R18 短編集

上島治麻

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その日から、3人の悪ガキの中でユキトのポジションは【兄】ではなくなった。テイのいい性処理相手……【肉便器】へ変わっていた。急降下も良い所だろう。

 あるときは両親が終日留守なのをいいことに、一日中、家中のいたる所で颯真に抱かれ続けた。

「兄貴、腰止まってる」
「ご、ごめ……っ♡でも、ちょっと休ませ……ひああっ!♡お゙っ♡」

 リビングのソファでくつろぎながらテレビのバラエティを眺める颯真。その腹に跨りながらユキトが必死に腰を振っている。

「ったく、しょーがねえなぁ……」
 
 心底面倒くさそうな舌打ち。キャンディを噛み砕き、腰を突き上げた瞬間、ユキトは仰け反り絶頂する。1日中白濁を吐き出し続けて出る物のなくなったペニスはただむなしく打ち震えただけであったが……。
 颯真はそれでもさらに腰をリズミカルに打つ。

「あ、だめ……っ♡やめへ……や゙ぁあ!♡♡おごっ、んぉおお!♡♡♡」
「キンタマ空っぽのクセに感じてんなよ、馬鹿兄貴♡俺より先にへばってんじゃねーよ。アンタの良い所なんて淫乱なとこだけだろ」
「うぐぅ……んん゙っ♡ごめっ、ごめ……そぉま♡」
「いいよ♡許してあげる♡その代わり、俺の言うことには絶対服従な?」

 兄の、もはや哀れとさえ思える謝罪に颯真はにこりと微笑んだ。その笑顔が在りし日の自分を慕ってくれていた時のままで、ユキトはホッと安堵する。【自分は弟に憎まれている訳じゃないのだ】と。だが――。

「アンタは俺の肉便器♡クソ雑魚のマゾヒストなんだぜ? 自覚しろよ、ちゃんとさ♡」

 兄の前髪を掴み上げ視線を合わせてそう言い放ちながら颯真は笑った。ユキトが絶望する様を見て心底楽しそうに笑う弟の顔は、やはり在りし日の天使のような弟の笑顔とは似て非なる物だった。

 また別のある日は、コウタの家へ泊まりに行くように言われた。無論、ユキトに拒否権はない。
 嫌な予感を拭えぬままコウタ本人へ手を引かれ案内されたのは、街の奥まった場所にある一軒の古い家屋であった。思えば、コウタがユキトの家へやって来ることは頻繁にあったが、コウタの家に行ったという話は聞いたことがなかった。

「ちょっとボロいけど我慢してな!」

 外観もさることながら屋内も酷い。床板は所々穴が開いており、壁紙も色あせている。家具の配置にも統一感がなく雑然としていたが、一番驚いたのは――。

「これ、ウチの兄ちゃん」

 と、紹介されたのは丸々と肥った中年男であった。コウタの父親と言われても驚かない。それほどにこの兄弟の年齢差は広かった。ユキトがぽかんとしていると、男は酒臭い息を吐きながらおもむろに立ち上がり歩み寄ってきた。そしていきなりその腕を伸ばすと、ユキトを真正面から抱きしめ唇に貪りついて来たのである。

「んんん゙っ!」

 何がなんだか分からない。
 目を白黒させるユキトの横を通り過ぎ、敷きっぱなしになっている布団に座りながらコウタはあっけらかんと言った。

「兄ちゃんの相手してやってよ。ここら一帯の風俗出禁になっちゃって、溜まってるんだってさ」
「――!!!!!?」

 冗談じゃない。そう拒否を示そうと開いた口に分厚い舌がぬるりと入り込み蹂躙する。歯の裏や歯茎を舐められ、唾液を掻き回されて啜られ、ユキトは不本意ながらもゾクゾクと背筋を震わせてしまう。

「ふ……ぅ……!」

 男の口臭は生臭く耐えがたい。体臭だって汗と油の臭いの入り混じった酷い臭いだ。そりゃ、風俗だってどこだって出禁になる。荒い鼻息が顔にかかって不愉快だ。なのに、身体は勝手に動き出し男の舌へ自分の舌を絡めていく。

「ぅ、ん……♡ふぅう……あっ……!」

 濃厚なベロキスをしながら、男はユキトを抱きかかえたまま手前の布団へ寝ころんだ。男の腹の上で抱きすくめられ密着したまま、ユキトは舌をきつく吸われたり、唇や顎を嘗め回されて、頭の芯が蕩けそうになる。

「あ♡あっ……♡ん♡」

 何度も角度を変えてキスをされ、ユキトの喘ぎ声に媚びるような甘さが含まれる。密着した腹に硬く当たっているのはコウタの兄のペニスだろう。スウェットの前を今にも破りそうなほど張り詰めて主張したそれが、ユキトの腹の上をいやらしく擦った。

「ふ、ぁ……♡あ♡」
「フヒッ♡ベロキスだけで蕩けちゃってるじゃん♡チンポもおっ勃てちゃって、噂にたがわぬ淫乱だな♡」
「えあ……ちがっ、!」

 感じている訳がない。こんな臭くて不潔な中年男に、無理やりにキスをされて気持ち良いなどと思うものか! 心の中でそう自分に言い聞かせようとするが、身体の昂ぶりは一向に収まらない。それどころかもっと刺激を求めて勝手に腰が動いてしまう始末だ。勃起したペニス同士が擦れ合う。その刺激だけで、ユキトは軽く達してしまった。

「嘘つくなよォ。おじさんのチンポ欲しくって腰がうねっちゃってるぞ♡」

 大きな手に尻を鷲摑みにされる。揉み込むように全体を撫で回されながら、谷間へと指先が這う。

「そんなっ……んっ♡」

 抵抗しようとするも身体はちっとも言う事を聞かない。それどころか興奮で呼吸が荒くなるばかりである。
 否定しなければと頭では分かっていても止められない。身体の奥の熱に浮かされ、ユキトはいつの間にか男の太い首に腕を回して縋っていた。その様子を見てコウタがスマホのカメラを向けながら言った。

「兄ちゃんのチンポ欲しい?♡だったらちゃんとお願いしないとな」
「あ……ほしぃ……ちんぽ、ほしい……♡」

 毛むくじゃらの大きな手に衣服を剥ぎ取られ丸裸にされると、尻肉を割り開かれた。その中心では赤く充血した後孔が息づいている。あの日以降、毎日使い込まれたそこはイヤらしく縦に割れて女性器のようであった。

「ここにちんぽハメて下さいっておねだりしてみて♡」

 男の言う通りにすればもっと気持ち良くなれる……ユキトは素直に頷いてみせた。そして、男に跨ったまま腰の位置をずらしヒクつくアナルへ勃起したペニスの先端をあてながら、

「あ……ここ、ここにぃ♡ちんぽっ♡ち、ちんぽハメてくださっ、んお゙っ♡♡♡」

 言い終わる前に下から思いきり突き上げられる。もはやお馴染みの内臓ごと抉られる感覚に、ユキトは仰け反り舌を突き出した。腰がヘコヘコと媚びるような動きをし、快感を勝手に拾っている。

「ユキりんまんこ、おじさんのミルク欲しがって痙攣してるね?」
「あう……はぁあ……あ♡ほしぃ♡ちんぽっ♡みるくほしぃいぃ♡♡♡」

 ユキトが口走った言葉に応えるように彼のペニスから大量の精液が溢れ出る。体内で暴れ回る熱い奔流にまたも達してしまう。それどころか射精中に結腸弁を突かれてユキトは悶絶する。

「あ゙っ♡あ゙ーっ!♡♡お゙ぉおっ!!♡♡♡イッ……ぐぅぅううぅうう!!♡♡♡」
「おっ♡結腸まんこイイ具合に締まるねぇ。ユキりんのエロ肉でちんぽコキされるの最高♡」

男はユキトを抱きかかえたまま起き上がり、対面座位へ体位を変える。自重のせいで深くまで男のペニスが入り込んだ。そのまま下からも激しく突き上げられてユキトは舌を突き出して悦ぶ。

「お゙っ♡んぉっ!♡♡きもぢぃっ♡♡♡イぐっ♡イ゙ぐぅうっ♡♡♡」
「おふっ♡おじさんも♡おじさんも2発目イくよ♡」
「~~~~~~っ♡♡♡」
「ウチの兄ちゃん、早漏だからなァ。でも持久力だけはバカみたいにあるからユキ兄ちゃんいっぱいハメてもらえるね!」

 スマホでの撮影を続けながらコウタはそんな恐ろしいことを言い放つ。そしてその言葉のとおり、ユキトはコウタの兄に何時間にも渡り犯され続けることになった。
 状況が変わったのは夜も更けて日付が変わろうかという時に、一家の主であろう初老の男が帰宅したときである。
 コウタは眠り、コウタの兄は小腹が空いたからと台所に行っていた。
 床を力強く踏みしめながら布団の部屋に入ってきたのは作業着の人物であった、兄弟の父親だろう。
 父親は布団の上で精液まみれになりながら浅い呼吸を繰り返しているユキトを見るなり、酒に酔った赤ら顔を歪めた。

「またかよ……ったく、コウタの奴!」

 そう言うとユキトを羽交い締めにし、彼の尻を指が食い込むほど強く握りながペニスを突き入れた。突然の刺激にユキトは悲鳴のような嬌声をあげる。

「ひんっ!?♡♡あっ♡あ゙ぁ!♡♡」
「コウタのメスか? それともコウジの方か?! どっちでもいいが、ウチの倅どもを誑しこみやがって!」
「ちがっ、ちがうぅうっ! 俺はっ……お゙お゙お゙ん♡」

 父親のペニスはコウタやその兄の何倍も野太かった。いともたやすく身体の最奥まで抉じ開けられ、征服されてしまった。

「お前みたいな淫乱はどうしようもねえ! お前の親の代わりに躾直してやるから来い!」
「あぎゃっ!」

 ばちん、と尻を叩かれると繋がったまま無理やり玄関まで歩かされた。滴り落ちる淫水が帯になっていた。
 親父は玄関の引き戸を開け、ユキトを駅弁スタイルで抱き上げるとそのまま外へと出てしまった。

「やっ、なに……なんでぇっ!? んあっ、やめ……見つかっちゃう! 誰かに見られちゃ、あっ、ひぐぅっ!」
「お前が大声出さなきゃ見つかんねぇよ! 仮に見つかってもここに住んでるのは変態ばっかなんだ、そんときゃマワしてもらえ!」
「や、だ……!♡そんなの嫌だっ!♡♡♡もぉお♡帰るぅううっ♡♡♡」

 ユキトは身体をくねらせて暴れた。しかし親父は平然とした顔でそれを封じ込める。駅弁スタイルのまま坂道を下り始めるとユキトの身体が浮遊感に戦き手足をじたばたさせた。それが面白いのか父親は笑ったが、ユキトの方は堪ったものではなかった。
 結局、その恥ずかしい格好のままゆっくり時間をかけて近所を1周するハメになった。幸いなことに誰かに見つかることはなかったが、ユキトは「見つかるかもしれない」「見られるかもしれない」という恐怖と羞恥で頭がおかしくなりそうだった。

 これまた別の日は、学校帰りに駅に呼び出されトイレで何度も玩具でイかされてから電車に乗るよう指示された。
 終電まで戻って来るなという。
 それに従って電車に乗り込んだ瞬間、無数の腕が伸びてユキトを引き摺りこみ囲んだ。
 後から聞いた話によるとユキトが乗るように言われた車両はネットでは有名な【痴漢専用車両】であった。

 小学校に呼び出されたこともあった。
 体育準備室でユキトは颯真とそのクラスメイトの相手をしなければならなかった。
 それとは逆に颯真一味が高校までこっそり訪ねてきたこともある。
 授業中の校舎裏や駐輪場で散々に犯され、泣かされ、時折、誰かの気配を感じた時は見つからないように必死に声を殺した。

「あれ?  弟くんたち来てたんだね」

 放課後、図書室に行くとカナエが受け付けカウンターの中にいた。図書委員のカナエは今日がたまたま受付担当の日だった。
 颯真やコウタ、アキヒコは屈託のない無邪気な笑顔をカナエに向けた。

「うん、ちょっと学校の宿題で調べものがあってさ」
「兄貴の学校の図書館は一般にも公開されてるって聞いたから」

 高校の創設者の趣味はジャンルを問わない書架集めであったという。そのお陰で、市立高校の図書室にしては蔵書量が凄まじく、好意で一般にも公開しているのである。

「そうなんだよ。きっと探し物も見つかると思うから、ゆっくり見ていってね」
「うん。あ、それと……このあいだは俺たちはしゃぎすぎちゃってごめんなさい」
「ごめんカナエ姉ちゃん」
「ごめんなさい」

 コウタとアキヒコが口々に謝罪するとカナエは明るい声で言った。

「いいよ、気にしてないよ。でも、もう女の子にあんなことしちゃダメだよ?」
「はぁーい」

 一見して小学生と女子高生の微笑ましいやり取りのワンシーンであるが、その間も悪ガキ3人の手はユキトの身体をカナエの見えない角度でまさぐっていた。

 奥まった書架に連れ込まれてすぐ、ユキトは順番にペニスをハメられた。人気のないコーナーではあったが、すぐそこの席には利用者がいる。

「兄貴、声出したらバレるからな?」
「そしたら大変だろうなあ。学校一のイケメンの秀才がこんなド変態だってバレちまうよ」
「カナエ姉ちゃんもキモがるだろうねえ」
「う……それは……」

 確かにこんなことがバレでもしたら、もう学校になんて行けなくなるだろう。それを想像しただけで背筋が凍る。

「じゃあ声我慢しろよ」
「んっ!♡ん゙っ!!♡♡♡」

 腰の動きに合わせてくぐもった声が漏れた。騒がしい場所ならともかく、常に静謐が保たれている図書室内では命取りだ。
 ユキトは唇を噛み締めながら必死に耐えた。

「手伝おうか?」
「っ!!!」

 暫くして、棚の向こうからカナエが声をかけてきた。手が空いたので善意で様子を見に来てくれたのだろう。だが、その好意も今のユキトには迷惑なものでしかなかった。

「あ……だ、いじょうぶだ。気にしないでくれ……♡」
「? そう? なにか分からなかったら遠慮なく言ってね」
「あ、ああ……♡」

 ユキトは内心ほっとしながらカナエを見送った。見られていたらどうしよう……そんな不安が襲いかかり、きゅうっと締め付けを強くしてしまう。アキヒコが呻くような声を絞り出した。

「っ……! ユキ兄ィ、キツすぎ……っ♡」
「~~~っ♡」
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