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新たな不審者
しおりを挟むリリーは自室に飾られた花を見てうっとりしていた。
毎日レオナルドから贈られる花は美しく、リリーの不安を消してくれる。
不安の原因はもちろんレイナだ。
リリーとレオナルドが話している時に現れて
「異国で流行っている香水なの、お裾分けですわ」と
振りかけていく。
それからしばらく話したら去っていくけれど
あの子が諦めたとは思えない。
でも、香水は本当に良い香りでもしかしたら
本当に善意なのかも
レオは相変わらず大切にしてくれているし
最近レイナはもしかしてヤキモチを妬いてるのかしらとも
思ったりする
幼い頃は仲が良かったのだ
変になったのは私が恋に目覚めてから……
「無意識にレイナより恋を優先していたのかもしれないわ」
もし、寂しさ故の行動だったなら
非は私に有る
「レイナと話さなくちゃ」
リリーが幸せ過ぎて斜め上な考えに至っている頃
妹はというと
ゾワッ
何か嫌な予感がするわ
早く嫁に言ってくれないかしらリリー
あの子が居なくなれば私の周りから変態は消えるのに
最近、学園で陰ながらリリーに熱い視線を送っている男がいる
子爵家の次男でフォイ・エドワードという男だ。
侯爵家と子爵家では勝負にならないが
顔はそこそこ悪い噂もない
レオナルドは魔道具の効果が無ければ直ぐに女を口説くだろう
材料費や道具代は簡単に慰謝料で請求出来るしマイナスにはならないだろうから
こっちを勧めるのもありかしら
リリーに入ってくるお金は伯爵家の物なのだから私にも権利があるわ
それはさておき、フォイ・エドワード
父親であるエドワード子爵は領民からも慕われていて信頼も厚く
子爵夫人やその息子達も子爵と同じ考えで民を大切にしているらしい
……悪くないわね
影から覗いているのが気になるが、今のリリーはレオナルドしか見えていないし
高嶺の花を遠くから眺めるのも仕方ないというもの
でも、レオナルドはどうなろうと構わないけど
リリーが落ち込んだり悲しんだりすると家の中が暗くなるわね
フォイ・エドワードをキープとして側に居させる方法は無いかしら
たまに読む小説だと彼は完全な当て馬要員だけど
当て馬ってかなりの優良物件なのよね
人の心を何だと思ってんだと言われそうだが
レイナにとっては自分が全てなのだ。
そしてレイナにとって姉、リリーは厄介な物と変な恋人を
連れてくる自分にとって不都合な人間でしかない
薬を使って一途になった男に嫁がせるべきか
次男を婿に取らせてこの屋敷で豹変しない様に監視すべきか
「べっ別に、リリーが心配なんじゃないわ!!私の見る目が無いみたいで嫌なだけよ!!」
真剣に悩む自分に気付いたレイナは誰が聞いてるわけでも無い
言い訳を叫びながらベッドへと潜り込んだ。
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