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02.ふたつめ
01.竜騎士見習い・対地編(その1)
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雲が途切れ途切れに点在する晴れでもなく、しかし曇りでもない少し薄暗い日。
雲の切れ間を1体の飛竜が飛んでいた。
上空の気温は氷点下。体感温度はさらに低い。
飛竜に跨る騎士は、完全防寒具を装備していたがそれでも身を切る寒さだ。防寒具の表面に薄く氷がはっているところもあった。
しかし飛竜を駆る者は寒さを口にしない。寒いのが当たり前だからだ。
雲の中に入るとゴーグルに水滴が付き一瞬で氷る。
しかし速度は落とさない。飛竜にとって速さは力だからだ。
飛竜は徐々に雲の切れ間から雲の下へと高度を落とす。
高度が下がるにつれ少しずつ温度が上がる。と言ってもほんの僅かだ。
眼下には、森と平原と1本の街道が走っていた。
この街道の上を飛べば目的の街へと行くことができる。
街道を行く馬車がちらほら見える。街道から分かれていく細い道の先に点在する村と畑が転々と連なる。
この世界で空を駆る者は殆どいない。この世界の空の覇者は"火龍"。その次の覇者は"飛竜"。
しかし、火龍が空を飛ぶことは殆どない。個体数も少ないのだから尚更だ。だから実際の空の覇者は飛竜だった。
人族が地上にいくら生活圏を広げ、王国を築いても飛竜の世界である空に進出することはなかった。
しかし、物事には必ず例外があった。
人族は、飛竜を従え、その飛竜を駆ることで空へと進出を果たした。
数は少ない。それでも空を駆ることで力を誇示することができた。
少女は、ある国の竜騎士部隊で飛竜の世話係をしていた。
竜騎士は、騎士が"主"で飛竜が"従"の関係を構築する。それにより空を縦横無尽に駆るのだ。
しかし飛竜の世話係の少女は、飛竜と会話ができた。
人族が飛竜と会話ができるはずはない。実のとことは、会話というより飛竜の心を通わすことができた。
だから飛竜舎にいる飛竜とは主従の関係ではなく友人として接していた。
そんな少女が産まれ住んだ国は滅んでしまった。もうこの世界には存在しない。
少女に身を寄せる場所はなかった。だから飛竜と逃げたのだ。国が滅んだ時に。飛竜の命を助けるために。
しかし少女は、剣を振ったことはなかった。魔獣を狩った経験もなかった。だから仕事もなかった。
少女にできる事は、飛竜を駆ることのみ。
この世界には、飛竜とできる仕事など竜騎士くらいだった。
食べる物もなく、住む場所もない。短い人生に絶望しかけた時、ある人の目にとまった。その人から誘があった。そして食べる物を手に入れた。住む場所を手にいれた。仕事を手に入れた。
そして竜騎士見習になった。
飛竜と仕事ができるだけで少女は嬉しかった。少女にとって竜騎士は天職だった。
日頃は、竜騎士見習いとして訓練に励んだ。食べて行くには困らなかった。しかし収入は微々たるものだった。
だから少女は、週の半分は飛竜を駆り別の仕事に励んだ。
少女の仕事は、ある荷物の配達だった。
日によっては、隣りの国。またその隣りの国へと向かった。
日帰りの日もあれば、泊まりの日もあった。
それでも飛竜とできる仕事があるだけで最高に幸せだった。
飛竜は、徐々に高度を下げた。
目の前に街が見えた。しかし、この街は目的地ではない。目的の街はまだ先だ。
飛竜から見下ろす街は大きく見える。しかし街から空を見上げ、飛竜を探しても殆どの人は見つける事もできない。
空の広さからすれば飛竜の大きさなどたかがしれていた。
そして高速で飛翔する飛竜を目に止めることは容易ではなかった。
飛竜に跨る少女は、なにげなく眼下に広がる街並みを見ていた。
そこには、いつもと変わらぬ景色が広がっていた。はずだった。
街の外れの城門から煙が立ち上っていた。城門には火矢が射かけられていた。
「ありゃ、戦争中?いやいや、魔獣の大群が街を攻めているのかな。でも街を守る兵士の数がやけに少ないね。どうしたのかな。」
少女は、城門の上空で飛竜をゆっくりと旋回させた。
城門を攻める魔獣の数はざっと200。
大型の魔獣はトロールが10体、オークが12体。それにオーガが1体だった。
「トロールやオークはいいけど、オーガが厄介かな。」
「対する兵士の数はというと、城門の上にざっと100人…また随分と少ないな。」
「これじゃ、あのオーガの働きひとつで城門が突破されますよ。」
飛竜を駆る少女は、街の上空で旋回し続ける飛竜の鞍の上で少し考えると頭の中で"ポン"と何かが鳴ったように感じた。
「では、では、私がひとつ助太刀をいたしましょう。一日一善です。」
少女は、飛竜の首元を軽く3回叩いた。
"グルルル。"
「飛竜が小さく唸り声を上げた。」
飛竜は一気に急降下を始めた。
少女の体が空中に飛ばされそうになるのを足で鞍にしがみついて必死にこらえた。
少女の闘い方は、他の竜騎士と違っていた。
本来なら上空から敵に向かって槍を投擲するのが普通なのだが、少女は地上すれすれを超高速で水平飛行しながら風に逆らわない様に槍を風に泳がせて魔獣に槍を当てるのだ。
上空から槍を投擲した方が威力は高そうに感じるが、少女の駆る飛竜の飛行速度は、常軌を逸しており他の飛竜と比べる事ができない程の速さだった。
その超高速飛行の飛竜から流れるように飛来する槍は、大型の魔獣の胸を爆破でもしたかのような大穴を開ける破壊力を持っていた。
いま、少女が駆る飛竜は、街の城壁と並行に地上から5m程の高度を水平飛行していた。
飛ぶ飛竜から見れば、地上5mの高さなど殆ど地上を走るような高さだった。
地上を走る魔獣に手が届きそうな地上ぎりぎりの高さを恐怖心も抱かずに突き進む。
飛竜が飛んだ後には土煙が立ち上り、まるで巨大な魔獣が地面を目にも止まらぬ速さで走っているように見えた。
少女は、城門の前で戦闘を繰り広げる魔獣からオーク1体、トロール2体に的を絞り、飛竜に飛ぶ方向を指示する。
少女は、飛竜の鞍に跨るというより寝そべり飛竜と一体となって風の流れを乱さない体勢をとると、腰のアイテムバックから"破獣の槍"を3本取り出した。そして少女は飛竜とお得意の意思の疎通を始めた。
"破獣の槍"は、槍と名がついているが、形から言ったら巨大な矢の様な姿をしていた。
飛竜は、少女から送られた思考を読み取り、飛行速度、飛行ルート、上昇ポイントを理解しそれを実行した。
そして少女から送られたもうひとつの思考を理解した飛竜はそれを実践した。
飛竜の羽が半分にたたまれ、飛竜の体が右へ45度ロールする。
少女は、トロール2体とオーク1体に的をしぼり"破獣の槍"に貫く魔獣のイメージを送る。
そして"破獣の槍"を1本づつ風に逆らわないように静かに手放した。
1本、2本、3本、全ての"破獣の槍"を手から離した瞬間、飛竜は右へ45度ロールした体を水平に戻すと羽を広げ一気に上昇した。
飛竜は、またたくまに上空へと舞い上がると、次の魔獣への攻撃体勢へと入った。
少女の手から放たれた3本の"破獣の槍"は、風に逆らうことなく、風に乗って2体のトロールと1体のオークの体めがけて飛翔した。
瞬間、魔獣達が攻撃を繰り広げる城門の前を何か巨大な物が勢いよく通り過ぎた様に感じた。だがそれを目で追える者などいなかった。
直後、城門の前を物凄い勢いの土埃が舞った。
突然の土埃で視界が全く効かなくなった魔獣達は、城門の攻撃の手を一瞬だけ緩めた。
土埃が止むと、魔獣達はまた城壁への攻撃を再開しようと城壁へ目を向けた。だがそこには胸に大穴を開けた1体のトロールと2体のオークが立っていた。
さらに少し離れた場所でトロール1体とオーク1体の胸にも大穴が開いていた。
魔獣達は、どこからの攻撃で胸に大穴を開けられたのか分からず、一瞬攻撃を躊躇した。
2体のトロールと3体のオークは、まもなく地面に膝を付くと大穴の空いた体を地面に横たえた。
魔獣達は、城壁の上から人族が槍か何かで攻撃をしてきたのだと思った。
その対抗手段は、城壁の直ぐ下まで移動すること。
そうすれば、城壁の上からは槍を投擲する事ができなくなる。
魔獣は、一斉に城壁の下へと走りだした。
するとまた物凄い勢いの土埃が魔獣達の前を舞った。
そして、視界を遮っていた土埃が止むと、目の前には、胸に巨大な穴が開いた3体のトロールと2体のオークが静かに崩れるように地面へと倒れていった。
魔獣達は、何が起きているのか理解できずにいた。そして辺りを見回した。
1体のトロールが空を見上げた時、空から落ちてきた槍がトロールの頭から腹へと突き抜けた。
魔獣達は、一斉に空を見上げた。
雲の切れ間を1体の飛竜が飛んでいた。
上空の気温は氷点下。体感温度はさらに低い。
飛竜に跨る騎士は、完全防寒具を装備していたがそれでも身を切る寒さだ。防寒具の表面に薄く氷がはっているところもあった。
しかし飛竜を駆る者は寒さを口にしない。寒いのが当たり前だからだ。
雲の中に入るとゴーグルに水滴が付き一瞬で氷る。
しかし速度は落とさない。飛竜にとって速さは力だからだ。
飛竜は徐々に雲の切れ間から雲の下へと高度を落とす。
高度が下がるにつれ少しずつ温度が上がる。と言ってもほんの僅かだ。
眼下には、森と平原と1本の街道が走っていた。
この街道の上を飛べば目的の街へと行くことができる。
街道を行く馬車がちらほら見える。街道から分かれていく細い道の先に点在する村と畑が転々と連なる。
この世界で空を駆る者は殆どいない。この世界の空の覇者は"火龍"。その次の覇者は"飛竜"。
しかし、火龍が空を飛ぶことは殆どない。個体数も少ないのだから尚更だ。だから実際の空の覇者は飛竜だった。
人族が地上にいくら生活圏を広げ、王国を築いても飛竜の世界である空に進出することはなかった。
しかし、物事には必ず例外があった。
人族は、飛竜を従え、その飛竜を駆ることで空へと進出を果たした。
数は少ない。それでも空を駆ることで力を誇示することができた。
少女は、ある国の竜騎士部隊で飛竜の世話係をしていた。
竜騎士は、騎士が"主"で飛竜が"従"の関係を構築する。それにより空を縦横無尽に駆るのだ。
しかし飛竜の世話係の少女は、飛竜と会話ができた。
人族が飛竜と会話ができるはずはない。実のとことは、会話というより飛竜の心を通わすことができた。
だから飛竜舎にいる飛竜とは主従の関係ではなく友人として接していた。
そんな少女が産まれ住んだ国は滅んでしまった。もうこの世界には存在しない。
少女に身を寄せる場所はなかった。だから飛竜と逃げたのだ。国が滅んだ時に。飛竜の命を助けるために。
しかし少女は、剣を振ったことはなかった。魔獣を狩った経験もなかった。だから仕事もなかった。
少女にできる事は、飛竜を駆ることのみ。
この世界には、飛竜とできる仕事など竜騎士くらいだった。
食べる物もなく、住む場所もない。短い人生に絶望しかけた時、ある人の目にとまった。その人から誘があった。そして食べる物を手に入れた。住む場所を手にいれた。仕事を手に入れた。
そして竜騎士見習になった。
飛竜と仕事ができるだけで少女は嬉しかった。少女にとって竜騎士は天職だった。
日頃は、竜騎士見習いとして訓練に励んだ。食べて行くには困らなかった。しかし収入は微々たるものだった。
だから少女は、週の半分は飛竜を駆り別の仕事に励んだ。
少女の仕事は、ある荷物の配達だった。
日によっては、隣りの国。またその隣りの国へと向かった。
日帰りの日もあれば、泊まりの日もあった。
それでも飛竜とできる仕事があるだけで最高に幸せだった。
飛竜は、徐々に高度を下げた。
目の前に街が見えた。しかし、この街は目的地ではない。目的の街はまだ先だ。
飛竜から見下ろす街は大きく見える。しかし街から空を見上げ、飛竜を探しても殆どの人は見つける事もできない。
空の広さからすれば飛竜の大きさなどたかがしれていた。
そして高速で飛翔する飛竜を目に止めることは容易ではなかった。
飛竜に跨る少女は、なにげなく眼下に広がる街並みを見ていた。
そこには、いつもと変わらぬ景色が広がっていた。はずだった。
街の外れの城門から煙が立ち上っていた。城門には火矢が射かけられていた。
「ありゃ、戦争中?いやいや、魔獣の大群が街を攻めているのかな。でも街を守る兵士の数がやけに少ないね。どうしたのかな。」
少女は、城門の上空で飛竜をゆっくりと旋回させた。
城門を攻める魔獣の数はざっと200。
大型の魔獣はトロールが10体、オークが12体。それにオーガが1体だった。
「トロールやオークはいいけど、オーガが厄介かな。」
「対する兵士の数はというと、城門の上にざっと100人…また随分と少ないな。」
「これじゃ、あのオーガの働きひとつで城門が突破されますよ。」
飛竜を駆る少女は、街の上空で旋回し続ける飛竜の鞍の上で少し考えると頭の中で"ポン"と何かが鳴ったように感じた。
「では、では、私がひとつ助太刀をいたしましょう。一日一善です。」
少女は、飛竜の首元を軽く3回叩いた。
"グルルル。"
「飛竜が小さく唸り声を上げた。」
飛竜は一気に急降下を始めた。
少女の体が空中に飛ばされそうになるのを足で鞍にしがみついて必死にこらえた。
少女の闘い方は、他の竜騎士と違っていた。
本来なら上空から敵に向かって槍を投擲するのが普通なのだが、少女は地上すれすれを超高速で水平飛行しながら風に逆らわない様に槍を風に泳がせて魔獣に槍を当てるのだ。
上空から槍を投擲した方が威力は高そうに感じるが、少女の駆る飛竜の飛行速度は、常軌を逸しており他の飛竜と比べる事ができない程の速さだった。
その超高速飛行の飛竜から流れるように飛来する槍は、大型の魔獣の胸を爆破でもしたかのような大穴を開ける破壊力を持っていた。
いま、少女が駆る飛竜は、街の城壁と並行に地上から5m程の高度を水平飛行していた。
飛ぶ飛竜から見れば、地上5mの高さなど殆ど地上を走るような高さだった。
地上を走る魔獣に手が届きそうな地上ぎりぎりの高さを恐怖心も抱かずに突き進む。
飛竜が飛んだ後には土煙が立ち上り、まるで巨大な魔獣が地面を目にも止まらぬ速さで走っているように見えた。
少女は、城門の前で戦闘を繰り広げる魔獣からオーク1体、トロール2体に的を絞り、飛竜に飛ぶ方向を指示する。
少女は、飛竜の鞍に跨るというより寝そべり飛竜と一体となって風の流れを乱さない体勢をとると、腰のアイテムバックから"破獣の槍"を3本取り出した。そして少女は飛竜とお得意の意思の疎通を始めた。
"破獣の槍"は、槍と名がついているが、形から言ったら巨大な矢の様な姿をしていた。
飛竜は、少女から送られた思考を読み取り、飛行速度、飛行ルート、上昇ポイントを理解しそれを実行した。
そして少女から送られたもうひとつの思考を理解した飛竜はそれを実践した。
飛竜の羽が半分にたたまれ、飛竜の体が右へ45度ロールする。
少女は、トロール2体とオーク1体に的をしぼり"破獣の槍"に貫く魔獣のイメージを送る。
そして"破獣の槍"を1本づつ風に逆らわないように静かに手放した。
1本、2本、3本、全ての"破獣の槍"を手から離した瞬間、飛竜は右へ45度ロールした体を水平に戻すと羽を広げ一気に上昇した。
飛竜は、またたくまに上空へと舞い上がると、次の魔獣への攻撃体勢へと入った。
少女の手から放たれた3本の"破獣の槍"は、風に逆らうことなく、風に乗って2体のトロールと1体のオークの体めがけて飛翔した。
瞬間、魔獣達が攻撃を繰り広げる城門の前を何か巨大な物が勢いよく通り過ぎた様に感じた。だがそれを目で追える者などいなかった。
直後、城門の前を物凄い勢いの土埃が舞った。
突然の土埃で視界が全く効かなくなった魔獣達は、城門の攻撃の手を一瞬だけ緩めた。
土埃が止むと、魔獣達はまた城壁への攻撃を再開しようと城壁へ目を向けた。だがそこには胸に大穴を開けた1体のトロールと2体のオークが立っていた。
さらに少し離れた場所でトロール1体とオーク1体の胸にも大穴が開いていた。
魔獣達は、どこからの攻撃で胸に大穴を開けられたのか分からず、一瞬攻撃を躊躇した。
2体のトロールと3体のオークは、まもなく地面に膝を付くと大穴の空いた体を地面に横たえた。
魔獣達は、城壁の上から人族が槍か何かで攻撃をしてきたのだと思った。
その対抗手段は、城壁の直ぐ下まで移動すること。
そうすれば、城壁の上からは槍を投擲する事ができなくなる。
魔獣は、一斉に城壁の下へと走りだした。
するとまた物凄い勢いの土埃が魔獣達の前を舞った。
そして、視界を遮っていた土埃が止むと、目の前には、胸に巨大な穴が開いた3体のトロールと2体のオークが静かに崩れるように地面へと倒れていった。
魔獣達は、何が起きているのか理解できずにいた。そして辺りを見回した。
1体のトロールが空を見上げた時、空から落ちてきた槍がトロールの頭から腹へと突き抜けた。
魔獣達は、一斉に空を見上げた。
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