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桐野の兄、総亮の突然の来訪から一夜明けると、もう二人の生活はもういつも通りだった。
今日は平日だが、真山は授業のない日で桐野は急遽休みを取ったため、朝食を終えても二人ともまだパジャマ姿でキッチンにいた。
「慎くん、今日なんだが、買い物に行かないか」
洗い物を片付ける真山に届いたのは、真山が淹れたコーヒーを楽しんでいるはずの桐野の声だった。
昨夜、桐野と出かけようと話をしたが、行き先は決めていなかった。
「買い物?」
洗い物を終えた真山は、マグカップに入れたコーヒーを持って桐野の正面に座る。何か必要なものがあっただろうかと真山は思う。
冷蔵庫の中身を思い返す真山の向かいで、桐野は恥ずかしそうにコーヒーの入ったマグカップに視線を落としていた。
「その、君さえ良かったらだが、指輪を、買いたくて」
真山の心臓が跳ねる。どうしてこの男はこんなにも真山の胸を騒がせるのだろう。真山の鼓動は寝起きから間もないというのに、もう騒がしく鳴っていた。
「ゆび、わ?」
「遅くなってしまったが、恋人になったから、その証に」
桐野は上目遣いに真山を見て、そわそわと指先でカップを弄っている。落ち着きのない指先が桐野の緊張を物語っていた。
桐野にしてみれば笑い事ではないだろうが、なんだか微笑ましくて、真山は気付かれないように少しだけ頬を緩ませた。
桐野の様子を眺めていて返事が遅れた。それを桐野は何か勘違いしたらしい。
「っあ、指輪じゃない方がいいだろうか」
桐野の慌てたような声に、真山は首を小さく横に振った。
「ううん。嬉しい。指輪にしよ」
真山にはピアス穴も開いていないしネックレスをするのも慣れていない。ペアリングもつけたことがなかったが、憧れはあった。
お揃いの何かを身につけられるのかと思うと、自然と笑みが零れた。そんな真山を見て、桐野はほっとしたようだった。
気分転換にはいいかもしれない。食品や日用品以外の買い物にはまだ行ったことがなかった。
桐野と一緒に出かけるのは、真山も楽しみだった。
お揃いの指輪。またひとつ小さな夢が叶うのかと思うと、真山の心は温かいものに優しく包まれた。
スーツ姿の桐野の方が見慣れているせいで、二人揃って私服で出かけるのはなんだか新鮮だった。
桐野は白いカットソーにジャケットを羽織り、黒のトラウザーとスニーカー、真山はグレーのパーカーに細身の黒パンツとスニーカーを合わせた。
桐野の運転で向かった先は百貨店だった。
真山のリクエストでメンズ服のフロアを二人並んで眺めた後、ジュエリー売り場に向かった。煌びやかなジュエリー売り場は眩しくて、桐野と並んで歩くのは何だかこそばゆい。近くには指輪を探しているらしい二人が何組か見えたが、その中に自分が混じっているのが何だか不思議だった。
「慎くん、これは?」
足を止めた桐野が示したのは、磨かれて曇りひとつないショーケースに並ぶペアリングだった。
シンプルなデザインで、どちらかといえば結婚指輪のような見た目だ。装飾がない分、普段つけていても悪目立ちすることはなさそうだった。
「いいかも」
言った真山だったが、その視線を値札にずらした途端に心臓が跳ねた。
「……っ、まっ、て、桁が」
真山は思わず上擦った声を上げた。真山が想像していたものより桁がひとつ多い。そんな気安く買えない金額を前にして、動揺を隠せない。
「ああ、プラチナだから」
桐野はなんてことのないような声で言う。
「そんなんじゃなくていいって」
「金属アレルギーか」
「いや、そうじゃなくて」
真山の戸惑いの元がそれではないことは桐野には伝わっていないようだった。
「桁が、おかしいって」
「金額の心配ならいらない」
桐野がこともなげに微笑むのを見て、格の違いを見せつけられるのと同時に流石に収入のあるアルファは違うなと真山は思う。
「試着してみたらいい。すみません、彼にこれの試着を」
「っえ、いいよ」
プラチナなんて、触ったこともなかった。扱い慣れていない真山は落としたりぶつけたりしたそうで、身体には緊張でうっすらと汗が滲む。
「遠慮しなくていい。きっと似合う」
ちらりと見た桐野は優しく微笑んでいる。
澄んだ声にそう言われたら、真山はもう断れなかった。
用意された確認用のリングを指に嵌めてサイズを確認したあと、手袋をしたスタッフに指輪をつけてもらう。
真山の骨張った薬指に、煌めくプラチナのリングが嵌められる。
試着なのに、それだけでなんだかくすぐったい気持ちになる。
初めてのお揃いの指輪を見つめ、真山は小さくため息をつく。自分には過ぎたものだとわかっていても、震える指で煌めく繊細な輝きがなんだか愛おしく思えた。
「……どう、そーいちさん」
場違いさを感じながら桐野の方を窺うと、桐野は満面の笑みを浮かべた。それがあまりに嬉しそうで、真山の胸にあった不安など容易く消し飛んでしまった。
「慎くんは指が細いから、よく似合うな」
「ありがと」
桐野のようにしなやかでも華奢でもない、骨張った指をそう言われると照れてしまう。
「他に気になるものは?」
桐野に言われ、試着した指輪をスタッフに外してもらった真山は、ショーケースを見回す。
磨かれたケースの中には、ライトアップされてきらきらと輝くいくつもの指輪が並ぶ。
槌目仕上げのものや小さな石の嵌ったものなど様々で、真山はただ圧倒されるばかりだった。
誰かと指輪を選ぶなんて初めての体験だ。
アクセサリーにそれほど興味を持ったことのない真山にはどれがいいのかまるでわからず、迷うばかりだった。
「んー、と……っ、ぇ?」
ショーケースに視線を彷徨わせる真山の耳に、遠くのざわめきが届いた。
どこかから漂ってきた甘い匂いに眩暈がする。
ふらついた真山の身体を桐野が支えてくれた。
徐々に濃くなる甘い匂いに、真山は咄嗟に口と鼻を手で覆った。それでもなお鼻腔に絡みつくような濃く甘い匂いに喉が渇く。鼓動が早まって、腹の底が熱くなる。凶悪さを滲ませる甘い匂いに、真山の肌が粟立った。
それが何の匂いかすぐにわかった。
オメガがヒート時に放つフェロモンだった。
アルファもベータも構わず惹きつける、蠱惑的な香り。アルファの本能を目覚めさせる強い香りに、真山の視界がくらくらと揺れる。立っているのがやっとで、支えてくれる桐野にしがみつく。
桐野は大丈夫なのだろうかと真山がちらりと見遣ると、桐野は涼しい顔をしている。
「慎くん?」
「そ、いち、さ」
唇が震える。声も上手く出せない。
真山は抑制剤を飲んでいなかったのを思い出す。しくじった、と思った。
最近出かけることが減ったせいか、忘れていた。
アルファ向けの抑制剤はヒートにでくわしたときの事故を防ぐのが目的だ。抑制剤なしでヒートのフェロモンに抗うのは至難の業だ。昔一度体験してから、懲りたのに。
身体が熱い。吐息も熱を帯びている。
「これ、オメガの……」
途切れがちな真山の言葉で桐野も気がついたらしい。
「ああ、くそ、ヒートのフェロモンか」
桐野が小さく唸るような声を上げた。
真山はもう買い物どころではなく、買い物は中断を余儀なくされた。
今日は平日だが、真山は授業のない日で桐野は急遽休みを取ったため、朝食を終えても二人ともまだパジャマ姿でキッチンにいた。
「慎くん、今日なんだが、買い物に行かないか」
洗い物を片付ける真山に届いたのは、真山が淹れたコーヒーを楽しんでいるはずの桐野の声だった。
昨夜、桐野と出かけようと話をしたが、行き先は決めていなかった。
「買い物?」
洗い物を終えた真山は、マグカップに入れたコーヒーを持って桐野の正面に座る。何か必要なものがあっただろうかと真山は思う。
冷蔵庫の中身を思い返す真山の向かいで、桐野は恥ずかしそうにコーヒーの入ったマグカップに視線を落としていた。
「その、君さえ良かったらだが、指輪を、買いたくて」
真山の心臓が跳ねる。どうしてこの男はこんなにも真山の胸を騒がせるのだろう。真山の鼓動は寝起きから間もないというのに、もう騒がしく鳴っていた。
「ゆび、わ?」
「遅くなってしまったが、恋人になったから、その証に」
桐野は上目遣いに真山を見て、そわそわと指先でカップを弄っている。落ち着きのない指先が桐野の緊張を物語っていた。
桐野にしてみれば笑い事ではないだろうが、なんだか微笑ましくて、真山は気付かれないように少しだけ頬を緩ませた。
桐野の様子を眺めていて返事が遅れた。それを桐野は何か勘違いしたらしい。
「っあ、指輪じゃない方がいいだろうか」
桐野の慌てたような声に、真山は首を小さく横に振った。
「ううん。嬉しい。指輪にしよ」
真山にはピアス穴も開いていないしネックレスをするのも慣れていない。ペアリングもつけたことがなかったが、憧れはあった。
お揃いの何かを身につけられるのかと思うと、自然と笑みが零れた。そんな真山を見て、桐野はほっとしたようだった。
気分転換にはいいかもしれない。食品や日用品以外の買い物にはまだ行ったことがなかった。
桐野と一緒に出かけるのは、真山も楽しみだった。
お揃いの指輪。またひとつ小さな夢が叶うのかと思うと、真山の心は温かいものに優しく包まれた。
スーツ姿の桐野の方が見慣れているせいで、二人揃って私服で出かけるのはなんだか新鮮だった。
桐野は白いカットソーにジャケットを羽織り、黒のトラウザーとスニーカー、真山はグレーのパーカーに細身の黒パンツとスニーカーを合わせた。
桐野の運転で向かった先は百貨店だった。
真山のリクエストでメンズ服のフロアを二人並んで眺めた後、ジュエリー売り場に向かった。煌びやかなジュエリー売り場は眩しくて、桐野と並んで歩くのは何だかこそばゆい。近くには指輪を探しているらしい二人が何組か見えたが、その中に自分が混じっているのが何だか不思議だった。
「慎くん、これは?」
足を止めた桐野が示したのは、磨かれて曇りひとつないショーケースに並ぶペアリングだった。
シンプルなデザインで、どちらかといえば結婚指輪のような見た目だ。装飾がない分、普段つけていても悪目立ちすることはなさそうだった。
「いいかも」
言った真山だったが、その視線を値札にずらした途端に心臓が跳ねた。
「……っ、まっ、て、桁が」
真山は思わず上擦った声を上げた。真山が想像していたものより桁がひとつ多い。そんな気安く買えない金額を前にして、動揺を隠せない。
「ああ、プラチナだから」
桐野はなんてことのないような声で言う。
「そんなんじゃなくていいって」
「金属アレルギーか」
「いや、そうじゃなくて」
真山の戸惑いの元がそれではないことは桐野には伝わっていないようだった。
「桁が、おかしいって」
「金額の心配ならいらない」
桐野がこともなげに微笑むのを見て、格の違いを見せつけられるのと同時に流石に収入のあるアルファは違うなと真山は思う。
「試着してみたらいい。すみません、彼にこれの試着を」
「っえ、いいよ」
プラチナなんて、触ったこともなかった。扱い慣れていない真山は落としたりぶつけたりしたそうで、身体には緊張でうっすらと汗が滲む。
「遠慮しなくていい。きっと似合う」
ちらりと見た桐野は優しく微笑んでいる。
澄んだ声にそう言われたら、真山はもう断れなかった。
用意された確認用のリングを指に嵌めてサイズを確認したあと、手袋をしたスタッフに指輪をつけてもらう。
真山の骨張った薬指に、煌めくプラチナのリングが嵌められる。
試着なのに、それだけでなんだかくすぐったい気持ちになる。
初めてのお揃いの指輪を見つめ、真山は小さくため息をつく。自分には過ぎたものだとわかっていても、震える指で煌めく繊細な輝きがなんだか愛おしく思えた。
「……どう、そーいちさん」
場違いさを感じながら桐野の方を窺うと、桐野は満面の笑みを浮かべた。それがあまりに嬉しそうで、真山の胸にあった不安など容易く消し飛んでしまった。
「慎くんは指が細いから、よく似合うな」
「ありがと」
桐野のようにしなやかでも華奢でもない、骨張った指をそう言われると照れてしまう。
「他に気になるものは?」
桐野に言われ、試着した指輪をスタッフに外してもらった真山は、ショーケースを見回す。
磨かれたケースの中には、ライトアップされてきらきらと輝くいくつもの指輪が並ぶ。
槌目仕上げのものや小さな石の嵌ったものなど様々で、真山はただ圧倒されるばかりだった。
誰かと指輪を選ぶなんて初めての体験だ。
アクセサリーにそれほど興味を持ったことのない真山にはどれがいいのかまるでわからず、迷うばかりだった。
「んー、と……っ、ぇ?」
ショーケースに視線を彷徨わせる真山の耳に、遠くのざわめきが届いた。
どこかから漂ってきた甘い匂いに眩暈がする。
ふらついた真山の身体を桐野が支えてくれた。
徐々に濃くなる甘い匂いに、真山は咄嗟に口と鼻を手で覆った。それでもなお鼻腔に絡みつくような濃く甘い匂いに喉が渇く。鼓動が早まって、腹の底が熱くなる。凶悪さを滲ませる甘い匂いに、真山の肌が粟立った。
それが何の匂いかすぐにわかった。
オメガがヒート時に放つフェロモンだった。
アルファもベータも構わず惹きつける、蠱惑的な香り。アルファの本能を目覚めさせる強い香りに、真山の視界がくらくらと揺れる。立っているのがやっとで、支えてくれる桐野にしがみつく。
桐野は大丈夫なのだろうかと真山がちらりと見遣ると、桐野は涼しい顔をしている。
「慎くん?」
「そ、いち、さ」
唇が震える。声も上手く出せない。
真山は抑制剤を飲んでいなかったのを思い出す。しくじった、と思った。
最近出かけることが減ったせいか、忘れていた。
アルファ向けの抑制剤はヒートにでくわしたときの事故を防ぐのが目的だ。抑制剤なしでヒートのフェロモンに抗うのは至難の業だ。昔一度体験してから、懲りたのに。
身体が熱い。吐息も熱を帯びている。
「これ、オメガの……」
途切れがちな真山の言葉で桐野も気がついたらしい。
「ああ、くそ、ヒートのフェロモンか」
桐野が小さく唸るような声を上げた。
真山はもう買い物どころではなく、買い物は中断を余儀なくされた。
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