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新時代編

四年後(40年後)の世界へ

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──デルタ王国上空───

 まるで空中に足場があるかのように、そこに立つ存在が3つ。

 スーツを着て、髪型は茶髪の短髪、紫の瞳、メガネをかけ背中には似合わない大剣を背負っている男。

 後ろには軍服、赤髪ショートボブ、青い瞳の気の強そうな女だ。

 さらにその後ろには中年ぐらいの軍服を着た男、瞳は黒で、鍛えているのか筋肉質な感じ。

「ギーク・ハザード、デザート・アジール、
ヴィクトリア、ヘカテー、そしてニュクス、
対象は私の未来予知の通り、すべて滅びました。

もう、この世に我々の邪魔が出来る存在はいませんよ。

デネブ、タニア、次の段階に行きましょう。
2人とも、デルタ王国に冒険者として潜入しなさい。
後に私も合流します。」

 透き通る声で話す仮面を被った彼はギーク王国で宮廷魔術師だった男。

 ギークの最も信頼する魔法使いで、かつてギーク王国に数々の実績を残して来た事実がある。

 彼の名はガーネット・スター。

 ギーク王国では知らぬ者のいない最強の魔法使いだった。

 しかし、部下らしき後ろの2人は納得の行かない様子で彼に反発している。

「命令するなガーネット、私達はお前の部下ではない。
同じ目的を持った仲間と言うだけだ」

「そうだ、俺達よりちょっと強いからって調子に乗りやがって」

 部下ではないと言い張る赤髪ショートボブの女。

 彼女の服はよく見るとデザート・アジールと同じ模様の軍服だった。

 目つきの鋭い女で名はタニア・アウストラリスという。

 ギーク王国では副将軍を努め、将軍デザート・アジールと共に数々の戦果を挙げて来た「剣聖」と呼ばれた女だ。

 剣術で彼女の右にでる者は王国に存在せず、無敗の強さを誇っていた。腰には2本の鞘に剣が刺さっている。

 そしてもう一人。

 頭はスキンヘッド、黒い瞳、筋肉の塊のような体の屈強な剣士で、名はデネブ・カイトスという。

 彼もまた、デザート・アジールの次の階級、副将軍だった男だ。

 剣の腕前でタニアには及ばないものの、彼もまた、戦果を挙げ数々の伝説を作った男。

 デネブもまた「剣聖」の彼女も認めるほどの凄腕の剣士だった。

 ギーク大国はかつて、デザート、ガーネット、タニア、デネブを含め「天下無敵の軍勢」と世界から恐れられていた。


 そんな三人もまた、過去から未来へ飛ぶ能力を使用して、ギーク王を追ってこの世界へやってきたのだ。

 彼らは今、何らかの魔法により空を足場にし、デルタ王国を見下ろしている。

「しかし本当にガーネットの言った通り、ギーク王も将軍も亡くなられるとは…
ガーネットの未来予知スキルがここまで見えていたとはな…」

 タニアが言うと、ガーネットは背中に背負っている大剣を抜いて見せた。

「スキルではありません、これのおかげです。
この剣は抜いた瞬間から私の魔力を吸い続け、その代わり未来を見せてくれます。
数日後、数ヶ月後、いいや、数年後ぐらいまでは見渡せますよ。」

「それで、お前にはどう未来が見えているんだ?
俺達の目的は成功するんだろうな?
失敗する未来が見えたんなら今のうちに教えろよ?」

 大剣を見ながら言ったデネブの発言にガーネットは呆れた表情になる。

「大丈夫ですよ、私の目には成功する未来がしっかりと映っています。
ギーク王とデザート将軍の未来も私の話した通りになったでしょう?
この剣が嘘を付いた事は一度もありません、その辺の未来予知程度のスキルと一緒にしないで下さい」

 ガーネットに睨まれると、デネブは悔しそうに歯を噛みしめながら黙り込んだ。

「それでは、タニア、デネブ、問題ないですね?
予定通り行動を開始して下さい。これは私達の夢のためなのですから」

「………」
「………」

 ガーネットとデネブは黙って頷くと、まるで空から見えない階段を降りるようにデルタ王国へ向かって行った。


 ジャコメ村ではヴァルキリーとメタルスライムが戦っている。

 メタルスライムは銀色のメタルの肉体で、自由自在に形を変化させられる。

 スライム種の中でも絶滅したと言われていた希少種で、戦い剣を交えている彼女も驚いていた。

 そして問題は希少種と言うだけではなく、この強さ。

 レベルにして400はあるヴァルキリーが押されている。


 ヴァルキリーの剣は激しい金属音を鳴り響かせて斬り付ける。

 しかし彼等に傷一つ付けられなかった。

「強いですね…
まさかジャコメ村にこんな魔物が現れるとは…」

 メタルスライムは二匹。

 彼等は銀色のドロドロ状態になり地面に沈む。

 彼女はとっさに命の危険を感じ、後ろに大きく飛び跳ねて、彼等の攻撃をかわす。

 地面からはメタルスライムの体の一部が槍のように尖った状態で突き出ていた。

 もし、今これに、体を貫かれていれば彼女は一撃で終わっていただろう。

 メタルスライムは再び、地面の下に潜って行った。もう一度仕掛けてくるに違いない。

 彼女は最大限に警戒をして剣を構えていた。

 しかし…

「がふっ…馬鹿な…」

 彼女は口から大量の血を吐き出した、突然の出来事で何が起こったのかわからない。

 空中には穴が空いており、まるでそれは、別の空間と繋がっている。

 そこから、槍のように変化させたメタルスライムの体の一部が生えていた。

 その尖ったメタルの槍は彼女の首を貫通している。

 彼女は白目を剥いて、意識を失いその場に崩れ落ちた。

「やったぞ、ヴァルキリーを倒した」

 メタルスライムの一匹が喜んでいる。

「馬鹿野郎、問題はこの後だ、逃げるぞ!」

 二匹は地面に潜り、その場から消えてしまった。


 その数分後…

 追ってきた兵士達がヴァルキリーの死体を確認する。

「まさか、ワルキューレの一人が…」
「ヴァルキリー様がやられるなんて…」
「本当に死んでいるのか?」
「いったい誰にやられた!?」

 しかし、彼女の死体は血塗れのまま、突然、起き上がった。

「ひいぃぃぃ!!」
「ヴァルキリー様が…生き返ったぞ??」

 兵士達は起き上がった死体に驚いて、青ざめた表情になりビクビクと震えている。

 何故なら禍々しいオーラを放ち、起き上がった彼女はまるで別人のような邪悪な笑みを見せたからだ。

 体からは黒い炎が沸き上がり、メタルスライムが逃げていった方角を見つめている。

「よくもやってくれたな!あいつら!」

 もはや口調も目つきも兵士の知る彼女ではなかった。

 彼女は表向きはデルタ王国の戦士ワルキューレの一人。

 しかし裏の顔はマゾ教調教師「鮮血のヴァルキリー」だ。

 彼女はアンデット族のヴァンパイアで、普段は人間として過ごしていた。

「あれ、ヴァルキリー様が消えたぞ」
「どういうことだ?魔法か何かか?」

 先程とは全く違う動きで、ヴァルキリーは高速移動を始める。

「あれ、ヴァルキリー様だよな?」
「あんな顔もあんな喋り方もしないし、別人だったんじゃ…」
「じゃあ、どうして生き返ったんだ?」
「さあ…」

 兵士達はただ呆然として彼女の向かっていった方向を見つめていた。

 その後、ヴァルキリーは兵士達に影で「不死身のヴァルキリー」とあだ名で呼ばれる事になる。



───時は流れ、四年の月日が経った───


 ユウトは今年で15歳になる。

 マリン、マーガレット、サタン、彼らは小さなお城の中でパーティーをしていた。

 卓上では大きなチーズケーキと紅茶、それからプリンなどのお菓子が置かれている。

 メイド服を着たリスの獣人ラタトスクが4等分したケーキを皿に分けて、ユウト達に配っていた。

「あれから4年…
こちらの世界もだいぶ出来上がってきたな。
ユウト、俺の焼いたケーキは美味いか…?」

「ああ、最高のケーキだぜ!
最初はお前、料理なんて出来なかったのにな(笑)」

「まあな、マーガレットとマリンおかげだ」

 ユウトはケーキを一口食べて、その美味さに驚いた。

 最初は反発していたサタンだったが、今ではユウトを認め、何でも素直に協力してくれる。

 ケーキを食べ終えると、紅茶の香りを楽しみ、そして飲み干した。

「しかし、ここで建物作ってると全然時間が立った気がしないんだよな…
気をつけないと、俺達の知ってる人間とか、寿命で亡くなってしまうんじゃないか?」

 実際この空間で10年が流れると向こうでは100年の月日が流れる。

 気を付けないと「次戻ったとき、知り合いが寿命で亡くなっていた」なんて事もありえるわけだ。

「調教師の皆は大丈夫じゃない?」

「どうかな、フルーレティや九尾はもうババアだしな…」

「おい、失礼だろサタン。聞こえてたら酷い目に遭わされるぞ」

 ユウトは辺りにワープゲートがないか慌てて確認する。

「でもユウトの成長が見れて、お母さん嬉しいわ♪」

 ユウトの外見年齢は今、15歳の物になっている。

 ただこれは、マリン、マーガレットに言われてサタンの変化の能力で姿を変えただけだった。

 姿を変えたといっても、制限があるスキルでもないため、一生このまま過ごす事も可能だ。

 寿命に関しても実は変わっている。

 この世界の人間の平均寿命は100年に満たない。

 しかしサタンと融合した事により、ユウトの寿命は魔族のものとなった。

 インキュバスと融合したユウトは1000年以上も、老いを知らず、生きる事が出来る。

 その上、この空間に存在すれば、あちらと比べれば、さらに長く生きる事が出来るわけだ。

「僕も手伝うので、さっさと仕上げちゃいましょう、にゃん♪」

 執事の服装をしたネコミミのショタ獣人セシルがユウトに言った。

「そうだな、
さっさと街を仕上げて行き場の無い者を一刻も早く救い出さないと…
しばらく戻ってないから、あちらの世界がどうなってるかわからないしな…」

 突然室内にワープゲートが開き、エルフの女王セネカと、マゾ教幹部、ガーベラ、リリー、ロジーが来た。

「誕生日なんだってな、ユウト、プレゼント持ってきてやったぜ」

 ガーベラが自宅で焼いてきたクッキーをテーブルに差し出した。

 男口調だが女声で、茶髪にセミロングの緑の瞳の美しい美女ガーベラ。

 服装は白のスカートに青のコートと言った清楚系ファッション。

 彼女達の時間では8年が立ち、背も伸びてお姉さんになっていた。

 見た目は20代前半ぐらいの美女だが性別は男。

 ただ、8年と言うのには理由があり、彼女達もまた、こちらの世界で大半を過ごし、時を越えていた。

 あちらの世界で普通に過ごしていれば、40年は立っている。

 故に、彼等の肉体年齢は8年しか立っていなかった。

「お久しぶりです、ガーベラ様!
プレゼントありがとうございます」

「美味しそー、ありがとねガーベラ」
「今すぐ食べたいわ♪」

 マリンとマーガレットがクッキーを皿に乗せて、ユウトがそれを食べ始める。

「美味しいです!」
「だろ?俺だって料理するんだぞ?」

 その感想にガーベラの機嫌が良くなり肩を組んでくる。

 するとロジーが後ろから歩いてきて耳元で言った。

「あら?少し背が伸びちゃった?
ユウトったら、最近こっちで国ばかり作ってるって聞いたけど、
働き詰めで、性欲の発散が出来てないんじゃない?
お姉さん達がまた可愛がってあげよっか♪
ねぇ、マゾゴミちゃん♪」

 彼女は黒髪ポニーテールな髪型に黒い瞳、この3人の中では背が一番高い。

 彼は元々お姉さん系のセクシー男の娘だったが、彼女の美しさもますます磨きがかかっている。

 服装はチュニックワンピースを着てブーツを履いた、思わず見とれてしまいそうな感じ。

 これではもう、どこからどう見ても彼女が男だとは誰も想像がつかないだろう。

 そんなロジーに「可愛がってあげよっか」などと言われると、ユウトは赤くなり、股間はテントを張り、プルプル震えていた。

「可愛い~♪
ねぇ、後でヤリ部屋いこっか…♡
ユウトが男性器に屈服しちゃうメス豚ちゃんだって事、
私の大人のコレで前立腺の奥を擦りまくって思い出させてあげる♪
いいでしょ?マ・ゾ・ゴ・ミちゃん…♡」

「お!いいねぇ、久々に3人でコイツ犯るか♪
みんな、あの時より大きくなってるから楽しめると思うぜ?」

 ロジーがノリノリで言ってガーベラも悪乗りして来る。

 ユウトはテントの先を指先の爪でカリカリ引っかかれ、さらにはスーツのズボンの上から指先でなぞるように亀頭を触られる。

 その爪の刺激、感触、力強さに、ユウトのペニスはムクムクと起き上がってしまった。

「あんっ…こんな場所で、ちょ…やめてください…ロジー様、ガーベラ様」

 ロジーの手はユウトのお尻を揉み始め、ガーベラが胸を揉み始める。

 服の上からではあるが、服の上から触られる感覚にユウトは息が荒くなってきた。

 亀頭は勃起しながらズボンの生地に擦り付けられ、その刺激に先端から我慢汁が溢れていた。

 ガーベラも胸を揉む行為をやめず、ユウトはアへ顔を晒し、乳首を勃起させながらされるがままだった。

「こりゃそうとうやってないな、俺達が思う存分可愛がってやるよ♪」

「やっぱり、マゾゴミちゃん溜まってるの?」

 ユウトは息をついて足をガクガクさせながら答えにならない声で答えた。

「は…ひあぁぁあ」

「ねぇ答えて?」

 ロジーの暖かい息が耳元にかかり、ユウトのビンビンに反り返った息子からは先走りが垂れている。

「ねぇ、またぶっといので
ゴリゴリされながらメスイキさせられたい?」

「俺の巨根で女の子にしてやろうか?」

 ガーベラとロジーの二人が耳元で煽ってくる。

 さらにはズボン越しに尻を触り始め、指がアナルに近付いてくる。

「あああ…ああ…らめぇ…
ガーベラ様、ロジー様…私のケツマンコ…
可愛がってくだしゃい…」

 アナルを触られ馬鹿みたいな表情で悶え苦しんでいるユウト。

 そんな彼等を見て、リリーとセネカはちょっと引いていた。

「こら、やめなよロジー、ガーベラ、今はユウトのお誕生日会なんでしょ?」

「あ、そうだったな…悪かったよユウト」
「あら、ごめんね~、お姉さん暴走しちゃったぁ♪」

 金髪おさげの美少女が彼女達を止める、この中では一番背が低い美少女リリー。

 ワンピースを着ていて、背も前より伸びていた。

 セネカは変わっていないが、3人は皆、大人になっていた。

「そうよ止めなさい、
今日はユウトが15歳になった誕生日なんだから♪
そういうのは後よ後!」

(えっ、後ならいいのか?こいつら怖いんだが…)

 無言でクッキーを食ってるサタンが心の中で脅えていた。

「ヤリ部屋でしたら、あちらの奥の部屋をお使い下さい」

 メイドのラタトスクが手で扉を指し示した。

「お姉ちゃん、顔が笑ってる、にゃん♪」

 執事のセシルが姉の表情を見て怖がっていた。

「ふふふ、ユウト、久しぶりだし思う存分可愛がって貰って来なさい」

 何故かマーガレットも賛成していて、マリンも興味津々だった。

 その日は結局、クッキー、ケーキ、お菓子を皆で食べてパーティーは終了となった。

 ガーベラ達をヤリ部…ではなく個室へ案内され、そこで久々にユウトは可愛がられる事になる。
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