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家族になった人族のポムと魔族のポム
35.荷馬車の最後の配達(最終回)
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今日は、荷馬車での食材の配達の最後の日です。
配達先の榊さんから転移石を貸してもらったのでもう荷馬車で食材の配達をする必要はありません。
既に何度も転移石で食材の配達もしています。
でも、僕達が今の様な生活を続けるきっかけになった食材の配達です。
これを忘れないためにも最後に荷馬車で食材を運んでおきたいのです。
荷馬車は、水牛の"みのたうろす"さんが引いています。
荷馬車の御者席には悪魔さん。
荷馬車には、ポムくんとポムさんが座っています。
相変わらず水牛の"みのたうろす"が引く荷馬車はゆっくり進んでいきます。
後ろから来る馬車に何度も抜かれていきますが、どの馬車もポム君達と顔見知りなので、手をあげて挨拶を交わしていきます。
「今日で、荷馬車の配達も最後か、なんか寂しいな。」
「でも、荷馬車で配達をしていたのって以外と短かったわね。」
最初、食材の配達は村から歩いて"ココ"の街まで行っていました。
でも、ポムさんが足が痛くて歩けないと"わがまま"を言ってポムくんを困らせたことがきっかけで街で安く売られていたロバとロバ用の荷馬車を購入したのです。
「まさかあのロバが呪いの魔法をかけられた悪魔さんだとは思わなかったけど。でも悪魔さんがいなかったら私達は、魔獣に殺されていたかもしれないし、魔法がこんなに上手くなる事もなかったのよね。」
「なんか複雑な心境。でも、悪魔さんには魔法だけじゃなくて料理も教えてもらえるようになったし悪魔先生にはいくら感謝しても足りないくらいね。」
御者席で"みのたうろす"を操っている悪魔さんは、振り返る事なくポムさんの会話に入ってきました。
「そうよ、もっと感謝しなさい。だってポム様にあんな不味い料理を食べさせたら、私の立場が無いものぉ。」
「もし私がいない時に、ポムさまがあんたの料理を食べてお腹を壊したら、誰が治療魔法をかけて
あげるの、我が家で治療魔法が使えるのは私とポム様だけなのよ。だからあんたには料理の腕を上げてもらうしかないのよぉ。」
「うっ、そう言われると返す言葉がないの。」
「いい、料理は、基本を忠実にやる事から始まるのよ。あんたすぐに応用に走ろうとするから、変な食材入れたり、変な調味料を入れたりするから味がおかしくなるのよ。」
「魔術もそうだけどまずは基本。それから応用。基本が出来ない人ほど応用を覚えたがるの。」
「はい。悪魔先生。」
ポムさんは、荷馬車の上で足をパタパタ動かしなが晴れた空を見上げています。
「私、こうやって何気なく空を見上げている時間が好き。最初は暇で仕方なかったけど、もうこれが出来なくなると思うとちょっと寂しい。」
「ぼくもそうだよ。空を見上げながらいろんな事を考えて、でも何も答えは見つからなかったけど、でもいつの間にかみんなと暮らすようになって、知らないうちに幸せになってた。」
「ひとりで生活していた時は、いろいろ大変だったけど、今考えたらひとりで生活していた時ってあんまり長くなかったんだ。」
「これが家族なのか。」
ポくんがぽつりと呟きました。
すると、ポムさんがポムくんの後ろから肩に手を回して言いました。
「ポムくん、本当の家族になりたかったらお姉さんに告白しなさい。結婚してって。」
「えっ。」
「きゃっ。言っちゃった。」
ぼくは振り返りました。
ポムさんは顔を赤くして僕の後ろで丸くなってもだえ苦しんでいます。
「言っちゃった。どうしよう。どうしよう。」
「ポムさん、ぼくはまだ13歳だよ。それはもう少し大きくなってからじゃないと言えない。」
ポムくんはぽつりと呟きました。
ポムさんは、丸くなってもだえ苦しんでいた体を伸ばすと、ポムくんの肩に手を起きました。
「いいの。もう少し大きくなった時、その時に私の事が好きだったら告白して。それまで待ってる。」
ポムくんとポムさんの会話を御者席で聞いていた悪魔さんは、ハンカチを歯で噛みしめながら泣いていました。
「私が女ならポム様をほっとかないのに。あんながさつな女にポム様を取られるなんて。悔しい。」
「でも、私は絶える女(男)なの。この先には素晴らしい未来が待っているはず。きっとそれを手に入れてみせるわぁ。」
悪魔さんは、御者席で良からぬ事を考えていなければ良いのですが…。
"ココ"の街から来た馬車とすれ違う時に馬車の御者さんが手を振って挨拶をして通りすぎていきます。
こちらからもみんなで手を振って挨拶をします。
遠くに"ココ"の街が見えてきました。
のんびりとした時間ももうすぐ終わりです。
ポムくんとポムさんは荷馬車の上で手を繋ぎながら馬車の揺れを楽しんでいました。
"ココ"の街に入る門へとたどり着きました。
いつもの門番さんと挨拶を交わします。
「おう、配達お疲れさん。」
「そう言えば、ここで税金を徴収していた飲食ギルドの連中さ、誰かの怒りに触れたみたいで飲食ギルド自体が無くなったらしいぞ。」
僕達は、お互いの顔を見合わせました。
みんな、何も話しませんでしたが、榊さんが何かやったんだと思いました。
いつもニコニコしているけど実は怖い人なんじゃないかと僕は、思ってしまいました。
「今日で荷馬車での配達は終わりなんです。」
「そうか、寂しくなんるな。まあ、いろいろあるさ。またどこかで合ったら声でもかけてくれ。」
「はい。」
僕達は、門番さんに挨拶をして"ココ"の街へと入りました。
街の中心を通る広い道を荷馬車でゆっくりと進みます。
これからもココの街に来る事はあるけど、この荷馬車で景色を見るのは今日が最後です。
商店が並ぶ街並みが少し変わって住宅街へと移ります。
その先に食材の配達先のレストランが見えます。
店の前を少し通りすぎて隣りある家の庭先に荷馬車をとめました。
「はいポム様、荷馬車での配達は今日で終わりです。でも帰りもあります。遠足は家に帰るまでが遠足です。」
ははは、悪魔さんが面白いことを言っています。確かに。まだ帰り道があったんだ。
何を寂しがっていたんだろう。
みんなでレストランの厨房へと入ると、食材をアイテムバックから取り出していきます。
お店の人が食材の数と品質を確認していきます。
何度やっても緊張する場面です。
お店の人が別の店に配達するために食材を仕分けていきます。
それが終わるとみんなで、水神様の神殿がある街、龍神様の神殿の参道、転移門がある村へと転移石で移動しながら食材を他の店へと運んで行きます。
配達が済んだので榊さんに声をかけました。すると。
「今日は、新しい生活への前祝いにみんなでレストランで食事をしないか。」
僕達は、嬉しくなって万目の笑みで大きな声で答えました。
「はい!」
-終-
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
本話で「家族になった人族のポムと魔族のポム」は最終話となります。
短い間でしたが読んでいただき誠にありがとうございました。
このお話は、設定も何も考えずに思うがままに書き始めたので、ぐだぐだだったり、めちゃくちゃだったりで申訳ないです。
最初は、10話くらいで終わる予定だったので"短編"としていましたが35話も書いていました。
文字数も9万字になっていました。「誰にでも」が30万字を越えたので、両方で40万字です。
仕事でもこんなに文章など書きません。本当バカです。
また、"不定期更新"と書いていましたが書き始めたら定期更新してました。
今までお話など書いた経験が全くないのに、いきなり「誰にでもできる簡単なお仕事」と「家族になった人族のポムと魔族のポムの物語」の2作を同時に書いてしまいました。
月曜日から木曜日の仕事からの帰宅後に「誰にでも」の1週間分の7話と「ポム」の1週間分の2話の話のあらずじを考えて箇条書きにしておいて、余裕がある時は少しだけお話を書いていました。
ですが、何も思い浮かばない日もあり、かなり慌てた日も多々ありました。
金曜日の夜、土曜日、日曜日で9話分を書いていく日々が続きました。もうお話を書くのが綱渡りでした。
拙いお話を読んでいただき、本当に感謝の言葉もありません。
ありがとうございました。
純粋どくだみ茶。
配達先の榊さんから転移石を貸してもらったのでもう荷馬車で食材の配達をする必要はありません。
既に何度も転移石で食材の配達もしています。
でも、僕達が今の様な生活を続けるきっかけになった食材の配達です。
これを忘れないためにも最後に荷馬車で食材を運んでおきたいのです。
荷馬車は、水牛の"みのたうろす"さんが引いています。
荷馬車の御者席には悪魔さん。
荷馬車には、ポムくんとポムさんが座っています。
相変わらず水牛の"みのたうろす"が引く荷馬車はゆっくり進んでいきます。
後ろから来る馬車に何度も抜かれていきますが、どの馬車もポム君達と顔見知りなので、手をあげて挨拶を交わしていきます。
「今日で、荷馬車の配達も最後か、なんか寂しいな。」
「でも、荷馬車で配達をしていたのって以外と短かったわね。」
最初、食材の配達は村から歩いて"ココ"の街まで行っていました。
でも、ポムさんが足が痛くて歩けないと"わがまま"を言ってポムくんを困らせたことがきっかけで街で安く売られていたロバとロバ用の荷馬車を購入したのです。
「まさかあのロバが呪いの魔法をかけられた悪魔さんだとは思わなかったけど。でも悪魔さんがいなかったら私達は、魔獣に殺されていたかもしれないし、魔法がこんなに上手くなる事もなかったのよね。」
「なんか複雑な心境。でも、悪魔さんには魔法だけじゃなくて料理も教えてもらえるようになったし悪魔先生にはいくら感謝しても足りないくらいね。」
御者席で"みのたうろす"を操っている悪魔さんは、振り返る事なくポムさんの会話に入ってきました。
「そうよ、もっと感謝しなさい。だってポム様にあんな不味い料理を食べさせたら、私の立場が無いものぉ。」
「もし私がいない時に、ポムさまがあんたの料理を食べてお腹を壊したら、誰が治療魔法をかけて
あげるの、我が家で治療魔法が使えるのは私とポム様だけなのよ。だからあんたには料理の腕を上げてもらうしかないのよぉ。」
「うっ、そう言われると返す言葉がないの。」
「いい、料理は、基本を忠実にやる事から始まるのよ。あんたすぐに応用に走ろうとするから、変な食材入れたり、変な調味料を入れたりするから味がおかしくなるのよ。」
「魔術もそうだけどまずは基本。それから応用。基本が出来ない人ほど応用を覚えたがるの。」
「はい。悪魔先生。」
ポムさんは、荷馬車の上で足をパタパタ動かしなが晴れた空を見上げています。
「私、こうやって何気なく空を見上げている時間が好き。最初は暇で仕方なかったけど、もうこれが出来なくなると思うとちょっと寂しい。」
「ぼくもそうだよ。空を見上げながらいろんな事を考えて、でも何も答えは見つからなかったけど、でもいつの間にかみんなと暮らすようになって、知らないうちに幸せになってた。」
「ひとりで生活していた時は、いろいろ大変だったけど、今考えたらひとりで生活していた時ってあんまり長くなかったんだ。」
「これが家族なのか。」
ポくんがぽつりと呟きました。
すると、ポムさんがポムくんの後ろから肩に手を回して言いました。
「ポムくん、本当の家族になりたかったらお姉さんに告白しなさい。結婚してって。」
「えっ。」
「きゃっ。言っちゃった。」
ぼくは振り返りました。
ポムさんは顔を赤くして僕の後ろで丸くなってもだえ苦しんでいます。
「言っちゃった。どうしよう。どうしよう。」
「ポムさん、ぼくはまだ13歳だよ。それはもう少し大きくなってからじゃないと言えない。」
ポムくんはぽつりと呟きました。
ポムさんは、丸くなってもだえ苦しんでいた体を伸ばすと、ポムくんの肩に手を起きました。
「いいの。もう少し大きくなった時、その時に私の事が好きだったら告白して。それまで待ってる。」
ポムくんとポムさんの会話を御者席で聞いていた悪魔さんは、ハンカチを歯で噛みしめながら泣いていました。
「私が女ならポム様をほっとかないのに。あんながさつな女にポム様を取られるなんて。悔しい。」
「でも、私は絶える女(男)なの。この先には素晴らしい未来が待っているはず。きっとそれを手に入れてみせるわぁ。」
悪魔さんは、御者席で良からぬ事を考えていなければ良いのですが…。
"ココ"の街から来た馬車とすれ違う時に馬車の御者さんが手を振って挨拶をして通りすぎていきます。
こちらからもみんなで手を振って挨拶をします。
遠くに"ココ"の街が見えてきました。
のんびりとした時間ももうすぐ終わりです。
ポムくんとポムさんは荷馬車の上で手を繋ぎながら馬車の揺れを楽しんでいました。
"ココ"の街に入る門へとたどり着きました。
いつもの門番さんと挨拶を交わします。
「おう、配達お疲れさん。」
「そう言えば、ここで税金を徴収していた飲食ギルドの連中さ、誰かの怒りに触れたみたいで飲食ギルド自体が無くなったらしいぞ。」
僕達は、お互いの顔を見合わせました。
みんな、何も話しませんでしたが、榊さんが何かやったんだと思いました。
いつもニコニコしているけど実は怖い人なんじゃないかと僕は、思ってしまいました。
「今日で荷馬車での配達は終わりなんです。」
「そうか、寂しくなんるな。まあ、いろいろあるさ。またどこかで合ったら声でもかけてくれ。」
「はい。」
僕達は、門番さんに挨拶をして"ココ"の街へと入りました。
街の中心を通る広い道を荷馬車でゆっくりと進みます。
これからもココの街に来る事はあるけど、この荷馬車で景色を見るのは今日が最後です。
商店が並ぶ街並みが少し変わって住宅街へと移ります。
その先に食材の配達先のレストランが見えます。
店の前を少し通りすぎて隣りある家の庭先に荷馬車をとめました。
「はいポム様、荷馬車での配達は今日で終わりです。でも帰りもあります。遠足は家に帰るまでが遠足です。」
ははは、悪魔さんが面白いことを言っています。確かに。まだ帰り道があったんだ。
何を寂しがっていたんだろう。
みんなでレストランの厨房へと入ると、食材をアイテムバックから取り出していきます。
お店の人が食材の数と品質を確認していきます。
何度やっても緊張する場面です。
お店の人が別の店に配達するために食材を仕分けていきます。
それが終わるとみんなで、水神様の神殿がある街、龍神様の神殿の参道、転移門がある村へと転移石で移動しながら食材を他の店へと運んで行きます。
配達が済んだので榊さんに声をかけました。すると。
「今日は、新しい生活への前祝いにみんなでレストランで食事をしないか。」
僕達は、嬉しくなって万目の笑みで大きな声で答えました。
「はい!」
-終-
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本話で「家族になった人族のポムと魔族のポム」は最終話となります。
短い間でしたが読んでいただき誠にありがとうございました。
このお話は、設定も何も考えずに思うがままに書き始めたので、ぐだぐだだったり、めちゃくちゃだったりで申訳ないです。
最初は、10話くらいで終わる予定だったので"短編"としていましたが35話も書いていました。
文字数も9万字になっていました。「誰にでも」が30万字を越えたので、両方で40万字です。
仕事でもこんなに文章など書きません。本当バカです。
また、"不定期更新"と書いていましたが書き始めたら定期更新してました。
今までお話など書いた経験が全くないのに、いきなり「誰にでもできる簡単なお仕事」と「家族になった人族のポムと魔族のポムの物語」の2作を同時に書いてしまいました。
月曜日から木曜日の仕事からの帰宅後に「誰にでも」の1週間分の7話と「ポム」の1週間分の2話の話のあらずじを考えて箇条書きにしておいて、余裕がある時は少しだけお話を書いていました。
ですが、何も思い浮かばない日もあり、かなり慌てた日も多々ありました。
金曜日の夜、土曜日、日曜日で9話分を書いていく日々が続きました。もうお話を書くのが綱渡りでした。
拙いお話を読んでいただき、本当に感謝の言葉もありません。
ありがとうございました。
純粋どくだみ茶。
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