ぜんぶのませて

はち

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ぜんぶのませて

いちばんおくまで

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 張り詰めて皺が薄れるくらい拡がって、健気に羽鳥を咥え込む吉井の蕾。柔らかく熱いその内側は、腰を引く羽鳥を出て行かないでと引き留めるように締め上げる。
 それを振り切るようにゆっくりと粘膜をこそいでいく、羽鳥の張り出した段差。
 動くたびに羽鳥から止めどなく与えられる快感に、吉井は抗えない。

「ッア、たもつ、さぁ、きもちいい」
「っふ、ほまれくん、中、ぐちゃぐちゃだね」

 血管の浮き出した逞しい幹が愛液に濡れて、てらてらと妖しく光る。
 蕾は溢れる愛液で濡れ、受け入れた羽鳥の剛直を柔く締め付けた。

 羽鳥が動く度に、吉井の口からはひっきりなしに甘い声が漏れる。
 羽鳥は浅瀬から奥まで吉井の胎内を余すところなく擦り、最奥を隔てる襞に張り詰めた先端で何度もキスをする。
 羽鳥は優しく甘く快感ばかりを与え、吉井はただそれを享受するだけだった。

「ッア、たもつ、さん、っあ、おく……っ」

 羽鳥がごちゅごちゅと吉井の窄まりを突く。そうしている間にも、羽鳥の胸からは、白い雫がぽたぽたと垂れていた。
 吉井は頬に、口元に、垂れてくる白い蜜を指で掬って舐めた。

「ん、はぁ、止まんない、ね」
「っ、ほまれ、くん」

 羽鳥の欲情で濁った瞳が、吉井を見下ろしている。それを受け止めた吉井は、ねだるように蕩けた目で見上げた。

「もっと、飲ませて」

 吉井が見せつけるようにミルクまみれの唇を舐めると、羽鳥は愉しげに目を細めた。
 揺すられるたびに降りかかる、白く甘い蜜。
 浴びるたびに、もっと欲しい。満たされたい。そんな気持ちが胸にあぶくのように生まれてくる。

「たもつさん、中にも、出してよ」
「ふふ、いいの?」
「ん、いい、だして」
「じゃあ、奥、入らせて、誉くん」

 羽鳥は襞を捏ねるように腰を回す。まだ、奥があることを、吉井は知らなかった。今捏ね回されていることよりももっと奥があるのだろうか。
 そうしている間にも、羽鳥が丸く張り詰めた先端で無垢な襞を優しく撫でると、吉井の奥は少しずつ解けていく。
生まれたわずかばかりの不安は、快感への期待に容易く塗りつぶされる。

「いっぱい、出してあげる」

 羽鳥の低く柔らかな声が、欲望をたっぷりと滲ませて吉井の鼓膜を震わせた。

 身体を折り曲げられて、吉井の見上げた視界に自身の性器が揺れる。その向こうの窄まりには、濡れた音を立てて羽鳥の逞しい昂りが出入りしている。

「一番奥に、ね」

 Ωの本能まで揺さぶるような甘い響きに、吉井の身体は容易く緩み、最奥をこじ開けられる。

「ん、ひ、ぁ」

 吉井の薄い腹の奥で、ぐぽ、と濁った音がした。
 羽鳥の張り出した先端が最奥まで潜り込む。一番奥の柔い肉壁を突き上げられて、吉井の意識がふわりと揺れた。内臓を押し上げられるような苦しさは快感に上書きされ、熱い迸りが吉井の胸を濡らす。 無色透明な飛沫は羽鳥のミルクと混ざって、もう何が何だかわからない。

「あ、う」

 浅い呼吸をして、濡れたヘーゼルアイが溢れそうなくらい目を見開いて、喉を晒す。
 吉井は撓んだシーツを、枕の端を、必死で握った。腹の奥から全身へ、逃しても逃しきれない快感が伝わっていく。
 甘い痺れに身体は勝手に震え、不規則にびくびくと跳ねた。何かに縋っていないと、簡単に意識を飛ばしそうだった。

 最奥にはまり込んだ羽鳥を、吉井は甘えるようにしゃぶっている。吉井にその自覚はない。それなのに、腹の奥では吉井の意思とは関係なく熱い粘膜が羽鳥を歓待していた。

「ほまれくん、出すよ」
「ン、うん」

 小刻みに吉井を揺すっていたピストンが、大きなストロークに変わる。
 奥の襞を蹂躙して柔い最奥を突く羽鳥の動きに、吉井の胎は歓喜に震え、吐精を誘うように締め上げる。

 羽鳥が低く喉を鳴らした。

 期待に震える吉井の中で熱が爆ぜ、白濁が放たれる。
 脈打ち、何度も吐き出される熱い白濁を、吉井は最奥で受け止めた。柔い粘膜に打ち付ける熱い迸りはそれすら快感を呼び起こし、吉井の神経を灼く。
 同時に温かな白い蜜が降り掛かり、吉井を汚していった。シーツまで濡らし、部屋にはフェロモンとミルクの甘い匂いが満ちていた。
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