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アルパピオス王国編
ガーネット達の真の目的
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アルパピオス王国、ガレザ城──
その中ではガーネット・スター、タニア・アウストラリス、デネブ・カイトスが話している。
「ギーク王が死に、我々はけして、路頭に迷ったわけではありません」
「寧ろチャンスなのだろう?ガーネット」
「ああ…早く、初代ギーク・ハザード…黒姫様に…お会いしたい……」
ガーネットの話にデネブがチャンスだと言い、タニアは頬を赤くしていた。
「元々私達は彼女に仕えていた身、けして、あのような道化に仕えていたわけではありません…
まぁ、将軍は愚かだった故、彼を信じて共に逝ってしまわれましたが…」
「我々は剣術、魔術、すべて黒姫様から教わり今がある」
「ギーク王…いいえ、あの人望無き道化の時代はこれで終わった。
後はスライムの女王を姫様復活の生け贄にすれば、また、あの愛しき黒姫様と…」
剣聖タニア・アウストラリスが言った発言に、ガーネットが「しっ」と人差し指を鼻の前に立てて止める。
「クイーンスライムには役だって貰いましょう、儀式を始めるまでは彼女には生きて貰わねばなりません」
「それでガーネット、例の少年、ユウトが来ているようだが…どうするんだ?」
「私は彼等を止めなくてはいけませんね…激しい戦いになりそうです」
デネブに言われガーネット・スターは困った様子で部屋を出て行った。
ただそこに、イチタの視線があったことは誰一人として気づいてなかった。
ユウト達は馬車で、アルパピオス王国の入り口付近まで来ていた。
「いよいよアルパピオス王国ですね、ガーベラ様」
「気をつけろよユウト、あのイチタとかいうガキもいるし、何よりクイーンスライムもいるだろう」
「私達は住民の避難を手伝うから、ユウト、マリンには敵の方をお願いするわ?」
「はい、ロジー様、任せて下さい。あの時は油断しただけですから。」
「いいわ、私とユウトでさっさと魔王を倒して終わらせましょ?」
「頼もしいね、ユウト、マリン」
「さっさと倒して、ユウトピアに戻りましょう」
五人で王国での役割の話をしながら、馬車は、アルパピオス王国に到着する。
すると入口には門番の人間がいた。
「何者だ!?」
「余所者だな、この国の奴じゃねぇ」
鎧を着た男二人がこちらを怪しんで歩いてくる。
「冒険者だよ、この国が魔物の手に落ちてると聞いたんで取り戻しに来たんだ」
ユウトがそう言った途端だった…。
兵士達は水色のスライムに変化してユウト達に襲いかかってくる。
「マリン!!」
「わかってるわ!消化して記憶だけ読み取れって事よね?」
そして、戦いは一瞬で終わった。
マリンが手をかざすと水色のスライムは手の中に吸い込まれ、二匹のスライムは溶けて消えたのだ。
レベル9999(MAX)と1、実力差は明らかだった。
「どうやら、彼等は地下監獄であのイチタって子の中から生み出され、任務を与えられただけのようね…
女王と会ってもいないわ」
「そうか…だが門番までスライムとはな…人間がどれだけ生き残ってるかいよいよ怪しいな…」
ユウトが馬車で国へ入ると、まるで奴隷のように働く国民が目に映ってきた。
彼等はやせ細り、死にそうな表情のまま田んぼを耕したり、果物を育てたり、電気を起こしたりしていた。
「酷いな…スライム達に支配された国民か…しかし、生きててくれて良かった」
「とりあえず、彼らを逃がす為にも話を聞いてみないとね…」
ガーベラとリリーが国民達を見渡している。
ロジーも周りを気にしながら歩き、敵の気配を探っていた。
「では、俺達はガレザ城を目指します、どうかお気をつけて」
「終わったらまた戻って来るわね♪」
「ああ!ユウト、マリン、頼むぜ!
終わったら入り口付近で落ち合おう」
ユウトとマリンは馬車を止め、ガーベラ達と別れると、この国の中心にあるガレザ城を目指して全力で走っていく。
だいたい30分は走った、その時だった──
「っ!?」
突然、ユウトとマリンは重力で押しつぶされるように身動きがとれなくなる。
「なんだこれ…」
「ユウト!気をつけて!術者はあいつよ!」
目の前にはシルクハットをかぶったスーツの男が立っている。
「おい、てめぇ、冒険者で有名なジンじゃねえか、どういう事だ?」
「ご無礼をお許し下さい、伝説の勇者様…実はいま、私達のパーティーが先に来て戦っているのです。
非常に激しい戦い故に巻き込まれては困りますので、ここでお待ち頂けないでしょうか?」
「伝説の勇者を、こんな重力魔法で潰しといて言うことなのか?」
「ユウト!彼は冒険者ジンじゃないわ!ギーク王国宮廷魔術師ガーネット・スターよ!」
「なんだって?!」
マリンがスキルで重力魔法を無効化し、玩具の銃みたいな物から水の固まりを発射して攻撃する。
しかし彼はジャンプをして避けてしまった。
「まぁ、こんな嘘が通じるわけありませんよね…しかし、私の敗北の未来は見えていませんよ」
そう自信満々だったガーネット・スターが、剣を抜いた途端、何故か慌てていた。
「ぐっ…何故…未来が見えないのです」
冷静そうなこの男、ガーネット・スターが突然、剣を持って、脅えていた。
どうやら、剣の能力が発動しないのか彼は苛立ちを見せている。
「いや、まさか…剣をすり替えられて…」
ガーネットは剣を地面に落とすと炎魔法で剣を焼きはじめる、ユウトやマリンには正直何をしているのかわからなかった。
しかし焼かれた剣はスライムに変化して、そのまま溶けて死亡した。
「まさか…あの時…会話が聞かれていたのか…くっ、このままでは計画に支障が出てしまいます…何とかしなければ…」
「おいおい、マジシャン野郎、逃げるんじゃないよな?俺はここで、お前を倒すぜ?」
俺は聖剣デュランダルを抜いて、彼に向けた。
するとガーネットは少し悩むような顔をした後、諦めてこちらを向いている。
「仕方ない、ここはタニア、デネブを信じましょう…貴方達の死体は黒姫様復活の生け贄として使わせて頂きます!
さあ、はじめましょうか!」
「くろ…ひめだと?」
マリンの方を向くが彼女は首を振る、つまり知らない名前という事だ。
ガーネットは背中から羽が生え、空を飛ぶと、空からは巨大な隕石がこちらに向かって降って来る。
その数、10、100、いや、1000…
ガレザ城王座──
「女王様…ガーネット、デネブ、タニアは貴方を生け贄に、何者かを復活させるようです、どうかお逃げ下さい」
「何も逃げる必要はないんじゃなくて?
彼の剣も今や私の物だし、いまの彼は侵入者排除に向かっている…ならば、消耗し弱って帰って来たところを討ち取りましょう」
「はい、女王様が強いのは承知しています…ですが怪我をして欲しくないのです…
僕が、僕が守りますから…ですから、お願いです、一緒に逃げては頂けないでしょうか…」
イチタは涙目でクイーンスライムに言うが、彼女はイチタを見下ろしながら言った。
「人間風情が思い上がるな、今やお前より強い部下だって何体もいる、本来ならもう用済みなんだよ…」
「あ…う…そんなぁ…」
強く言われ泣き出したイチタを見たクイーンスライムは、そんな彼を見てあざ笑うと、舌舐めずりをしながら言った。
「苗床は地下に戻って、たーっぷり種付けして貰いなさい?
お前の体に種付けしたい雄のスライムちゃん達がお待ちよ~?」
意地悪な笑みを向けてくる女王様にそう言われ、イチタは泣きながら地下の監獄の中へと戻って行く。
地面は焼け、穴が開き、もはや地形が変わっている。
(くっ…今の私では将軍やギーク王のような、一撃必殺の技は無い…このままでは…)
マリンは能力で無数の青い饅頭のようなスライムに分裂する。
そして、それらは意志を持ち物凄い早さでガーネットスターに近づくと硬化して体当たりをした。
「ぐあぁぁぁっ!!!!」
まるで殴られたか石を思いっきりぶつけられたような音が鳴り響き、彼は体中から血を流している。
「はぁ…はぁ…おのれ、許しませんよ!!」
しかし、スライムは引き上げ、ガーネットの背中の後ろからユウトが現れ回転しながら不意打ちの一撃をお見舞いする。
「回転斬り!!!」
闇強化魔法で黒いオーラを放つエクスカリバーによる回転斬り、その刃はガーネットの胴体を通り過ぎる。
「あっ…」
ガーネットは間抜けな表情で声を漏らすと、体が真っ二つになり、地面に落ちてしまう。
マリンだった無数のスライムはガーネットの身体を覆っていく。
「ユウト、復活しないうちに彼を食べるわよ?」
「あぁ、食べて良いよ…」
俺は疲れ切った表情でマリンに言うと、彼女は複数のスライムの姿のままガーネットスターの死体を覆い尽くし、食べ始めた。
「ああ…黒姫様…黒姫…様…
もう一度…あなたに…」
涙を流しながら手を伸ばし、黒姫の名を呼ぶ彼の姿に、俺は何だか虚しい気持ちになりながら消化されるのを見届けた。
しばらくするとマリンがガーネットの記憶を探り、そして俺に説明を始めた。
「黒姫ってのが本当のギーク王国軍の親玉みたいね、彼の記憶ではギーク王国最強は黒姫らしいわ」
「あの麻呂や軍服より強いのがいるのかよ…会いたくねぇなぁ」
そんな事を話しながら、2人は城へと向かって行った。
──ガレザ城──
「デネブ、タニア、どうかしたの?」
王座に座るスライムの女王、クイーンスライムの前に暗い表情のデネブ、タニアが立っていた。
「ガーネット・スターは死んだ…」
「あの少年、ユウトと、マリンに敗北した…」
その報告を聞いても、彼女の顔は特に驚いた様子もなく、表情が変わらないまま言った。
「なんと…あのガーネットが?」
デネブ、タニアの2人はクイーンスライムの前に跪いてお願いする。
「兵を1000…いや、500でいい、貸してくれ…」
「それで私達がいれば、確実に倒して見せよう」
2人は彼女に頼み込むが、クイーンスライム自身はそれを鼻で笑い、涼しい顔で扇子を仰ぎながら言った。
「駄目よ、ここで待ちましょう。
そのユウトって子と、マリンって子に会ってみたくなった。
部下達は城の回りに集めておくわ?」
その数10分後…
城の外は騒がしくなり何者かがガレザ城の庭に2人侵入し、騒ぎになっていた。
「マリン、いけるか?」
「大丈夫よ!任せて!」
ユウトとマリンの2人は、城の庭を走り回り雑魚スライム達を倒している。
緑、赤、ピンク、オレンジ、青、紫などのスライムが2人に襲いかかる。
しかし大半はマリンに吸い込まれ即死。
あるいは俺にエクスカリバーで斬り伏せられ溶けて死んでいた。
「そこまでよ、侵入者」
目の前にアルパピオス王国女王「フレイ」が現れる。
(どういう事だ?女王フレイは生きていて…じゃあ国を支配しているスライム達は…)
ユウトが混乱しているとマリンが目を泳がせてフレイを見つめている。
「カリン?カリンなの?
お姉ちゃん私よ?わからないの?」
マリンの発言に、フレイは目を見開き、頭を抱え膝を突いた。
「な……あなた、本当に、私の妹のマリンなの?
その名は誰にも言ってなかったはず…」
「良かった、あのとき、ドラゴンの炎に焼かれたと思ってたから…」
「マリンは川に水を飲みに行ってたんでしょ、私もまぁ、同じようなものよ…戻ったらもう誰もいなかった」
「ごめんねお姉ちゃん、あのとき、合流出来ていれば…」
「気にしてないわ、だって今は、こうしてクイーンスライムに進化も出来たわけだし、人間共を滅ぼす軍事力も持っているわ?
マリン、あなたもこちら側に来なさい?歓迎するわ」
「お…おいマリン」
ユウトは困った顔でマリンに言うと、マリンは首を振り、カリンに向かっていった。
「お姉ちゃん…世界征服なんて駄目よ、人間はこの世界に必要な存在なの。
それに私達だって、そこのギーク王国の奴らに作られなければ人間だった」
マリンを視線は、離れた位置で見ているデネブ、タニアを見ている。
「ええ、知ってるわよ。
こいつらが屑だって事ぐらい…
ただ戦力としては使えるから使ってるだけよ?
それに、誰になんと言われようと世界征服はやめないし人類滅亡の際にはあいつらも処分するわ?」
「そんな…それじゃ私達は、戦うしかないの?」
「私はあなたとは戦いたくないわ?たった2人の家族じゃないの…」
(何だこの状況…
まぁ予想はしたが、本当に姉妹だったなんて…
マリン…どうするつもりなんだいったい…)
後ろで見ていた筋肉質で坊主のおっさんと、赤い髪のショートカットのタニアという女は、状況を見守っているのか何も言ってこなかった。
マリンとカリンは抱き合い、お互い敵という立場を忘れたかのように涙を流す。
両者人間に化けているため端から見ればアルパピオス王国の女王フレイと赤髪の女剣士が抱き合っているだけに見えるのだが、実際はどちらもスライムだ。
「でさ…どうするんだ?
…俺ら冒険者として、この騒ぎを止めに来たはずなんだけど…」
「お姉ちゃん、人類と共存する道は選べないの?」
「共存なら今もこの国でしているでしょう?
人間共は私をフレイだと思い込んでいるし、いつか自由にしてくれると信じて奴隷のように働いてくれてる」
「違う!あれは共存とは言わない!
ロックキャンプにスライムしかいなかったのは、全部食べたからなんだろ!?
なぁ、マリンの姉ちゃん、どうしてこんな酷いことをする!?」
フレイの姿をしたクイーンスライムはユウトを初めて認識したように反応する。
「あなた…もしかして…あの時、私達からはぐれたマリンを届けた子供…?ちょっと大きくなってるけれど…」
「ああ、そんな事もあったな…アンタもあのスライムの列にいたのか」
クイーンスライムは敵意を無くし、暗い表情になりながらマリンとユウトに話し始めた。
「あの時、マリンと同じく水を飲みに行ってたから私も助かったけれど、合流は出来なかったわね…マリン…。
そして、あの後、私だけカジル森林に残っていたのだけど、人間の冒険者が大量に押し寄せてきて、私はあの森には住めなくなったの…
人間の冒険者から逃げて生きていくので精一杯だったわ…。
そして、森で人間達に殺される同じスライム族を見て思ったの…
「いつか人間共には復讐してやる」ってね」
それから、魔族の村で生き延びてカリンは機会を待っていたそうだ。
そして、力を溜めクイーンスライムに進化をし、数十年という年月が立った今、ようやく活動を始めたそうだ。
「ただ、マリンが言ってたユウトって子は…確か人間だと思っていたんだけど…その姿、半人間と言ったところかしら?」
「ほとんど人間だよ、サタンと融合したからちょっと変わっちゃったけど…」
「ふーん、まあいいわ…
話だけは聞いてあげる、中へどうぞ?」
マリンとユウトは表情が明るくなり、彼女の後ろへ続こうとする…しかし…
「マリンの姉ちゃん!危ない!」
飛んできた斬撃をユウトはエクスカリバーの刃で受け止める。
飛んできた先を見るとそこには赤髪ショートボブの軍服の女が剣を向けていた。
「確か、タニアとか言う奴だったか、マリン」
「ええ…食べたガーネットの記憶では剣聖のはずよ?」
「つまりギーク王国軍最強の剣士って事か…あの時の麻呂やデザート級の強さだったら俺じゃ無理だぞ??」
クイーンスライムは口を開かず部下のメタルスライム達に指示を出し、タニア、デネブを囲ませる。
レベルにして700~800はあるメタルスライムに囲まれると2人は厳しそうな表情だった。
「さっそく裏切るとはね、タニア、そしてデネブ…私を使って誰かを復活させるつもりでしょうけど…そうはいかないわ?」
「さて…どうでしょうね?」
その声の主は、先ほどユウトとマリンが倒した男の声だった。
声はクイーンスライムの耳元でするのに、ユウトやマリンには見えやしない。
そして、彼女のお腹を突き破るようにお腹の中から腕が生まれた。
「ぐっ…これは、いったい…」
「カリン!!!」
「さっきの奴か!?馬鹿な、マリンが食べた筈なのに!!」
声がする方を見ると、まるで透明人間が実体化するようにガーネット・スターが現れた。
「はじめまして、ユウトくん、マリンさん。
…今思い出しましたがユウトくんの顔…過去に見たことがありますよ」
「はぁ!?何を言って!!そもそもどうして死んでないんだてめぇ!」
シルクハットを被り、スーツに、背中には大きな剣を持ったガーネット・スター。
彼はまるで初めて会ったような雰囲気で話し始める。
「あなた達が倒したのは私の人形ですよ、記憶はほぼ私と同じですが、戦力としては私には遠く及びません。
さあ、クイーンスライムよ、今こそ黒姫様復活の生贄となって頂きましょう!
封印解除!!
レジェンドオブギーク」
クイーンスライムから腕を引き抜くと、彼女は光の柱に包まれた。
その柱は地面から天に向かって伸びていてその先は見えなかった。
もしかすると宇宙まで伸びているかも知れない。
「カリン!今助けるわ!」
「回転斬り!!」
マリンは回復魔法をカリンことクイーンスライムにかけて、ユウトは空中を飛びながら回転してガーネット・スターを斬りつける。
「ぐっ!!!」
ガーネットの肩に直撃し、深く傷が出来苦しんでいるが、彼は笑みを浮かべていた。
「成功です!タニア!デネブ!」
「おい!ガーネット!」
「避けろ!死ぬぞ!」
ユウトはガーネットの後ろに回り込み聖剣デュランダルを引き抜いて彼に突き刺した。
「エンプレス・ツリー」
彼に突き刺してその名を叫ぶと、彼の身体は植物に変化していき、死を迎える。
しかし彼は、そんな事も気にしないまま、光の柱を見つめ、満足そうに涙を流していた。
「くそっ、ガーネットの奴め、今度こそ本当に死んだんじゃないだろうな?」
「未来が見えてるんじゃなかったのかあいつ…」
デネブ・カイトスとタニア・アウストラリスはユウトの目の前にやってきて剣を構えていた。
その中ではガーネット・スター、タニア・アウストラリス、デネブ・カイトスが話している。
「ギーク王が死に、我々はけして、路頭に迷ったわけではありません」
「寧ろチャンスなのだろう?ガーネット」
「ああ…早く、初代ギーク・ハザード…黒姫様に…お会いしたい……」
ガーネットの話にデネブがチャンスだと言い、タニアは頬を赤くしていた。
「元々私達は彼女に仕えていた身、けして、あのような道化に仕えていたわけではありません…
まぁ、将軍は愚かだった故、彼を信じて共に逝ってしまわれましたが…」
「我々は剣術、魔術、すべて黒姫様から教わり今がある」
「ギーク王…いいえ、あの人望無き道化の時代はこれで終わった。
後はスライムの女王を姫様復活の生け贄にすれば、また、あの愛しき黒姫様と…」
剣聖タニア・アウストラリスが言った発言に、ガーネットが「しっ」と人差し指を鼻の前に立てて止める。
「クイーンスライムには役だって貰いましょう、儀式を始めるまでは彼女には生きて貰わねばなりません」
「それでガーネット、例の少年、ユウトが来ているようだが…どうするんだ?」
「私は彼等を止めなくてはいけませんね…激しい戦いになりそうです」
デネブに言われガーネット・スターは困った様子で部屋を出て行った。
ただそこに、イチタの視線があったことは誰一人として気づいてなかった。
ユウト達は馬車で、アルパピオス王国の入り口付近まで来ていた。
「いよいよアルパピオス王国ですね、ガーベラ様」
「気をつけろよユウト、あのイチタとかいうガキもいるし、何よりクイーンスライムもいるだろう」
「私達は住民の避難を手伝うから、ユウト、マリンには敵の方をお願いするわ?」
「はい、ロジー様、任せて下さい。あの時は油断しただけですから。」
「いいわ、私とユウトでさっさと魔王を倒して終わらせましょ?」
「頼もしいね、ユウト、マリン」
「さっさと倒して、ユウトピアに戻りましょう」
五人で王国での役割の話をしながら、馬車は、アルパピオス王国に到着する。
すると入口には門番の人間がいた。
「何者だ!?」
「余所者だな、この国の奴じゃねぇ」
鎧を着た男二人がこちらを怪しんで歩いてくる。
「冒険者だよ、この国が魔物の手に落ちてると聞いたんで取り戻しに来たんだ」
ユウトがそう言った途端だった…。
兵士達は水色のスライムに変化してユウト達に襲いかかってくる。
「マリン!!」
「わかってるわ!消化して記憶だけ読み取れって事よね?」
そして、戦いは一瞬で終わった。
マリンが手をかざすと水色のスライムは手の中に吸い込まれ、二匹のスライムは溶けて消えたのだ。
レベル9999(MAX)と1、実力差は明らかだった。
「どうやら、彼等は地下監獄であのイチタって子の中から生み出され、任務を与えられただけのようね…
女王と会ってもいないわ」
「そうか…だが門番までスライムとはな…人間がどれだけ生き残ってるかいよいよ怪しいな…」
ユウトが馬車で国へ入ると、まるで奴隷のように働く国民が目に映ってきた。
彼等はやせ細り、死にそうな表情のまま田んぼを耕したり、果物を育てたり、電気を起こしたりしていた。
「酷いな…スライム達に支配された国民か…しかし、生きててくれて良かった」
「とりあえず、彼らを逃がす為にも話を聞いてみないとね…」
ガーベラとリリーが国民達を見渡している。
ロジーも周りを気にしながら歩き、敵の気配を探っていた。
「では、俺達はガレザ城を目指します、どうかお気をつけて」
「終わったらまた戻って来るわね♪」
「ああ!ユウト、マリン、頼むぜ!
終わったら入り口付近で落ち合おう」
ユウトとマリンは馬車を止め、ガーベラ達と別れると、この国の中心にあるガレザ城を目指して全力で走っていく。
だいたい30分は走った、その時だった──
「っ!?」
突然、ユウトとマリンは重力で押しつぶされるように身動きがとれなくなる。
「なんだこれ…」
「ユウト!気をつけて!術者はあいつよ!」
目の前にはシルクハットをかぶったスーツの男が立っている。
「おい、てめぇ、冒険者で有名なジンじゃねえか、どういう事だ?」
「ご無礼をお許し下さい、伝説の勇者様…実はいま、私達のパーティーが先に来て戦っているのです。
非常に激しい戦い故に巻き込まれては困りますので、ここでお待ち頂けないでしょうか?」
「伝説の勇者を、こんな重力魔法で潰しといて言うことなのか?」
「ユウト!彼は冒険者ジンじゃないわ!ギーク王国宮廷魔術師ガーネット・スターよ!」
「なんだって?!」
マリンがスキルで重力魔法を無効化し、玩具の銃みたいな物から水の固まりを発射して攻撃する。
しかし彼はジャンプをして避けてしまった。
「まぁ、こんな嘘が通じるわけありませんよね…しかし、私の敗北の未来は見えていませんよ」
そう自信満々だったガーネット・スターが、剣を抜いた途端、何故か慌てていた。
「ぐっ…何故…未来が見えないのです」
冷静そうなこの男、ガーネット・スターが突然、剣を持って、脅えていた。
どうやら、剣の能力が発動しないのか彼は苛立ちを見せている。
「いや、まさか…剣をすり替えられて…」
ガーネットは剣を地面に落とすと炎魔法で剣を焼きはじめる、ユウトやマリンには正直何をしているのかわからなかった。
しかし焼かれた剣はスライムに変化して、そのまま溶けて死亡した。
「まさか…あの時…会話が聞かれていたのか…くっ、このままでは計画に支障が出てしまいます…何とかしなければ…」
「おいおい、マジシャン野郎、逃げるんじゃないよな?俺はここで、お前を倒すぜ?」
俺は聖剣デュランダルを抜いて、彼に向けた。
するとガーネットは少し悩むような顔をした後、諦めてこちらを向いている。
「仕方ない、ここはタニア、デネブを信じましょう…貴方達の死体は黒姫様復活の生け贄として使わせて頂きます!
さあ、はじめましょうか!」
「くろ…ひめだと?」
マリンの方を向くが彼女は首を振る、つまり知らない名前という事だ。
ガーネットは背中から羽が生え、空を飛ぶと、空からは巨大な隕石がこちらに向かって降って来る。
その数、10、100、いや、1000…
ガレザ城王座──
「女王様…ガーネット、デネブ、タニアは貴方を生け贄に、何者かを復活させるようです、どうかお逃げ下さい」
「何も逃げる必要はないんじゃなくて?
彼の剣も今や私の物だし、いまの彼は侵入者排除に向かっている…ならば、消耗し弱って帰って来たところを討ち取りましょう」
「はい、女王様が強いのは承知しています…ですが怪我をして欲しくないのです…
僕が、僕が守りますから…ですから、お願いです、一緒に逃げては頂けないでしょうか…」
イチタは涙目でクイーンスライムに言うが、彼女はイチタを見下ろしながら言った。
「人間風情が思い上がるな、今やお前より強い部下だって何体もいる、本来ならもう用済みなんだよ…」
「あ…う…そんなぁ…」
強く言われ泣き出したイチタを見たクイーンスライムは、そんな彼を見てあざ笑うと、舌舐めずりをしながら言った。
「苗床は地下に戻って、たーっぷり種付けして貰いなさい?
お前の体に種付けしたい雄のスライムちゃん達がお待ちよ~?」
意地悪な笑みを向けてくる女王様にそう言われ、イチタは泣きながら地下の監獄の中へと戻って行く。
地面は焼け、穴が開き、もはや地形が変わっている。
(くっ…今の私では将軍やギーク王のような、一撃必殺の技は無い…このままでは…)
マリンは能力で無数の青い饅頭のようなスライムに分裂する。
そして、それらは意志を持ち物凄い早さでガーネットスターに近づくと硬化して体当たりをした。
「ぐあぁぁぁっ!!!!」
まるで殴られたか石を思いっきりぶつけられたような音が鳴り響き、彼は体中から血を流している。
「はぁ…はぁ…おのれ、許しませんよ!!」
しかし、スライムは引き上げ、ガーネットの背中の後ろからユウトが現れ回転しながら不意打ちの一撃をお見舞いする。
「回転斬り!!!」
闇強化魔法で黒いオーラを放つエクスカリバーによる回転斬り、その刃はガーネットの胴体を通り過ぎる。
「あっ…」
ガーネットは間抜けな表情で声を漏らすと、体が真っ二つになり、地面に落ちてしまう。
マリンだった無数のスライムはガーネットの身体を覆っていく。
「ユウト、復活しないうちに彼を食べるわよ?」
「あぁ、食べて良いよ…」
俺は疲れ切った表情でマリンに言うと、彼女は複数のスライムの姿のままガーネットスターの死体を覆い尽くし、食べ始めた。
「ああ…黒姫様…黒姫…様…
もう一度…あなたに…」
涙を流しながら手を伸ばし、黒姫の名を呼ぶ彼の姿に、俺は何だか虚しい気持ちになりながら消化されるのを見届けた。
しばらくするとマリンがガーネットの記憶を探り、そして俺に説明を始めた。
「黒姫ってのが本当のギーク王国軍の親玉みたいね、彼の記憶ではギーク王国最強は黒姫らしいわ」
「あの麻呂や軍服より強いのがいるのかよ…会いたくねぇなぁ」
そんな事を話しながら、2人は城へと向かって行った。
──ガレザ城──
「デネブ、タニア、どうかしたの?」
王座に座るスライムの女王、クイーンスライムの前に暗い表情のデネブ、タニアが立っていた。
「ガーネット・スターは死んだ…」
「あの少年、ユウトと、マリンに敗北した…」
その報告を聞いても、彼女の顔は特に驚いた様子もなく、表情が変わらないまま言った。
「なんと…あのガーネットが?」
デネブ、タニアの2人はクイーンスライムの前に跪いてお願いする。
「兵を1000…いや、500でいい、貸してくれ…」
「それで私達がいれば、確実に倒して見せよう」
2人は彼女に頼み込むが、クイーンスライム自身はそれを鼻で笑い、涼しい顔で扇子を仰ぎながら言った。
「駄目よ、ここで待ちましょう。
そのユウトって子と、マリンって子に会ってみたくなった。
部下達は城の回りに集めておくわ?」
その数10分後…
城の外は騒がしくなり何者かがガレザ城の庭に2人侵入し、騒ぎになっていた。
「マリン、いけるか?」
「大丈夫よ!任せて!」
ユウトとマリンの2人は、城の庭を走り回り雑魚スライム達を倒している。
緑、赤、ピンク、オレンジ、青、紫などのスライムが2人に襲いかかる。
しかし大半はマリンに吸い込まれ即死。
あるいは俺にエクスカリバーで斬り伏せられ溶けて死んでいた。
「そこまでよ、侵入者」
目の前にアルパピオス王国女王「フレイ」が現れる。
(どういう事だ?女王フレイは生きていて…じゃあ国を支配しているスライム達は…)
ユウトが混乱しているとマリンが目を泳がせてフレイを見つめている。
「カリン?カリンなの?
お姉ちゃん私よ?わからないの?」
マリンの発言に、フレイは目を見開き、頭を抱え膝を突いた。
「な……あなた、本当に、私の妹のマリンなの?
その名は誰にも言ってなかったはず…」
「良かった、あのとき、ドラゴンの炎に焼かれたと思ってたから…」
「マリンは川に水を飲みに行ってたんでしょ、私もまぁ、同じようなものよ…戻ったらもう誰もいなかった」
「ごめんねお姉ちゃん、あのとき、合流出来ていれば…」
「気にしてないわ、だって今は、こうしてクイーンスライムに進化も出来たわけだし、人間共を滅ぼす軍事力も持っているわ?
マリン、あなたもこちら側に来なさい?歓迎するわ」
「お…おいマリン」
ユウトは困った顔でマリンに言うと、マリンは首を振り、カリンに向かっていった。
「お姉ちゃん…世界征服なんて駄目よ、人間はこの世界に必要な存在なの。
それに私達だって、そこのギーク王国の奴らに作られなければ人間だった」
マリンを視線は、離れた位置で見ているデネブ、タニアを見ている。
「ええ、知ってるわよ。
こいつらが屑だって事ぐらい…
ただ戦力としては使えるから使ってるだけよ?
それに、誰になんと言われようと世界征服はやめないし人類滅亡の際にはあいつらも処分するわ?」
「そんな…それじゃ私達は、戦うしかないの?」
「私はあなたとは戦いたくないわ?たった2人の家族じゃないの…」
(何だこの状況…
まぁ予想はしたが、本当に姉妹だったなんて…
マリン…どうするつもりなんだいったい…)
後ろで見ていた筋肉質で坊主のおっさんと、赤い髪のショートカットのタニアという女は、状況を見守っているのか何も言ってこなかった。
マリンとカリンは抱き合い、お互い敵という立場を忘れたかのように涙を流す。
両者人間に化けているため端から見ればアルパピオス王国の女王フレイと赤髪の女剣士が抱き合っているだけに見えるのだが、実際はどちらもスライムだ。
「でさ…どうするんだ?
…俺ら冒険者として、この騒ぎを止めに来たはずなんだけど…」
「お姉ちゃん、人類と共存する道は選べないの?」
「共存なら今もこの国でしているでしょう?
人間共は私をフレイだと思い込んでいるし、いつか自由にしてくれると信じて奴隷のように働いてくれてる」
「違う!あれは共存とは言わない!
ロックキャンプにスライムしかいなかったのは、全部食べたからなんだろ!?
なぁ、マリンの姉ちゃん、どうしてこんな酷いことをする!?」
フレイの姿をしたクイーンスライムはユウトを初めて認識したように反応する。
「あなた…もしかして…あの時、私達からはぐれたマリンを届けた子供…?ちょっと大きくなってるけれど…」
「ああ、そんな事もあったな…アンタもあのスライムの列にいたのか」
クイーンスライムは敵意を無くし、暗い表情になりながらマリンとユウトに話し始めた。
「あの時、マリンと同じく水を飲みに行ってたから私も助かったけれど、合流は出来なかったわね…マリン…。
そして、あの後、私だけカジル森林に残っていたのだけど、人間の冒険者が大量に押し寄せてきて、私はあの森には住めなくなったの…
人間の冒険者から逃げて生きていくので精一杯だったわ…。
そして、森で人間達に殺される同じスライム族を見て思ったの…
「いつか人間共には復讐してやる」ってね」
それから、魔族の村で生き延びてカリンは機会を待っていたそうだ。
そして、力を溜めクイーンスライムに進化をし、数十年という年月が立った今、ようやく活動を始めたそうだ。
「ただ、マリンが言ってたユウトって子は…確か人間だと思っていたんだけど…その姿、半人間と言ったところかしら?」
「ほとんど人間だよ、サタンと融合したからちょっと変わっちゃったけど…」
「ふーん、まあいいわ…
話だけは聞いてあげる、中へどうぞ?」
マリンとユウトは表情が明るくなり、彼女の後ろへ続こうとする…しかし…
「マリンの姉ちゃん!危ない!」
飛んできた斬撃をユウトはエクスカリバーの刃で受け止める。
飛んできた先を見るとそこには赤髪ショートボブの軍服の女が剣を向けていた。
「確か、タニアとか言う奴だったか、マリン」
「ええ…食べたガーネットの記憶では剣聖のはずよ?」
「つまりギーク王国軍最強の剣士って事か…あの時の麻呂やデザート級の強さだったら俺じゃ無理だぞ??」
クイーンスライムは口を開かず部下のメタルスライム達に指示を出し、タニア、デネブを囲ませる。
レベルにして700~800はあるメタルスライムに囲まれると2人は厳しそうな表情だった。
「さっそく裏切るとはね、タニア、そしてデネブ…私を使って誰かを復活させるつもりでしょうけど…そうはいかないわ?」
「さて…どうでしょうね?」
その声の主は、先ほどユウトとマリンが倒した男の声だった。
声はクイーンスライムの耳元でするのに、ユウトやマリンには見えやしない。
そして、彼女のお腹を突き破るようにお腹の中から腕が生まれた。
「ぐっ…これは、いったい…」
「カリン!!!」
「さっきの奴か!?馬鹿な、マリンが食べた筈なのに!!」
声がする方を見ると、まるで透明人間が実体化するようにガーネット・スターが現れた。
「はじめまして、ユウトくん、マリンさん。
…今思い出しましたがユウトくんの顔…過去に見たことがありますよ」
「はぁ!?何を言って!!そもそもどうして死んでないんだてめぇ!」
シルクハットを被り、スーツに、背中には大きな剣を持ったガーネット・スター。
彼はまるで初めて会ったような雰囲気で話し始める。
「あなた達が倒したのは私の人形ですよ、記憶はほぼ私と同じですが、戦力としては私には遠く及びません。
さあ、クイーンスライムよ、今こそ黒姫様復活の生贄となって頂きましょう!
封印解除!!
レジェンドオブギーク」
クイーンスライムから腕を引き抜くと、彼女は光の柱に包まれた。
その柱は地面から天に向かって伸びていてその先は見えなかった。
もしかすると宇宙まで伸びているかも知れない。
「カリン!今助けるわ!」
「回転斬り!!」
マリンは回復魔法をカリンことクイーンスライムにかけて、ユウトは空中を飛びながら回転してガーネット・スターを斬りつける。
「ぐっ!!!」
ガーネットの肩に直撃し、深く傷が出来苦しんでいるが、彼は笑みを浮かべていた。
「成功です!タニア!デネブ!」
「おい!ガーネット!」
「避けろ!死ぬぞ!」
ユウトはガーネットの後ろに回り込み聖剣デュランダルを引き抜いて彼に突き刺した。
「エンプレス・ツリー」
彼に突き刺してその名を叫ぶと、彼の身体は植物に変化していき、死を迎える。
しかし彼は、そんな事も気にしないまま、光の柱を見つめ、満足そうに涙を流していた。
「くそっ、ガーネットの奴め、今度こそ本当に死んだんじゃないだろうな?」
「未来が見えてるんじゃなかったのかあいつ…」
デネブ・カイトスとタニア・アウストラリスはユウトの目の前にやってきて剣を構えていた。
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