わがままな妹の正体は

Haru

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わがままな妹

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リリー・リンロットは困っていた。

「良いじゃない!!お姉様よりも美しい私の方が似合うんだから!
では、貰っていきますね」

「待ってレイナっ!!それは!!」

妹のレイナはリリーの話を最後まで聞かず
彼女の髪色と同じ、桃色の美しい宝石を持って
部屋から出ていってしまった。


いつもこうなのだ

妹はリリーの持ち物を何でも欲しがる
特に男性から頂いた物は貰ったその日に奪われていた。

リリーが好きになった人も皆レイナに奪われ
両親が窘めても言うことを聞かず
リリーだけではなく家族皆で困っている

小さい頃は可愛かったのにな………

「どうして………いつから……」

一筋の涙が頬を伝ったのをきっかけに
リリーは1人部屋で枕を濡らした。





―――――












「ギャー!!!もう嫌!!!!薄気味悪い!!
リリーはアンタの変態趣味に付き合うために喜んだんじゃないんだからね!!このっ!!このこの!!」

姉から奪った宝石を魔道具でカチカチ、ガンガンと叩き割る彼女は
今にも泣きそうになっていた


宝石に組み込まれていたのは透視石という魔石で
部屋に置いてれば送り主が持ち主の一部始終を監視できる物だ
主に犯罪の容疑者なんかにこうやって金品に細工して持たせるのだが


鈍感なのよ。あの女!!!

レイナはリリーの事が別に好きではない。
じゃあほっとけよって話だが
姉とこんなストーカー紛いの物を贈る男が結婚したら
レイナも強制的に家族になってしまう。

嫌、無理。絶対嫌。

別に姉がどうなろうと知ったこっちゃないが
喜ぶ姿を見ては、どうしてまともな贈り物じゃないのだと
腹が立つ。

別に関係ないけど

ガンッと強めに魔道具を振り下ろして
砕け散った宝石を外に控えていた使用人に片付けさせる


「いつもの場所で処分しなさい」

「畏まりました。お嬢様。」

送り主もさぞびっくりしていることでしょう。
向こうの石も砕け散ってるはずだから。










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