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私だったらそんなことしないよ? 1
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シュナウザー家の庭園へ続く小道を歩く二つの影があった。
この家の姉妹、秋の月のように輝く姉のマリアと春の太陽のように華やかな妹のアンナだ。
本日も姉の婚約者であるロアンがシュナウザー家に訪れていた。
ロアンはまめまめしい人物のようで、休日のほとんどを婚約者との時間に使っている。
普段ならば執事から到着の連絡を受け駆けるようにロアンの元へと向かうマリアなのだが、本日はなんだか足取りが重い。
朝から何度目かの重いため息が聞こえてきた。
それを妹のアンナはチラリと視線を流し、「もうっ」と姉の腕と自身の腕を絡ませ歩調を戻す。
「アンナ、やっぱりこのドレスは私には明るすぎるわ。もう少し落ち着いたものに……」
本日マリアが着せられているドレスは春の花のように周囲を明るくするような雰囲気があった。
日頃は落ち着いたシンプルで広がりの少ないドレスを好むマリアは落ち着かない気分だった。
いつものようにドレスを選んでいると、アンナが自分のワードロープから持ってきたのだ。
元の持ち主であるアンナの雰囲気に映えるドレスはふわふわと妖精のような雰囲気がある。これはその場にいるだけで周囲を明るく照らすような美貌をもった妹のアンナにこそ似合うドレスだ。
口下手で大人しく内向的な自分にはやはり……と、何度目かの不安が前に出てしまう。
しかし、妹のアンナはそれを許してはくれなかった。
「絶対にこちらが良いです。お姉様はこういった装いも似合うわ。お姉様は明るい色が似合わないのではないの。色の彩度や生地の重さが……とにかく、今日のお姉様はとびきり美しいわ」
拗ねたように頬を膨らませる妹の横顔を見て、やれやれと肩を落とした。
妹は昔から頑固なのだ。こうと決めたら我が儘だとたしなめられようとも、絶対に譲らない。周囲もアンナの可愛さにそこまで言うならと許すものだから仕方ない。
いつだったか、アンナは懐いていた叔父の帰りを待つと言い張り邸の門の前から動かなかったことがあった。幼いいじらしさに胸打たれた家族たちや使用人の目がだんだんと違和感と恐怖に染まる頃、アンナは疲労で倒れた。
説得に説得を重ね、日に1度の門前の見回りで落ち着いたアンナは何年も何年も叔父の帰りを待った。
あまりの様子に両親は叔父の様子を調べに人を遣い、叔父がまだアンナの元に戻れない理由を知った。両親は悩んだだろう。それをいつアンナへ伝えようか。
叔父が邸に顔を出すのが早いか
アンナの興味が他に移るのが早いか
そのどちらかに賭けて、時間だけが経ち……その役目は姉のマリアが担うことになった。アンナの”主”という役目も。
マリアはそれが別に嫌ではなかった。
少し謎の崇拝めいた雰囲気を感じるものの、アンナは可愛い妹であるし、仲の良い姉妹であるのだから。ただ、最近なぜだかマリアは”不安”を感じていた。
────妹は、最近なんだか隠し事をしているようだ。
不安から目を逸らすように、視線をドレスに下げればアンナの指が伸びてきた。
「それに、ロアン様からの贈り物も映えますもの」
アンナの指が首飾りに触れそうになり、直前で止まる。
そして、ゆっくりと下りていった。
「……本当に、素敵ね」
「ロアン様はお姉様があまり喜ばなかったと落ち込んでいらしたわ」
「ロアン様が……あぁ、そういうつもりで言ったのでは……決して、嫌だったわけではないのよ。ただ……」
妹の口から出た婚約者の様子に弾かれるように言い訳めいたことを口にしてしまう。
ロアンから贈られた首飾りには大ぶりの宝石があしらわれている。
自分には少し派手な意匠だと思うが、惚れ惚れするほど輝いている。でも、この贈り物にマリアは素直に喜べなかった。
マリアが「素敵」と一言呟くだけで連日同じものを贈る、甘やかしっぷりである。
宝石の贈り物を好んだと思われてしまえば、ロアンは宝石を貢ぎ始めてしまうだろう。
マリアは宝石が欲しいのではなかった。ただ、自分を心に思い浮かべてもらえるだけで心が安らぐのだった。
素直に喜べなかったマリアは少し罪悪感をもっていた。
それを知ってか知らずか、妹は気にしている部分に切り込んでくる。
それに、なぜロアンの様子をアンナが知っているのだろうか。
「ええ。お姉様はご心配なさったのですよね。ロアン様の懐を。お優しいお姉様」
「……いいえ! そんな」
気遣う表情を向けるアンナに問いたい気持ちが膨らんでしまう。
それを知ってか知らずか、アンナの猫のような目がしなやかに弧を描いた。
「少なくとも、ロアン様はそう思っていらしたわ。わたくしは違うと、ちゃんと伝えたのですよ。先日も街でお会いした時なんて……あっ、ごめんなさい。秘密だったのです。聞かなかったことにしてくださいませ」
「…………そんな」
足元から崩れてしまいそうにふらついた身体をアンナが支えるように腕を引いた。
「お姉様、そんなに悲しそうなお顔をなさらないで」
「大丈夫よ。ただ、少し驚いてしまって……」
心配そうにこちらを覗き込む若草色の瞳の中に悪意は見受けられない。
一体どういうことなのか頭の中の整理がつかない。
「────私だったらお姉様にそのようなお顔をさせないのに……」
それはどういう意味なのか聞き返そうとしたが、アンナの視線はもうこちらに向いていなかった。
それはどうやら私の後ろに”いる”ようだ。
その視線をたどりゆっくりと振り向けば、ロアンの補佐官である男が初対面の時と変わらない笑顔をアンナに向けていた。しかしその目は獰猛な光りが宿っている。
「アンナは”俺のことを”大好きなお姉さんに秘密にするつもり?この前もデート中だと言うのに、隊長にお姉さんの好きな花をアドバイスしたりお節介をしていて妬いてしまったよ」
「……………………まぁ、ごきげんよう。お客様がここまで入って来るなんて」
「待ちきれなくてね」
二人へ視線を行ったり来たりとさせてしまう。
このやりとりはなんなのだろうか。
しかし、補佐官の男の言葉に聞き捨てならないことがあった。
妹の”秘密”とは。
”隠し事”とは。
「まぁ!そうなのね!」
思わず手をパチンと打ってしまったが、補佐官はニッコリと肯定の笑みを向けるし
アンナは照れたように苦々しい顔をしている。素直でないのだから。可愛い子!
「……お姉様、違うわ。この男は」
「クレイン、だろ?」
やり取りのひとつひとつがもう親し気である。
侍女や執事に聞いても皆含み笑いで目を緩ませ知らぬ存ぜぬだったのは、これが理由だったのだ。
「ご挨拶が遅れ失礼いたしました。ここで楽しい談笑が長引けばロアン隊長も来てしまいますので、続きはテーブルにしましょう」
「────マリアのエスコートは俺が」
「ロアン様」
どうやら到着が遅くなったことを心配させたのか、庭園で待っていたはずの婚約者が迎えに来てしまった。
申し訳なさと、嬉しさで頬が熱くなっていくのがわかった。
何か言おうとロアンを見上げるが、思っていたよりも熱い視線を注がれていて居たたまれなくなり、また口を閉じてしまうのが常だった。
しかし、今日は違う。
マリアはロアンと目をあわせ、そのまま補佐官とアンナへと視線を動かす。
その様子を見ていたロアンもハッと気付いたように、ウンウンと頷く。
「まぁまぁ……! 二人はいつから……あっ、ごめんなさい。秘密なのよね」
「あぁ、でも二人は絶対に気が合うと思っていたんだ」
秘密が暴かれてしまったことが恥ずかしいのか、アンナは苦い顔を補佐官に向けたものの一瞬にしてそれを隠しロアンを見上げた。
「まぁ、おもしろい。それは、わたくしのことを副官様のように近くに感じてくださっているということですか?」
アンナは人懐っこい子猫のようにロアンとの距離を一歩縮めた。家族にはよく見せる仕草だが、他人であるロアンにするとは思わなかったマリアは目を丸くさせた。
「もちろん」
しかも、その行動をロアンは驚いた様子もなく自然に構えている。
普段からこの距離感かのようなやり取りに、また不安が顔を覗かせ冷えて重くなっていく。
「アンナはマリアの妹だからね。クレインと同じく家族同然のように思って……おっと気が早いか」
「ロアン様ったら……!」
マリアの心はまた一つ、温かくなった。
この家の姉妹、秋の月のように輝く姉のマリアと春の太陽のように華やかな妹のアンナだ。
本日も姉の婚約者であるロアンがシュナウザー家に訪れていた。
ロアンはまめまめしい人物のようで、休日のほとんどを婚約者との時間に使っている。
普段ならば執事から到着の連絡を受け駆けるようにロアンの元へと向かうマリアなのだが、本日はなんだか足取りが重い。
朝から何度目かの重いため息が聞こえてきた。
それを妹のアンナはチラリと視線を流し、「もうっ」と姉の腕と自身の腕を絡ませ歩調を戻す。
「アンナ、やっぱりこのドレスは私には明るすぎるわ。もう少し落ち着いたものに……」
本日マリアが着せられているドレスは春の花のように周囲を明るくするような雰囲気があった。
日頃は落ち着いたシンプルで広がりの少ないドレスを好むマリアは落ち着かない気分だった。
いつものようにドレスを選んでいると、アンナが自分のワードロープから持ってきたのだ。
元の持ち主であるアンナの雰囲気に映えるドレスはふわふわと妖精のような雰囲気がある。これはその場にいるだけで周囲を明るく照らすような美貌をもった妹のアンナにこそ似合うドレスだ。
口下手で大人しく内向的な自分にはやはり……と、何度目かの不安が前に出てしまう。
しかし、妹のアンナはそれを許してはくれなかった。
「絶対にこちらが良いです。お姉様はこういった装いも似合うわ。お姉様は明るい色が似合わないのではないの。色の彩度や生地の重さが……とにかく、今日のお姉様はとびきり美しいわ」
拗ねたように頬を膨らませる妹の横顔を見て、やれやれと肩を落とした。
妹は昔から頑固なのだ。こうと決めたら我が儘だとたしなめられようとも、絶対に譲らない。周囲もアンナの可愛さにそこまで言うならと許すものだから仕方ない。
いつだったか、アンナは懐いていた叔父の帰りを待つと言い張り邸の門の前から動かなかったことがあった。幼いいじらしさに胸打たれた家族たちや使用人の目がだんだんと違和感と恐怖に染まる頃、アンナは疲労で倒れた。
説得に説得を重ね、日に1度の門前の見回りで落ち着いたアンナは何年も何年も叔父の帰りを待った。
あまりの様子に両親は叔父の様子を調べに人を遣い、叔父がまだアンナの元に戻れない理由を知った。両親は悩んだだろう。それをいつアンナへ伝えようか。
叔父が邸に顔を出すのが早いか
アンナの興味が他に移るのが早いか
そのどちらかに賭けて、時間だけが経ち……その役目は姉のマリアが担うことになった。アンナの”主”という役目も。
マリアはそれが別に嫌ではなかった。
少し謎の崇拝めいた雰囲気を感じるものの、アンナは可愛い妹であるし、仲の良い姉妹であるのだから。ただ、最近なぜだかマリアは”不安”を感じていた。
────妹は、最近なんだか隠し事をしているようだ。
不安から目を逸らすように、視線をドレスに下げればアンナの指が伸びてきた。
「それに、ロアン様からの贈り物も映えますもの」
アンナの指が首飾りに触れそうになり、直前で止まる。
そして、ゆっくりと下りていった。
「……本当に、素敵ね」
「ロアン様はお姉様があまり喜ばなかったと落ち込んでいらしたわ」
「ロアン様が……あぁ、そういうつもりで言ったのでは……決して、嫌だったわけではないのよ。ただ……」
妹の口から出た婚約者の様子に弾かれるように言い訳めいたことを口にしてしまう。
ロアンから贈られた首飾りには大ぶりの宝石があしらわれている。
自分には少し派手な意匠だと思うが、惚れ惚れするほど輝いている。でも、この贈り物にマリアは素直に喜べなかった。
マリアが「素敵」と一言呟くだけで連日同じものを贈る、甘やかしっぷりである。
宝石の贈り物を好んだと思われてしまえば、ロアンは宝石を貢ぎ始めてしまうだろう。
マリアは宝石が欲しいのではなかった。ただ、自分を心に思い浮かべてもらえるだけで心が安らぐのだった。
素直に喜べなかったマリアは少し罪悪感をもっていた。
それを知ってか知らずか、妹は気にしている部分に切り込んでくる。
それに、なぜロアンの様子をアンナが知っているのだろうか。
「ええ。お姉様はご心配なさったのですよね。ロアン様の懐を。お優しいお姉様」
「……いいえ! そんな」
気遣う表情を向けるアンナに問いたい気持ちが膨らんでしまう。
それを知ってか知らずか、アンナの猫のような目がしなやかに弧を描いた。
「少なくとも、ロアン様はそう思っていらしたわ。わたくしは違うと、ちゃんと伝えたのですよ。先日も街でお会いした時なんて……あっ、ごめんなさい。秘密だったのです。聞かなかったことにしてくださいませ」
「…………そんな」
足元から崩れてしまいそうにふらついた身体をアンナが支えるように腕を引いた。
「お姉様、そんなに悲しそうなお顔をなさらないで」
「大丈夫よ。ただ、少し驚いてしまって……」
心配そうにこちらを覗き込む若草色の瞳の中に悪意は見受けられない。
一体どういうことなのか頭の中の整理がつかない。
「────私だったらお姉様にそのようなお顔をさせないのに……」
それはどういう意味なのか聞き返そうとしたが、アンナの視線はもうこちらに向いていなかった。
それはどうやら私の後ろに”いる”ようだ。
その視線をたどりゆっくりと振り向けば、ロアンの補佐官である男が初対面の時と変わらない笑顔をアンナに向けていた。しかしその目は獰猛な光りが宿っている。
「アンナは”俺のことを”大好きなお姉さんに秘密にするつもり?この前もデート中だと言うのに、隊長にお姉さんの好きな花をアドバイスしたりお節介をしていて妬いてしまったよ」
「……………………まぁ、ごきげんよう。お客様がここまで入って来るなんて」
「待ちきれなくてね」
二人へ視線を行ったり来たりとさせてしまう。
このやりとりはなんなのだろうか。
しかし、補佐官の男の言葉に聞き捨てならないことがあった。
妹の”秘密”とは。
”隠し事”とは。
「まぁ!そうなのね!」
思わず手をパチンと打ってしまったが、補佐官はニッコリと肯定の笑みを向けるし
アンナは照れたように苦々しい顔をしている。素直でないのだから。可愛い子!
「……お姉様、違うわ。この男は」
「クレイン、だろ?」
やり取りのひとつひとつがもう親し気である。
侍女や執事に聞いても皆含み笑いで目を緩ませ知らぬ存ぜぬだったのは、これが理由だったのだ。
「ご挨拶が遅れ失礼いたしました。ここで楽しい談笑が長引けばロアン隊長も来てしまいますので、続きはテーブルにしましょう」
「────マリアのエスコートは俺が」
「ロアン様」
どうやら到着が遅くなったことを心配させたのか、庭園で待っていたはずの婚約者が迎えに来てしまった。
申し訳なさと、嬉しさで頬が熱くなっていくのがわかった。
何か言おうとロアンを見上げるが、思っていたよりも熱い視線を注がれていて居たたまれなくなり、また口を閉じてしまうのが常だった。
しかし、今日は違う。
マリアはロアンと目をあわせ、そのまま補佐官とアンナへと視線を動かす。
その様子を見ていたロアンもハッと気付いたように、ウンウンと頷く。
「まぁまぁ……! 二人はいつから……あっ、ごめんなさい。秘密なのよね」
「あぁ、でも二人は絶対に気が合うと思っていたんだ」
秘密が暴かれてしまったことが恥ずかしいのか、アンナは苦い顔を補佐官に向けたものの一瞬にしてそれを隠しロアンを見上げた。
「まぁ、おもしろい。それは、わたくしのことを副官様のように近くに感じてくださっているということですか?」
アンナは人懐っこい子猫のようにロアンとの距離を一歩縮めた。家族にはよく見せる仕草だが、他人であるロアンにするとは思わなかったマリアは目を丸くさせた。
「もちろん」
しかも、その行動をロアンは驚いた様子もなく自然に構えている。
普段からこの距離感かのようなやり取りに、また不安が顔を覗かせ冷えて重くなっていく。
「アンナはマリアの妹だからね。クレインと同じく家族同然のように思って……おっと気が早いか」
「ロアン様ったら……!」
マリアの心はまた一つ、温かくなった。
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