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綾斗は寝息を立てながら布団に顔を潜らせていた。
「つかピザラスイチ残ってんぞ~誰ぇー?」
「夕希食った?」
「え、それひとり2枚なの?」
「うん」
クラスメイトがピザの箱を突き付けてくる。
こんな時に綾斗が起きていれば食べてくれるのに。
「要らんならいーけど」
「あ、いや食べる」
無理矢理胃に詰め込んだ。最後は水で流して味を消す。
ピザとか、そんな油っこいもの、自分には向いていなかった。
「…っゔ、うぇ……」
帰って玄関で嘔吐く。びちゃびちゃとフローリングに吐瀉物が広がった。
「けほっ……ごほっ、」
むせ返ってフラフラしゃがみ込む。リビングから弟が青い顔を覗かせた。
「……兄ちゃん…?」
震える声で言って駆け寄ってくる。
「大丈夫?」
「……っせぇ…」
頭がガンガンする。やっぱ食べなきゃ良かった。
「あ゙ー……」
疲れた。つか、吐いたら腹減った。
「……と、あやと~」
数回呼ばれて体を強めに揺すられて目を覚ました。
「もーそろ帰れば?6時」
「………………」
なんで自分は布団の中にいるのか、他の奴らはどこに行ったのか、理解が追いつかなかった。
「……おれ寝てた?」
「なんか途中うーうー言ってたけどな。塾ある奴らは帰ったぞ。夕希もなんか用事思い出したってピザ食ってすぐ帰った」
「はぁ…?もう、最悪…」
愚痴と共に起き上がる。友だちは綾斗が起き上がって空いたベッドに腰掛けた。
「だぁいじょーぶ寝顔可愛かったぜ?」
「…きもい」
「なんでそんな人前で寝んのやなの」
「……なんか、普通にやだろ」
「そうか?」
「ま、そろそろ帰るわ」
欠伸しながら立ち上がって、家を出た。
「ゆーひぃ」
「んー」
かすり傷とか切り傷とか、ヒリヒリするけど、一番痛いのはやっぱり腹の痣かな。一生ズキズキする。
「夕飛って」
「なに」
別に聞こえてはいるんだよ。無視してただけで。
「今日部活ねーから遊ぼーぜ」
「えぇ…」
「はいじゃーんけーん」
遊ぶかどうかをジャンケンで決めるのは強引な気もするが。そして夕飛が勝った。
「しゃーねぇ、夕飛が決めて」
「なにを?」
「遊ぶか帰るか」
そんなの決まってる。
「帰るわー」
かばんを持って立ち上がった。友だちは「えぇ~」と声を洩らす。
「遊ぼーよーどーせ暇だろー?」
「今日塾なんだもーん」
実際、塾は行っていない。
どこにも寄り道せずに真っ直ぐ家に帰った。家の鍵を開けて、ふぅ、と深呼吸する。玄関を開けて、一目散に自分の部屋に逃げた。
「……ん…」
部屋が暗い。いつの間にか寝ていた。それからはっと飛び起きる。
「兄ちゃん……まだか…」
良かった。胸を撫で下ろす。
途端に部屋のドアがバタンと開いて肩を震わせた。
「なんだ、起きてんのか」
「…………おかえり」
「飯食った?」
「あ………うん」
反射的に食べたと答えてしまったけど。今日は何もされなさそう、という事は、不機嫌ではないらしい。
「ぁ、俺、家事なんもしてなくてごめん、」
謝ったものの、ドアは無言で閉められた。
ある日の帰り、夕希は綾斗の隣を歩く。
「綾斗さ、なんで今日は遅刻?」
「寝坊以外になんだと思う?」
「ないと思う」
夕希がにこりと笑う反面、綾斗はいつも通りのしかめっ面だった。
「正解だけど」
「毎朝電話かけたげよっか」
「いーわ、どーせ起きん」
もう早起きするのは諦めているらしい。たまに、と言っても月曜日が多いが、綾斗が遅刻してくる事がある。その日は決まって機嫌が悪い。
「コンビニ行く?」
「なんで?」
「気晴らしみたいな。僕喉乾いたし」
「……ご心配なく」
綾斗は片手を遮るように出して呟いた。
頭の回転は早い彼だ。夕希が何を思ったのかの理解はすぐできただろう。
「いつも夜遅くまでなにしてんの?」
「……だから、ライン返したりとか、ゲームとか、」
その時、綾斗の声を遮るほどの大声が耳に届いた。
「綾斗ーっ!」
「……うわ」
綾斗の嫌そうな顔も全て無視して、違う学校の制服を着た男子高校生が自転車に乗ってやってくる。そしてその勢いで綾斗に突っ込もうとして綾斗は慌てて避けた。
「……ぶねぇ…」
「帰る時間合うとか珍しいねぇ~!」
「うっせ」
綾斗は高校生を嫌そうに睨んで自転車を蹴った。高校生は慌てて倒れそうになるのを足で踏ん張る。
「ちょっと危ないでしょーがっ」
「………………」
綾斗は無視だ。夕希は数回瞬きをする。高校生の着ている学ランはこの辺りで一番賢い進学校だ。身長は高校生の方が高い。けど、性格なら高校生の方が子どもっぽいか。
「友達?」
「んーん!双子!」
高校生が笑顔で言う。夕希は目を丸くした。
「ほんとに?顔全然違うけど」
「違うけど双子なんだぁ」
「ちっげーよ馬鹿」
綾斗が高校生を押して否定する。
「ただの近所の奴。おさなな」
「あぁ…仲良いんだ」
「一方通行なだけだ」
「へぇ~」
高校生のムスッと膨らんだ頬を見る。
あんな人、この辺りに居たっけ。幼なじみなら、小学校も中学も一緒のはずだが見覚えがない。高校に入ってから仲良くなった綾斗でさえ、中学校の時に名前くらいは知っていたのに。
「ま、帰るわじゃな」
「あ、ばいばい」
背を向けたふたりに手を振った。
「ぁ゙、まっ、っぁ、」
一度腰を突くだけで、うつ伏せの身体は跳ね上がった。シーツをぎゅっと握りしめると、後ろから身体が重なってきた。
「ねぇ綾斗、なんで僕を赤の他人にするの?妬けちゃうじゃん」
「だって、血ぃ、つながってねーし…」
「でも双子でしょ?」
浅い所まで抜かれたと思ったら、一気に深くまで貫いてくる。全身が痙攣したように頭が真っ白になった。
「……綾斗、イッた?」
「ぅ゙……はぁっ、ぁ、」
「待ってね~僕まだだから」
「ぇ、ゃ、」
再度腰を突かれて言葉にならない声を出す。
頭、おかしくなりそう。壊れる。死ぬほど熱い。
なのに、腹の中にも熱いものが流れ込んできた。
「ぁ、すき、綾斗すきっ、」
また後で腹壊すやつだ。あれ嫌なのに。
「っ…はぁ、っあー、気持ちよかった」
「っぁ……あ゙…」
「まだイッてる?じゃ抜くね」
「っ、まって、ぬくのゆっくり、」
「やぁだ」
「ゔッ、ん゙…っ、けほっ、」
萎えたのが抜かれるだけで、再び達した。ベッドから動けないでいると、首元にキスが下りてくる。
「次双子じゃないとか言ったら、僕怒るからね」
「……も、おこってんだろ…」
「ふふっ、んじゃもっかい」
「は、」
「次こっち向いて?」
体勢を変えられた間も必死に酸素を吸う。
「おや、は、」
「ん?母さん、今日は夜勤だよ?だから帰ってこない」
「……うそ」
「だからいっぱい遊べるね」
ああ、もう。明日学校だっつってんのに。彼の手が額に張り付く。
「綾斗熱っついね。熱あんじゃない?」
「……っさ…」
「ああ、それかお兄ちゃんって呼んだ方がい?」
「…………しね…」
こっちはキレてんのに相手はご満悦だ。にんまり笑って身体に指を滑らせた。
「綾斗も僕の名前呼んでよ。そっちのが愛し合ってるみたいじゃん」
「………………」
「ほら、かんなって」
「……ぁ、あ゙ー…」
ビクリと反応して寝返りを打つ。それでも構わず胸は弄られ続ける。
「学校の奴らは知らないんだろね。綾斗がこんなド変態なの」
「……変態はどっちだよ」
「でも綾斗、抵抗すんのやめてんじゃん」
ダメだ、眠いや。
「勃ってきたからもっかい入れるね、力抜いて」
「………………」
寝たいんだって。もう意識を落とすしかないか。
「綾斗~お泊まり会しよー」
「……いつ?」
「来週」
んな急な。友だちの提案にしばし悩む。奴からは一晩逃げられるけど、でも、無理だ。
「人前で寝られねぇって」
「まだ言ってんの?前爆睡してたっつの」
だからそれは朝方まで襲われてて眠気が限界を迎えてたからで。
「つかなんで寝るの無理なん」
「……だからなんとなく」
寝てたら襲われたのが始まりだったなんて言えるわけない。
「ま、寝れねぇんならゲームして起きてよーぜ。それか映画」
「えぇ…なんでそんなやる気…」
「親出張でいねーんだもん。ひとりやだし」
怖がりか。
「あと夕希誘うだけだから。綾斗行ってきて」
「あ?なんで俺?」
「いっちゃん仲良いから。俺ちょっと部活の集まり行ってくる」
結局任されてしまった。もう引退したくせに。
ため息をついて重い腰を上げる。何かを書いている夕希の前の椅子に座った。
「なにしてんの」
「日直なっちゃったから」
「あぁ…」
さて、本題に入ろうか。
「来週泊まろって。伝達」
「さっき大声で話してたもんね。聞こえてた」
なら来る必要無かったのでは。
「綾斗行くの?」
「……まあ」
「なら行こっかな~」
「そ」
本題終了。綾斗は夕希の机に寝そべった。
「だりぃ……」
「また寝てないの?」
「んー…」
夕希は学級日誌から綾斗に目を移す。
「ゲーム没収しようか?」
「……いい…」
「てかなんのゲームしてんの」
「え、えー…」
最近って何が流行りだ。死ぬほど興味無いから全然知らんのだが。
「あー、マリオ…」
「新作のやつ?」
「……あ、うん」
新作出たんだ。へぇ。
その帰り、また中学生の軍団とすれ違った。その中に見知った顔を見つけて夕希の袖を引く。
「ほら、あれ、夕希の弟?」
「え」
指をさした先を夕希も見る。
「あー、うん。弟だ」
「へえ」
話していると、その視線に気付いて弟が顔を上げた。そして、夕希を見た途端に目を見開いた。
「夕飛、おかえり」
夕希はいつもの笑顔で手を振る。
「……た、ただいま…」
夕飛と呼ばれた弟は小さな声で言った。綾斗はふたりを交互に見る。
仲がいい、とは思えなかった。弟の目が怯えて見えたから。なのに、夕希はいつも通りだ。
「……喧嘩でもしたの」
「え?なんで?」
「弟にブチ切れたか?」
「……キレてないよ、そもそも喋ってなかったし」
「あー…」
夕希って、ブチ切れるとめちゃくちゃ怖かったりするんだろうか。
まあ、よそはよそだ。自分だって普通の兄弟ではないんだから、他人の家をどうこう言える立場じゃない。まずどうでもいい。
「ま、優しくしたげろよ」
「してるって」
「どーだか。じゃな」
ついでに弟にも手を振って背を向けた。
夕飛はそれをぼーっと見送った。
「夕飛」
呼ばれてビクッと前に向き直る。夕希の笑顔はもう消えていた。
「アイツ頭切れる奴なんだ。あんまビビんないでくんない?」
「ぁ、ごめん…」
「まあ干渉はしないだろうけど…」
呟いて踵を返した。
「帰んぞ」
「ぁ、うん」
「はぁ…」
兄の声にビビるしかなかった。
「コイツさ、人前じゃ寝れんとか言ってたくせにくっそ寝てんだけど」
「昨日もゲームかなんかしてたんじゃね」
みんなでソファを囲む。クッションを抱きしめて、起きる気配もない熟睡中の綾斗には毛布が掛けられていた。
「一番最初に来て起こすなっつって寝転がりました」
「だから眠いんなら来なきゃいーのに」
友だちの声を聞きながら夕希はソファの前にしゃがむ。すると、綾斗の目がパチリと開いた。
「あ、起きた」
「お、綾斗?おはよ」
友だちが声を掛けたものの、綾斗はぼーっと夕希を見つめる。それからぐるりと視線を巡らせた。
「……寝ぼけてんのか?」
ひとりが言う。綾斗はそれを眺めて短く息を吐いた。
「…………マワされんのかと思った…」
「え?」
「や…」
起き上がって伸びをする。それからみんなを見回す。
「なにしてんの?」
「観察」
「へぇ…」
「ま、綾斗も起きたんならゲームしよーぜ~。今日だけは勉強忘れて」
家主に続いてぞろぞろと部屋に向かっていった。綾斗は立ち上がって腰を押さえる。
「ってぇ…」
「ぎっくり腰?」
まだ残っていた夕希が訊いた。否定するのも面倒臭そうだった。
「そんな感じ」
「無理して来なくていーのに」
「意外と友だち好きなんだよ」
本当に思っているのかよく分からないテンションで綾斗は呟く。
「友だち好きだっけ?」
「失礼だぞ」
ボケたら普通にツッコんでくれた。
その夜、なかなか風呂から上がってこない綾斗に友だちは疑問を持つ。
「アイツ風呂長くね?」
「寝てんじゃね。ゲームしてても飯食ってても眠そうだったろ」
「寝て溺れてんのか」
「それダメだろ」
「見てくるわ」と友だちが出ていった。残った友だちがスマホをいじっている夕希に目を向けた。
「そーいや城山、あんま食べてなかったけど良かったんか?」
「ん?うん、少食だし嫌いなもん多いし」
「結構偏食?」
「すっごい偏食。脂っぽいやつ無理」
「魚も?」
「生は無理」
「野菜は?」
「トマトは嫌い」
友だちの質問攻めに答えていく。すると、バイブ音が聞こえて会話を止めた。
「誰か電話鳴ってんぞ」
「あ、綾斗のだ」
ひとりが綾斗のスマホを手に取る。それから画面を見て眉根を寄せた。
「これ友だちかな?なんて読むんだろ」
「なにが?」
「これ」
画面に『柑那』と書かれた名前があった。みんなの視線は夕希に集まる。
「夕希読める?」
「んー…かん…」
「夕希!」
後ろから名前を呼ばれて遮られた。この家の家主が夕希の腕を引っ張った。
「綾斗運べんのお前だけだから」
「え?」
「いーから来て!」
引かれるがままに浴室に連れてこられた。そして洗面台の前で蹲る綾斗に目を丸くする。
「どした?」
「のぼせたんだって。来たらここで蹲ってた」
友だちの声を聞きながら綾斗の隣にしゃがむ。
確かに、頬から耳まで真っ赤になっている。「触るよ」と忠告を入れて額に触れると、熱があるみたいに熱かった。
「なんでこんなのぼせてんの?」
「寝てた…」
「………………」
クラスメイトの予想的中だな。
「立てないの?運ぶよ?」
「わり…」
お姫様抱っこみたいにして部屋に運んだ。途端にクラスメイトが取り囲んでくる。
「綾斗どした?」
「倒れたか?」
「のぼせただけだって。ちょっと失礼」
布団に寝かせて、クラスメイトが持ってきた冷えたタオルを額に置いた。それを見て周りのクラスメイトは静かになっていく。
「死ぬほど顔あっけぇな」
「水持ってくるわ」
綾斗はため息をついて腕を顔に置いた。
「きもちわりぃ…」
「家帰る?連絡しようか」
「いや…」
その提案でさっきの通知を思い出した。とっくに切れたスマホを綾斗に見せる。
「さっき電話来てたよ」
「……誰から?」
「木へんに甘いと、な?みたいな漢字の人」
「あ?…………あぁ…」
綾斗の中で誰か分かったらしい。
「そいつはいーわ、通知切っといて…」
「帰らんのか?」
「今から帰んのめんどくね…」
友だちが水を持ってきて綾斗は起き上がる。ふらついたから囲んでいた全員が慌てて手を差し出した。
「マジで大丈夫かよ…元から体調悪かったとかじゃないよな?」
「それはない」
腰痛そうだったけど、とは言わなかった。
綾斗は水を少し飲んで再び寝転がる。
「おれもー寝る…あと楽しんで…」
「じゃあ静かにゲームするわ」
「いーよ盛り上がっといて……」
寝るとは言ったけど、これ以上関わって欲しくないから言ったんだろう。暑くて気持ち悪いのに寝れる訳ない。
「んじゃーやろーぜ、ゆーきぃ~」
「僕パスで。お風呂いってい?」
「あそっか。次夕希だったな」
「風呂で寝んなよー」と忠告を受けた。
「つかピザラスイチ残ってんぞ~誰ぇー?」
「夕希食った?」
「え、それひとり2枚なの?」
「うん」
クラスメイトがピザの箱を突き付けてくる。
こんな時に綾斗が起きていれば食べてくれるのに。
「要らんならいーけど」
「あ、いや食べる」
無理矢理胃に詰め込んだ。最後は水で流して味を消す。
ピザとか、そんな油っこいもの、自分には向いていなかった。
「…っゔ、うぇ……」
帰って玄関で嘔吐く。びちゃびちゃとフローリングに吐瀉物が広がった。
「けほっ……ごほっ、」
むせ返ってフラフラしゃがみ込む。リビングから弟が青い顔を覗かせた。
「……兄ちゃん…?」
震える声で言って駆け寄ってくる。
「大丈夫?」
「……っせぇ…」
頭がガンガンする。やっぱ食べなきゃ良かった。
「あ゙ー……」
疲れた。つか、吐いたら腹減った。
「……と、あやと~」
数回呼ばれて体を強めに揺すられて目を覚ました。
「もーそろ帰れば?6時」
「………………」
なんで自分は布団の中にいるのか、他の奴らはどこに行ったのか、理解が追いつかなかった。
「……おれ寝てた?」
「なんか途中うーうー言ってたけどな。塾ある奴らは帰ったぞ。夕希もなんか用事思い出したってピザ食ってすぐ帰った」
「はぁ…?もう、最悪…」
愚痴と共に起き上がる。友だちは綾斗が起き上がって空いたベッドに腰掛けた。
「だぁいじょーぶ寝顔可愛かったぜ?」
「…きもい」
「なんでそんな人前で寝んのやなの」
「……なんか、普通にやだろ」
「そうか?」
「ま、そろそろ帰るわ」
欠伸しながら立ち上がって、家を出た。
「ゆーひぃ」
「んー」
かすり傷とか切り傷とか、ヒリヒリするけど、一番痛いのはやっぱり腹の痣かな。一生ズキズキする。
「夕飛って」
「なに」
別に聞こえてはいるんだよ。無視してただけで。
「今日部活ねーから遊ぼーぜ」
「えぇ…」
「はいじゃーんけーん」
遊ぶかどうかをジャンケンで決めるのは強引な気もするが。そして夕飛が勝った。
「しゃーねぇ、夕飛が決めて」
「なにを?」
「遊ぶか帰るか」
そんなの決まってる。
「帰るわー」
かばんを持って立ち上がった。友だちは「えぇ~」と声を洩らす。
「遊ぼーよーどーせ暇だろー?」
「今日塾なんだもーん」
実際、塾は行っていない。
どこにも寄り道せずに真っ直ぐ家に帰った。家の鍵を開けて、ふぅ、と深呼吸する。玄関を開けて、一目散に自分の部屋に逃げた。
「……ん…」
部屋が暗い。いつの間にか寝ていた。それからはっと飛び起きる。
「兄ちゃん……まだか…」
良かった。胸を撫で下ろす。
途端に部屋のドアがバタンと開いて肩を震わせた。
「なんだ、起きてんのか」
「…………おかえり」
「飯食った?」
「あ………うん」
反射的に食べたと答えてしまったけど。今日は何もされなさそう、という事は、不機嫌ではないらしい。
「ぁ、俺、家事なんもしてなくてごめん、」
謝ったものの、ドアは無言で閉められた。
ある日の帰り、夕希は綾斗の隣を歩く。
「綾斗さ、なんで今日は遅刻?」
「寝坊以外になんだと思う?」
「ないと思う」
夕希がにこりと笑う反面、綾斗はいつも通りのしかめっ面だった。
「正解だけど」
「毎朝電話かけたげよっか」
「いーわ、どーせ起きん」
もう早起きするのは諦めているらしい。たまに、と言っても月曜日が多いが、綾斗が遅刻してくる事がある。その日は決まって機嫌が悪い。
「コンビニ行く?」
「なんで?」
「気晴らしみたいな。僕喉乾いたし」
「……ご心配なく」
綾斗は片手を遮るように出して呟いた。
頭の回転は早い彼だ。夕希が何を思ったのかの理解はすぐできただろう。
「いつも夜遅くまでなにしてんの?」
「……だから、ライン返したりとか、ゲームとか、」
その時、綾斗の声を遮るほどの大声が耳に届いた。
「綾斗ーっ!」
「……うわ」
綾斗の嫌そうな顔も全て無視して、違う学校の制服を着た男子高校生が自転車に乗ってやってくる。そしてその勢いで綾斗に突っ込もうとして綾斗は慌てて避けた。
「……ぶねぇ…」
「帰る時間合うとか珍しいねぇ~!」
「うっせ」
綾斗は高校生を嫌そうに睨んで自転車を蹴った。高校生は慌てて倒れそうになるのを足で踏ん張る。
「ちょっと危ないでしょーがっ」
「………………」
綾斗は無視だ。夕希は数回瞬きをする。高校生の着ている学ランはこの辺りで一番賢い進学校だ。身長は高校生の方が高い。けど、性格なら高校生の方が子どもっぽいか。
「友達?」
「んーん!双子!」
高校生が笑顔で言う。夕希は目を丸くした。
「ほんとに?顔全然違うけど」
「違うけど双子なんだぁ」
「ちっげーよ馬鹿」
綾斗が高校生を押して否定する。
「ただの近所の奴。おさなな」
「あぁ…仲良いんだ」
「一方通行なだけだ」
「へぇ~」
高校生のムスッと膨らんだ頬を見る。
あんな人、この辺りに居たっけ。幼なじみなら、小学校も中学も一緒のはずだが見覚えがない。高校に入ってから仲良くなった綾斗でさえ、中学校の時に名前くらいは知っていたのに。
「ま、帰るわじゃな」
「あ、ばいばい」
背を向けたふたりに手を振った。
「ぁ゙、まっ、っぁ、」
一度腰を突くだけで、うつ伏せの身体は跳ね上がった。シーツをぎゅっと握りしめると、後ろから身体が重なってきた。
「ねぇ綾斗、なんで僕を赤の他人にするの?妬けちゃうじゃん」
「だって、血ぃ、つながってねーし…」
「でも双子でしょ?」
浅い所まで抜かれたと思ったら、一気に深くまで貫いてくる。全身が痙攣したように頭が真っ白になった。
「……綾斗、イッた?」
「ぅ゙……はぁっ、ぁ、」
「待ってね~僕まだだから」
「ぇ、ゃ、」
再度腰を突かれて言葉にならない声を出す。
頭、おかしくなりそう。壊れる。死ぬほど熱い。
なのに、腹の中にも熱いものが流れ込んできた。
「ぁ、すき、綾斗すきっ、」
また後で腹壊すやつだ。あれ嫌なのに。
「っ…はぁ、っあー、気持ちよかった」
「っぁ……あ゙…」
「まだイッてる?じゃ抜くね」
「っ、まって、ぬくのゆっくり、」
「やぁだ」
「ゔッ、ん゙…っ、けほっ、」
萎えたのが抜かれるだけで、再び達した。ベッドから動けないでいると、首元にキスが下りてくる。
「次双子じゃないとか言ったら、僕怒るからね」
「……も、おこってんだろ…」
「ふふっ、んじゃもっかい」
「は、」
「次こっち向いて?」
体勢を変えられた間も必死に酸素を吸う。
「おや、は、」
「ん?母さん、今日は夜勤だよ?だから帰ってこない」
「……うそ」
「だからいっぱい遊べるね」
ああ、もう。明日学校だっつってんのに。彼の手が額に張り付く。
「綾斗熱っついね。熱あんじゃない?」
「……っさ…」
「ああ、それかお兄ちゃんって呼んだ方がい?」
「…………しね…」
こっちはキレてんのに相手はご満悦だ。にんまり笑って身体に指を滑らせた。
「綾斗も僕の名前呼んでよ。そっちのが愛し合ってるみたいじゃん」
「………………」
「ほら、かんなって」
「……ぁ、あ゙ー…」
ビクリと反応して寝返りを打つ。それでも構わず胸は弄られ続ける。
「学校の奴らは知らないんだろね。綾斗がこんなド変態なの」
「……変態はどっちだよ」
「でも綾斗、抵抗すんのやめてんじゃん」
ダメだ、眠いや。
「勃ってきたからもっかい入れるね、力抜いて」
「………………」
寝たいんだって。もう意識を落とすしかないか。
「綾斗~お泊まり会しよー」
「……いつ?」
「来週」
んな急な。友だちの提案にしばし悩む。奴からは一晩逃げられるけど、でも、無理だ。
「人前で寝られねぇって」
「まだ言ってんの?前爆睡してたっつの」
だからそれは朝方まで襲われてて眠気が限界を迎えてたからで。
「つかなんで寝るの無理なん」
「……だからなんとなく」
寝てたら襲われたのが始まりだったなんて言えるわけない。
「ま、寝れねぇんならゲームして起きてよーぜ。それか映画」
「えぇ…なんでそんなやる気…」
「親出張でいねーんだもん。ひとりやだし」
怖がりか。
「あと夕希誘うだけだから。綾斗行ってきて」
「あ?なんで俺?」
「いっちゃん仲良いから。俺ちょっと部活の集まり行ってくる」
結局任されてしまった。もう引退したくせに。
ため息をついて重い腰を上げる。何かを書いている夕希の前の椅子に座った。
「なにしてんの」
「日直なっちゃったから」
「あぁ…」
さて、本題に入ろうか。
「来週泊まろって。伝達」
「さっき大声で話してたもんね。聞こえてた」
なら来る必要無かったのでは。
「綾斗行くの?」
「……まあ」
「なら行こっかな~」
「そ」
本題終了。綾斗は夕希の机に寝そべった。
「だりぃ……」
「また寝てないの?」
「んー…」
夕希は学級日誌から綾斗に目を移す。
「ゲーム没収しようか?」
「……いい…」
「てかなんのゲームしてんの」
「え、えー…」
最近って何が流行りだ。死ぬほど興味無いから全然知らんのだが。
「あー、マリオ…」
「新作のやつ?」
「……あ、うん」
新作出たんだ。へぇ。
その帰り、また中学生の軍団とすれ違った。その中に見知った顔を見つけて夕希の袖を引く。
「ほら、あれ、夕希の弟?」
「え」
指をさした先を夕希も見る。
「あー、うん。弟だ」
「へえ」
話していると、その視線に気付いて弟が顔を上げた。そして、夕希を見た途端に目を見開いた。
「夕飛、おかえり」
夕希はいつもの笑顔で手を振る。
「……た、ただいま…」
夕飛と呼ばれた弟は小さな声で言った。綾斗はふたりを交互に見る。
仲がいい、とは思えなかった。弟の目が怯えて見えたから。なのに、夕希はいつも通りだ。
「……喧嘩でもしたの」
「え?なんで?」
「弟にブチ切れたか?」
「……キレてないよ、そもそも喋ってなかったし」
「あー…」
夕希って、ブチ切れるとめちゃくちゃ怖かったりするんだろうか。
まあ、よそはよそだ。自分だって普通の兄弟ではないんだから、他人の家をどうこう言える立場じゃない。まずどうでもいい。
「ま、優しくしたげろよ」
「してるって」
「どーだか。じゃな」
ついでに弟にも手を振って背を向けた。
夕飛はそれをぼーっと見送った。
「夕飛」
呼ばれてビクッと前に向き直る。夕希の笑顔はもう消えていた。
「アイツ頭切れる奴なんだ。あんまビビんないでくんない?」
「ぁ、ごめん…」
「まあ干渉はしないだろうけど…」
呟いて踵を返した。
「帰んぞ」
「ぁ、うん」
「はぁ…」
兄の声にビビるしかなかった。
「コイツさ、人前じゃ寝れんとか言ってたくせにくっそ寝てんだけど」
「昨日もゲームかなんかしてたんじゃね」
みんなでソファを囲む。クッションを抱きしめて、起きる気配もない熟睡中の綾斗には毛布が掛けられていた。
「一番最初に来て起こすなっつって寝転がりました」
「だから眠いんなら来なきゃいーのに」
友だちの声を聞きながら夕希はソファの前にしゃがむ。すると、綾斗の目がパチリと開いた。
「あ、起きた」
「お、綾斗?おはよ」
友だちが声を掛けたものの、綾斗はぼーっと夕希を見つめる。それからぐるりと視線を巡らせた。
「……寝ぼけてんのか?」
ひとりが言う。綾斗はそれを眺めて短く息を吐いた。
「…………マワされんのかと思った…」
「え?」
「や…」
起き上がって伸びをする。それからみんなを見回す。
「なにしてんの?」
「観察」
「へぇ…」
「ま、綾斗も起きたんならゲームしよーぜ~。今日だけは勉強忘れて」
家主に続いてぞろぞろと部屋に向かっていった。綾斗は立ち上がって腰を押さえる。
「ってぇ…」
「ぎっくり腰?」
まだ残っていた夕希が訊いた。否定するのも面倒臭そうだった。
「そんな感じ」
「無理して来なくていーのに」
「意外と友だち好きなんだよ」
本当に思っているのかよく分からないテンションで綾斗は呟く。
「友だち好きだっけ?」
「失礼だぞ」
ボケたら普通にツッコんでくれた。
その夜、なかなか風呂から上がってこない綾斗に友だちは疑問を持つ。
「アイツ風呂長くね?」
「寝てんじゃね。ゲームしてても飯食ってても眠そうだったろ」
「寝て溺れてんのか」
「それダメだろ」
「見てくるわ」と友だちが出ていった。残った友だちがスマホをいじっている夕希に目を向けた。
「そーいや城山、あんま食べてなかったけど良かったんか?」
「ん?うん、少食だし嫌いなもん多いし」
「結構偏食?」
「すっごい偏食。脂っぽいやつ無理」
「魚も?」
「生は無理」
「野菜は?」
「トマトは嫌い」
友だちの質問攻めに答えていく。すると、バイブ音が聞こえて会話を止めた。
「誰か電話鳴ってんぞ」
「あ、綾斗のだ」
ひとりが綾斗のスマホを手に取る。それから画面を見て眉根を寄せた。
「これ友だちかな?なんて読むんだろ」
「なにが?」
「これ」
画面に『柑那』と書かれた名前があった。みんなの視線は夕希に集まる。
「夕希読める?」
「んー…かん…」
「夕希!」
後ろから名前を呼ばれて遮られた。この家の家主が夕希の腕を引っ張った。
「綾斗運べんのお前だけだから」
「え?」
「いーから来て!」
引かれるがままに浴室に連れてこられた。そして洗面台の前で蹲る綾斗に目を丸くする。
「どした?」
「のぼせたんだって。来たらここで蹲ってた」
友だちの声を聞きながら綾斗の隣にしゃがむ。
確かに、頬から耳まで真っ赤になっている。「触るよ」と忠告を入れて額に触れると、熱があるみたいに熱かった。
「なんでこんなのぼせてんの?」
「寝てた…」
「………………」
クラスメイトの予想的中だな。
「立てないの?運ぶよ?」
「わり…」
お姫様抱っこみたいにして部屋に運んだ。途端にクラスメイトが取り囲んでくる。
「綾斗どした?」
「倒れたか?」
「のぼせただけだって。ちょっと失礼」
布団に寝かせて、クラスメイトが持ってきた冷えたタオルを額に置いた。それを見て周りのクラスメイトは静かになっていく。
「死ぬほど顔あっけぇな」
「水持ってくるわ」
綾斗はため息をついて腕を顔に置いた。
「きもちわりぃ…」
「家帰る?連絡しようか」
「いや…」
その提案でさっきの通知を思い出した。とっくに切れたスマホを綾斗に見せる。
「さっき電話来てたよ」
「……誰から?」
「木へんに甘いと、な?みたいな漢字の人」
「あ?…………あぁ…」
綾斗の中で誰か分かったらしい。
「そいつはいーわ、通知切っといて…」
「帰らんのか?」
「今から帰んのめんどくね…」
友だちが水を持ってきて綾斗は起き上がる。ふらついたから囲んでいた全員が慌てて手を差し出した。
「マジで大丈夫かよ…元から体調悪かったとかじゃないよな?」
「それはない」
腰痛そうだったけど、とは言わなかった。
綾斗は水を少し飲んで再び寝転がる。
「おれもー寝る…あと楽しんで…」
「じゃあ静かにゲームするわ」
「いーよ盛り上がっといて……」
寝るとは言ったけど、これ以上関わって欲しくないから言ったんだろう。暑くて気持ち悪いのに寝れる訳ない。
「んじゃーやろーぜ、ゆーきぃ~」
「僕パスで。お風呂いってい?」
「あそっか。次夕希だったな」
「風呂で寝んなよー」と忠告を受けた。
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