157 / 409
後後31 南部港の商会支店
しおりを挟む朝食は宿で取った。夜釣ったいかの刺し身があるというのでそれで。
イカは捌くまで生け簀に入れておいたらしく、身は透き通って、、、
「初めて食った、こんなの。うまいっすね、、、こんな新鮮なの食べたことあります?」
「ああ、、どこだったか、阿波か伊豆か?遠出した時、釣って食ったおぼえがあるぞ。確かにこれくらい美味かったと思う」
「へぇ、、俺初めて、こんなの」
「北の登っちゃ、もう食えんからな、よかったな」
「魚だったら、あの海で取ったのを食べた時、あれは刺し身も上手かったけど、焼いても美味かったっすよねぇ、、。新鮮だと何しても美味いんですかねー」
「だろうなぁ、、ま、何にせよ、ここで新鮮な海の幸を食いまくるぞ!」
「うすっ!!」
食事が終わったら、いい時間だった。なので、まず商会探しに行こうと、一応宿の者に「東武商会」ってのが最近出来なかったか聞いた。
知っていた。
あれー?なぜ?
「あれじゃないか?ほれ、ここはもう武国内なんで、東武っつーだけで気にされるんじゃないか?」
「あー、、、、なんか国内では目立ってるそうだから?目の敵にされているから?」
「まぁ、、だな。いろいろ。」
まぁいいや、と、
宿を出て聞いた方向に向かった。
で、
すぐに見つかった。
入って、名乗って、支配人に取次を頼んだら、すぐ側に居た。
「もうそろそろいらっしゃるかと、、」
・・・・・・・
(ここまでくると、怖いものがあるな、、)泉さん
(ええ、福田さんに逆らわないほうがいいかもww)
(でも、もしかしたら昨日からこーやって待ってたり、、)
(その手があったか、、、それはそれで怖いぞ?)
かなり小声で言ったつもりだが、、、
なんか支配人の態度がぎこちなくなった。
泉さんの最後の方の「怖いぞ」がぐさっときたのかな?
ーー
支配人室に案内され、席に付いたらすぐに泉さんが先に切り出した。
「早速で悪いが、各国との軍事関係の現状を知りたい。」
「はい、こちらに、、」
と、支配人はテーブルに紙を広げた。
相関図様になっている。関係者も記載されている。
わざわざ紙に書いたのは、わかりやすくするためなのかな?
それとも、聞き耳を恐れてなのかな?
現時点では、西の国に対しての重要機密ではあるからね。
泉さんはそれをじっくり見て、納得したように頷いた。
支配人は、それを側の火鉢の上で燃やした。
各国に転移門が設置済み。武国から軍事顧問が行っているところ、部隊が武国に研修に来ているところ、なども記載があった。これからの予定も。セルゲイチーム、来る様だ。
それからいろいろ聞いた。
福田さんは、遠征から帰ってきたら結婚予定。
戦艦は最後の3隻が航行試験中。
泉さんと俺は先陣に入っている。小館隊、いずみ隊も。
主要街道は道が整備された。
農国と一般技術提携をしたこと。他国も興味を持っていること。
人材交流に関しても、各国担当が集まる話が進んでいる。転移門があるので、いろいろ動きは活発。
他、遠征に関しては領地に帰国してから領主様にお尋ねください。
などであった。
「転移門を動かすための魔法使いは、どっかから借りられてるのか?」
「はい、農国や日のいずる国が提供を申し出てくれています。」
転移門を動かすには強い魔力が必要と聞いており、これだけの国の多数の転移門と行き来となると、結構な魔力持ちの魔法を使える者が多く必要に成る。無駄には使わないが、ケチケチ使かっていては意味がないのだから。
「勿論ここにも作ろうとかしているんだろう?」泉さん
・・・・・
「はぁ、、一応、そういう話もでましたが、、余力ができたら、ということになっています。”それまでは街道整備して王都まで行き来しやすくしてやるから”と。おかげでかなり道がよくなりましたけどね。
あと、河川の運河としての利用がかなり多くなって、、便利ですよ。」
「遡上もできるのか?」
「場所によります。多くはないです。また、帆を利用するので、不定期的です。あったらツイていた、みたいに思っているほうがいいですね」
「なるほどな、、まぁ、、、」
そうかー、、仕方がないか、遡上用のレール作ってもらい、船台車に船を乗せて数頭建てで牽かせるもの考えてみるか。
支配人に場所を提供してもらい、紙と筆も借りた。
数時間こもる。
川船はそんなにでかくない。細長いのが一般的。10人乗り程度のモノが多い。
なので、台車にでかいベアリングを付ければさほど馬に負担かからず川上に曳いていけるだろう。
昔の日本の渓流とかでは、なんか人夫達が担いで山を登ったとかいう話も聞いたことあるし。それよりまずっと楽でマシだろうと思う。
川がないところでは線路馬車として、上下2本曳いて使えることもおまけとして書いた。
早く、静か、馬が楽、がメリットと成る。
「簡単なものですが、、無いよりいいかも。」
と言って支配人と泉さんに見せた。
「何か気づくことあったら言ってください。改良出来る部分はしてみます。」
「帆を付けたら、場合によっては楽だな」泉さん
図面を付け足す。台車の後側に取付可能の帆の図面。
大体でいいのだ。福田さんのところでやり直してくれるだろう。
で、後は何も出ないので、それを福田さんのところに送ってもらった。小さな転移陣で。
「お疲れ、んじゃ刺し身食べに行くぞ!」泉さん
0
お気に入りに追加
147
あなたにおすすめの小説
ただしい異世界の歩き方!
空見 大
ファンタジー
人生の内長い時間を病床の上で過ごした男、田中翔が心から望んでいたのは自由な世界。
未踏の秘境、未だ食べたことのない食べ物、感じたことのない感覚に見たことのない景色。
未だ知らないと書いて未知の世界を全身で感じることこそが翔の夢だった。
だがその願いも虚しくついにその命の終わりを迎えた翔は、神から新たな世界へと旅立つ権利を与えられる。
翔が向かった先の世界は全てが起こりうる可能性の世界。
そこには多種多様な生物や環境が存在しており、地球ではもはや全て踏破されてしまった未知が溢れかえっていた。
何者にも縛られない自由な世界を前にして、翔は夢に見た世界を生きていくのだった。
一章終了まで毎日20時台更新予定
読み方はただしい異世界(せかい)の歩き方です
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたり奴隷を買ったりする話
菊池 快晴
ファンタジー
無難に生きて、真面目に勉強して、最悪なブラック企業に就職した男、君内志賀(45歳)。
そんな人生を歩んできたおっさんだったが、異世界に転生してチートを授かる。
超成熟、四大魔法、召喚術、剣術、魔力、どれをとっても異世界最高峰。
極めつけは異世界にいながら元の世界の『ネットショッピング』まで。
生真面目で不器用、そんなおっさんが、奴隷幼女を即購入!?
これは、無自覚チートで無双する真面目なおっさんが、元の世界のネットショッピングを楽しみつつ、奴隷少女と異世界をマイペースに旅するほんわか物語です。
25歳のオタク女子は、異世界でスローライフを送りたい
こばやん2号
ファンタジー
とある会社に勤める25歳のOL重御寺姫(じゅうおんじひめ)は、漫画やアニメが大好きなオタク女子である。
社員旅行の最中謎の光を発見した姫は、気付けば異世界に来てしまっていた。
頭の中で妄想していたことが現実に起こってしまったことに最初は戸惑う姫だったが、自身の知識と持ち前の性格でなんとか異世界を生きていこうと奮闘する。
オタク女子による異世界生活が今ここに始まる。
※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。
死霊王は異世界を蹂躙する~転移したあと処刑された俺、アンデッドとなり全てに復讐する~
未来人A
ファンタジー
主人公、田宮シンジは妹のアカネ、弟のアオバと共に異世界に転移した。
待っていたのは皇帝の命令で即刻処刑されるという、理不尽な仕打ち。
シンジはアンデッドを自分の配下にし、従わせることの出来る『死霊王』というスキルを死後開花させる。
アンデッドとなったシンジは自分とアカネ、アオバを殺した帝国へ復讐を誓う。
死霊王のスキルを駆使して徐々に配下を増やし、アンデッドの軍団を作り上げていく。
いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!
町島航太
ファンタジー
ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。
ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。
ゴミスキル『空気清浄』で異世界浄化の旅~捨てられたけど、とてもおいしいです(意味深)~
夢・風魔
ファンタジー
高校二年生最後の日。由樹空(ゆうきそら)は同じクラスの男子生徒と共に異世界へと召喚された。
全員の適正職業とスキルが鑑定され、空は「空気師」という職業と「空気清浄」というスキルがあると判明。
花粉症だった空は歓喜。
しかし召喚主やクラスメイトから笑いものにされ、彼はひとり森の中へ置いてけぼりに。
(アレルギー成分から)生き残るため、スキルを唱え続ける空。
モンスターに襲われ樹の上に逃げた彼を、美しい二人のエルフが救う。
命を救って貰ったお礼にと、森に漂う瘴気を浄化することになった空。
スキルを使い続けるうちにレベルはカンストし、そして新たに「空気操作」のスキルを得る。
*作者は賢くありません。作者は賢くありません。だいじなことなのでもう一度。作者は賢くありません。バカです。
*小説家になろう・カクヨムでも公開しております。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる