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家族になった人族のポムと魔族のポム
30.料理の相談をする悪魔さん
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"ココ"の街のレストランに到着すると、悪魔さんが榊さんに相談したいことがあると言い出しました。
「まあ、立ち話もなんですからこちらでお茶でも飲みながら話しませんか。」
榊さんはそう言うと、事務所の奥にあるソファに3人を案内しました。
榊さん自らがお茶を入れてくれて、茶請けと言ってチーズケーキも出してくれました。
「実は、恥ずかしいのだけれど、成長期のポムくんに食べてもらう料理のレパートリーが少なくて、何かよい料理がないかレシピを教えて欲しいんです。」
「私もポムくんに食べてもらいたくて料理を教えて欲しいです。」
悪魔さんとポムさんは、レストランを経営している榊さんに料理を教えて欲しいとお願いしています。
「そーか。そーだよね。ポムくん男の子だもんね。これからどんどん成長するもんね。」
「じゃあ、これからおふたりの料理の腕前を見せてもらいたいな。それによって教えられる料理が違うからね。」
榊さんは、そういうとレストランの厨房ではなく、榊さんの家へと向かい入れてくれました。
榊さんの家に入ると女の人が何人もいましたが、悪魔さんの姿を見た途端、キャーキャー悲鳴をあげてどこかへ行ってしまいました。
「すみません、みな神器が人化した者達なんで悪魔さんを怖がってしまって。」
「まあ、そうよね。神と悪魔じゃ水と油ですものね。こうなるのも仕方ないわよね。」
「大人の対応をしていただき恐れいります。」
神器?人化?僕にはよく分からない会話を悪魔さんと榊さんがしています。大人にはいろいろ事情があるようです。
榊さんの台所に入ると、さっそく悪魔さん、ポムさんの順番で簡単な料理を作り始めました。
結果、悪魔さんは言うことなし。でもポムさんは落第だそうです。
ポムさんは、ソファーに座るとがっかりした表情をしています。
「私って料理の才能がないみたい。ポムくんに料理を食べて欲しいだけなんだけど。悲しいな。」
「ポムさん、練習すればきっと美味しい料理が作れる日が来るよ。それまで練習頑張ろう。」
ポムくんはポムさんを優しく慰めています。やっぱり優しいポム君でした。
台所で、榊さんと悪魔さんがあれこれ料理について話しています。
それに榊さんが、料理のレシピを書いた厚い本のような物を悪魔さんに見せています。
僕もそれを見せてもらいましたが、料理の作り方、材料、調味料、手順、料理の途中や完成した
時の絵まで描いてありました。
やっぱりレストランを経営するって大変なんだと感心してしまいました。
悪魔さんは、その本をひと通り見ると書いてある内容を全て覚えたと言っていました。
悪魔さんは、台所に立つとさっき見たレシピの通りの料理をいくつか作ってみせました。
「ほお。やっぱり悪魔さんにはかないませんな。あちこちの村や街に行った時に、少しずつ食べて
集めたレシピだったんですが、あっという間に覚えてしまいましたか。」
榊さんは、悪魔さんが作った料理を食べてながら感心していました。
そして、榊さんは、悪魔さんにある提案をしました。
「悪魔さん、私のレストランの料理アドバイザーになりませんか。たまにで構いません。いろいろ
な料理を見て食べて、それをただ作るだけじゃなくて、皆の口に合うように改良を加えたり、新しい料理を創造したり、違う食材を使ってみたりして別の料理を作るのです。」
「良い物ができれば、レストランでも出してみたいですし、もちろん悪魔さんが考えた料理ですから悪魔さんが自由にご自宅でポムさんのために作って食べていただいて構いませんよ。」
「うちのレストランなら、食材も調味料も豊富にあります。これだけの腕があるならコック以上の
料理ができるでしょう。」
榊さんは、悪魔さんの腕を高く評価しているようです。
「私なんかでいいの。料理は手間と工夫とほんのちょっとの愛情と思っているのだけど。」
「そうです。それこそが料理の神髄です。技術も大切ですが、美味しいものを食べてもらいたいという愛情や熱意のこもった料理は、それだけで美味しくなるんです。」
榊さんと悪魔さんは、意気投合したよで、台所で男同士で抱き合って泣いていました。
僕には分からない世界だけど、榊さんと悪魔さんには通じる何かがあるみたいです。
結局その日は、みんなで榊さんの家に泊まることになりました。
榊さんと悪魔さんがいろいろな料理を作っていたので、テーブルの上が料理でいっぱいなりました。
さっき逃げていった女の人も恐る恐る台所を覗きに来ています。
悪魔さんが怖いようだけど、美味しそうな料理の臭いには、勝てなかったようです。
結局、みんなでテーブルを囲んでご飯を食べました。
「いやー、しかし凄いですな。神器と悪魔さんが同じテーブルで食事をするなんて。感動の瞬間です。」
榊さんは笑っていました。
「そーよねえ。昔の私なら絶対にありえない絵ずらね。でも、ポム様と一緒にいるようになってから私の何かが変わったのは確かね。」
悪魔さんから聞いた昔話の悪魔さんは怖いという印象だったけど、今の悪魔さんはみんなの事をいろいろ考えてくれる優しい悪魔さんです。
大人の人達は、食事を食べながら冷たいエールという飲み物を飲んでいました。
「あら、この冷たいエールって美味しいわね。これはいいわね。」
「うちの人気商品なんです。悪魔さんがうちの料理アドバイザーになっていただけたら、もっといろんな美味しい料理が出来ると思っています。」
「直ぐにとは言いません。のんびり考えてみてください。」
榊さんの瞳の中に炎が燃えているように見えました。
悪魔さんは、料理によっていままでとは違う悪魔さんに変わる感じがしています。
ポムくんは、家に帰ったら悪魔さんから新しい料理を教えてもらおうと思っていす。
今夜のご飯は大人数でわいわい話ながら美味しい料理がいっぱい食べることができて凄く幸せでした。
「まあ、立ち話もなんですからこちらでお茶でも飲みながら話しませんか。」
榊さんはそう言うと、事務所の奥にあるソファに3人を案内しました。
榊さん自らがお茶を入れてくれて、茶請けと言ってチーズケーキも出してくれました。
「実は、恥ずかしいのだけれど、成長期のポムくんに食べてもらう料理のレパートリーが少なくて、何かよい料理がないかレシピを教えて欲しいんです。」
「私もポムくんに食べてもらいたくて料理を教えて欲しいです。」
悪魔さんとポムさんは、レストランを経営している榊さんに料理を教えて欲しいとお願いしています。
「そーか。そーだよね。ポムくん男の子だもんね。これからどんどん成長するもんね。」
「じゃあ、これからおふたりの料理の腕前を見せてもらいたいな。それによって教えられる料理が違うからね。」
榊さんは、そういうとレストランの厨房ではなく、榊さんの家へと向かい入れてくれました。
榊さんの家に入ると女の人が何人もいましたが、悪魔さんの姿を見た途端、キャーキャー悲鳴をあげてどこかへ行ってしまいました。
「すみません、みな神器が人化した者達なんで悪魔さんを怖がってしまって。」
「まあ、そうよね。神と悪魔じゃ水と油ですものね。こうなるのも仕方ないわよね。」
「大人の対応をしていただき恐れいります。」
神器?人化?僕にはよく分からない会話を悪魔さんと榊さんがしています。大人にはいろいろ事情があるようです。
榊さんの台所に入ると、さっそく悪魔さん、ポムさんの順番で簡単な料理を作り始めました。
結果、悪魔さんは言うことなし。でもポムさんは落第だそうです。
ポムさんは、ソファーに座るとがっかりした表情をしています。
「私って料理の才能がないみたい。ポムくんに料理を食べて欲しいだけなんだけど。悲しいな。」
「ポムさん、練習すればきっと美味しい料理が作れる日が来るよ。それまで練習頑張ろう。」
ポムくんはポムさんを優しく慰めています。やっぱり優しいポム君でした。
台所で、榊さんと悪魔さんがあれこれ料理について話しています。
それに榊さんが、料理のレシピを書いた厚い本のような物を悪魔さんに見せています。
僕もそれを見せてもらいましたが、料理の作り方、材料、調味料、手順、料理の途中や完成した
時の絵まで描いてありました。
やっぱりレストランを経営するって大変なんだと感心してしまいました。
悪魔さんは、その本をひと通り見ると書いてある内容を全て覚えたと言っていました。
悪魔さんは、台所に立つとさっき見たレシピの通りの料理をいくつか作ってみせました。
「ほお。やっぱり悪魔さんにはかないませんな。あちこちの村や街に行った時に、少しずつ食べて
集めたレシピだったんですが、あっという間に覚えてしまいましたか。」
榊さんは、悪魔さんが作った料理を食べてながら感心していました。
そして、榊さんは、悪魔さんにある提案をしました。
「悪魔さん、私のレストランの料理アドバイザーになりませんか。たまにで構いません。いろいろ
な料理を見て食べて、それをただ作るだけじゃなくて、皆の口に合うように改良を加えたり、新しい料理を創造したり、違う食材を使ってみたりして別の料理を作るのです。」
「良い物ができれば、レストランでも出してみたいですし、もちろん悪魔さんが考えた料理ですから悪魔さんが自由にご自宅でポムさんのために作って食べていただいて構いませんよ。」
「うちのレストランなら、食材も調味料も豊富にあります。これだけの腕があるならコック以上の
料理ができるでしょう。」
榊さんは、悪魔さんの腕を高く評価しているようです。
「私なんかでいいの。料理は手間と工夫とほんのちょっとの愛情と思っているのだけど。」
「そうです。それこそが料理の神髄です。技術も大切ですが、美味しいものを食べてもらいたいという愛情や熱意のこもった料理は、それだけで美味しくなるんです。」
榊さんと悪魔さんは、意気投合したよで、台所で男同士で抱き合って泣いていました。
僕には分からない世界だけど、榊さんと悪魔さんには通じる何かがあるみたいです。
結局その日は、みんなで榊さんの家に泊まることになりました。
榊さんと悪魔さんがいろいろな料理を作っていたので、テーブルの上が料理でいっぱいなりました。
さっき逃げていった女の人も恐る恐る台所を覗きに来ています。
悪魔さんが怖いようだけど、美味しそうな料理の臭いには、勝てなかったようです。
結局、みんなでテーブルを囲んでご飯を食べました。
「いやー、しかし凄いですな。神器と悪魔さんが同じテーブルで食事をするなんて。感動の瞬間です。」
榊さんは笑っていました。
「そーよねえ。昔の私なら絶対にありえない絵ずらね。でも、ポム様と一緒にいるようになってから私の何かが変わったのは確かね。」
悪魔さんから聞いた昔話の悪魔さんは怖いという印象だったけど、今の悪魔さんはみんなの事をいろいろ考えてくれる優しい悪魔さんです。
大人の人達は、食事を食べながら冷たいエールという飲み物を飲んでいました。
「あら、この冷たいエールって美味しいわね。これはいいわね。」
「うちの人気商品なんです。悪魔さんがうちの料理アドバイザーになっていただけたら、もっといろんな美味しい料理が出来ると思っています。」
「直ぐにとは言いません。のんびり考えてみてください。」
榊さんの瞳の中に炎が燃えているように見えました。
悪魔さんは、料理によっていままでとは違う悪魔さんに変わる感じがしています。
ポムくんは、家に帰ったら悪魔さんから新しい料理を教えてもらおうと思っていす。
今夜のご飯は大人数でわいわい話ながら美味しい料理がいっぱい食べることができて凄く幸せでした。
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