30 / 32
第1章 PLAYER1
もう一度、その先へ ②
しおりを挟む
結論から言うとベンの見立ては当たっていた。巣別れが終わるのを二週間ほど待ってからユウキたちは鉱夫アリの作った新しい道に踏み込んだ。道は想像以上に複雑だった。まさにアリの巣を思わせる迷路の袋小路へと何度も行き当たりながらも、二度目の挑戦で彼らはついに迷路のゴールへと至った。行き着いた先は三層の閉鎖された西部、彼らの期待通りだった。
封鎖されていた空間の調査の為にそれから三度潜った。地形の変動、生態の変化、その他諸々を過去の記録と照らし合わせた。結果彼らは大局には影響ないと言う嬉しい結論を持って、トーヴァの街への帰路に着くのだった。
「これで事最後の調査も終わりだな」
三日をかけた最後の調査も今日で終わりだ。3人は野営地に選んだ場所で、灯りを囲みながら座る。
「次はいよいよ、五層へ挑戦だな。長い1日になりそうだ」
イッポリートが言う。今回の探窟に使うルートは落盤によって塞がっていた三層西部を通るものだ。当然、そこに至る道は今回発見した二層の側幹を通るものしかない。つまり三層の最深部にあるベースキャンプに立ち寄る事はできない。二層から一気に三層を抜け四層に至り五層まで駆け抜ける。ユウキたちにとってもっとも長い探窟となる事だろう。
「とりあえず、トーヴァに戻ってから三日は休みするつもりだ。ゆっくり心と体を休めるといい」
「これで、事前にしておく事は全てか?」
ユウキは軽い調子で尋ねる。
「いや。後一つ確認しておかなければならないことがある」
ベンは真剣な眼差しでユウキの方を見た。
「?」
「お前の力についてだよ」
その言葉に彼はドキリとした。確かに色々あってユウキとサトリが持つ力、PSYの事はうやむやになっていた。何をどこまで語るべきか彼は考える。
「えっと・・・」
「お前たちに何か事情がある事はわかっている。だから全てを話せとは言わない。だが、はっきりさせておいたほうがいいこともある。その力について俺たちが共通の認識を持っているかどうかは、今後の生死を分ける事になるかもしれない」
「・・・わかった。具体的に何を知りたい」
「お前には何ができるのか。そして、俺たちはどこまでその力を当てにしていいのかだ」
ベンの質問は当然で、的確であった。ユウキは頷くと説明を始める。
「この力はPSYと言う。大きく分けて二つの力がある。まず第一に物体に手を触れずとも働きかけることができる力だ」
そう言って、そばにあった小石を持ち上げてみせる。小石は重力逆らって浮かび上がった。
「驚きだな。そういう力を持つ人間がいるのは知っていたが見るのは初めてだ」
イッポリートから驚愕の声が上がる。この世界にもPSYを持つ人間は少数ながら存在しているらしいと言うことは以前アルから聞いていた。彼女も噂程度には聞いたことがあるのだろう。
「俺は実際にそう言う力を持った人間にあったことがあるぜ。だがユウキ、お前達のやって見せた事は桁外れだ。あの巨大な化け物を圧殺し、大きな天然の岩でできた橋すら砕いて見せた。俺の知っている力はもっとささやかなもんだ。それこそ大道元のタネにしかならない程度のな。あんな化け物じみたもんじゃない」
人には皆少なからずPSYの力が眠っていると言われる。時には、自らに眠る力に気づき使いこなすものもいるだろう。だが、ユウキは教会によってその才能の異質さをを認められPrayerに選ばれたほどの人間だ、更にその力を最大限に発揮する為の訓練も受けている。力に大きな差があるのは当然だ。
「本来なら増幅器と呼ばれる器具を使って力をコントロールするんだ。増幅器がない今の俺のは蛇口をひねって水を垂れ流すような使い方しかできない。この小石を持ち上げるぐらいならともかく、大きな出力をする場合細かい操作はほぼ無理だ。力を狙った場所に解放する事、そしてそれをやめる事、そういう大雑把な使い方が精々だ」
そういうとユウキはPSYの力を高め、浮かべた小石を砕いた。
「よくわからないのだけど、もしまたあれと出くわすようなことがあれば頼ってもいいの?」
イッポリートが尋ねる。
「もちろんやれる事はやる。だがあまり当てにし過ぎないで欲しい。さっきも行ったが今の俺では細かく力をコントロールして使うことができない。力を垂れ流して、閉じているだけ。言ってみれば燃費がすごく悪い」
「ねんぴ?」
ベンが首をかしげる。この世界の人間に説明するには例えが悪かったと反省する。
「物凄く、疲れるってことさ。この前のように大きな力を使い続ければ消耗し、しばらく動けなくなる」
力を使った後ユウキがどうなったかをベンたちはその目で見ている。
「結局、ユウキの力に頼るのは最終手段ってことか」
使った後に倒れてしまうなら元も子もない。極力ユウキに頼らなければならないような状況は避けるべきだろう。
「そういえば、歌が聞こえると言っていたな。そっちはどうなんだ?」
もしユウキが闇の気配を感じ取れるのだとしたら、闇を避けて進むことも可能かもしれない。
「それは恐らくPSYの二つめの力に関係している」
「恐らく?」
曖昧な表現にイッポリートは聞き返す。ユウキはその言葉に頷いて見せた。
「あの歌が何なのかはわからない。本当に、闇が歌っているのかすら・・・。俺とサトリにしか聞こえなかったのは確かか?」
二人に確認する。
「ああ」「何のことかわからなかったよ」
二人は口々に肯定する。
「ならやはり。PSYの二つめの力、精神感応能が関係しているんじゃないかと思う」
「それはどんなことができる力なんだ」
「簡単にいえば、本来人が知覚し得ないものを感じ取ることができる力だ。その延長線で人によっては離れた所にいる人間とコミュニケーションをとったり、低級な生き物なら思考を操ったりもできる」
「それは便利だな」「それは恐ろしい力だな」
ベンとイッポリートからそれぞれに異なる反応が返ってきてユウキは苦笑した。
「言うほど便利ではないし、恐る必要もないよ。精神感応能力に関しては正直よくわかっていなことが多いんだ。受信ならいざ知らず、人に干渉するような力のつかい方ができる人間は多くない。実際、この力を能動的かつ大々的に使える人間はこの世に一握りもいない。限定的な場面でなら、俺でも使えないことはいけど」
正確には精神感応能力にはPSYの力の大きさは関係ない。精神感応能力を能動的に使いこなすには能力を持つものの中でも極めて希少な才能を求められるのだ。
「限定的とはどんな時だ?」
イッポリートの長い耳がピクリと動く。
「例えば、送信者と受信者の縁が深い場合だね。血縁者、より理想的には双子のような場合、互いの情報を空間を超えて共有できたりするかな。まあ、これは俺には無理だ。他には・・・」
ユウキは言葉を止めてベンとイッポリートの手をそれぞれの手で握る。
–––––––こんな風に、相手に直接触れた場合–––––––
二人は驚いて手を引っ込める。
「頭に、直接?」
その言葉に頷いてみせる。
「今みたいに相手に直接触れることができるなら、俺でもこのぐらいはできる。正直、意味をなさないが」
触れあえる距離なら直接話せばいい。
「 でも待ってくれ。俺にはよくわからないが。あの時お前は、闇に対してその感応能力とやらで何かしたんじゃないのか? 本体は地中深くにいると言ったのはお前だろう?」
そう確かにユウキは使った。精神感応能力を遠く離れた別の空間にいたはずの闇に向けて。
「・・・正直なぜあの時あんなことができたのか俺にもわからない。でもあの時はなぜかそれができると確信していたんだ。闇と自分がどこかで繋がっているような気がした」
火事場のバカ力か、あるいはもしかすると・・・。ユウキは答えを探る代わりに自らの褐色の手を見た。カイ・カニンガルと言う名の少年の右手を。
「ま、何にせよ結局対抗手段としてユウキの力にはあまり当てにしない方が良さそうね。また、倒れられたんじゃたまらない」
イッポリートはそう結論づけた。
「でも、精神感応能力の方はどうなの? 干渉はできなくても知覚はできるんでしょ。歌を辿って、あれの居場所を感知することぐらいはできるんじゃない? 警報装置にならなれるかも」
続けざまに尋ねる。
「・・・可能だと思う。ただし、細かい所までは特定できない。近くにいるか、遠くにいるか。わかるのはそのぐらいだ。どれだけ意味を持つか・・・・。あれは恐らく、空間を瞬時に移動することができる」
ユウキは申し訳なさそうな顔をした。
「何、十分だ。 今までは出たとこ勝負だったんだ。近くにいれば警報装置が鳴くとわかっただけ今までよりずっとましだ」
そう言いながらベンはユウキの肩を叩く。
「とりあえず、お前の力についてはわかったさ。とりあえず警報装置として機能してもらおう。その上でいざという時はリスク覚悟で頼ることになるかもしれない。もちろん、そう言う状況にならないようにするのが一番だが」
「ああ、何だってするよ。できることはね」
ユウキはもとよりそのつもりだ。チームにとってできることは何だってする。ユウキはもう一度その覚悟を心に刻んだのだった。
封鎖されていた空間の調査の為にそれから三度潜った。地形の変動、生態の変化、その他諸々を過去の記録と照らし合わせた。結果彼らは大局には影響ないと言う嬉しい結論を持って、トーヴァの街への帰路に着くのだった。
「これで事最後の調査も終わりだな」
三日をかけた最後の調査も今日で終わりだ。3人は野営地に選んだ場所で、灯りを囲みながら座る。
「次はいよいよ、五層へ挑戦だな。長い1日になりそうだ」
イッポリートが言う。今回の探窟に使うルートは落盤によって塞がっていた三層西部を通るものだ。当然、そこに至る道は今回発見した二層の側幹を通るものしかない。つまり三層の最深部にあるベースキャンプに立ち寄る事はできない。二層から一気に三層を抜け四層に至り五層まで駆け抜ける。ユウキたちにとってもっとも長い探窟となる事だろう。
「とりあえず、トーヴァに戻ってから三日は休みするつもりだ。ゆっくり心と体を休めるといい」
「これで、事前にしておく事は全てか?」
ユウキは軽い調子で尋ねる。
「いや。後一つ確認しておかなければならないことがある」
ベンは真剣な眼差しでユウキの方を見た。
「?」
「お前の力についてだよ」
その言葉に彼はドキリとした。確かに色々あってユウキとサトリが持つ力、PSYの事はうやむやになっていた。何をどこまで語るべきか彼は考える。
「えっと・・・」
「お前たちに何か事情がある事はわかっている。だから全てを話せとは言わない。だが、はっきりさせておいたほうがいいこともある。その力について俺たちが共通の認識を持っているかどうかは、今後の生死を分ける事になるかもしれない」
「・・・わかった。具体的に何を知りたい」
「お前には何ができるのか。そして、俺たちはどこまでその力を当てにしていいのかだ」
ベンの質問は当然で、的確であった。ユウキは頷くと説明を始める。
「この力はPSYと言う。大きく分けて二つの力がある。まず第一に物体に手を触れずとも働きかけることができる力だ」
そう言って、そばにあった小石を持ち上げてみせる。小石は重力逆らって浮かび上がった。
「驚きだな。そういう力を持つ人間がいるのは知っていたが見るのは初めてだ」
イッポリートから驚愕の声が上がる。この世界にもPSYを持つ人間は少数ながら存在しているらしいと言うことは以前アルから聞いていた。彼女も噂程度には聞いたことがあるのだろう。
「俺は実際にそう言う力を持った人間にあったことがあるぜ。だがユウキ、お前達のやって見せた事は桁外れだ。あの巨大な化け物を圧殺し、大きな天然の岩でできた橋すら砕いて見せた。俺の知っている力はもっとささやかなもんだ。それこそ大道元のタネにしかならない程度のな。あんな化け物じみたもんじゃない」
人には皆少なからずPSYの力が眠っていると言われる。時には、自らに眠る力に気づき使いこなすものもいるだろう。だが、ユウキは教会によってその才能の異質さをを認められPrayerに選ばれたほどの人間だ、更にその力を最大限に発揮する為の訓練も受けている。力に大きな差があるのは当然だ。
「本来なら増幅器と呼ばれる器具を使って力をコントロールするんだ。増幅器がない今の俺のは蛇口をひねって水を垂れ流すような使い方しかできない。この小石を持ち上げるぐらいならともかく、大きな出力をする場合細かい操作はほぼ無理だ。力を狙った場所に解放する事、そしてそれをやめる事、そういう大雑把な使い方が精々だ」
そういうとユウキはPSYの力を高め、浮かべた小石を砕いた。
「よくわからないのだけど、もしまたあれと出くわすようなことがあれば頼ってもいいの?」
イッポリートが尋ねる。
「もちろんやれる事はやる。だがあまり当てにし過ぎないで欲しい。さっきも行ったが今の俺では細かく力をコントロールして使うことができない。力を垂れ流して、閉じているだけ。言ってみれば燃費がすごく悪い」
「ねんぴ?」
ベンが首をかしげる。この世界の人間に説明するには例えが悪かったと反省する。
「物凄く、疲れるってことさ。この前のように大きな力を使い続ければ消耗し、しばらく動けなくなる」
力を使った後ユウキがどうなったかをベンたちはその目で見ている。
「結局、ユウキの力に頼るのは最終手段ってことか」
使った後に倒れてしまうなら元も子もない。極力ユウキに頼らなければならないような状況は避けるべきだろう。
「そういえば、歌が聞こえると言っていたな。そっちはどうなんだ?」
もしユウキが闇の気配を感じ取れるのだとしたら、闇を避けて進むことも可能かもしれない。
「それは恐らくPSYの二つめの力に関係している」
「恐らく?」
曖昧な表現にイッポリートは聞き返す。ユウキはその言葉に頷いて見せた。
「あの歌が何なのかはわからない。本当に、闇が歌っているのかすら・・・。俺とサトリにしか聞こえなかったのは確かか?」
二人に確認する。
「ああ」「何のことかわからなかったよ」
二人は口々に肯定する。
「ならやはり。PSYの二つめの力、精神感応能が関係しているんじゃないかと思う」
「それはどんなことができる力なんだ」
「簡単にいえば、本来人が知覚し得ないものを感じ取ることができる力だ。その延長線で人によっては離れた所にいる人間とコミュニケーションをとったり、低級な生き物なら思考を操ったりもできる」
「それは便利だな」「それは恐ろしい力だな」
ベンとイッポリートからそれぞれに異なる反応が返ってきてユウキは苦笑した。
「言うほど便利ではないし、恐る必要もないよ。精神感応能力に関しては正直よくわかっていなことが多いんだ。受信ならいざ知らず、人に干渉するような力のつかい方ができる人間は多くない。実際、この力を能動的かつ大々的に使える人間はこの世に一握りもいない。限定的な場面でなら、俺でも使えないことはいけど」
正確には精神感応能力にはPSYの力の大きさは関係ない。精神感応能力を能動的に使いこなすには能力を持つものの中でも極めて希少な才能を求められるのだ。
「限定的とはどんな時だ?」
イッポリートの長い耳がピクリと動く。
「例えば、送信者と受信者の縁が深い場合だね。血縁者、より理想的には双子のような場合、互いの情報を空間を超えて共有できたりするかな。まあ、これは俺には無理だ。他には・・・」
ユウキは言葉を止めてベンとイッポリートの手をそれぞれの手で握る。
–––––––こんな風に、相手に直接触れた場合–––––––
二人は驚いて手を引っ込める。
「頭に、直接?」
その言葉に頷いてみせる。
「今みたいに相手に直接触れることができるなら、俺でもこのぐらいはできる。正直、意味をなさないが」
触れあえる距離なら直接話せばいい。
「 でも待ってくれ。俺にはよくわからないが。あの時お前は、闇に対してその感応能力とやらで何かしたんじゃないのか? 本体は地中深くにいると言ったのはお前だろう?」
そう確かにユウキは使った。精神感応能力を遠く離れた別の空間にいたはずの闇に向けて。
「・・・正直なぜあの時あんなことができたのか俺にもわからない。でもあの時はなぜかそれができると確信していたんだ。闇と自分がどこかで繋がっているような気がした」
火事場のバカ力か、あるいはもしかすると・・・。ユウキは答えを探る代わりに自らの褐色の手を見た。カイ・カニンガルと言う名の少年の右手を。
「ま、何にせよ結局対抗手段としてユウキの力にはあまり当てにしない方が良さそうね。また、倒れられたんじゃたまらない」
イッポリートはそう結論づけた。
「でも、精神感応能力の方はどうなの? 干渉はできなくても知覚はできるんでしょ。歌を辿って、あれの居場所を感知することぐらいはできるんじゃない? 警報装置にならなれるかも」
続けざまに尋ねる。
「・・・可能だと思う。ただし、細かい所までは特定できない。近くにいるか、遠くにいるか。わかるのはそのぐらいだ。どれだけ意味を持つか・・・・。あれは恐らく、空間を瞬時に移動することができる」
ユウキは申し訳なさそうな顔をした。
「何、十分だ。 今までは出たとこ勝負だったんだ。近くにいれば警報装置が鳴くとわかっただけ今までよりずっとましだ」
そう言いながらベンはユウキの肩を叩く。
「とりあえず、お前の力についてはわかったさ。とりあえず警報装置として機能してもらおう。その上でいざという時はリスク覚悟で頼ることになるかもしれない。もちろん、そう言う状況にならないようにするのが一番だが」
「ああ、何だってするよ。できることはね」
ユウキはもとよりそのつもりだ。チームにとってできることは何だってする。ユウキはもう一度その覚悟を心に刻んだのだった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
1ページのあいうえお
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
1ページの中にいろんなものを詰め込んで…
あいうえお順のお題で書く短編集です。
基本1ページですが、たまにオーバーします。
主にリクエストで書かせていただきました。
華夏帝王奇譚 §チャイニーズ・バンパイア・ファンタジー§
竹比古
ファンタジー
『二夜 蜃の楼』に登場する幻術師の蜃は、同時掲載作『魔窟降臨伝』R-18 に登場する蜃と同一人物です。
死に切れない宿命を持つという一族の少年、舜と、その父親だという青年、黄帝。
中国の山奥、雲海を臨む最峰の頂で黄帝と暮らしていた舜は、やっとのことで、街へ降りる許しをもらい、勢い込んで上海へと向かう。
しかし、そこへ現れたのは、炎帝と貴妃という、『同族』の二人であった。
凄まじい炎と、闇の衣を纏う二人に襲われ、舜は《聚首歓宴の盃》と、《朱珠の実》の秘密を渡すように迫られる。
この世の大初から存在しているのではないかと云われる黄帝は、珍しいものや、曰くつきのものをたくさん持っていた。そして、そんなものをたくさん持っている黄帝の被害に遭うのは、その息子たる舜であったのだ。
貴妃に腕を切り落とされた舜は、一旦、山へ戻り、腕を取り返すために、《聚首歓宴の盃》と《朱珠の実》を自分に預けて欲しい、と黄帝に頼む。
しかしそれは、自ら血を求めるという、恐ろしい曰くつきの盃であった。
それを欲しがる炎帝とは。
そして、そんなものを持っている黄帝とは。
舜は、敵地へと乗り込むが……。
※以前、他サイトで掲載していたものです。
※一部、性描写(必要描写です)があります。苦手な方はお気を付けください。
※表紙画:フリーイラストの加工です。
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
「最初から期待してないからいいんです」家族から見放された少女、後に家族から助けを求められるも戦勝国の王弟殿下へ嫁入りしているので拒否る。
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢に仕立て上げられた少女が幸せなるお話。
主人公は聖女に嵌められた。結果、家族からも見捨てられた。独りぼっちになった彼女は、敵国の王弟に拾われて妻となった。
小説家になろう様でも投稿しています。
【それでも俺は】腰痛で追放された勇者、行き倒れていた所をエルフ整体師にゴキャァ!と整体してもらい完治する【世界を救う】
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
ファンタジー
勇者クロウは魔王を討伐した史上最強の勇者だった。
しかし魔王との戦いで限界まで身体を酷使したことで腰を痛め、それ以降、重度の腰痛に苦しむことになる。
そしてクロウは勇者の地位を奪われ、王国から追放されてしまった。
腰痛で歩くこともままなず、ついには森の中で行き倒れたクロウ。
そんなクロウの前に近所で評判という凄腕美少女整体師エルフのアリスベルが現れて――。
ゴキボキゴキッボキャァッ!
「あぎゃぎゃががぎゃぐわぃおうえっ!? いきなりなにするんだ!」
クロウはもう我慢ならんとアリスベルを押しのけて立ち上がると、指差しながら激しく糾弾した。
腰痛で苦しむ人間の腰をさらに手酷く痛めつけるなどと、まさに鬼畜の所業である。
だけどアリスベルはあっけらかんと言った。
「どう、もう立てるでしょ?」
「あ、ほんとだ、全然腰が痛くないぞ?」
アリスベルの神の手によって、既にクロウの腰はほぼほぼ完治していたのだった。
全ての腰痛持ちに送る新感覚「腰痛系異世界ファンタジー」!
腰痛もちのあなたは、治してもらった主人公の感謝の深さにきっと共感できるはず!
(注:腰痛じゃない人も楽しめる仕様です)
弱きを助け、世界を救う――そんな昔ながらの本物の勇者が、腰痛が原因で追放されるところから始まる2度目の世界救済譚。
最近流行りの「悪い勇者」要素は一切無し、正しき勇者の物語が開幕です!
(*カクヨム併載です)
【完結】結婚してから三年…私は使用人扱いされました。
仰木 あん
恋愛
子爵令嬢のジュリエッタ。
彼女には兄弟がおらず、伯爵家の次男、アルフレッドと結婚して幸せに暮らしていた。
しかし、結婚から二年して、ジュリエッタの父、オリビエが亡くなると、アルフレッドは段々と本性を表して、浮気を繰り返すようになる……
そんなところから始まるお話。
フィクションです。
離婚したので冒険者に復帰しようと思います。
黒蜜きな粉
ファンタジー
元冒険者のアラサー女のライラが、離婚をして冒険者に復帰する話。
ライラはかつてはそれなりに高い評価を受けていた冒険者。
というのも、この世界ではレアな能力である精霊術を扱える精霊術師なのだ。
そんなものだから復職なんて余裕だと自信満々に思っていたら、休職期間が長すぎて冒険者登録試験を受けなおし。
周囲から過去の人、BBA扱いの前途多難なライラの新生活が始まる。
2022/10/31
第15回ファンタジー小説大賞、奨励賞をいただきました。
応援ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる