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70話ドラゴンと対峙
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ふっと今までの暑さが嘘のように体が楽になる。結界を強めるだけでここまで違うんだ。あぁ…本当僕もうダメかと思ったよ…。
ルピとロッソは僕に結界を張るのが合図だったらしく、張った瞬間に通路を曲がり飛び出した。
グオォォッ!グギャァォォォオ!
空気まで震えるようなドラゴンの声が聞こえてくる。僕は恐る恐る近づいていく。2人が負けるなんて思ってないけど、ドラゴンと対峙すると思うとちょっと怖い…。
通路を曲がるとルピが、うわぁ!ドラゴンさんだ!と嬉しそうに火を吐くドラゴンの周りを飛び回る。
ロッソは遊んでないで早く倒すわよ!と呆れ口調。これ本気のドラゴンが可哀想なんだけど…。
『えぇー!もう少しドラゴンさん見てたいもん!』
『コリーが待ってるでしょ!急いで必要なんだって言ってたじゃない』
『でも、もう少しだけ!』
母と娘の会話にしか聞こえないけど、僕の気のせいなのかな…。動物園で帰ろうとしない子に、早く帰るわよ!もう少し見ていく!って駄々こねてる子供を相手にしてるやつでしょこれ。
『あるじからも言って!早く倒してって!あたしが倒しても良いんだけど…』
「ルピが後でふてくされそう?」
『そうなるのが目に見えてるわね…』
これは僕が父親役なのかな。なんかごっこ遊びしてる気分になってくるよ。
その時、ドラゴンが僕に気づいてルピに向けて吐いていた炎を僕に向けてくる。きっとこの中で一番弱い僕を狙ったんだろう。
「ッ……!!避けられない!!」
『あるじ離れて!!』
その瞬間、ロッソが面倒くさいわ!とドラゴンを倒そうと構える。構えるが炎が突然変な方向に向かい、ズルリと首が切られ落ちて来た。
『ハヤトに炎吐いちゃダメでしょ!』
「ぇ…っと…ルピありがとう」
『あぁ…!ドラゴンさん倒しちゃった…。手合わせしてない…』
それに本気で落ち込むルピ。え、倒すつもりで切ったんじゃないの⁉︎って聞くと、少し力込めたら切れちゃった…だって。
ドラゴン、なんかごめん。ウチの子達は恐ろしく強いんだよ…。多分僕達が来なければ、この辺でキミが一番強かったのかもしれない。
ドラゴンは青白い光を放つと大きな魔石を残し消えていった。
落ち込むルピに、いなくなったもんは仕方ないでしょ!とロッソが呆れつつ慰めていた。
ルピはいつまでも、だって!や、もう少し見てたかったんだもん!と駄々。そんなルピはロッソに任せて、僕は魔石の回収をしよう。
うーん。これ僕の背よりも大きい。これは1人じゃ持てないな。でも、こんな大きな魔石をコリーは何に使うつもりなんだろう?
ゲーハさんに持って行ったら、また変なもの持って来やがって!って言われるかなと思うと、少し笑ってしまう。
「ねぇ、これ入れるの手伝って?」
『ほら、行くわよ。また別のドラゴン探しに行けば良いじゃない』
『ロッソ付いて来てくれる?』
『仕方ないわね』
ロッソがドラゴン探しに付き合ってくれると言ってくれたのが嬉しかったらしく、ルピの機嫌は治ったみたいだ。ルピの扱い方が僕よりも上手になって来てるよ。2人に手伝ってもらって、無事魔石を回収。
帰りはルピの結界はそのままなので、暑くなく快適に洞窟を抜けられた。
「じゃぁ帰ろうか」
『うん!帰ろう!』
ドラゴンは思ったよりも早く倒すことができた。外に出て来た時には真っ暗だったけど、あの中でお泊まりにならなくて心底良かった…。
帰り道、ロッソがキッコリーナがいた泉を上からで良いから見たいと伝えて来た。気になるんだね。僕も少し気になってる。
ルピに伝えると、わかった!と応えてくれた。
一泊は火山を出た洞窟の外でとり、その後3日かけて泉の近くへと戻って来た。2人とも魔物の肉には抵抗がもうないらしく、僕はこの3日間ひたすら食事係だった…。
『見えて来たわね』
『ロッソ下りなくて良いの?』
『下りなくて良いわ。ちょいちょい気にかけてもらえると思われても困るもの』
そう言いながらコッソリ、ロッソは見に来そうな気もするけどねと僕は思った。上から下を見ると、キッコリーナやその他の種族が一生懸命育てているのが見える。
まだ実は出来てないし、大きな木にもなっていない。ただ、そこからは小さな小さな若木が力強く出ていた。
『ちゃんとやっているようね』
「嬉しそうだねロッソ」
『違うわ!放り投げるのが嫌なだけよ!』
照れ隠ししてるのバレバレだけど、ロッソが優しいのは僕達が知ってるから大丈夫だよ。
それからもう暫く飛ぶと、家が見えて来た。僕達の気配に気づいたコリーが家の外まで迎えに来てくれる。
暫く離れていたせいか、あぁ帰って来たんだなって思える。着実に、僕の中でこの家が僕達の家となって来てるんだろうな。
『主人や、ご苦労だったの。予定より早くてビックリじゃ』
「2人が頑張ってくれたからね」
『あのね!コリーの家族見つけたよ!』
ホッホッホ!そうかそうか。元気にしておったか?と嬉しそうにルピとロッソの話しを聞くコリー。そんな姿を見てると僕まで嬉しくなる。
『そうじゃ主人よ。良いものがあるぞ』
「いいもの?」
『ルピもいいもの欲しい!』
『よいよい。皆んなに用意してあるからの』
なんだろう?ここ数日の間に、何か用意してくれたのかな?
ルピとロッソは僕に結界を張るのが合図だったらしく、張った瞬間に通路を曲がり飛び出した。
グオォォッ!グギャァォォォオ!
空気まで震えるようなドラゴンの声が聞こえてくる。僕は恐る恐る近づいていく。2人が負けるなんて思ってないけど、ドラゴンと対峙すると思うとちょっと怖い…。
通路を曲がるとルピが、うわぁ!ドラゴンさんだ!と嬉しそうに火を吐くドラゴンの周りを飛び回る。
ロッソは遊んでないで早く倒すわよ!と呆れ口調。これ本気のドラゴンが可哀想なんだけど…。
『えぇー!もう少しドラゴンさん見てたいもん!』
『コリーが待ってるでしょ!急いで必要なんだって言ってたじゃない』
『でも、もう少しだけ!』
母と娘の会話にしか聞こえないけど、僕の気のせいなのかな…。動物園で帰ろうとしない子に、早く帰るわよ!もう少し見ていく!って駄々こねてる子供を相手にしてるやつでしょこれ。
『あるじからも言って!早く倒してって!あたしが倒しても良いんだけど…』
「ルピが後でふてくされそう?」
『そうなるのが目に見えてるわね…』
これは僕が父親役なのかな。なんかごっこ遊びしてる気分になってくるよ。
その時、ドラゴンが僕に気づいてルピに向けて吐いていた炎を僕に向けてくる。きっとこの中で一番弱い僕を狙ったんだろう。
「ッ……!!避けられない!!」
『あるじ離れて!!』
その瞬間、ロッソが面倒くさいわ!とドラゴンを倒そうと構える。構えるが炎が突然変な方向に向かい、ズルリと首が切られ落ちて来た。
『ハヤトに炎吐いちゃダメでしょ!』
「ぇ…っと…ルピありがとう」
『あぁ…!ドラゴンさん倒しちゃった…。手合わせしてない…』
それに本気で落ち込むルピ。え、倒すつもりで切ったんじゃないの⁉︎って聞くと、少し力込めたら切れちゃった…だって。
ドラゴン、なんかごめん。ウチの子達は恐ろしく強いんだよ…。多分僕達が来なければ、この辺でキミが一番強かったのかもしれない。
ドラゴンは青白い光を放つと大きな魔石を残し消えていった。
落ち込むルピに、いなくなったもんは仕方ないでしょ!とロッソが呆れつつ慰めていた。
ルピはいつまでも、だって!や、もう少し見てたかったんだもん!と駄々。そんなルピはロッソに任せて、僕は魔石の回収をしよう。
うーん。これ僕の背よりも大きい。これは1人じゃ持てないな。でも、こんな大きな魔石をコリーは何に使うつもりなんだろう?
ゲーハさんに持って行ったら、また変なもの持って来やがって!って言われるかなと思うと、少し笑ってしまう。
「ねぇ、これ入れるの手伝って?」
『ほら、行くわよ。また別のドラゴン探しに行けば良いじゃない』
『ロッソ付いて来てくれる?』
『仕方ないわね』
ロッソがドラゴン探しに付き合ってくれると言ってくれたのが嬉しかったらしく、ルピの機嫌は治ったみたいだ。ルピの扱い方が僕よりも上手になって来てるよ。2人に手伝ってもらって、無事魔石を回収。
帰りはルピの結界はそのままなので、暑くなく快適に洞窟を抜けられた。
「じゃぁ帰ろうか」
『うん!帰ろう!』
ドラゴンは思ったよりも早く倒すことができた。外に出て来た時には真っ暗だったけど、あの中でお泊まりにならなくて心底良かった…。
帰り道、ロッソがキッコリーナがいた泉を上からで良いから見たいと伝えて来た。気になるんだね。僕も少し気になってる。
ルピに伝えると、わかった!と応えてくれた。
一泊は火山を出た洞窟の外でとり、その後3日かけて泉の近くへと戻って来た。2人とも魔物の肉には抵抗がもうないらしく、僕はこの3日間ひたすら食事係だった…。
『見えて来たわね』
『ロッソ下りなくて良いの?』
『下りなくて良いわ。ちょいちょい気にかけてもらえると思われても困るもの』
そう言いながらコッソリ、ロッソは見に来そうな気もするけどねと僕は思った。上から下を見ると、キッコリーナやその他の種族が一生懸命育てているのが見える。
まだ実は出来てないし、大きな木にもなっていない。ただ、そこからは小さな小さな若木が力強く出ていた。
『ちゃんとやっているようね』
「嬉しそうだねロッソ」
『違うわ!放り投げるのが嫌なだけよ!』
照れ隠ししてるのバレバレだけど、ロッソが優しいのは僕達が知ってるから大丈夫だよ。
それからもう暫く飛ぶと、家が見えて来た。僕達の気配に気づいたコリーが家の外まで迎えに来てくれる。
暫く離れていたせいか、あぁ帰って来たんだなって思える。着実に、僕の中でこの家が僕達の家となって来てるんだろうな。
『主人や、ご苦労だったの。予定より早くてビックリじゃ』
「2人が頑張ってくれたからね」
『あのね!コリーの家族見つけたよ!』
ホッホッホ!そうかそうか。元気にしておったか?と嬉しそうにルピとロッソの話しを聞くコリー。そんな姿を見てると僕まで嬉しくなる。
『そうじゃ主人よ。良いものがあるぞ』
「いいもの?」
『ルピもいいもの欲しい!』
『よいよい。皆んなに用意してあるからの』
なんだろう?ここ数日の間に、何か用意してくれたのかな?
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