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34話生えちゃった…。
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種を蒔き終えると、ルピが最後の仕上げともう一度水を蒔いた。どれぐらいで芽が出るのか楽しみだな!
『ハヤト、リンゴの種ちょうだい』
「え?種ってあの丸いやつ?」
『うん』
ちょっと待ってねと森で取って食べたリンゴの種を渡した。道中食べ終えた後の種をアイテムボックスに入れておいたの忘れてた。よくルピ覚えてたな。
ルピが日がよく当たる場所はと庭の右角に種を植え始める。
「ルピ、勝手にお庭は掘っちゃダメだよ」
『ダメなの?』
「うーん…畑は良いって言われてるけど、あとで謝ればいいか」
昔食べたスイカの種を庭に植えたことがあるけど、芽が出ても実がなることはなかった。
その時母親に育てるように作られた種じゃないと難しいのよと言われたため
この時も生えないだろうけどルピの気が済むなら良いかぐらいにしか思ってなかった。
『終わったー♪』
「そっか!芽が出るの楽しみだね!」
『うん!』
「そういえばギルドで出した鳥さん消しちゃったけど、ドラスさん達に渡さないの?」
『今はまだダメなの』
ゲーハさんが難しいって言ってたから、ずっと出しておくのは無理なのかもしれない。ドラスさん達の身の安全を考えると、家は早いうちに出た方が良いのかもしれないな…。
その日はルピとたくさん遊んだ。お腹空いたと何度もパンをねだられたため、寝る頃にはアイテムボックスの中のパンが半分以上無くなってしまった。
翌朝起きるとルピはパン屋のお手伝いをしながら、モリモリとパンを食べたらしい。その後も、作りがいがあるさね!と朝から大量の朝ご飯を食べていた。
この食欲、大丈夫かな…。無理させてるんだよね…。
『畑見に行く』
「うーん…まだ芽は出てないだろうけど、お水あげに行こう!」
できてるよ?と首をかしげてくるルピが可愛い!
今日の服装も青いワンピースに可愛いお花の刺繍がしてあって、ルピの可愛らしさをより一層引き立ててる。
天才だよマーヤさん!
ルピはできてるよと言うけど、早々芽は出ない。芽が出てない…としょんぼりするルピを想像すると可哀そうだけど、一緒に見守ろう。
そう思いながら庭に行くと、みずみずしい薬草が畑になっていてリンゴの木が…生えてる…。
「ルピ、芽が出るどころか生えてるんだけど…」
『そうだよ?できてるよって言ったよ?』
うん…。首をかしげてくるルピが可愛いよ…。可愛いけど、僕には理解できない。
だって1日で畑に薬草ができてリンゴの木が生えるなんて普通は思わないでしょ。もうルピがやることを普通の基準にあてはめて考えるのはやめよう…。
「これはもう、とってもいいの?」
『大丈夫だよー。でもリンゴは全部とっちゃダメ』
「さすがに全部はとらないけど、何かに使うの?」
『鳥さんのエサにするの』
そういうと、ルピは昨日の鳥2羽とさらにもう2羽鳥を出した。鳥がリンゴの木に止まり実をつつくとパァーーと光、実が消えた。
「今あれなにしたの…?」
『ご飯食べてるの』
「うん。そうなんだ…」
『うん!1日3つ食べるから、全部とっちゃダメなの』
「1羽が3つってことだよね?ってことは12個必要なんだね。でも、毎日そんなにたくさんできるの?」
『できるよー』
「そっか。でも、毎日できるなら僕達でも食べきれるかな…。落ちたら腐っちゃうね。どうしよう」
『落ちないよ?』
もう驚かない。うん。僕は驚かない。リンゴは落ちない果物なんだよ。
リンゴが落ちるのを見て万有引力を発見した人がいた気がしたけど、僕の聞き間違えなのかもしれない。
きっとそうだよね。
ルピが言うにはリンゴはある数なると、それ以上は増えず落ちることもなく木になっているらしい。
そして鳥を4羽出した理由は、4羽が交代でエサを食べに行き常に2羽はドラスさん達の側にいてくれるそうだ。
万全体制だね!
「おーい。ハヤト。俺はギルドに向かうがお前達はどうするんだって、どうなってるんだ⁉」
「あ、ドラスさん。すいません。庭に種植えてしまって」
「種⁉目の前にあるのは木じゃないか!」
「あの、昨日リンゴの種植えたら生えちゃって…」
「そ、そうか…。ルピがやったのか?」
「はい。僕もまさか生えると思わなくて…。すいません」
「いや…。別に構わないんだが…。そうか…。母ちゃんがビックリするといけないから、説明しといてくれ」
「わかりました」
ドラスさんに鳥の事も話し、驚くことを諦めたようだった。僕も同じ気持ちだよ、ドラスさん。
マーヤさんにも事情を伝えると、やっぱりルピはおりこうさんだねぇとべた褒め。
ただ、食べ物を売っているお店で鳥が飛びまわるのは困るから、店の目立たない隅に止まっておいてくれればいいさということだった。
薬草とリンゴをとってアイテムボックスに入れる。昨日のお礼もかねてゲーハさんのお土産にしよう。
依頼に薬草採取があったから、もしかしたらこの薬草で達成できるかもしれないしね!
『ハヤト、リンゴの種ちょうだい』
「え?種ってあの丸いやつ?」
『うん』
ちょっと待ってねと森で取って食べたリンゴの種を渡した。道中食べ終えた後の種をアイテムボックスに入れておいたの忘れてた。よくルピ覚えてたな。
ルピが日がよく当たる場所はと庭の右角に種を植え始める。
「ルピ、勝手にお庭は掘っちゃダメだよ」
『ダメなの?』
「うーん…畑は良いって言われてるけど、あとで謝ればいいか」
昔食べたスイカの種を庭に植えたことがあるけど、芽が出ても実がなることはなかった。
その時母親に育てるように作られた種じゃないと難しいのよと言われたため
この時も生えないだろうけどルピの気が済むなら良いかぐらいにしか思ってなかった。
『終わったー♪』
「そっか!芽が出るの楽しみだね!」
『うん!』
「そういえばギルドで出した鳥さん消しちゃったけど、ドラスさん達に渡さないの?」
『今はまだダメなの』
ゲーハさんが難しいって言ってたから、ずっと出しておくのは無理なのかもしれない。ドラスさん達の身の安全を考えると、家は早いうちに出た方が良いのかもしれないな…。
その日はルピとたくさん遊んだ。お腹空いたと何度もパンをねだられたため、寝る頃にはアイテムボックスの中のパンが半分以上無くなってしまった。
翌朝起きるとルピはパン屋のお手伝いをしながら、モリモリとパンを食べたらしい。その後も、作りがいがあるさね!と朝から大量の朝ご飯を食べていた。
この食欲、大丈夫かな…。無理させてるんだよね…。
『畑見に行く』
「うーん…まだ芽は出てないだろうけど、お水あげに行こう!」
できてるよ?と首をかしげてくるルピが可愛い!
今日の服装も青いワンピースに可愛いお花の刺繍がしてあって、ルピの可愛らしさをより一層引き立ててる。
天才だよマーヤさん!
ルピはできてるよと言うけど、早々芽は出ない。芽が出てない…としょんぼりするルピを想像すると可哀そうだけど、一緒に見守ろう。
そう思いながら庭に行くと、みずみずしい薬草が畑になっていてリンゴの木が…生えてる…。
「ルピ、芽が出るどころか生えてるんだけど…」
『そうだよ?できてるよって言ったよ?』
うん…。首をかしげてくるルピが可愛いよ…。可愛いけど、僕には理解できない。
だって1日で畑に薬草ができてリンゴの木が生えるなんて普通は思わないでしょ。もうルピがやることを普通の基準にあてはめて考えるのはやめよう…。
「これはもう、とってもいいの?」
『大丈夫だよー。でもリンゴは全部とっちゃダメ』
「さすがに全部はとらないけど、何かに使うの?」
『鳥さんのエサにするの』
そういうと、ルピは昨日の鳥2羽とさらにもう2羽鳥を出した。鳥がリンゴの木に止まり実をつつくとパァーーと光、実が消えた。
「今あれなにしたの…?」
『ご飯食べてるの』
「うん。そうなんだ…」
『うん!1日3つ食べるから、全部とっちゃダメなの』
「1羽が3つってことだよね?ってことは12個必要なんだね。でも、毎日そんなにたくさんできるの?」
『できるよー』
「そっか。でも、毎日できるなら僕達でも食べきれるかな…。落ちたら腐っちゃうね。どうしよう」
『落ちないよ?』
もう驚かない。うん。僕は驚かない。リンゴは落ちない果物なんだよ。
リンゴが落ちるのを見て万有引力を発見した人がいた気がしたけど、僕の聞き間違えなのかもしれない。
きっとそうだよね。
ルピが言うにはリンゴはある数なると、それ以上は増えず落ちることもなく木になっているらしい。
そして鳥を4羽出した理由は、4羽が交代でエサを食べに行き常に2羽はドラスさん達の側にいてくれるそうだ。
万全体制だね!
「おーい。ハヤト。俺はギルドに向かうがお前達はどうするんだって、どうなってるんだ⁉」
「あ、ドラスさん。すいません。庭に種植えてしまって」
「種⁉目の前にあるのは木じゃないか!」
「あの、昨日リンゴの種植えたら生えちゃって…」
「そ、そうか…。ルピがやったのか?」
「はい。僕もまさか生えると思わなくて…。すいません」
「いや…。別に構わないんだが…。そうか…。母ちゃんがビックリするといけないから、説明しといてくれ」
「わかりました」
ドラスさんに鳥の事も話し、驚くことを諦めたようだった。僕も同じ気持ちだよ、ドラスさん。
マーヤさんにも事情を伝えると、やっぱりルピはおりこうさんだねぇとべた褒め。
ただ、食べ物を売っているお店で鳥が飛びまわるのは困るから、店の目立たない隅に止まっておいてくれればいいさということだった。
薬草とリンゴをとってアイテムボックスに入れる。昨日のお礼もかねてゲーハさんのお土産にしよう。
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