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ベータのマヤ
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「まじか……」
ため息のようにこぼれた低く張りのある声は、春の柔らかな夜風に攫われていった。
声の主である青年の頬を風が撫で、絹糸のような黒髪を音もなく揺らす。夜風には冬の気配が色濃く残っているが、羽織ったジャケットのおかげで寒さはない。
端正な顔立ちをした青年の鳶色の瞳に映るのは、深いブラウンをベースにした上品さのある建物のエントランスだ。落ち着いた雰囲気の外観は館内から溢れる柔らかな金色の光に彩られ、張りのある白い頬にも柔らかな光が降る。
言葉を失い呆然と立ち尽くす青年の傍ら、自動ドアが開き、すぐ横をスーツ姿の外国人の男性が颯爽と通り過ぎていく。
そこは外資系のラグジュアリーホテルのエントランスだった。ターミナル駅近くのせいか、夜の十時になろうという時間なのに行き交う人は絶えない。
出入りするのは外国人やビジネスマンが多いようだ。
そんな場所で立ち尽くしている彼の名は真山慎。大学生だ。
きらびやかさに圧倒され、まじまじとエントランスを見つめる真山は、自分がここにいることが場違いだと理解していた。
行き交う人々の姿を見て、真山はジャケットを羽織ってきてよかったと内心で胸を撫で下ろす。大学生であることは隠せないにしても、幾らかはましだろう。
真山の出立ちは黒のテーラードジャケットに張りのある生地の白いカットソー、黒い細身のパンツに革靴と、背中には黒のリュックを背負っている。
袖から覗く指はほっそりとしているが骨張った男のそれだ。すらりと伸びた脚はしなやかで、服の下に隠されているのは細身の体躯だろうと想像できた。身に纏うものからも真山の若さが見て取れる。
額が出るように中央で分けられた艶のある黒髪は、頬にかかるくらいの長さに整えられている。
二十歳そこそこに見える真山は、手入れのされた眉とはっきりとした二重の瞼に意志の強そうな深い鳶色の瞳をしていた。瞼を縁取るまつ毛は男にしては長めで、鼻筋の通った端正な顔立ちはまだうっすらと少年の面影を残している。血色の良い薄い唇は引き結ばれて、整った顔立ちに凛とした色香を添えていた。
一九〇センチ近い背丈にモデルと言っても通じそうな細身の体型と綺麗な顔立ちは、時折その姿を振り返るものがあるほどだった。
綺麗めな格好をしてきたとはいえ、大学生風情が彷徨いて悪目立ちしていないか心配で、真山はリュックのショルダーストラップを握った。
いつまでもそこにいるわけにもいかず、真山はまとわりつく不安を振り切るように足早に館内へと足を踏み入れた。
落ち着いた照明に彩られた華やかな雰囲気の館内は、花の匂いがした。
ロビーに入った真山は忙しなく視線を彷徨わせ、受付カウンターを探した。
ソファの並ぶフロアの奥にフロントのカウンターを見つけた真山は、足早にカウンターへと向かう。柔らかなカーペットのフロアは足音を立てることもなく、柔らかく靴を受け止めてくれた。
カウンターにいたスタッフに部屋番号を伝えると、スタッフからカードキーが渡された。
真山は受け取ったカードキーを持ってフロアの奥に向かうと、見計らったように到着したエレベーターに乗り込んだ。カードキーに書かれた番号から察するに、どうやら部屋は上層階にあるようだった。
真山は硬い表情のまま慣れないカードキーに視線を落とした。
初対面の相手はいつも少し緊張する。真山が知らされているのは、ソウイチという名前と、アルファであること、それから会社役員という肩書きと身長などの簡単なプロフィールだけだった。
今日真山が会うのは、アルファ向けの会員制デリバリーサービス『モン・プレシュー』の客だ。
この世には、男女という性の他に、バース性といわれるアルファ、ベータ、オメガという第二の性が存在する。
アルファは体格、外見、能力に優れた、所謂エリートが多い。ベータは一般的な人で、特筆するようなものはなく、人口に対する比率は一番多い。オメガはヒートという発情期のようなものがあり、男女問わず妊娠が可能だ。体躯は華奢で、中性的で愛らしい外見であることがほとんどだ。
というのが、一般的に言われているバース性の基本だ。
バース性への一般的な認知は進み、すっかり社会に浸透している。各種の法や補助制度も整備されて、第二性向けのサービスが無数に存在するようになった。真山が使っているのもその中のひとつだった。
真山はベータのキャストとして、サービスに登録した会員のアルファと会う。つがいを探したいアルファ向けのサービスだった。気が合えば何度か会って、三度目には専属契約、つまるところサービスを介さずに会えるようになる。
真山はこのサービスに登録して一年が経とうとしていたが、専属契約に至る相手には出会えていない。
マヤとしてアルファに会うたび、真山は叶わない消化不良の恋をしていた。これを恋と呼んでいいのかもわからない。
もちろん、アルファとはつがいになれるのはオメガだけだとわかっている。それでも、求めることは止められなかった。きっとどこかに恋ができる相手がいるはずだと、諦めきれないささやかな希望を抱いていた。
「そーいちさん、ね」
真山は骨張った指先でカードキーを弄ぶ。
容姿もわからないソウイチというアルファは、真山を楽しませてくれるのか。あるいは、真山を愛してくれるアルファなのか。
真山はうっすらと胸に湧く期待に、かすかに口の端を持ち上げた。
刹那的な生き方をしている自覚はある。気が済んだら辞めるつもりでいたが、その時はまだやってこないままだ。
エレベーターの到着を告げる軽やかな電子音が響いた。
視線を持ち上げた真山の目に映ったのは、明るくなった目的の階の数字だった。
ため息のようにこぼれた低く張りのある声は、春の柔らかな夜風に攫われていった。
声の主である青年の頬を風が撫で、絹糸のような黒髪を音もなく揺らす。夜風には冬の気配が色濃く残っているが、羽織ったジャケットのおかげで寒さはない。
端正な顔立ちをした青年の鳶色の瞳に映るのは、深いブラウンをベースにした上品さのある建物のエントランスだ。落ち着いた雰囲気の外観は館内から溢れる柔らかな金色の光に彩られ、張りのある白い頬にも柔らかな光が降る。
言葉を失い呆然と立ち尽くす青年の傍ら、自動ドアが開き、すぐ横をスーツ姿の外国人の男性が颯爽と通り過ぎていく。
そこは外資系のラグジュアリーホテルのエントランスだった。ターミナル駅近くのせいか、夜の十時になろうという時間なのに行き交う人は絶えない。
出入りするのは外国人やビジネスマンが多いようだ。
そんな場所で立ち尽くしている彼の名は真山慎。大学生だ。
きらびやかさに圧倒され、まじまじとエントランスを見つめる真山は、自分がここにいることが場違いだと理解していた。
行き交う人々の姿を見て、真山はジャケットを羽織ってきてよかったと内心で胸を撫で下ろす。大学生であることは隠せないにしても、幾らかはましだろう。
真山の出立ちは黒のテーラードジャケットに張りのある生地の白いカットソー、黒い細身のパンツに革靴と、背中には黒のリュックを背負っている。
袖から覗く指はほっそりとしているが骨張った男のそれだ。すらりと伸びた脚はしなやかで、服の下に隠されているのは細身の体躯だろうと想像できた。身に纏うものからも真山の若さが見て取れる。
額が出るように中央で分けられた艶のある黒髪は、頬にかかるくらいの長さに整えられている。
二十歳そこそこに見える真山は、手入れのされた眉とはっきりとした二重の瞼に意志の強そうな深い鳶色の瞳をしていた。瞼を縁取るまつ毛は男にしては長めで、鼻筋の通った端正な顔立ちはまだうっすらと少年の面影を残している。血色の良い薄い唇は引き結ばれて、整った顔立ちに凛とした色香を添えていた。
一九〇センチ近い背丈にモデルと言っても通じそうな細身の体型と綺麗な顔立ちは、時折その姿を振り返るものがあるほどだった。
綺麗めな格好をしてきたとはいえ、大学生風情が彷徨いて悪目立ちしていないか心配で、真山はリュックのショルダーストラップを握った。
いつまでもそこにいるわけにもいかず、真山はまとわりつく不安を振り切るように足早に館内へと足を踏み入れた。
落ち着いた照明に彩られた華やかな雰囲気の館内は、花の匂いがした。
ロビーに入った真山は忙しなく視線を彷徨わせ、受付カウンターを探した。
ソファの並ぶフロアの奥にフロントのカウンターを見つけた真山は、足早にカウンターへと向かう。柔らかなカーペットのフロアは足音を立てることもなく、柔らかく靴を受け止めてくれた。
カウンターにいたスタッフに部屋番号を伝えると、スタッフからカードキーが渡された。
真山は受け取ったカードキーを持ってフロアの奥に向かうと、見計らったように到着したエレベーターに乗り込んだ。カードキーに書かれた番号から察するに、どうやら部屋は上層階にあるようだった。
真山は硬い表情のまま慣れないカードキーに視線を落とした。
初対面の相手はいつも少し緊張する。真山が知らされているのは、ソウイチという名前と、アルファであること、それから会社役員という肩書きと身長などの簡単なプロフィールだけだった。
今日真山が会うのは、アルファ向けの会員制デリバリーサービス『モン・プレシュー』の客だ。
この世には、男女という性の他に、バース性といわれるアルファ、ベータ、オメガという第二の性が存在する。
アルファは体格、外見、能力に優れた、所謂エリートが多い。ベータは一般的な人で、特筆するようなものはなく、人口に対する比率は一番多い。オメガはヒートという発情期のようなものがあり、男女問わず妊娠が可能だ。体躯は華奢で、中性的で愛らしい外見であることがほとんどだ。
というのが、一般的に言われているバース性の基本だ。
バース性への一般的な認知は進み、すっかり社会に浸透している。各種の法や補助制度も整備されて、第二性向けのサービスが無数に存在するようになった。真山が使っているのもその中のひとつだった。
真山はベータのキャストとして、サービスに登録した会員のアルファと会う。つがいを探したいアルファ向けのサービスだった。気が合えば何度か会って、三度目には専属契約、つまるところサービスを介さずに会えるようになる。
真山はこのサービスに登録して一年が経とうとしていたが、専属契約に至る相手には出会えていない。
マヤとしてアルファに会うたび、真山は叶わない消化不良の恋をしていた。これを恋と呼んでいいのかもわからない。
もちろん、アルファとはつがいになれるのはオメガだけだとわかっている。それでも、求めることは止められなかった。きっとどこかに恋ができる相手がいるはずだと、諦めきれないささやかな希望を抱いていた。
「そーいちさん、ね」
真山は骨張った指先でカードキーを弄ぶ。
容姿もわからないソウイチというアルファは、真山を楽しませてくれるのか。あるいは、真山を愛してくれるアルファなのか。
真山はうっすらと胸に湧く期待に、かすかに口の端を持ち上げた。
刹那的な生き方をしている自覚はある。気が済んだら辞めるつもりでいたが、その時はまだやってこないままだ。
エレベーターの到着を告げる軽やかな電子音が響いた。
視線を持ち上げた真山の目に映ったのは、明るくなった目的の階の数字だった。
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