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OLは猛獣に翻弄される

04.その時だけは、恋人のように甘えてみる

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 拒絶の言葉を閉じ込めるように重なったクロードの唇は離れてくれず、腰の動きが激しくなるのに応じるように彼の舌は紗智子の舌に絡まり、口付けは深くなっていく。
 激しく子宮口を穿たれる快感と、長いディープキスで呼吸がしにくい息苦しさで、飲み込めなくなった唾液が紗智子の口の端から流れ落ちた。

「ぅん、んんー」

 高まる快感によって目の前が真っ白に染まっていき、高められた快感が限界に達した紗智子は全身に力を入れ、クロードの背中に爪を立てて達した。

「はぁはぁっ」

 紗智子が達したことで、収縮を始めた膣壁が陰茎を締め付け、クロードは彼女の唇を離して息を吐いた。
 眉間に皺を寄せて荒い息を吐き、目元を赤く染めたクロードの顔を見た紗智子の蕩けた思考は、彼が達しかけていることに気付き一気に冷めていく。

「駄目ー!」

 衝動に抗わず、亀頭を子宮口にめり込ませて膣内射精をしようとしていたクロードの胸を、紗智子は力いっぱい押した。

「くっ」

 声に反応したクロードは腰を引き、間一髪、引き抜かれた陰茎の亀頭から迸る精液は、紗智子の腹に放出された。

「あ、熱い」

 腹に出された大量の精子を人差し指で掬い取り、紗智子は荒い呼吸を繰り返すクロードを見上げた。

「クロード、さん。外に出すのでも、駄目。ちゃんと着けて」

 腹の上に出された大量の精液。
 これだけの精液を膣内で射精されていたら、排卵日の近い今は妊娠する可能性があった。

 乱れた前髪を掻き上げたクロードは、無言でヘッドボードの棚の上に置いてあるボックスティッシュからティッシュを数枚取り、紗智子の腹に出した精液を拭う。
 精液を全て拭い終わると、使ったティッシュを丸めて床に放り投げて、紗智子の臍の上を撫でる。

「……悪かった。我慢が出来なかった」
「ええ?」

 常に高慢な態度のクロードが、すんなり謝ったことと彼が感情を優先させたことに驚き、紗智子は目を丸くした。

 ズボンのポケットから黒色のコンドームを取り出して、袋の端を口に咥えたクロードは下着ごとズボンを脱ぐと床へ放る。
 口に咥えた袋を開けて、一度射精したとは思えないほど勃ち上がって陰茎に手を添え、コンドームをかぶせていく。

「また、するの?」

 絶倫な彼が一回で満足しないのは分かっていても、週半ばで抱き潰されるのは仕事と体力的に止めてほしい。
 手加減して欲しい、という願いを込めて紗智子は訊いた。

「一回では足りない」

 ニッと笑ったクロードは、紗智子の手首を掴んで上半身を引き起こすと、彼女の脇の下に手を回して抱き上げた。
 縦抱きにした紗智子を片手で抱えて、クロードはベッドに腰掛ける。

「あっ」

 コンドームをかぶせた陰茎が尻の割れ目を擦り、紗智子はビクリと肩を揺らした。

「クロードさん、これ好きだね」

 この一月の間で、普段は素っ気無い態度をとるクロードがセックスの最中は密着したがることと、対面座位が好きなのだと知った。
 肩を抱くクロードの手に逆らわず彼の肩に寄りかかり、紗智子は火傷と刃物による傷痕が残る胸にそっと触れる。

「お前は、嫌いか?」

 耳にあたる吐息がくすぐったくて、目を閉じた紗智子は首を横に振った。

「ううん、好き。いっぱいぎゅって出来るから」

 頬を赤く染めて紗智子が答えると、クロードは目を開いてゴクリと唾を飲み込む。
 無言のまま、彼女の左脇の下に手を入れて片手で背中を支えて、抱き上げた。

「クロードさん? まっ、あぁあっ!」

 抱き上げられた紗智子は、クロードが何をしようとしているのか気付き制止の声をかけるが、言い終わる前に勃ちあがった陰茎の上に落とされた。

「あん、ああ」

 秘部を貫いた陰茎は自重で最奥へ進み子宮口を穿ち、軽く達しかけた紗智子はクロードの肩にしがみつく。

(これ、クロードさんにしがみついていられるから、好き。それに、奥が気持ちいい)

 クロードの腰を突き上げる動きが激しくて、紗智子の思いは言葉にならず代わりに首に腕を回してキスを強請る。
 唇を重ねて舌を絡ませてあう水音と、二人の動きに合わせて揺れるベッドが軋む音が響いた。

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