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7、告白の真相【Rin side】
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「罰ゲームで告白なんて普通に失礼だろ。やめとけ」
近々ある文化祭で浮かれている友人たちの提案に驚いて否定すれば、分かってないという顔をされた。
心外だ。
「告白するのは好きな人にだよ、罰ゲームはただのきっかけ。バカか」
彼らの弁解を聞いて納得した。
最後の悪口は意味が分からないが。
「いや、でも歩悠は彼女いるじゃん」
話していた友人の花井歩悠に驚いて聞き返す。
彼女はつい先日生徒会にいる後輩と付き合ったと言っていた。
ちょっとけんかして居たっぽかったがそれもうまく和解できたらしく仲良く付き合っていると思っていたのだ。
「俺は彼女にもう一回告白するんだよ。何回だって好きって言う」
「惚気んな。リア充」
思いっきり彼女を自慢してくる歩悠をうざそうに睨むのは結城宙だ。
こいつはずっと片思いしている幼馴染がいてその人に振り向いてもらうために大変そうなやつだ。
そしていつもどおり上手くいってないみたいだ。
「やる?勝負」
歩悠に持ちかけられたのは、直近の小テストの点数勝負だった。
一番以外の人が罰ゲームを受けるものだ。
何度かやっている勝負だったけどいつもの罰ゲームはジュースを奢ったりとかそんなんだから文化祭で浮かれてるのは本当かもしれない。
「俺はやる。こういうのでもないと俺一生あの人に告白できそうにない」
ヒロが立候補しながら俺のほうを見てくる。
「俺も、やるわ。それ」
乗るしかない。
ヒロもそうだが俺だってそんな機会ないと一生告白なんてできないかもしれない。
結論から言うと、告白は成功した。
文化祭の日。
緊張しすぎて悶々としてたら香月さんは帰ったし、めちゃくちゃ落ち込んでたんだけど、帰ったはずの彼女が戻ってきた。
しかも、動揺しすぎて脈絡なんてないも等しい告白の仕方をしたのに成功した。
意味が分からなかった。
告白の成功を友人たちに伝えたら同じくらいびっくりしてたけどそれ以上に喜んでくれた。
それから4か月くらい付き合って何回かデートもして始め信じられなかった実感がわいてきて彼女からの好意も感じ取れるようになってきた。
もうすぐで半年かもって思ってた時、香月さんと異常に仲がいい男がいるのを知った。
彼女は男が得意なほうではないと思うしあの距離感から言っても俺よりも付き合いが長いと思う。
だから、浮気とか乗り換えるとかそんなのでないことはわかってるけど、嫉妬で狂いそうだった。
「この!またあとで」
この。
そいつは彼女をそう呼ぶんだ。
俺は怖くてまだ苗字呼びでしか呼んだことないのに。
俺だってそういう特別な呼び方とかしてみたいしされてみたいけど、女々しいとかめんどくさいとか挙句の果てにイメージと違うから別れたいとか言われたらちょっと立ち直れそうにない。
その人は染谷和人といって学園でも人気の奴だってクラスの女の子たちが言っていたし、優しくて優等生らしい。
勝ち目ないじゃん。
そんなとき、彼女からあからさまに避けられ始めた。
急に連絡がそっけなくなったし、遊びの誘いも断られる。
それだけなら気のせいだと思ったかもしれないけど、前は予定があって断るときは別の日を提案してくれたし、連絡はいつも丁寧だったのに。
異変に気づいて何とかつなぎとめようとしていた。
彼女と話したくて昇降口で待つことが増えたのに彼女は急に昇降口で会うようになったことを不思議にも思っていないみたいだった。
名前呼びに好意的なのに舞い上がって、彼女がまだ呼ばれていない呼び名を選んだ。
多分少し染谷を意識したけど。
だけど彼女が選んだのは俺が女子に多く呼ばれると言った呼び方で。
圧倒的な熱量の差を感じて、もう捨てられるんだと分かった。
いっそのこと早く捨ててくれとも。
だけど諦められなくて、あの日彼女と喧嘩をした。
確かに罰ゲームだと放たれたことにも、珍しく怒りをあらわにした彼女自身にも驚いて後悔した。
また、傷づけているのだと。
やっぱりもうあきらめるべきなのだろうか。
近々ある文化祭で浮かれている友人たちの提案に驚いて否定すれば、分かってないという顔をされた。
心外だ。
「告白するのは好きな人にだよ、罰ゲームはただのきっかけ。バカか」
彼らの弁解を聞いて納得した。
最後の悪口は意味が分からないが。
「いや、でも歩悠は彼女いるじゃん」
話していた友人の花井歩悠に驚いて聞き返す。
彼女はつい先日生徒会にいる後輩と付き合ったと言っていた。
ちょっとけんかして居たっぽかったがそれもうまく和解できたらしく仲良く付き合っていると思っていたのだ。
「俺は彼女にもう一回告白するんだよ。何回だって好きって言う」
「惚気んな。リア充」
思いっきり彼女を自慢してくる歩悠をうざそうに睨むのは結城宙だ。
こいつはずっと片思いしている幼馴染がいてその人に振り向いてもらうために大変そうなやつだ。
そしていつもどおり上手くいってないみたいだ。
「やる?勝負」
歩悠に持ちかけられたのは、直近の小テストの点数勝負だった。
一番以外の人が罰ゲームを受けるものだ。
何度かやっている勝負だったけどいつもの罰ゲームはジュースを奢ったりとかそんなんだから文化祭で浮かれてるのは本当かもしれない。
「俺はやる。こういうのでもないと俺一生あの人に告白できそうにない」
ヒロが立候補しながら俺のほうを見てくる。
「俺も、やるわ。それ」
乗るしかない。
ヒロもそうだが俺だってそんな機会ないと一生告白なんてできないかもしれない。
結論から言うと、告白は成功した。
文化祭の日。
緊張しすぎて悶々としてたら香月さんは帰ったし、めちゃくちゃ落ち込んでたんだけど、帰ったはずの彼女が戻ってきた。
しかも、動揺しすぎて脈絡なんてないも等しい告白の仕方をしたのに成功した。
意味が分からなかった。
告白の成功を友人たちに伝えたら同じくらいびっくりしてたけどそれ以上に喜んでくれた。
それから4か月くらい付き合って何回かデートもして始め信じられなかった実感がわいてきて彼女からの好意も感じ取れるようになってきた。
もうすぐで半年かもって思ってた時、香月さんと異常に仲がいい男がいるのを知った。
彼女は男が得意なほうではないと思うしあの距離感から言っても俺よりも付き合いが長いと思う。
だから、浮気とか乗り換えるとかそんなのでないことはわかってるけど、嫉妬で狂いそうだった。
「この!またあとで」
この。
そいつは彼女をそう呼ぶんだ。
俺は怖くてまだ苗字呼びでしか呼んだことないのに。
俺だってそういう特別な呼び方とかしてみたいしされてみたいけど、女々しいとかめんどくさいとか挙句の果てにイメージと違うから別れたいとか言われたらちょっと立ち直れそうにない。
その人は染谷和人といって学園でも人気の奴だってクラスの女の子たちが言っていたし、優しくて優等生らしい。
勝ち目ないじゃん。
そんなとき、彼女からあからさまに避けられ始めた。
急に連絡がそっけなくなったし、遊びの誘いも断られる。
それだけなら気のせいだと思ったかもしれないけど、前は予定があって断るときは別の日を提案してくれたし、連絡はいつも丁寧だったのに。
異変に気づいて何とかつなぎとめようとしていた。
彼女と話したくて昇降口で待つことが増えたのに彼女は急に昇降口で会うようになったことを不思議にも思っていないみたいだった。
名前呼びに好意的なのに舞い上がって、彼女がまだ呼ばれていない呼び名を選んだ。
多分少し染谷を意識したけど。
だけど彼女が選んだのは俺が女子に多く呼ばれると言った呼び方で。
圧倒的な熱量の差を感じて、もう捨てられるんだと分かった。
いっそのこと早く捨ててくれとも。
だけど諦められなくて、あの日彼女と喧嘩をした。
確かに罰ゲームだと放たれたことにも、珍しく怒りをあらわにした彼女自身にも驚いて後悔した。
また、傷づけているのだと。
やっぱりもうあきらめるべきなのだろうか。
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