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60話食べれるんだって…。

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「おう!家は順調か?」

「はぁ。まぁぼちぼち」

「なんだなんだ。辛気臭いやつだな」

コリーが獣臭いという肉を僕は食べることを考えると辛気臭くもなるよ。

ロッソもルピも食べたことあるのかな。食べたことがあって美味しいから、食べたいと言ってるならわかるけど興味本位ならお断りしたい。

「あの、ルピ達が魔物討伐に行ったら肉が出て来たんですけど」

「幸運すごいのに肉が出たのか。確か不幸のネックレスはもう役に立ってないだろ」

「まぁ、それがいろいろありまして。食べれるものか見てほしいんですけど」

「構わないが、肉が出たなら食えるに決まってるだろ」

なんで見もせずにそれを言えるのかな。魔物倒して肉が出たなら食えるに決まってるだろって、鶏とは違うんだからね!

しぶしぶマジックボックスの中から初めて肉を出しゲーハさんの前に出す。
肉は丁寧に大きな葉に包まれていて、ルピが精霊さんが包んでくれたんだよ!と教えてくれた。

「これはコカトリスの肉だな。唐揚げなんかにすると最適だぞ!こっちはロートンか。これはな、厚く焼いてかぶりつくとたまらないんだ…美味そうだな…」

「唐揚げって…。まさか、マーヤさんが作ってくれる唐揚げってコカトリスのお肉なの!?」

「コカトリスはお前Bランク討伐依頼の魔物だ。一般市民がしょっちゅう食えるか。一般市民に出回ってるのは、飼育されてる鶏だ」

それを聞いてほっとした。知らないうちに魔物のお肉食べてるのかと思ったら、鶏だって元は魔物だ。
手軽に食いやすいように、勇者たちが研究に携わって品種改良したものだと言われた。

ガーン…。僕知らないうちに魔物食べてたんだ。美味しかったから良いのか。それに元魔物だしね。他のものも出して行く。

「お前、こりゃぁ高級品じゃないか。ジャイアントグリズリーの熊胆なんてめったに取れない高級品だぞ」

「はぁ。それ食べれるんですか?」

「アホか。これは苦くて食えんが薬の材料の一つになる。いらないなら買い取らせてくれ」

薬作る予定なんてないし、一つ残して熊胆は買い取ってもらうことにした。それ以外の肉は全て食用可能だそうだ。

あとスレッドスパイダーの糸は取るのがかなり大変らしく、Sランク指定の糸らしい。
見つけても素早く逃げられるか、脅そうとすると大きさが人間の子供サイズもあるため逆に脅されてしまう。
数人がかりで囲い込んで、ようやくとれる糸だと言われた。
それをほいほいとってくる精霊ってどうなの。

「あと、魔石と討伐証明部位もあるので一緒に買い取ってください」

「これだけの数あるとすぐには無理だな。明後日にでもまた来てくれ」

「わかりました」

「あぁ。そうだ。肉は焼いただけだと臭くて食えたもんじゃないぞ。ちゃんと下ごしらえしてから食えよ」

そんなこと言われても、下ごしらえなんて僕にはわからないよ。
ゲーハさんはこの後予定が入ってるからと忙しそうにしていたため聞くに聞けず冒険者ギルドを後にした。マーヤさんに相談したらわかるかな。

『ハヤト、お肉食べないの?』

「え…。いや、食べるよ‼美味しく食べなきゃね!」

『無理してるの見え見えよ』

ロッソ、そこは空気読んで黙っててよ!僕は食べる。魔物だろうが何だろうが、僕は食べるさ。
僕の可愛い従魔たちが取ってきたくれたんだ。食べるよ。食べなきゃダメ…だよね。

「美味しく食べたいから、マーヤさんに聞いてみようか」

『唐揚げが良い!』

「そうだね、揚げると美味しいって言ってたもんね」

僕、覚悟を決めるんだ。お腹を壊そうが、吐き気に襲われようが、僕には健康な体があるじゃないか。
さぁ、覚悟を決めるんだ。そう考えてるうちにドリーの前についてしまった。

「おや、ハヤト。どうしたんだい。まだ昼過ぎだよ」

「あの…  魔物の肉の調理法が聞きたくて」

「魔物の肉?わかればいいけど、後でもいいかい?まだ手が離せそうになくてね」

大丈夫です。お店が終わった頃にまた来ますと伝えてコリーの元へと戻る。動揺しすぎた。店の時間も考えずに行くなんて、すごい迷惑かけちゃったよ…。

『主人や、昼飯の時間じゃ』

「あ、りんごね。今出すから」

 『弁当が良いぞ。あれは食べるに値する味じゃ』

ここにもう1人弁当食べ要員が増えました。まだ僕はルピとの服を合わせても銀貨数枚しか払ってない。
これで従魔増えたんで弁当増やしてくれませんかとは言いづらい…。
しばらくは僕の分を食べてもらうしかないかな。僕はリンゴかじれば良いか…。

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