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同期以上恋人未満
第1話
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あったま……痛い……。
昨日は何か幸せな夢を見ていた気がしたが、襲いかかる頭痛に顔を歪めた。
ゆっくりと瞼を開けると、まだ暗いことが分かり、私はもう一度寝ようと、ふわふわしたシーツに包まれながら私は寝返りを打った。
ん?
なぜか何かにあたり、私はぼんやりする視界の中、その物?を確かめる。
「ちな?どうした?起きたのか?」
その聞き覚えのある声に、私は真っ青になり、背筋が冷たくなる。
噓でしょ……。
なんで?
どうして?
そんな事が頭をグルグルと回る。
「頭痛いのか?ちょっと待ってろ」
そう言って、ベッドから降りて出て行く涼真の後姿を見送る。
上半身裸の涼真を見て、私は慌てて自分のシーツの中の姿を確認する。
服は着ているものの、シャツだけの自分に呆然とする。
うそでしょ?
何?何かあった?
もう、長いことこういう事から離れすぎていて、自分の感覚では、何があったかなどわからない。
嘘でしょ?
グルグルと色々な事を考えていると、いつのまにか戻ってきていた、涼真の声にビクッと肩を揺らした。
「ほら、ちな。水」
特になにも変わった様子のない涼真に、私は何を聞いていいかわからず水を受け取る。
「ありがとう……」
とりあえず水を飲んで一息つこうと思うにも、この状況に慣れる訳もなく、私は一人動揺していた。
「あの涼真?」
「まだ頭痛いだろ?4時だしもう少し寝ようぜ。俺も眠い」
朝方に起こしてしまったという事だけは解り、私は「ごめん」と謝り質問を諦めた。
かといって、このまま眠れるわけもなく、自分の家でない事だけは確かだったので、静かにベッドを降りようとした。
すでに目を閉じていた涼真だったが、すぐに私は手をひかれベッドに引き戻される。
「ちな、何をしてる?まだ夜だって。寝ろよ」
そのまま私をベッドに寝かすと、子供を寝かしつけるように頭をポンポンとしたあと、涼真は寝息を立て始めた。
「ちょっと……なに?……」
帰ろうにも、手はしっかり涼真に握られていてどうしていいかわからない。
一生懸命昨日の事を思い出そうにも、断片的にしか思い出せないし、頭もいたい。
眠れるわけがないと、しばらく涼真の寝顔を拝むことにする。
眠っていてもきれいな顔だな……。
ぱっちり二重が閉じられていても、涼真がかっこいいのが解る。
よっぱらった同期をちょっと助けてくれただけ。
これは同期の友情。
自分に呪文のように言い聞かせる。
涼真が私を女としてみているわけがない。
そんな事を思っていると、お酒がまだ残っていたのか、私はそのまままた眠りについていたようだった。
昨日は何か幸せな夢を見ていた気がしたが、襲いかかる頭痛に顔を歪めた。
ゆっくりと瞼を開けると、まだ暗いことが分かり、私はもう一度寝ようと、ふわふわしたシーツに包まれながら私は寝返りを打った。
ん?
なぜか何かにあたり、私はぼんやりする視界の中、その物?を確かめる。
「ちな?どうした?起きたのか?」
その聞き覚えのある声に、私は真っ青になり、背筋が冷たくなる。
噓でしょ……。
なんで?
どうして?
そんな事が頭をグルグルと回る。
「頭痛いのか?ちょっと待ってろ」
そう言って、ベッドから降りて出て行く涼真の後姿を見送る。
上半身裸の涼真を見て、私は慌てて自分のシーツの中の姿を確認する。
服は着ているものの、シャツだけの自分に呆然とする。
うそでしょ?
何?何かあった?
もう、長いことこういう事から離れすぎていて、自分の感覚では、何があったかなどわからない。
嘘でしょ?
グルグルと色々な事を考えていると、いつのまにか戻ってきていた、涼真の声にビクッと肩を揺らした。
「ほら、ちな。水」
特になにも変わった様子のない涼真に、私は何を聞いていいかわからず水を受け取る。
「ありがとう……」
とりあえず水を飲んで一息つこうと思うにも、この状況に慣れる訳もなく、私は一人動揺していた。
「あの涼真?」
「まだ頭痛いだろ?4時だしもう少し寝ようぜ。俺も眠い」
朝方に起こしてしまったという事だけは解り、私は「ごめん」と謝り質問を諦めた。
かといって、このまま眠れるわけもなく、自分の家でない事だけは確かだったので、静かにベッドを降りようとした。
すでに目を閉じていた涼真だったが、すぐに私は手をひかれベッドに引き戻される。
「ちな、何をしてる?まだ夜だって。寝ろよ」
そのまま私をベッドに寝かすと、子供を寝かしつけるように頭をポンポンとしたあと、涼真は寝息を立て始めた。
「ちょっと……なに?……」
帰ろうにも、手はしっかり涼真に握られていてどうしていいかわからない。
一生懸命昨日の事を思い出そうにも、断片的にしか思い出せないし、頭もいたい。
眠れるわけがないと、しばらく涼真の寝顔を拝むことにする。
眠っていてもきれいな顔だな……。
ぱっちり二重が閉じられていても、涼真がかっこいいのが解る。
よっぱらった同期をちょっと助けてくれただけ。
これは同期の友情。
自分に呪文のように言い聞かせる。
涼真が私を女としてみているわけがない。
そんな事を思っていると、お酒がまだ残っていたのか、私はそのまままた眠りについていたようだった。
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