃんが入る事のない部屋から二人の気配がする。
淫靡な雰囲気が二階を包んでいるような気がした。
まさか、まさかまさか!
心臓が早鐘のようにガンガンと脈打つ。
怒りなのか悲しみなのかわからない感情が全身を支配していく。
分かっていた。あっちゃんがかえにぃの事が好きな事も。告白しようか悩んでた事も。けれども、かえにぃはそんな素振り全然なかったから安心してたんだ。
部屋に入るのは怖くて、どうしたらいいかわからず二人の部屋の前で立ちすくむ。バシーンと威勢のいい音と共に、でかい怒号が聞こえてきた。
「死ね!このヤリチン!!テメェなんか好きでもなんでもねぇ!」
バタンもドアが勢いよく開くと、あっちゃんが出てくる。
俺が憎くて仕方がない高校の制服は所々乱れており、髪もぼさぼさだった。かえにぃの部屋も明らかに情事後の空気が残っていた。自分が杞憂していた事が本当だったと思い知らされてしまった。
あっちゃんが部屋を出るときに、一瞬目が合ったがすぐに逸らされる。俺の横を擦り抜けたあっちゃんは、どたどたと大きな音を立てて家から出て行った。
下手に声をかけられなくて良かった。俺は今、嫉妬に溢れた醜い顔をしているだろう。
部屋に残されたかえにぃは頬を抑え呆然としている。
「ってぇ……あいつ何なんだ。望、わりぃなこんな所見せて」
「……何したの?」
「いや、渥美が好きだって言うから、その場で抱いたんだよ……そしたら挿れた所でブチ切れやがって……」
「何か言ったの?」
「いや……めんどくせーなって…処女だったんだよ。アイツ」
「へぇ……」
そんな理由であっちゃんに手を出したのか。今すぐにでもかえにぃをぶち殺してやりたい気分だった。けれども、掌を握りぐっと堪える。
下手に諭して興味を持たれたら困る。努めて冷静に俺はかえにぃに向かって言葉を吐いた。
「大変だったね。かぇにい。かなり怒ってたし、放っておいたら?下手に慰めると勘違いしちゃうよ?」
「……ちっ。だよなー。望、悪かったな」
舌打ちをしたかえにぃを見て益々怒りが込み上げてきた。更に拳に力を入れて怒りを受け流す。
「母さんたちには黙っておくよ」
俺はそう言って部屋を後にする。声が少し震えていたが、気がつかれていないだろうか。ゆっくり、階段を降りる。
正直なところ、あっちゃんの処女は俺が貰いたかった。けれども年齢的に無理がある。想定内の事だった。
ただ、相手が兄で、しかもその場に居合わせるとう最低の経験をしてしまった。
でもこれであっちゃんは兄を諦めるだろう。きっともうこの家に顔を出す事も無くなる。
それは困る。これからどうすべきか……そんな事を考えながら階段を降りていった。
ふと、掌に力を入れていた事を思い出した。温い感覚に疑問を覚え、ゆっくりと掌を開く。そこにはべっとりと血が付いていた。
あぁ、あっちゃんに怒られるかな。こんな風に傷をつけたら。ぽたぽたと垂れる血を見て、他人事のように思った。
洗面台に行き、蛇口を捻る。勢いよく出る水と混ざる赤。俺は混じり合う二つをじっと見ていた。よほど深く傷つけたのか、血は中々止まらなかった。
誰かに見られているような気がして、顔を上げる。涙を流し、嫉妬と羨望に歪んだ顔の自分と鏡ごしに目が合った。
「まだ、自分は子供だ」
「仕方がない。これは、仕方がないこと」
「あっちゃんを必ず手に入れる」
自分への慰めと誓いを口にする。
俺は、あっちゃんの最後の人になる。
必ず。
どんな手を使っても。
「っっ!!」
がばりとベッドから起き上がり、周りを見渡す。
自分のマンション、ベッド……一つ一つ確認していく。そして、最後に隣にいるはずの人を探す。ベッドにはまだ温もりがある。けれども姿が見えない。
久しぶりにあの時の夢を見た。
あっちゃん……渥美を手に入れてからしばらくは見なかった夢。
トラウマになっているのか、繰り返し夢の中で渥美をかえにぃに奪われる。
俺は自嘲気味に一つ溜息つく。そして、愛しい人の姿を探しにベッドから出た。
リビングに出ると、ソファに座りマグカップを持ったあっちゃんがいた。ぼーっとしているのかこちらには気がつかない。
そっと後ろから近づいて、そのまま抱きしめた。
「居ないからびっくりした」
そのままぎゅうっと力を入れると、本当に気がついていなかったのか、渥美の肩がびくっと揺れた。
「ごめん、眠れなくて…」
「そうだったの?じゃあよく眠れるように疲れる事する?」
耳朶を食みながらそう言うと、あ、と可愛い声が漏れた。
「散々したのにまだするの?」
その問いには答えず、耳朶から首筋へと唇を移動し、舌を這わす。手はすでに寝衣の中に入っており、何もつけていない膨らみを両手で包む。
ぐにぐにと形を変えるように揉むと、俺の首に手が周りを顔を起こされた。
するとすかさず渥美の唇が俺のものを塞ぐ。
同時に舌がするりと中に入ってきて、口腔内を犯された。
それがスイッチとなり、俺の舌もあっちゃんの舌を追い掛ける。その間も手は休めず、胸の頂を捏ね繰り回し、時に力を込めて捻った。
口を塞いでいるため、くぐもった呻き声が隙間からもれる。
キスの応酬が終わり、二人の間に銀糸が光った。
「珍しいね、渥美が積極的だ……」
「……いや?」
「……大歓迎だよ」
そこからは獣のように交わった。
避妊具を着けようとする手を阻まれ、そのままして、と耳元で囁かれる。もとより薄っぺらい理性が吹き飛んだ。
よく見たいと、俺の前に座らせる。すると、渥美は珍しく自ら腰を振った。対位を変えて、後ろから突けばもっともっとと鳴いて強請る。俺は、飽くる事なく渥美の中に白濁を放出した。最後の方は入りきらないものがごぷりと溢れ出てきた。
俺は渥美としかセックス出来ない。
他の女では勃たない。俺の複雑な精神は、男としての本能を凌駕していた。
情事が終わったのは外の空が白けて来る頃だった。
お互いの性液でどろどろになったシーツ。かなり汚染していたが、そんなことも気にならず、二人で抱き合って眠った。
そうだ、今あっちゃんは俺の中にいる。やっと手に入れた。二度と離さない。
そんな事を思いなが俺は眠りに落ちた。
玄関にあっちゃんの靴がある。
珍しいな、と思いつつ俺はリビングのドアを開ける。しかし、目当ての人物はいない。
背負うにはきつくなったランドセルをソファに置く。自分は成長期は早い方だったのか、小学校六年になった頃に身長がぐんと伸びた。あと二センチであっちゃんに追いつく。そうしたら告白しようと心に決めていた。もちろん振られる前提だ。告白をすることで、少しでも男として意識して欲しかった。
冷蔵庫から牛乳を取り出す。コップになみなみと注ぎ、一気に飲み干す。
靴はあれど気配がしない。おかしいなと思っていると、二階から言い争う声が聞こえた。
「あっちゃん?」
とんとんと階段を上っていくと、何を言っているかわからないが声が大きくなる。
声の発信元は、どうやら長兄のかえにぃの部屋からのようだ。
普段あっちゃんが入る事のない部屋から二人の気配がする。
淫靡な雰囲気が二階を包んでいるような気がした。
まさか、まさかまさか!
心臓が早鐘のようにガンガンと脈打つ。
怒りなのか悲しみなのかわからない感情が全身を支配していく。
分かっていた。あっちゃんがかえにぃの事が好きな事も。告白しようか悩んでた事も。けれども、かえにぃはそんな素振り全然なかったから安心してたんだ。
部屋に入るのは怖くて、どうしたらいいかわからず二人の部屋の前で立ちすくむ。バシーンと威勢のいい音と共に、でかい怒号が聞こえてきた。
「死ね!このヤリチン!!テメェなんか好きでもなんでもねぇ!」
バタンもドアが勢いよく開くと、あっちゃんが出てくる。
俺が憎くて仕方がない高校の制服は所々乱れており、髪もぼさぼさだった。かえにぃの部屋も明らかに情事後の空気が残っていた。自分が杞憂していた事が本当だったと思い知らされてしまった。
あっちゃんが部屋を出るときに、一瞬目が合ったがすぐに逸らされる。俺の横を擦り抜けたあっちゃんは、どたどたと大きな音を立てて家から出て行った。
下手に声をかけられなくて良かった。俺は今、嫉妬に溢れた醜い顔をしているだろう。
部屋に残されたかえにぃは頬を抑え呆然としている。
「ってぇ……あいつ何なんだ。望、わりぃなこんな所見せて」
「……何したの?」
「いや、渥美が好きだって言うから、その場で抱いたんだよ……そしたら挿れた所でブチ切れやがって……」
「何か言ったの?」
「いや……めんどくせーなって…処女だったんだよ。アイツ」
「へぇ……」
そんな理由であっちゃんに手を出したのか。今すぐにでもかえにぃをぶち殺してやりたい気分だった。けれども、掌を握りぐっと堪える。
下手に諭して興味を持たれたら困る。努めて冷静に俺はかえにぃに向かって言葉を吐いた。
「大変だったね。かぇにい。かなり怒ってたし、放っておいたら?下手に慰めると勘違いしちゃうよ?」
「……ちっ。だよなー。望、悪かったな」
舌打ちをしたかえにぃを見て益々怒りが込み上げてきた。更に拳に力を入れて怒りを受け流す。
「母さんたちには黙っておくよ」
俺はそう言って部屋を後にする。声が少し震えていたが、気がつかれていないだろうか。ゆっくり、階段を降りる。
正直なところ、あっちゃんの処女は俺が貰いたかった。けれども年齢的に無理がある。想定内の事だった。
ただ、相手が兄で、しかもその場に居合わせるとう最低の経験をしてしまった。
でもこれであっちゃんは兄を諦めるだろう。きっともうこの家に顔を出す事も無くなる。
それは困る。これからどうすべきか……そんな事を考えながら階段を降りていった。
ふと、掌に力を入れていた事を思い出した。温い感覚に疑問を覚え、ゆっくりと掌を開く。そこにはべっとりと血が付いていた。
あぁ、あっちゃんに怒られるかな。こんな風に傷をつけたら。ぽたぽたと垂れる血を見て、他人事のように思った。
洗面台に行き、蛇口を捻る。勢いよく出る水と混ざる赤。俺は混じり合う二つをじっと見ていた。よほど深く傷つけたのか、血は中々止まらなかった。
誰かに見られているような気がして、顔を上げる。涙を流し、嫉妬と羨望に歪んだ顔の自分と鏡ごしに目が合った。
「まだ、自分は子供だ」
「仕方がない。これは、仕方がないこと」
「あっちゃんを必ず手に入れる」
自分への慰めと誓いを口にする。
俺は、あっちゃんの最後の人になる。
必ず。
どんな手を使っても。
「っっ!!」
がばりとベッドから起き上がり、周りを見渡す。
自分のマンション、ベッド……一つ一つ確認していく。そして、最後に隣にいるはずの人を探す。ベッドにはまだ温もりがある。けれども姿が見えない。
久しぶりにあの時の夢を見た。
あっちゃん……渥美を手に入れてからしばらくは見なかった夢。
トラウマになっているのか、繰り返し夢の中で渥美をかえにぃに奪われる。
俺は自嘲気味に一つ溜息つく。そして、愛しい人の姿を探しにベッドから出た。
リビングに出ると、ソファに座りマグカップを持ったあっちゃんがいた。ぼーっとしているのかこちらには気がつかない。
そっと後ろから近づいて、そのまま抱きしめた。
「居ないからびっくりした」
そのままぎゅうっと力を入れると、本当に気がついていなかったのか、渥美の肩がびくっと揺れた。
「ごめん、眠れなくて…」
「そうだったの?じゃあよく眠れるように疲れる事する?」
耳朶を食みながらそう言うと、あ、と可愛い声が漏れた。
「散々したのにまだするの?」
その問いには答えず、耳朶から首筋へと唇を移動し、舌を這わす。手はすでに寝衣の中に入っており、何もつけていない膨らみを両手で包む。
ぐにぐにと形を変えるように揉むと、俺の首に手が周りを顔を起こされた。
するとすかさず渥美の唇が俺のものを塞ぐ。
同時に舌がするりと中に入ってきて、口腔内を犯された。
それがスイッチとなり、俺の舌もあっちゃんの舌を追い掛ける。その間も手は休めず、胸の頂を捏ね繰り回し、時に力を込めて捻った。
口を塞いでいるため、くぐもった呻き声が隙間からもれる。
キスの応酬が終わり、二人の間に銀糸が光った。
「珍しいね、渥美が積極的だ……」
「……いや?」
「……大歓迎だよ」
そこからは獣のように交わった。
避妊具を着けようとする手を阻まれ、そのままして、と耳元で囁かれる。もとより薄っぺらい理性が吹き飛んだ。
よく見たいと、俺の前に座らせる。すると、渥美は珍しく自ら腰を振った。対位を変えて、後ろから突けばもっともっとと鳴いて強請る。俺は、飽くる事なく渥美の中に白濁を放出した。最後の方は入りきらないものがごぷりと溢れ出てきた。
俺は渥美としかセックス出来ない。
他の女では勃たない。俺の複雑な精神は、男としての本能を凌駕していた。
情事が終わったのは外の空が白けて来る頃だった。
お互いの性液でどろどろになったシーツ。かなり汚染していたが、そんなことも気にならず、二人で抱き合って眠った。
そうだ、今あっちゃんは俺の中にいる。やっと手に入れた。二度と離さない。
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