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猛獣との出会い

  猛獣に喰われる②

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 カチャカチャ。

 ベルトを外す音が聞こえてテレビ画面へ向いていた紗智子の意識は、ソファーの脇に膝をついているクロードへと戻った。

「この一か月間、お前のことばかり考えていた」

 早急な手つきで、しゅるりとズボンからベルトを抜き取り床へ放る。

「俺に気に入られたのは、お前の運が悪かったとしか言えない。避妊はちゃんとする。もう諦めて、俺に抱かれろ」

 否とは言わせない口調で、クロードはスラックスのポケットに人差し指と中指を入れて取り出したコンドームの袋を、口に咥えて勢いよく開けた。

(口で……ええっ?)

 成人向け漫画の男性キャラのような、器用な袋の開け方に感心して一瞬意識が逸れた紗智子は、クロードがボクサーパンツから取り出したモノを見てしまい、ギョッと目を見開いた。

「待って! 待ってよ!」
「何だ?」

 黒色のコンドームを陰茎に装着していたクロードの手が止まる。

「無理っ、そんなの入らないってば」

 腕に力を入れて上半身を起こした紗智子は、臍につきそうなくらい反り返った彼の陰茎を指差す。
 太さといい長さといい、元彼とは比べ物にならないくらいの大きさの陰茎は、黒色のコンドームに包まれているせいか杭にしか見えない。
 とてもじゃないが膣に入るとは思えず、顔色を悪くした紗智子は首を横に振る。

「はっ何言ってやがる。前は何度も此処に入ったんだぞ」

 愉しそうに笑うクロードは片手で陰茎を持ち、切っ先を秘所へ当て往復させる。
 秘所の入り口を擦られる度に、厭らしい水音がするくらい愛液に濡れている様は、駄目だと口で言っても全く説得力がないことを思い知らされる。
 擦り付けられる陰茎の熱さと質量に紗智子は身震いした。

「いくら何でも、大きすぎて無理よ。入らない、裂けちゃ、あっ」
「もう黙れ」

 クロードの唇が反論する紗智子の唇を塞ぎ、行き場を失った声はくぐもった音にしかならなかった。
 啄むキスをしながら肩を軽く押され、紗智子の上半身はソファーへ押し戻されてしまう。

「力を抜いていろ」

 耳元で囁いたクロードは太股を抱え、愛液を零す秘所の入口へ陰茎の切っ先をあてがう。

「いやぁっ、あっあぁ!」

 太い陰茎が奥を目指して突き進み、メリメリという音が聞こえてきそうなくらい、膣が広げられているのが分かる。
 この太い杭が本当に何度も入ったのかと、問い詰めたくなるほどの圧迫感と異物感に歯を食いしばる紗智子の目から、ポロポロと涙が零れ落ちた。

「はぁ……」

 膣の狭さにクロードも眉を寄せ、ニヤリと口角を上げた。

「くっはぁ、狭いな。もう少しだ。この狭さ、はっ俺以外は入っていないのか」

 この狭さは、紗智子が他の男に抱かれていない証拠。息を吐いたクロードは、彼女の最奥へと腰を押し進めた。

「あぅ、おっきぃ苦し、ああっ」

 陰茎が最奥まで到達した衝撃を感じ、紗智子は顔を上げて二人の隙間が無くなったのを確認した。
 自分の最奥を突かれるという初めての感覚と息苦しさで、声も出せず口を開閉させて喘いだ。

「はぁ、やはりな」

 締め付けられる気持ちよさで眉を寄せたクロードは、堪えきれずクツクツ声を出して笑う。

「これは、イイな。はぁ、堪らない。もう、動くぞ」

 色っぽい息を吐き、うっとりと微笑んだクロードは壮絶な色気を放ち掠れた声で言う。
 宣言通り、太股を抱えられ開始した律動は初めこそ優しく、直ぐに穿つ速度を増していく。
 長大な陰茎から与えられる圧迫感と苦しさを和らげようと、紗智子はクロードの背中へ手を回してしがみつく。

「あっあっあぁ~」

 陰茎が奥を突く度に、広がった膣壁を擦る度に、圧迫感とは異なる感覚が生じる。
 この感覚が快感だと脳が認識し、快感に堕ち狂ってしまうかもしない恐怖に震えた。

「まって、まだ、あっああんっ」

 同意無しのセックスをされているのに、この男から与えられる刺激が苦痛ではなく気持ちいいものだと自覚した途端、強烈な快感に体が支配される。
 もっと奥を突いてもっとコレが欲しいとねだり、無意識に紗智子の腰が揺れてしまう。
 激しくなる二人の動きに、ソファーが悲鳴のように軋む。

「あぁっ、あんっああっ!? おく、おくは、だめっぐりって、あぁへんになる。そればっかり、やああっ」

 ソファーの座面に爪を立てて逃げようとする紗智子の太股を抱え直し、クロードは腰を回しながら子宮口を目指して穿つ。

「ふっ、知ってるさ。奥が好きなんだろう? もっと、もっと欲しがれよ」
「もう、もう、イッちゃう、だめっイくぅ」

 限界まで高まった快感は弾ける寸前まで膨らみ、目の前がチカチカと点滅する。

「はっ、イけよっ」
「あっああぁあー!!」
「くっ、はぁ」

 強く突かれた瞬間、叫び声を上げて盛大に達した紗智子の膣は、さらに動こうとする陰茎を締め付ける。
 収縮する膣壁が精液を搾り取ろうとうごめく気持ちよさに、小さく呻いたクロードの動きが静止した。

「おく、あつい」

 コンドーム越しに吐き出される熱を感じ、クロードの背中へ回していた紗智子の腕から、力が抜けていきソファーへと落ちた。

 未だ硬度を保つ陰茎が膣から抜け出ていく感触すら快感となり、「あんっ」という甘い声が出てしまった。
 達した余韻で力が入らない体をソファーへ預けた紗智子は、精液入りのコンドームを陰茎から外すクロードをぼんやりと見る。

「んっ」

 視線に気付いたクロードは、触れるだけのキスを彼女の頬へ落とす。
 リップ音を立てて、何度も落とされるキスがくすぐったくて、紗智子は顔を動かしてキスから逃げた。

「俺とお前は、体の相性が最高にイイらしい」
「あいしょう……?」
「こういうことだ」

 ぼんやりと呟いた紗智子の太股に固い物が当たる。

「たった一回では、足りない。一月分は抱かなければ、コレは静まらない」
「一月分……」

 射精したばかりなのに、全く満足せず情欲をぶつけてくるクロードの瞳に映る紗智子の顔は、彼と同じく欲に飲まれた上気した表情だった。
 コクリと唾を飲み込み、紗智子は腕を伸ばす。

「まって」

 伸ばした手に指を絡めて顔を近付けるクロードの首へ、両腕を回して紗智子は抱き着いた。

「まって。此処じゃ、いや」
「くっ、分かった」

 抱き着く紗智子の膝の裏へ手を回したクロードは、彼女の体を抱き上げて寝室へ向かった。
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