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うちの子は幸せですか?

うちの子は幸せですか?

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「んん~~~っ、もう、いいからぁ……っ」

息が荒くなってしまうのは、視界を曇らせる湯気が喉に入り込むからか。

「痛いことはもうしないって言ったでしょう? 痛くないように慣らさないと」

浴室には水音と、なっちゃんのもう低くなった声が色を含んで反響する。

「でも……、っぁ、もぅイっちゃう……」

念入りにゆっくりと抜き差しされる指が胎内を行ったり来たりする光景を見ていられなくて、後ろから体を抱きしめるなっちゃんの首元に顔を埋めた。

「はぁ……かわい」
「~~~~っっ」

なっちゃんの声が、声帯の震えが触れ合っている体を通じて伝わってくる。
ヒクヒクと絶頂を迎えようとしていることが伝わったのか、中だけでは無く敏感な芽にも指が這う。
同時に刺激されると、弾け飛ぶのはすぐだった。

体が勝手に跳ねてしまうのを、なっちゃんの腕に抱きしめ抑えられる。

「はは、すごい締め付け。あー……指ふやけちゃった」

感触を味わうために中に残されたままだった指がヌルリと抜かれ、目の前に見せつけるように差し出された。

その手を叩き落としながら何度か達して怠くなった体を起こし、シャワーのお湯をかけ、なっちゃんの指ごと頭からびしゃびしゃにする。

「も、、そんなの見せないでッ」

濡れた前髪を書き上げ、軽快に笑うなっちゃんの顔は以前よりも、ずっと大人の男の人の顔だった。
なっちゃんは、本気で私の痛み軽減を目標にしているらしく私をいじり倒すことに余念がない。

「立って」

なっちゃんに促され、壁に手をつくと足の間に熱くて……すでに硬くなったものが差し込まれた。慣れたようにそれに手を添えて秘部に押し付ける。

「あー……いつもだけど、今日はとくに熱いね」
「熱いのは……なっちゃんの方よ」

なっちゃんに後ろから抱きしめられながら首筋や肩にキスをされるとゾクゾクと震えてしまう。

「……ねぇ、すごいヒクヒクしてるよ。挿れていい?」
「だーめ」

手の中で熱いものが前後に擦られている。傘が、先ほど達した芽をひっかける度に、快感が呼び戻される。

「ほんと、今日は……いつもより、濡れてて、本当に挿ってるみたい……っ、あーやばい。溶けそう」

耳元で切なく荒い息遣いをするなっちゃんがたまらなくかわいく思えて、振り向きキスをねだった。
顔に添えられた手の熱さすらも気持ちがいい。奪われるように重ねられた唇の間から舌が入り込む。

キスをしながら快感が弾けたのは同時だった。手の中に吐き出されたものを、今度はなっちゃんに見せてあげようかと思ったけど、やっぱり恥ずかしくなったので、またシャワーで全身を洗い流した。

*

「──愛欲の日々って感じね」
「変なサブタイトルつけないでよ」

暑い日差しから逃げるように、日陰に立つ私たちの間に川からの涼しい風が吹いた。
私の高校時代からの親友である目白優子は、この日のために新しく買ったのだという白い帽子をかぶり直した。

我々は本日、毎年夏の恒例行事である△県に来ている。

先日、やっと十八歳の誕生日を迎えたなっちゃんは車の免許を取った。
運転の練習を兼ねて私となっちゃんは車で△県まで向かうことになったのだが、今年は優子も同行することになったのだ。

どうせだったら大ちゃんと神田さんの車に乗れば良いと言ったが、『航貴さんの競争相手をリサーチしたい』とのことだった。

車内ではなっちゃんも優子も仲良くキャッキャとおしゃべりをしていたが、優子が何かにつけ神田さんの話を混ぜるものだから、こっちは気が気でなかった。
なっちゃんは繊細な子なんです!神田さんの話を聞いたら泣いちゃうでしょ!

そして、若葉マークとは思えないほどの安定安全運転で目的地に無事、到着することができた。

若葉マークのくせに気が利くなっちゃんは、私と優子を先に下し離れた駐車場まで車を止めに向かった。
そして女二人になった瞬間に優子に言われたのだ。愛欲の日々だと。まるで私たちの生活を見ていたような口ぶりである。そんなタイトル、ここ最近の昼ドラでもお目にかからないぞ。

「もう車内の空気がエロくてエロくて、見ちゃいけないものを見せられてる気分だった……」
「そんないかがわしいことは一切無かったわ」

遠い目をしている親友にキッパリと毅然とした態度で言い切った。心外である。

「慣れって怖い……」

怯えたような口ぶりだが、優子の顔は『おもしろくてたまらない』という表情だ。正直者め。
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