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モコモコ王国編

モコモコ王国「歓楽街」の驚異

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 モコモコ王国周辺を馬車で移動するユウト達。
 メンバーはサタン、マーガレット、セシル、ユウト、そして運転手のパールグレイ。
 かつての悪魔塔A2塔のトップ、パールグレイは意外にもアルラウネと関係があった。

「説得するつもりなら、私も向かわせて下さい」

 そうパールグレイは口にし同行する事になったのだ。

「ユウト、初めて行く魔族の国だからって自由行動は駄目よ?
デルタ王国の人間の勇者だって疑われたら最悪殺されちゃうわよ?」
「わかってるよお母さん…でも、俺だって子供じゃないんだし…すこしぐらい…」
「駄!目!よ!」
「ひゃいっ…」

 マーガレットに頬を引っ張られ、ユウトは涙目で頷いていた。

「まぁ、我が宿主の危機は俺にもわかるしな…万が一の時は…戦いも視野に入れなければ…」
「その時は、僕特製にゃんこ爆弾をお見舞いしてやるのであります♪にゃん♪」
「サタン、セシル、私達は説得に行くんだから…戦いは最後の手段よ?」

 そんな会話をしつつ、馬車で進んでいるとパールグレイが何かに気付いて反応した。

「ユウトくん、あちらから何か飛んで来ます!
あれがおそらく例の…」
「あれが勇者達を一撃で焼き払うビームか…」

 ユウトはひとり馬車の上に立つとエクスカリバーを構え、その切っ先を向かってくるレーザービームに向けた。
 飛んでくるビームの規模は馬車など跡形もなく消し去る程に感じたが、エクスカリバーの鞘はそのレーザービームごと吸い込んだ。
 ユウトはその後も警戒しながら馬車の上に立っていたが、二発目が来ることは無かった。

「何故攻撃してきたんだろうな…ひょっとして俺達も敵扱いか…?」
「わかりません…アルラウネにとってはサタンも私も、顔見知りのはずですが…」
「とにかく、実際に王国に入れるか行ってみるしかないな…二撃目、三撃目が来るなら俺が引き受けよう…」

 ユウトの疑問にパールグレイが答えると、マントに鎧を着たサタンがユウトの横に立った。

「ふふ、家の馬鹿共も、こういう時だけは頼もしいわね♪」
「誰が馬鹿共ですか!にゃ、にゃん♪」

 セシルはマーガレットに抱きしめられ身動きが取れなくなっている。
 ケモナーなのかショタコンなのかわからないがセシルはネコ耳や尻尾をマーガレットに触られて嫌がっていた。
 実際に、二撃目が来ることはなく、その後は平野を越え、森を抜けて「モコモコ王国」へと到着した。
 すると入り口の門があり、ゴブリンの門番がやってくる。

「先ほどは失礼致しました。人間が乗っていると思い…誤って攻撃してしまいました」
「って、俺のせいかよ!」

 ゴブリンの言い分にユウトがキレている。
 しかしこの雰囲気からもわかるように、人間というだけでかなり嫌われる空気を感じた。

「俺はインキュバスのサタン、こっちはサキュバスのマーガレットだ、そして、獣人セシル。」
「で、こちらの方々は?」

 ゴブリンの目はユウトとパールグレイを睨んでいた。

「ユウトだ、人間にしか見えんが…インキュバスだ(嘘だが)。
まぁ、魔族なのは俺が保証しよう…で、こっちはパールグレイだ、ワイトと言えば、わかるか?」
「そうでしたか…失礼致しました。」

 どうやら、ゴブリン達は納得してくれたようだ。
 人間の姿にもなれるサタンだが、今回はあえて背中の羽と尻尾に、角を出現させながら主張した。
 マーガレットも同じく人間の姿ではなく、サキュバスの角や羽を生やして馬車から降りてくる。
 セシルも獣人の耳と尻尾を振りながらゴブリン達に見せつけながら降りてきた。

「どうやら、この中ではユウト殿が一番身分が低いようです。にゃん♪」
「そうねぇ…人間と間違えられて攫われちゃったらどうしようかしら…」
「流石に大丈夫だよお母さん…俺、気をつけるから…」
「サタンもちゃんとユウトが攫われないか見張ってるのよ?」
「ユウトも子供じゃないのだ、流石に迷子で攫われたりなど…って違う!
何故俺がユウトの保護者みたいに扱われなきゃならんのだマーガレット!」
「大丈夫ですマーガレット様、ユウト殿は変態マゾ野郎ですが、殺される事は趣味じゃありません」
「全然フォローになってないし、なんか誤解してるよねセシル!」

 ユウトがセシルに注意しながら、サタンとマーガレットが話しながら王国へと入って行った。
 パールグレイは馬車を引いて中へ入っていく。

 すると、そこには見たこともない魔族達の巨大な都市があった。

 「ユウト、私から離れないでね?」
「そうですユウト殿!魔族の国を甘く見てるとマゾ教よりも酷い目に逢いますよ!」
「それはないだろ…ヴィクトリア様やマゾ教の調教師より怖い存在なんて…流石に…」
「人類と魔族の歴史を舐めない方がいいですよユウト君」
「そうだぞユウト、この国では間違っても勇者などという言葉を使うな、死ぬぞ?」

 油断しているユウトに皆が一度に注意する。
 その様子に、ふてくされたような表情になりながら、ユウトは皆に着いていった。

「早速アルラウネに会いたいけれど…お城に行ってみる?」
「そうだな、まずは城に入れるかどうかだ…」

 マーガレットは尻尾と角を出し、露出の激しい格好で歩いている。
 サタンも鎧を着ているがインキュバスをアピールするためか背中から羽を、尻尾を生やしていた。

「くそっ、俺も何か出来ればいいんだが…」
「ふふっ…♡
私が着けてあげましょうか?ユウトの尻尾♪」
「ち…ちがっ…そういう意味じゃ」

 マーガレットが犬の尻尾が着いたアナルプラグをちらりと見せびらかしてくる。

「冗談よ♪でもまぁ、見た目だけなら何とかなりそうだけどね♡」 

 マーガレットは意地悪く笑いながら、犬耳と、アナルプラグ付きの尻尾をバッグに仕舞い込んだ。
 サタンとパールグレイは呆れ、セシルはマーガレットに脅えてユウトの後ろに隠れていた。

 その後、アルラウネの住むかつての悪魔塔B5塔だった城の前に到着すると門番のサキュバス2人が慌てている様子。
 次の瞬間大きな扉が開き、中から緑髪の長い髪の和風の着物を着た女が現れる。
 彼女はモコモコ王国国王にして魔王の「アルラウネ」だった。

「お久しぶりですサタン様…それにマーガレットにセシル、パールグレイ様も久しぶりね?
で、そちらの人間は?」

 アルラウネという女がユウトを見た途端目を細め、どうやら睨みつけている様子。
 門番のサキュバスも同じくユウトに冷たい視線を送り、耐えられなくなったユウトは…

「畜生!」

 そんな一言を残し、走り出して、何処かへ走り去ってしまった。

「待ちなさいユウト!」
「ユウト殿!僕が探してきます!にゃん♪」

 マーガレットが叫び、セシルが四足歩行で匂いを追いながら走って行った。

「ちょっと、何て事してくれたのよアルラウネ!」
「そうだぞ貴様、今やユウトは俺の仲間だ!」
「そうですアルラウネさん、ユウト君に何て酷いことを!」
「あら、パールグレイ様、雰囲気が変わった?
それにサタン様、マーガレット、残念ですが、人間の方は城へ招待出来ません…本来国へ入る許可を与えたのも特例中の特例なのですよ?」

 そう言われ、皆は暗い表情になり黙り込む。

「さぁ、こちらへ♪
此処へ来られたのは何か用件がおありでしょう、皆様はお客様としてお部屋へご案内致しますわ♪」

 サタン、マーガレット、パールグレイは不満そうな表情でアルラウネに案内されて城へと入っていく。


 一方ユウトは国の中を走っていくと美味そうな匂いのする屋台が並ぶ場所に来ていた。
 しかし、屋台のゴブリン達はユウトを見るとまるで不審者を見る目で話しかけてくる。

「ボウズ、人間か?」
「いや違うよ、インキュバスだ」

 実際はほぼ人間で、インキュバスの力などほとんど使えない。
 サタンのおかげで利用する事は出来るが、戦闘で役立つ程に引き出せるようなインキュバスのスキルは何もなかった。

「人間色の濃いインキュバスか?可哀想に…あっちょっ…」

 何が可哀想なのかわからないユウトは怒りを露わにし、その屋台を通り過ぎてしまう。

「そっちは歓楽街だってのに…ボウズが行って大丈夫なのか?」

 屋台のゴブリンはユウトの背中を不安そうに見つめていた。
 外は既に夕日が沈み、空も暗くなっている。
 ユウトが歩く場所は明かりで賑わい、美しいサキュバスやインキュバス、スライム娘、薄い赤の肌をした雌のオーガ、緑肌の女魔族、マンドラゴラが呼び込みをしている。

 一方セシルの方は先ほどユウトが通り過ぎた屋台で立ち止まり、焼き鳥を注文していた。

「オヤジ!焼き鳥を三つ欲しいのであります!にゃん♪」
「おう、味付けは塩でいいか?ネコ獣人のボウズ」
「塩で!ところでオヤジ、人間の子供見なかったでありますか?にゃん♪」

 その問いに心当たりのある屈強なゴブリンは焼き鳥を焼きながらセシルに答えた。

「ああ…あの子供なら、さっき歓楽街のほうに…
ボウズ、知り合いか?」
「え…な…歓楽街…にゃん?」
「あぁ、あんな人間の…しかも勇者とも取れる格好で歓楽街へ行ったら…人間に恨みのある娼婦に見つかったら酷い目に遭わされるかもな…」

 セシルの表情は青ざめて、汗をタラタラと垂らしながら歓楽街のほうを見つめていた。

「ちなみにオヤジ…その人族に恨みを持つ娼婦に彼が捕まったら…どうなるのでありますか?にゃん♪」
「さぁなぁ、この国は人間の勇者、冒険者に酷い目に遭わされ、心に傷を負った奴らが集まって出来た国だ…
娼婦にもよるだろうが…」
「よるだろうが?にゃん♪」
「最悪、殺されても仕方が無いだろうなぁ…
前に忍び込んで捕らえられた人間は、丸焼きにされて食われたしな…」
「丸焼き?ひぇっ…歓楽街…こ…怖いのであります…にゃん♪」

 焼き鳥が出来た様子で入れ物に入れて、ゴブリンがセシルに渡し、セシルはゴブリンに銅貨を渡した。

「知り合いなら早く行ってやんな…歓楽街を仕切るサキュバス共の強さは異常だぜ?
捕まったら最悪食われちまう…さっき言ったように物理的な意味でな…」

 セシルは焼き鳥の串をくわえたまま、四つん這いで歓楽街へ走っていった。



 「ねぇ、君…人間?」

 ユウトが歩いていると、ケバいチャイナドレスのような服のサキュバスの女が話しかけてきた。

「いや、半インキュバス…だけど」

 それを聞いた金髪ロングのサキュバスは意地悪い笑みを向け、舐め回すかのような視線で見つめてくる。

「ふぅん、そうなの♡
その割には尻尾も羽も生えてなければ角も生えてなくて…格好はまるで勇者様みたいね?」

 ユウトは心臓を鷲掴みされたような気分になる…
 彼女はタバコを一服し、香水の良い匂いがする胸元を近づけて来て耳元で言った。

「ねぇ…殺すわよ?」

 耳元でセクシーで美しい声でそう言われると、ユウトは恐怖を感じながらも、パンツの中でペニスがギチギチに勃起してしまう。

「な…そんな…」

 一番信じられずに驚いたのはユウト自身だった。
 そのテントを張った股間を見て、サキュバスは舌舐めずりをしながら言う。

「へぇ…♡君ってMなんだぁ…♡
アタシと相性ぴったりかもね♪
だったら…ほら、こっちへ来なさい?」

 先ほどの「殺すわよ」と言った時の彼女の表情は、本気で言っているように聞こえた。
 しかし、これまで仲間やマゾ教でM奴隷として調教されたユウトの被虐的な願望が刺激されてしまい、そんな彼女の言葉にも興奮が抑えきれなくなってしまったのだ。
 呼吸は荒くなり、勃起した短小ペニスはカウパーで下着を濡らし、ユウトはその場に立ち尽くす。

「ほらっ、早く来な♡
たっぷりと可愛がってやんよ♪マゾガキ」

 彼女はしゃがむとユウトと肩を組み、薄暗い道へと連れ込まれて行った…


 ───30分後──

 前が見えない…真っ暗な暗闇だ…手はどうやら、柱に縛りつけられている。
 しかも、その縛っているものは頑丈なロープで魔力を込められているのがわかる。
 つまり、俺の力ではどうやっても逃げられない事がわかる。
 しかもその状態で、体を触られ、ペニスを扱かれている感触があった。

(確か、路地裏のような場所に連れ込まれ、眠気が増して倒れて寝てしまったはず)

 その後の事は覚えてないが、どうやら自分の状況は部屋の中で目隠しをされ、細長い柱を挟んで後ろ手に縛られていると言う事。
 おそらく全裸の状態で後ろから誰かに乳首や体を触られているのを理解する。

「起きたようね、人間の勇者のマゾガキ♡」

 目隠しで見えないが、先ほどのサキュバスの声がした。
 乳首を摘ままれて、クリクリと指先でこねるようにされながら力を入れられる。
 お尻の穴にはディルドが入れられており、奥が圧迫される感じが伝わって来るのがわかる。
 つまり、かなり深い位置までディルドが差し込まれており、俺は逃げ場がなかった。

「あんっ…やめっ…お姉さん…もう…」
「尻尾も無ければ、翼も無い、角も無いインキュバスが何処にいるのかな?ん?」
「ああっ…あっ…お尻駄目ぇっ…もうやめて下さい…お願いです…」

 アナルに差し込まれているディルドを激しく出し入れされ、ユウトの勃起ペニスから透明の我慢汁が溢れている。

「駄目って…こんなに感じてるじゃないかマゾガキめ♡こんなにタテに割れたアナルしやがって♪
本当は普段からこっち使ってたんだろ?今までに何人の男にアナル使って貰ったんだい?ほらっ、答えな!!」
「あぁあんっ…そ…そんなの…数え…切れません…」

 極太のディルドを手加減なく容赦なく押し込まれながらほじくられ、先端の亀頭型の部分が前立腺に当たる。
 その刺激を受けて俺は我慢が出来なくなり、足をブルブルさせながら、尿道からカウパーがさらに垂れてしまう。

「数えきれない…ねぇ♡マゾガキでホモガキだったのか、お前♪」

 目隠しで見えないが、おそらくサキュバスは背後から胸を密着させている。
 その状態で俺のペニスを扱き、お尻のディルドも動かして、尿道から垂れ流すカウパーを見て笑っているのがわかる。

「まあ、インキュバスなんて嘘ついて忍び込んだお前は処刑確定なんだけど…♡殺す前に、楽しませて貰うわよ♪」
「違っ…サキュバスさん、俺本当に、インキュバスなんです…だからやめてください…」
「ふーん…まーだ嘘つくんだぁ♪」

 彼女のプロ級の手コキで俺のペニスは勃起が収まらず、そのテクに翻弄され、逆らえないまま射精しそうになってしまう。

「もう…出る…」

 しかしそう思った瞬間…サキュバスの手は止まってしまった。

「え…?」

 まるでわざと手を離したようなタイミングだった。
 射精間が込み上げて、いよいよ射精できると思った矢先に、手を止められ、俺は動揺が隠し切れない。

「バーカ、そう簡単に射精させるわけないでしょ?」

 せっかく射精出来そうだったのに手を止められて、俺は凄くもどかしい気持ちのまま、膝を動かしていた。
 その様子を耳元で嘲笑われ、その見下すような話し方、態度に我慢が出来なくなり、扱きたくてたまらなくなった。

「これからもし、私が良いって言うまでに射精したら…ペニスを切り落として…殺す」

 声のトーンが下がり、背後から耳元で恐ろしい事を囁かれ、恐怖でペニスが縮こまりそうになってしまう…
 俺のペニスは射精したくてたまらないのに脅され、ルールを設けられ我慢しなければいけなくなった。

(こんな状態で我慢するなんて…)

 そう思っていると再び手でペニスが握られ、上下に扱かれはじめたのがわかる。

「それにしても小さいわねぇ…こんなんじゃ誰からも使ってもらえないでしょう…」
「そ…そんなこと…」
「ないの?人間の女の子に入れた事はあるの?」
「あ…ある…」
「ふーんっ♡くすっくすっ…♪」

 おそらく、嘘だとバレたのだろう。
 小馬鹿にするように嘲笑われて手の動きがだんだん早くなってきた。

「嘘つきな童貞ちんぽは切り落としちゃおうかしら♡」
「ひいいぃぃ…も…申し訳ございません…嘘ついて本当に…」
「あっはっはっはっ!!やだぁ…お前、本当に童貞だったの?」

 謝る哀れな俺の様子が可笑しかったのだろう、彼女は大笑いしていた。
 そんな声が部屋中に響き渡り、恥ずかしくてたまらないのに、彼女の手コキで俺のペニスは勃起を維持したままだった。

(くっ、悔しくて恥ずかしいけど…手が気持ちいい…もう…射…精…)

「ほーらっ、射精したら殺すわよ?いいの?」
「うぐっ!!!!?うううう…ううううう!!!」

 サキュバスに後ろから首を絞められる。
 片腕の肘の部分で締め付けられ呼吸がとても苦しかった。

「ふふっ、死にたくなかったら我慢しなさい?人間で勇者のマゾガキ♪」
「ち…ちが…お願いです…殺さないで下さい…サキュバス様…ううっ…ぐすっ…」

 俺はそんな彼女が怖くて、体が震えて目からは涙を流してしまった。
 正直、今の俺なら魔力が込められた紐さえどうにか出来れば、逃げ出す事は出来る。
 しかし彼女はそれを理解しているのか、絶対に紐を緩めようとはしなかった。

「人間が…何泣いてんだよ!そんな声で泣いてると、金玉も潰すわよ!?おらっ!!!」
「あぎいいいいいっ!!!痛い痛いよぉっ!!!痛い痛い痛い!!!」

 ギリギリと両方の金玉を鷲掴みにされて、俺は悲鳴を上げる事しか出来なかった。

「でもね…ひとつだけ、貴方が殺されずに済む方法があるわ?」

 誘惑のような言葉を耳元で囁かれる、ユウトは目隠しで殺されるのか怖くて仕方がなかったのだが、助かるのならそれに越したことはないと考えていた。

「はい、何でもします…でも、何をすれば…」
「認めるのよ…自分がインキュバスではなく、人間の勇者だってね」
「え??」

 よくわからない彼女の提案に、ユウトは混乱した。

「嘘をつかず、正直に答えたなら、帰してあげない事もないわよ?あなたは死なずに済むの」
「いや…そもそも俺…本当に半インキュバスで…あっ…あぎいいいいいいいっ!!!!」

 再び金玉を強く握られて力を込められてその激痛に目から涙が止まらなかった。
 力を弱めてほしくて、助かりたくて、俺は頭で考えられなくなって自ら嘘をついてしまった。

「いいいい…痛っ…お…俺は人間で…勇者です…嘘をついてごめんなさい…サキュバス様」
「あっはっはっはっ♪ようやく答えたわね!!!ねぇみんな聞いた?人間で勇者ですって!!!」

 その誰もいない空間で、誰かに伝えるようにサキュバスは笑いながら話しかけている。
 実はこの時、何が起こっているかわからなかったが、この部屋、中継されていたようだ。
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