17 / 27
17.作戦実行
しおりを挟む※12話 決意 からの続きになります。
リブライ様に不敬を働いたゲイドに苛立ちを覚え、リブライ様が帰った後すぐにゲイドの部屋へ向かう。
「セレーナ!!お前は俺を責めたくせに自分も浮気していたのか!!」
入るや否や、また悪態をついてきた。
(本当に救いようが無いわ…。)
ここで素直に謝り、自分の行いを悔い改める事ができたのならば、少しは手加減しようと思っていた。
(もう…ゲイドは終わりね。)
最後の救いの手を払い退けたゲイドには地獄を見てもらう。そう決意した私は、ゲイドを罠にかける事にした。
「…という事で、この家には日中誰もいなくなってしまうのですが…。よろしいですか?」
「わかった。」
そうして、ゲイドの部屋を出た…。
ーーー4日後
朝早く起きて家族全員の朝食を作る。
使用人夫妻は、休暇を取らせて田舎へ帰らせた。
今日は伯爵家に商品を収める日だ。義両親も連れて行く。
日中この家に誰もいないとなれば、ゲイトは浮かれて浮気女を連れ込むだろう。
店のお金も金庫へ戻した。
宿屋へ行くお金も無いだろう。
そして、ダリアが暇になるように昨日の内にサイラス工房の夫婦へ"突然大量の発注をかけてしまったお詫びとお礼"として、今日限りの高級料理屋の昼食お食事券を渡しておいた。
両親が出掛ければ、ダリアは羽を伸ばしにゲイトに会いに来るかもしれない。いや、来るだろう。
「おぉ、良い匂いがすると思ったらセレーナか。ありがとう、美味しく頂くとするか。」
「おはようございます。お義父様。温かい内に召し上がってくださいね。」
「まぁセレーナありがとう。貴女のオムレツは最高よ。…まだゲイトは寝ているのかしら…?本当に困った子だわ、、。」
「お義母様…。良いのですよ。きっとお疲れなのですわ。ゆっくり寝かせてあげましょう。」
「何がお疲れだ!どうせ昨日も飲み歩いて来たのだろう…。情けない。セレーナ、本当に申し訳無い…。あんな息子、さっさと見限って出て行った方がセレーナは幸せになれるだろう…。しかし、私たちにとってはセレーナが大切で必要なんだ…。あぁ。この国の法律をこんなに忌まわしく思うのは初めてだ。」
この国では、親子の縁は簡単に切る事が出来ない。親、子どもがお互いに了承し、書類上できちんとサインをして血判までも押さなければならない。
義両親が絶縁だと言っても、ゲイトは了承する事は無いだろう。ましてやサインや血判などする訳が無い。
ちゃんと書類を読んでいれば…。
「さぁ、伯爵家へ向かいましょう。」
きっと数時間後に来客があるであろうこの家を…。
また、ここで過ごすのは今日が最後であるかもしれないため、感謝を込めて綺麗に掃除をして家を出て行くのだった。
7
お気に入りに追加
2,874
あなたにおすすめの小説
【R-18】踊り狂えその身朽ちるまで
あっきコタロウ
恋愛
投稿小説&漫画「そしてふたりでワルツを(http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/630048599/)」のR-18外伝集。
連作のつもりだけどエロだから好きな所だけおつまみしてってください。
ニッチなものが含まれるのでまえがきにてシチュ明記。苦手な回は避けてどうぞ。
IF(7話)は本編からの派生。
自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!
ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。
ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。
そしていつも去り際に一言。
「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」
ティアナは思う。
別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか…
そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
転生料理人の異世界探求記(旧 転生料理人の異世界グルメ旅)
しゃむしぇる
ファンタジー
こちらの作品はカクヨム様にて先行公開中です。外部URLを連携しておきましたので、気になる方はそちらから……。
職場の上司に毎日暴力を振るわれていた主人公が、ある日危険なパワハラでお失くなりに!?
そして気付いたら異世界に!?転生した主人公は異世界のまだ見ぬ食材を求め世界中を旅します。
異世界を巡りながらそのついでに世界の危機も救う。
そんなお話です。
普段の料理に使えるような小技やもっと美味しくなる方法等も紹介できたらなと思ってます。
この作品は「小説家になろう」様及び「カクヨム」様、「pixiv」様でも掲載しています。
ご感想はこちらでは受け付けません。他サイトにてお願いいたします。
ドン引きするくらいエッチなわたしに年下の彼ができました
中七七三
恋愛
わたしっておかしいの?
小さいころからエッチなことが大好きだった。
そして、小学校のときに起こしてしまった事件。
「アナタ! 女の子なのになにしてるの!」
その母親の言葉が大人になっても頭から離れない。
エッチじゃいけないの?
でも、エッチは大好きなのに。
それでも……
わたしは、男の人と付き合えない――
だって、男の人がドン引きするぐらい
エッチだったから。
嫌われるのが怖いから。
大嫌いで大好きな人が生贄にされると知って、つい助けてしまいました。
りつ
恋愛
ダルトワ王国の王女アニエスは、神子と言われたユーグの存在が幼い頃から目障りで仕方がなかった。彼と一緒にいるとわけもなく感情を乱され、一挙一動に振り回されるからだ。だがそれもあと少しで終わる。神子は世俗を離れて神殿で一生を過ごすのが決まりとなっている。早く自分の前からいなくなってしまえばいいと思いながら、それが命と引き換えに行われる儀式だと知って、気づけばユーグを助けるために森の奥深くにある神殿へとアニエスは向かっていた。
※「ムーンライトノベルズ」様にも掲載しております。
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる