5 / 114
アデライデ
*
しおりを挟む
そんなアデライデの姿を、遠く離れた木の陰から一心に見つめている者があった。森の生き物からも人間からもほど遠い異形の姿をしたそれは、ラングリンドからはるか北にある荒れ果てた土地に潜む魔物だった。ラングリンドの守護者たる女王の不在に気づき、何かに引き寄せられるようにやって来たその魔物は、この森の中でアデライデを見つけた。見つけた瞬間、魔物はアデライデの虜になった。
しかしこれは誰にも予測できない出来事だった。アデライデはもちろん、光の妖精の女王にも、そしておそらくはこの魔物自身でさえ、そんなことが起ころうとは夢にも考えていなかっただろう。寂しい荒野で孤独に生きていた魔物が、人間の娘──ましてや光の国であるラングリンドの娘に心惹かれるなど、想像だにできなかったはずだ。
この魔物というのは、魔物としてはほんとうに弱く、力のない魔物だった。けれど見かけだけはずいぶんと立派なもので、いかにも凶悪で残忍に見えた。隆々と筋肉のついた黒い巨躯には鋼のような固い毛がびっしりと生え、額からは牡牛を思わす二本の角がつきだし、両目は真っ赤に燃える炎のよう。耳近くまで裂けた分厚い唇を開くと、ギザギザした歯が並んでいた。太い指先には黒々とした長くて鋭い鉤爪がついていたし、逞しい背中にはコウモリのそれにそっくりな、大きくて不気味な翼が生えていた。つまり魔物と聞いた人間が、そろって頭の中に思い描くような、典型的な魔物らしい姿をしていたというわけだ。
だがその醜い姿よりも厄介なのは、この魔物の全身から漂うひどい臭いだった。まるで百個の卵がいっぺんに腐ったみたいな臭いで、この悪臭を嗅ごうものなら目や鼻がチカチカ刺されるみたいになるのだ。百戦錬磨の英雄であっても裸足で逃げ出しかねない激臭なのである。
しかしそうした外見的な特徴というのは、魔物たちからすれば誇るべきものだった。たとえ生まれつき魔力が弱くても、その姿だけで仲間内から一目置かれ、あとは口八丁手八丁で、出世街道をひた走る使い魔上がりの魔物など、いくらだっている。だがこの魔物は大岩のように聳える肉体を持つ自分を誇るどころか、恥じてさえいた。自分を恥じるのは生まれついての性格のためもあったが、何より名前がないということが、この魔物をひどく卑屈にしていたのだ。
そう、この魔物には名前がなかったのだ。
何故名前がないかと言うと、それはこの魔物が生まれたときに、誰も気に掛けるものがいなかったためだ。魔物と言っても、生まれてきたばかりのときには、誰かほかの魔物に世話をしてもらわなければならない。もちろん人間とは違うから、食事をさせてもらったり、あやしてもらったりする必要などはないのだが、魔物としての生き方や流儀、魔術のかけ方なんかを教えてもらい、名前を与えてもらうのだ。すると名前をくれた魔物とは、人間でいうところの家族のような関係になり、その後も何かといえば助けられたり助けたりして暮らしていくことになる。この魔物には、そうやって面倒を見てくれる魔物が出てこなかったのだ。そのためにこの魔物は、自分という存在は誰にも愛されず、気にもかけられないつまらない魔物なのだと思うに至った。
幼い頃は孤独に耐えかね、仲間に入れてもらうために格上の魔物に心にもないお世辞を言ったり、魔物らしさを見せるために残虐で傍若無人な振舞をしようと努力したこともあったが、すべて空振りに終わり、かえって魔物たちから蔑まれ、疎まれる結果になった。
魔物の仲間に入ることをあきらめて、人間と近づきになろうと試みた時期もあったが、人間たちはこの魔物を一目見るなり悲鳴を上げて逃げ出すか、失神してしまうのだった。たまにえらく心臓の強い者がいたとしても、魔物の臭いを嗅いだらもうだめだった。
それでは動植物なら心を慰めてくれるのではないかと思ったが、草花は魔物の臭気にあてられて次々としおれ、動物たちは魔物の気配を察知しただけで姿を隠してしまった。
深く傷ついた魔物は、結局自ら世界に背を向けるより他なかった。魔物はちょうど人間の世界と魔物の世界の中間にある、いつも冷たい風の吹きすさぶ寂しい荒野にたったひとり、二百年という月日を過ごしていた。魔物にとっての二百年は、人間で言うなら二十年とちょっとと言ったくらいの感覚だったが、それでもそれだけの間、たったひとりで過ごさなければならない孤独は計り知れなかった。孤独と言うものは神経を麻痺させることはあっても、慣れることはないものだ。魔物は自ら建てた館に引きこもり、ひたすら自分の運命を呪った。
そんな魔物にも気晴らしはあった。荒野の一角にある沼を魔術で鏡にして、世界のあちこちを覗くことだった。この魔術は魔物が行えるいくつかの簡単な魔術の中のひとつであったし、そうしている間は孤独を忘れることができたから、しょっちゅうこの沼鏡で覗き見をして虚しい日々の憂いを慰めていた。
この日、魔物はいつものように館を出て、疾風逆巻く荒野の外れにある沼鏡の縁に背中を丸めて座り、人間の世界をあちらこちらと覗いていた。すると普段はまぶしい光が乱反射して、絶対に覗くことができないラングリンドが映し出された。魔物は不思議に思うと同時に、強く惹きつけられるようにラングリンドの様子を窺った。
どうやらラングリンドの守護者にして統治者である光の妖精の女王が留守のようだと知った魔物は、どうにもラングリンドに行ってみたくて仕方がなくなった。いったいどうしてこんなに気持ちが騒ぐのかはわからなかったが、居ても立ってもいられないほどになった。荒野を吹き荒れる冷たい狂風に押されるように、魔物はそろそろと立ち上がった。黒く大きな翼をためらいがちにはためかせると、魔物の足はすぐに浮き上がった。まるで巨大な磁石に引っ張られるように、魔物はラングリンドに向かって飛んだ。飛びながら、魔物は自分の行動が信じられない気持ちでもいた。普段、積極的に行動することのない自分が、人間の世界、それも魔物にとっては天敵ともいえる、対極の存在たる光の妖精の女王の領域に足を踏み入れようとしているのだ。だが一方で、光があふれるラングリンドがどういう国なのかを知りたいという思いが、魔物の中で強く主張しているのも事実だった。
しかしこれは誰にも予測できない出来事だった。アデライデはもちろん、光の妖精の女王にも、そしておそらくはこの魔物自身でさえ、そんなことが起ころうとは夢にも考えていなかっただろう。寂しい荒野で孤独に生きていた魔物が、人間の娘──ましてや光の国であるラングリンドの娘に心惹かれるなど、想像だにできなかったはずだ。
この魔物というのは、魔物としてはほんとうに弱く、力のない魔物だった。けれど見かけだけはずいぶんと立派なもので、いかにも凶悪で残忍に見えた。隆々と筋肉のついた黒い巨躯には鋼のような固い毛がびっしりと生え、額からは牡牛を思わす二本の角がつきだし、両目は真っ赤に燃える炎のよう。耳近くまで裂けた分厚い唇を開くと、ギザギザした歯が並んでいた。太い指先には黒々とした長くて鋭い鉤爪がついていたし、逞しい背中にはコウモリのそれにそっくりな、大きくて不気味な翼が生えていた。つまり魔物と聞いた人間が、そろって頭の中に思い描くような、典型的な魔物らしい姿をしていたというわけだ。
だがその醜い姿よりも厄介なのは、この魔物の全身から漂うひどい臭いだった。まるで百個の卵がいっぺんに腐ったみたいな臭いで、この悪臭を嗅ごうものなら目や鼻がチカチカ刺されるみたいになるのだ。百戦錬磨の英雄であっても裸足で逃げ出しかねない激臭なのである。
しかしそうした外見的な特徴というのは、魔物たちからすれば誇るべきものだった。たとえ生まれつき魔力が弱くても、その姿だけで仲間内から一目置かれ、あとは口八丁手八丁で、出世街道をひた走る使い魔上がりの魔物など、いくらだっている。だがこの魔物は大岩のように聳える肉体を持つ自分を誇るどころか、恥じてさえいた。自分を恥じるのは生まれついての性格のためもあったが、何より名前がないということが、この魔物をひどく卑屈にしていたのだ。
そう、この魔物には名前がなかったのだ。
何故名前がないかと言うと、それはこの魔物が生まれたときに、誰も気に掛けるものがいなかったためだ。魔物と言っても、生まれてきたばかりのときには、誰かほかの魔物に世話をしてもらわなければならない。もちろん人間とは違うから、食事をさせてもらったり、あやしてもらったりする必要などはないのだが、魔物としての生き方や流儀、魔術のかけ方なんかを教えてもらい、名前を与えてもらうのだ。すると名前をくれた魔物とは、人間でいうところの家族のような関係になり、その後も何かといえば助けられたり助けたりして暮らしていくことになる。この魔物には、そうやって面倒を見てくれる魔物が出てこなかったのだ。そのためにこの魔物は、自分という存在は誰にも愛されず、気にもかけられないつまらない魔物なのだと思うに至った。
幼い頃は孤独に耐えかね、仲間に入れてもらうために格上の魔物に心にもないお世辞を言ったり、魔物らしさを見せるために残虐で傍若無人な振舞をしようと努力したこともあったが、すべて空振りに終わり、かえって魔物たちから蔑まれ、疎まれる結果になった。
魔物の仲間に入ることをあきらめて、人間と近づきになろうと試みた時期もあったが、人間たちはこの魔物を一目見るなり悲鳴を上げて逃げ出すか、失神してしまうのだった。たまにえらく心臓の強い者がいたとしても、魔物の臭いを嗅いだらもうだめだった。
それでは動植物なら心を慰めてくれるのではないかと思ったが、草花は魔物の臭気にあてられて次々としおれ、動物たちは魔物の気配を察知しただけで姿を隠してしまった。
深く傷ついた魔物は、結局自ら世界に背を向けるより他なかった。魔物はちょうど人間の世界と魔物の世界の中間にある、いつも冷たい風の吹きすさぶ寂しい荒野にたったひとり、二百年という月日を過ごしていた。魔物にとっての二百年は、人間で言うなら二十年とちょっとと言ったくらいの感覚だったが、それでもそれだけの間、たったひとりで過ごさなければならない孤独は計り知れなかった。孤独と言うものは神経を麻痺させることはあっても、慣れることはないものだ。魔物は自ら建てた館に引きこもり、ひたすら自分の運命を呪った。
そんな魔物にも気晴らしはあった。荒野の一角にある沼を魔術で鏡にして、世界のあちこちを覗くことだった。この魔術は魔物が行えるいくつかの簡単な魔術の中のひとつであったし、そうしている間は孤独を忘れることができたから、しょっちゅうこの沼鏡で覗き見をして虚しい日々の憂いを慰めていた。
この日、魔物はいつものように館を出て、疾風逆巻く荒野の外れにある沼鏡の縁に背中を丸めて座り、人間の世界をあちらこちらと覗いていた。すると普段はまぶしい光が乱反射して、絶対に覗くことができないラングリンドが映し出された。魔物は不思議に思うと同時に、強く惹きつけられるようにラングリンドの様子を窺った。
どうやらラングリンドの守護者にして統治者である光の妖精の女王が留守のようだと知った魔物は、どうにもラングリンドに行ってみたくて仕方がなくなった。いったいどうしてこんなに気持ちが騒ぐのかはわからなかったが、居ても立ってもいられないほどになった。荒野を吹き荒れる冷たい狂風に押されるように、魔物はそろそろと立ち上がった。黒く大きな翼をためらいがちにはためかせると、魔物の足はすぐに浮き上がった。まるで巨大な磁石に引っ張られるように、魔物はラングリンドに向かって飛んだ。飛びながら、魔物は自分の行動が信じられない気持ちでもいた。普段、積極的に行動することのない自分が、人間の世界、それも魔物にとっては天敵ともいえる、対極の存在たる光の妖精の女王の領域に足を踏み入れようとしているのだ。だが一方で、光があふれるラングリンドがどういう国なのかを知りたいという思いが、魔物の中で強く主張しているのも事実だった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
〖完結〗私が死ねばいいのですね。
藍川みいな
恋愛
侯爵令嬢に生まれた、クレア・コール。
両親が亡くなり、叔父の養子になった。叔父のカーターは、クレアを使用人のように使い、気に入らないと殴りつける。
それでも懸命に生きていたが、ある日濡れ衣を着せられ連行される。
冤罪で地下牢に入れられたクレアを、この国を影で牛耳るデリード公爵が訪ねて来て愛人になれと言って来た。
クレアは愛するホルス王子をずっと待っていた。彼以外のものになる気はない。愛人にはならないと断ったが、デリード公爵は諦めるつもりはなかった。処刑される前日にまた来ると言い残し、デリード公爵は去って行く。
そのことを知ったカーターは、クレアに毒を渡し、死んでくれと頼んで来た。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全21話で完結になります。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!
ユウ
恋愛
幼い頃から兄を溺愛する母。
自由奔放で独身貴族を貫いていた兄がようやく結婚を決めた。
しかし、兄の結婚で全てが崩壊する事になった。
「今すぐこの邸から出て行ってくれる?遺産相続も放棄して」
「は?」
母の我儘に振り回され同居し世話をして来たのに理不尽な理由で邸から追い出されることになったマリーは自分勝手な母に愛想が尽きた。
「もう縁を切ろう」
「マリー」
家族は夫だけだと思い領地を離れることにしたそんな中。
義母から同居を願い出られることになり、マリー達は義母の元に身を寄せることになった。
対するマリーの母は念願の新生活と思いきや、思ったように進まず新たな嫁はびっくり箱のような人物で生活にも支障が起きた事でマリーを呼び戻そうとするも。
「無理ですわ。王都から領地まで遠すぎます」
都合の良い時だけ利用する母に愛情はない。
「お兄様にお任せします」
実母よりも大事にしてくれる義母と夫を優先しすることにしたのだった。
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる