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10 捜索開始です
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晩餐を終え、昨日と同じように父様の後を付いて、執務室に向かった。
ただし、昨日と違うのは母様も一緒である。
執務室に入ると、父様と母様は隣り合って座り、僕は机を挟んで反対側に座った。
全員が座ったのを確認して、ポールさんがお茶の準備を始めた。
キャロさんや、母様の侍女で侍女長のリサさんも、ポールさんを手伝って手早く終わらせ、所定の場所に立つ。
若干背後が気になるが、人命第一とし、なんとしてでも父様達とキャロさんに僕の話を信じてもらい、外出許可をもぎ・・じゃなく、貰わなくてはならない。
「キャロから聞いた。確かに昨日の朝、アルが普通に笑顔で挨拶してきたのには、家族始め屋敷の皆、驚いた。しかし、声を出せるようになったのも突然だった為、驚きはしたが、表情が戻ったことに皆、喜んでいた」
一度言葉を切り、お茶で喉を潤し
「しかし、キャロだけはそんなアルに不信感があったらしく、朝の態度になってしまったらしい。レイはアルが許すならと、許したみたいだか、ミロ達から報告は受けていた」
後ろを振り返り、キャロさんを見た。
キャロさんは一瞬、罰が悪そうに顔を歪めたけどすぐに表情を戻した。
父様に向き直り、母様の様子を伺うと、まっすぐに僕を見ていた。真実を確かめるみたいに
父様と母様、ポールさんにリサさん、そしてキャロさんを見回し、落ち着くために一口、お茶をのみ、
「キャロさんには言いましたが、とうてい信じられるような話ではありません。正気をうたがうか、頭がおかしくなったのではと思うかも知れませんが、全てを事実です」
前置きをしてから、夢での出来事を話した。
ポールさん達はやはり信じられないのか、訝しげな顔を隠そうとはせず、父様は言わずもがなで、よく分からない、母様は、僕の話を真剣に聞いていた。
「人の命が懸かってるんです。しかも、神(光の玉)に頼まれたことです。お願いします。外に出る許可を」
今度は、キャロさんの助けは見込めそうも無いので、頭をぶつけないように下げた。
「頭をあげなさい。アルの言う事を信じよう」
父様に言われ、頭をあげると、驚いたポールさん達の顔があった。
「なぜなら、まだ国の上層部しか知らない事をアルは言っていたらね。アルの言う、おバカな国は隣国のバーバットだ。天罰でバーバット国の一部の重役達が再起不能になり、国が混乱してうまく機能していないらしく、うちの国にも難民が流れ来て、あちこちで諍いが出てきてるようだ」
「父様?それは僕たちに話して言い事なのですか?」
国の上層部しか知らない話を普通に話し始められてもこっちが焦るんですが。
「近いうちに公開する予定だから構わないさ。それに、アルの話が本当の事だと証明にもなるだろう」
最後の方は周りを見て言った。
訝しんでいたポールさんやリサさん、それにキャロさんに向けて言ってくれたみたいだ。
ポールさん達は「申し訳ありませんでした」揃って頭を下げてくれた。
「頭を上げてください。こんな突拍子もないこと、簡単には信じられませんよ。僕だって、当事者じゃなかったら、どんなに信頼している人だったとしても、信じられたかと言われれば分かりませんから」
キャロさん達と和解したとき、沈黙を守っていた母様が
「もし、キャロがあなたの違和感に気づかなかったら、あなたは今の事を私たちに話す気はあった?」
真剣な母様の眼を見て、少し考えてから
「難しい質問ですね。でも多分、必要にせまられなければ言わずにいたと思います。だって聞いての通り、こうとうむけいな話だからね。人がどう思うかは、その人の自由だけど、やはり自分の中に恐怖があると、どんなに信用してる人でも、否定されるとこを恐れて口をつぐむと思うから」
本当は恐かった。信じて貰えないんじゃないかと、お前は私達の子ではないと否定されることが、とても恐かった。
後ろにいるキャロさんにはバレてたかもしれないが、話してる間、手がずっと震えていた。
父様が信じてくれたと分かったとき、本当は泣きそうだった。
しかしその後、あの爆弾発言とも取れる話しに涙が引っ込み、泣かずにすんだ。
ここで泣いては、本来の目的が遂げられず、部屋に戻されてたかもしれない。
「それでも、親としては話して欲しいわ。子供が大きなものを一人で抱えていたことに、後で知らされたり、知らずにいるなんて、悲しすぎるもの」
母様は席を立ち、僕の横に来ると、そっと抱きしめ
「貴方は私達のかわいい子供なのだから、怖がらず、遠慮せず、何でも相談して話して欲しい。母様からのお願いよ」
折角泣かずにいられたのに、結局泣かされてしまった。
しばらく泣き続けたら、やっぱり部屋に戻るよう促されたので、
「待ってください。まだ外出の許可を頂いてません。一刻を争うんです。どうか許可ください」
身を乗りだし掴みかかる勢いで父様にお願いがした。
「落ち着きなさい。許可するも、護衛の事も考えてたら、早くても四、五日後に「待てません」」
「護衛はキャロさんがいます。明日、捜索に行きたいです。人命が懸かってるんです!!」
「しかしだな、最低でも五人は付け「お願いします!!」」
本来はマナー違反だか、父様の言葉を遮り、ごり押しでお願いする。
僕の熱意というか、勢いに負け明日、外出する許可を出してくれた。
父様よ、チョロくないか?まぁこちらとしては助かるが。
でもやっぱり最低でも五人の護衛が付くことが条件らしい。
待ってて、すぐに助けに行くから!!
ただし、昨日と違うのは母様も一緒である。
執務室に入ると、父様と母様は隣り合って座り、僕は机を挟んで反対側に座った。
全員が座ったのを確認して、ポールさんがお茶の準備を始めた。
キャロさんや、母様の侍女で侍女長のリサさんも、ポールさんを手伝って手早く終わらせ、所定の場所に立つ。
若干背後が気になるが、人命第一とし、なんとしてでも父様達とキャロさんに僕の話を信じてもらい、外出許可をもぎ・・じゃなく、貰わなくてはならない。
「キャロから聞いた。確かに昨日の朝、アルが普通に笑顔で挨拶してきたのには、家族始め屋敷の皆、驚いた。しかし、声を出せるようになったのも突然だった為、驚きはしたが、表情が戻ったことに皆、喜んでいた」
一度言葉を切り、お茶で喉を潤し
「しかし、キャロだけはそんなアルに不信感があったらしく、朝の態度になってしまったらしい。レイはアルが許すならと、許したみたいだか、ミロ達から報告は受けていた」
後ろを振り返り、キャロさんを見た。
キャロさんは一瞬、罰が悪そうに顔を歪めたけどすぐに表情を戻した。
父様に向き直り、母様の様子を伺うと、まっすぐに僕を見ていた。真実を確かめるみたいに
父様と母様、ポールさんにリサさん、そしてキャロさんを見回し、落ち着くために一口、お茶をのみ、
「キャロさんには言いましたが、とうてい信じられるような話ではありません。正気をうたがうか、頭がおかしくなったのではと思うかも知れませんが、全てを事実です」
前置きをしてから、夢での出来事を話した。
ポールさん達はやはり信じられないのか、訝しげな顔を隠そうとはせず、父様は言わずもがなで、よく分からない、母様は、僕の話を真剣に聞いていた。
「人の命が懸かってるんです。しかも、神(光の玉)に頼まれたことです。お願いします。外に出る許可を」
今度は、キャロさんの助けは見込めそうも無いので、頭をぶつけないように下げた。
「頭をあげなさい。アルの言う事を信じよう」
父様に言われ、頭をあげると、驚いたポールさん達の顔があった。
「なぜなら、まだ国の上層部しか知らない事をアルは言っていたらね。アルの言う、おバカな国は隣国のバーバットだ。天罰でバーバット国の一部の重役達が再起不能になり、国が混乱してうまく機能していないらしく、うちの国にも難民が流れ来て、あちこちで諍いが出てきてるようだ」
「父様?それは僕たちに話して言い事なのですか?」
国の上層部しか知らない話を普通に話し始められてもこっちが焦るんですが。
「近いうちに公開する予定だから構わないさ。それに、アルの話が本当の事だと証明にもなるだろう」
最後の方は周りを見て言った。
訝しんでいたポールさんやリサさん、それにキャロさんに向けて言ってくれたみたいだ。
ポールさん達は「申し訳ありませんでした」揃って頭を下げてくれた。
「頭を上げてください。こんな突拍子もないこと、簡単には信じられませんよ。僕だって、当事者じゃなかったら、どんなに信頼している人だったとしても、信じられたかと言われれば分かりませんから」
キャロさん達と和解したとき、沈黙を守っていた母様が
「もし、キャロがあなたの違和感に気づかなかったら、あなたは今の事を私たちに話す気はあった?」
真剣な母様の眼を見て、少し考えてから
「難しい質問ですね。でも多分、必要にせまられなければ言わずにいたと思います。だって聞いての通り、こうとうむけいな話だからね。人がどう思うかは、その人の自由だけど、やはり自分の中に恐怖があると、どんなに信用してる人でも、否定されるとこを恐れて口をつぐむと思うから」
本当は恐かった。信じて貰えないんじゃないかと、お前は私達の子ではないと否定されることが、とても恐かった。
後ろにいるキャロさんにはバレてたかもしれないが、話してる間、手がずっと震えていた。
父様が信じてくれたと分かったとき、本当は泣きそうだった。
しかしその後、あの爆弾発言とも取れる話しに涙が引っ込み、泣かずにすんだ。
ここで泣いては、本来の目的が遂げられず、部屋に戻されてたかもしれない。
「それでも、親としては話して欲しいわ。子供が大きなものを一人で抱えていたことに、後で知らされたり、知らずにいるなんて、悲しすぎるもの」
母様は席を立ち、僕の横に来ると、そっと抱きしめ
「貴方は私達のかわいい子供なのだから、怖がらず、遠慮せず、何でも相談して話して欲しい。母様からのお願いよ」
折角泣かずにいられたのに、結局泣かされてしまった。
しばらく泣き続けたら、やっぱり部屋に戻るよう促されたので、
「待ってください。まだ外出の許可を頂いてません。一刻を争うんです。どうか許可ください」
身を乗りだし掴みかかる勢いで父様にお願いがした。
「落ち着きなさい。許可するも、護衛の事も考えてたら、早くても四、五日後に「待てません」」
「護衛はキャロさんがいます。明日、捜索に行きたいです。人命が懸かってるんです!!」
「しかしだな、最低でも五人は付け「お願いします!!」」
本来はマナー違反だか、父様の言葉を遮り、ごり押しでお願いする。
僕の熱意というか、勢いに負け明日、外出する許可を出してくれた。
父様よ、チョロくないか?まぁこちらとしては助かるが。
でもやっぱり最低でも五人の護衛が付くことが条件らしい。
待ってて、すぐに助けに行くから!!
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