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第四章 ひとつになる世界

激闘・スノウジャイアント

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 地鳴りと共に、巨人たちが走り込んでくる。その姿はまるで、おやつのクッキーを取り合おうとする子供たちのようだ。
 目の前にある食べ物、しかも一人につき四人は割り当てがある。あわよくば五人。何なら、他のヤツの分も食べて六人か七人でもいい……とにかく、ご馳走が見えたから走ってきたわけだ。
 このメリザスにおいて、これほどのご馳走にありつけることは滅多にない。餌を見る目も血走る。

 対して捕食されんとする側は、もはや覚悟を決めて武器を構えていた。近くに岩のない場所へと移動し、万全な状態を整えた。
 後ろへと下がっていった者たちは、雪が盛り上がっている場所へと身を隠し、今まさにやってきた嵐が何事も無く通過してくれることを祈るばかりだ。

「くそ、もう少し腕が動けば……」
 シューブレンはイライラしていた。座して死を待つぐらいなら、戦って負けた方がましだ。しかし、日々ミアニルスの治療を受けているにもかかわらず、シューブレンの腕はまだ上手く動かない。
 肩からの深傷は、付近の様々な筋繊維を断裂させ、結果として今のようになっている。ネルニードはそこまで狙って攻撃したに違いない。

「ごめん、あたしの魔法が上手くなくて……」
 ミアニルスが小さくなる。ミアニルスの治癒魔法は、大怪我を治療するのに向いていない。今まで大怪我の時は、治療院でしっかりした治療を行ってきた。
 エルウィンをネルニードに追い出された時は、別の街で治せば良いと考えていたスノウブリーズたちだったが、どう言うわけかレムリスで断られてネクテイルで断られた。
 ガンドに頼めば完治できるかも知れないが、既に頼みづらい雰囲気が確立されている。元より自分で断ったのだから当たり前だ。もはや、ロウメリスで治療するほか無い。

「お前のせいじゃない」
 シューブレンはとりあえずミアニルスにそう言って、雪山の影から前線を眺めた。

 前線には凄まじい雪煙が発生しており、間もなくスノウジャイアントが到達しようとしていた。

「ナザクスは、力場……フォースフィールドを使えるんだよね。少しの間、一体任せられるかな。残り二体は僕が受け持つ」
 ジャシードは迫り来る巨人たちから目を離さずに言った。

「随分簡単に言ってくれるじゃねえかよ……おれはフォースフィールドをお前ほど扱えない。長くは保たねえぞ」
 ナザクスも、ジャシードの方を見ずに答える。

「少し保たせてくれれば……。一体倒す時間を作りたいんだ」
「バカ言ってんじゃねえぞ。そんな短時間で倒せるわけ無いだろ!」
 ナザクスはつい、ジャシードの方を見た。ジャシードの表情は本気だ。それを確認したナザクスはすぐに前を向く。

「くそ……どっちみち、お前たちが頑張らなけりゃ、おれたち全員アイツらの胃袋の中だ。やってやろうじゃあねえか!」
「頼んだよ!」
 ジャシードはそう言うと、ウォークライをスノウジャイアントに向けて放った。スノウジャイアントが三体、まずジャシードに殺到しようとする。

「お前はこっちに、来い!」
 ナザクスは、スノウジャイアントの背後から、踵に剣を突き刺して捻った。スノウジャイアントは耳を劈くような大声を上げて、憎しみの視線を浴びせながら、ナザクスの方へと向き直った。

 ジャシードに襲い掛かる拳。それは巨大なオークのそれに似ていた。とは言え、その破壊力は同じではない。放たれた拳を躱すと、水を殴ったように雪が、えぐれた地面の石ころが弾け飛ぶ。
 弾け飛んだ石ころは、仲間たちに命中する。大怪我をするほどではないが、当たれば痛い。
 襲い掛かるのは拳だけではない。もう一体のスノウジャイアントからは、右脚を大きく振り上げ、轟音と共に雪を撒き散らす蹴りが繰り出される。

 ジャシードは、もはや暴風とも言えるような蹴りを躱し、軸足に狙いを付けた。もう一体のスノウジャイアントが拳を振り上げるのを視界に捕らえつつ、ファングを振り上げて素早く走り込む。
 蹴りを終えたばかりのスノウジャイアントの左脚の内側へ走り込みつつ、目の前にある腱に向けてファングを思い切り振り下ろす。その視界の端っこで、スネイルとガンドが走って行く姿が見える。
 スノウジャイアントの腱に命中したファングは、その魔法のチカラを発揮させる。普通の剣では丸太のように硬く感じられる、極太で頑丈なスノウジャイアントの腱に食い込み、一部を切断した。

 アギュォォォ!

 そんな声を上げながら、スノウジャイアントは左足を押さえて尻餅をついた。積もった雪を弾き飛ばしながら、勢い余ってそのまま寝っ転がる。

 そこへ走り込んでいたガンドは、地面側まで来た頭に、鋼鉄の先端が付いた長棒を振りかぶった。

「そおりゃあああ!」
 ガンドの長棒はスノウジャイアントの脳天目がけて振り抜かれ、まるで石と鉄がぶつかったような音が、雪しかない世界に響いた。
 痛みに喘ぐスノウジャイアントは、手を頭にやって防御しようとしたが、今度はその指にガンドの長棒が命中する。
 スノウジャイアントは痛みで手を振り払い、ガンドは手に押され雪原を転がっていった。

 その間に首筋に接近していたスネイルは、首筋に浮き立つ管を狙ってゲーターを数度振り抜いた。
 管は切断され、夥しい量の体液が噴き出してきた。スネイルは、噴水のような青っぽい体液に体を押されて、たまらずその場から退避した。

 マーシャの魔法も、倒れたスノウジャイアントに集中させていた。主に炎の魔法でスノウジャイアントを燃やすことを意識し、ガンドやスネイルの攻撃でがら空きになった胴体部分には、特別大きな炎の球を叩き込んでやった。

 スノウジャイアントは集中攻撃を受けて、転げ回るしかできなくなっていた。

 倒れたままのスノウジャイアントの脚部には、ジャシードが容赦なく攻撃した。剣が届くと思えば切り裂き、場所を変えてまた剣を振るう。
 しかしナザクスに気を遣って早く決着を付けようとしたため、目の前に夢中になってしまっていた。もう一体が自分を狙っている事が、少しの間頭の中から抜け落ちた。

 もう一体のスノウジャイアントは、攻撃に夢中のジャシードに拳を振り上げて、今にも一撃入れようとしていた。

「ジャシード! 上も気にしろ! もう一体!」
 ナザクスが叫んだ時には、既に拳が動き出した後だった。

 地鳴りと共に、スノウジャイアントの拳が地面に到達する。近くにあった雪が吹き飛び、その中心にいたジャシードの姿が見えなくなる。

「ジャッシュ!」
 マーシャの叫び声が聞こえたが、その叫び声を掻き消すように、もう一回拳がその空間に打ち込まれた。

 マーシャは、ジャシードを殴りつけているスノウジャイアントに向けて、マーシャの身長ほどもある特大の火球を放った。
 しかしスノウジャイアントは片手で雪を大量に掴むと、その手で火球を叩きつけ、燃え盛る火球を消火した。そしてその怒りの矛先がマーシャへと移る。

「不用意に魔法を撃ち込みすぎだっての!」
 ナザクスはウォークライを放ったが、マーシャへ向かうスノウジャイアントは、目標を変えなかった。こうなっては止められない。

 マーシャは更に魔法を撃ち込んだが、倒れて隙だらけのスノウジャイアントとは違い、回避したり雪で打ち消したりしながら巨人が迫ってきた。

「マーシャ! 走れ!」
 力場で何とか攻撃を乗り切っていたジャシードは、マーシャの危機に気が付いて走り出していた。しかし距離が離れ過ぎており、どうしようも無さそうだった。

 スノウジャイアントは、容赦なくマーシャに左拳を叩き込む。マーシャは何とか躱したものの、雪に足を取られて倒れてしまった。
 倒れているマーシャに、更にスノウジャイアントの右拳が振り下ろされようとしていた。半身を起こしたマーシャだったが、もはや避けられる状態ではなかった。

「マーシャ!」
 ジャシードは、ネルニードに使うなと言われていたオーラフィールドを使おうとした。それしかマーシャを助けられる手を思いつかなかった。だが、焦りからか、上手くチカラを解放することができない。

「あ……あぁ……」
 マーシャは、迫り来る拳に声も出なかった。ここまでの危機に瀕したことが無かったマーシャは、冒険者となって初めて、命の危険を感じた。そしてそれは、殆ど現実として彼女にのしかかってきた。彼女の命も、あと三秒ぐらいだろうか……。

「ジャッシュ……パパ……ごめん……私……」
 マーシャはもはや、覚悟を決めた。

「マーシャァァァァァ!!」
 ジャシードの叫び声と時を同じくして、マーシャのいた辺りに、もの凄い轟音と共に雪煙が上がった。

 地面に拳を叩き付けたスノウジャイアントが、両目を押さえて悲鳴を上げ、初めの一体と同じように尻餅をつくと、もんどり打って苦しみ始めた。横から見ると、その目の中心それぞれに、矢が数本ずつ刺さっているのが見える。

「い、生きてる……」
 マーシャは、ギュッと閉じていた目を開けた。自分の上に降り積もっている雪をかき分け、起き上がる。見れば、自分を殴ろうとしていたスノウジャイアントが、目を押さえながら転げ回っている。

「立てるか」
 静かな女性の声がマーシャの耳に入り、手が差し伸べられた。細く美しい手の先を辿っていくと、スッキリした顔立ちに、緑の目が見える。耳は尖っていて、燃えるような紅い髪の毛がそよ風に揺られていた。

「は、はい……あ、ありがとう……ございます……」
 マーシャはその手に掴まって立ち上がりつつ、おずおずと礼を言った。

「いい」
 礼を言われた女エルフは、頷きながらそれだけ言って弓に矢を番えると、スノウジャイアントがいる方へ走って行った。

「マーシャ! 良かった……」
 ジャシードはマーシャの姿が見えて安心し、流れてしまっていた涙を拭った。マーシャの側にいた、見慣れない人物が弓に矢を番えて走ってくる。

「まだ終わっていない」
 風のような速さで走り込んできた紅い髪のエルフは、ジャシードに声を掛け、スノウジャイアントに向かって走って行く。

 ジャシードは気を取り直し、スノウジャイアントの方へと向きを変えた。もうナザクスは限界のようで、力場が消えかかっているのが見える。

 紅い髪のエルフは、ナザクスに取り付いているスノウジャイアントに矢を放つ。スノウジャイアントはナザクスを攻撃して激しく動いているにもかかわらず、矢はまるで紐でも付いているかのように、スノウジャイアントの目玉に突き刺さった。
 紅い髪のエルフは、素早く次の矢を番えて放つ。流れるような動作で放つ矢は、単に達人という言葉では表現できない、もはや芸術の域だ。

 次々と目に矢を撃ち込まれて、ナザクスに取り付いていたスノウジャイアントも、もんどり打って雪原に沈む。

 それでも紅い髪のエルフは手を緩めない。矢を番えては放ち、番えて放つ。そして寸分の狂いもなく、暴れているスノウジャイアントの目玉に、その矢が突き刺さる。スノウジャイアントが手で目を覆っていても、その指の隙間を縫って矢が突き刺さった。

「な、何だあれは……」
 ナザクスは、全ての矢を命中させる、紅い髪のエルフを見て驚愕した。こんな弓の名手は見たことがない。シューブレンもなかなかの腕前だが、こんな芸当は絶対にできない。

「見てないで動け」
 紅い髪のエルフは、ナザクスの近くを走り抜けながら言った。

 ジャシードは、ガンドとスネイルが攻撃し続けているスノウジャイアントに目を向ける。そちらのスノウジャイアントは、青っぽい体液塗れで、もはやろくに動けない状態になっていた。スネイルはスノウジャイアントによじ登って、あちこち刺しまくっている。もはや勝負あった状態だ。

 マーシャを殴ろうとしたスノウジャイアントへ、ジャシードは走り込んでいった。もはや視界を奪われているはずだが、力場を展開して走り込む。痛みで暴れている巨大で太い手をかいくぐり、その脇腹へ走り込んで深々とファングを突き立てた。そしてそのままファングを強く握って切り上げた。ファングが通過した場所から、青っぽい体液がドロリと漏れる。

 痛む場所が増えたスノウジャイアントは、切られた場所を押さえようと手を動かす。ジャシードはその手を跳んで躱し、腕にファングを突き立てた。

「んぐおおおおお!」
 珍しく声を上げながら、ジャシードはチカラ一杯、刺し込んだファングを引っ張りながら巨大な腕を走る。巨大な腕は引き裂かれ、ついでに切断された青い管から、大量の体液が噴き出してきた。

 腕を振ってジャシードを振り落としたスノウジャイアントだったが、今度は攻撃対象を変えたガンドの鋼鉄を脳天に受けることになった。得も言われぬ音が響き、苦しむ声が響く。

 暫く呆然と突っ立っていたマーシャも、再び行動を開始した。動き始めてみると、自分を殺そうとしてきたスノウジャイアントに対して、もの凄い怒りの感情が芽生えてきたのを感じられる。

「みんな、離れて!」
 マーシャは叫ぶ。そして怒りを杖に乗せて、魔法を紡ぎ出す。

「離れて! でかい魔法が来るよ!」
 ジャシードはマーシャの声を中継して叫び、自らも飛び移っていたスノウジャイアントの身体から飛び降り、できるだけ距離を取った。

——そこからはマーシャの独壇場だった。

 マーシャが振り上げた杖は、空中に燃える炎の空間を作り出した。

「な……なんだよ……アレは……」
 退避したナザクスは、またもマーシャの魔法に驚愕した。

 一般的に、魔法はある程度体系化されていて、名称が付いている物が多い。いちいち発動時にその名を言う者は少ないが、誰が使っても同じような魔法になる、と言う物も多いわけだ。
 しかしマーシャの魔法は、ナザクスが全く見たこともないものが多い。ロック鳥の戦いで使っていた、分裂して追いかけていく火球の魔法は、他では見たことがない。そして今目の前で、しかも空中で展開している火の海のような魔法も、他で見たことなどない。

「怖かったんだから……怖かったんだからぁぁぁ!!」
 マーシャが杖を振り下ろすと、空中の火の海が、一斉にスノウジャイアントたちに降り注いだ。そしてその炎は、何かに触れた途端に眩く輝き、爆発的な熱量を放ちながら燃え上がった。

「な……なんて魔法だよ……あいつ、どれだけ魔法撃てるんだ……」
 ナザクスは、もはや『溶けている』と表現する方が正しいスノウジャイアントたちを、ただただ眺めていた。

 魔法を使ってマーシャはへたり込んだ。さすがに魔法を使いすぎて、身体からチカラが抜ける。

「マーシャ!」
 ジャシードたちがマーシャの側に駆け寄る。

「うぅぅ……怖かったよぉ……」
 マーシャは弱々しく、ジャシードにしがみついた。マーシャの怒りは安心を通り抜けて、涙に変わった。

「ごめん、僕がちゃんとしてなかったから……」
 ジャシードはマーシャを抱きしめ、もうこんな思いはさせまいと心に誓った。

「だらしない。セグムの息子だからか?」
 紅い髪のエルフが近づいてきて、ぼそっと言った。

「父さんを知っているんですか?」
 ジャシードは、マーシャを落ち着かせようと背中を撫でてやりながら、紅い髪のエルフを見上げた。

「昔、同じパーティだった」
 紅い髪のエルフは、平坦な声で言う。

「……名前を聞いても?」
「ファイナ」
「ファイナさん。助けてくれて、ありがとうございました」
 ジャシードは、落ち着いてきたマーシャから手を離して礼を言った。

「いい。バラルに頼まれて来た」
「……バラルさんに?」
「そうだ」
「バラルさんにも、お礼を言わなきゃいけないね……」
「気にするな」
 ファイナはそう言って立ち上がった。

 ジャシードはマーシャに肩を貸して立ち上がった。

「凄いね、これは」
 ジャシードは呟いた。マーシャの魔法の威力と来たら、魔法範囲の全ての雪を溶かしてしまったほどだった。スノウジャイアントの身体は焼け焦げ、もはや原形をとどめていない。

「ちょっと、やり過ぎたね……」
「う、うん……でも、いいの。これなら、いいの」
 ジャシードの身体にひっつくように掴まりながら立ち上がったマーシャは、大して反省していなかった。公然と抱きついて、マーシャはそっちの喜びに満たされてしまっていた。大好きな人に抱きつく喜び。それは生きている喜びと絡み合って、言葉にならない幸せを呼び起こしていた。

「どういうこと?」
「なんでもないよ」
 マーシャは掴まっている腕にチカラを込めて、ちょっと、ギュッとした。
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