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後後30 船の旅。入港。
しおりを挟む船での食事は、一般的には米のご飯が出ないという。米を炊く時に研ぐので水を多く無駄にするからだ。
この船でも、昨晩はパスタ、今朝はパンだ。勿論パンの場合、その分おかずの量が多い。ご飯だったらおかずは、この半分でいいかな、くらいだ。
多分、他はシチとか、蒸し魚とかが出てくるのではないだろうか。船籍元の南方料理はごはんを食べるので、多分到着間際にでるかでないか、くらいではないか?。最後に水が余ってればご飯を炊く。なければパンで、みたいな感じじゃなかろうか?
今日も甲板でごろ寝。泉さんはちびちび酒をやっている。船酔いはなくなったようだが、すること無いんで飲んでる?
「泉さん、、西の国に行くときは、外洋ですよねー」
「ああ、そうなるよなぁ、、憂鬱だわ、、」
「俺も沿岸なら大丈夫だけど、、外洋は自信無いですわー」
「船員以外、みなやばいんじゃねーかなぁ」
「あ、もしかしたら、、陸軍は少しだけで、向こうに拠点確保し、転移門作るとか?」俺
「俺らはそれ使えるのかな?」
「いや、先に行く組に入れられるでしょ、絶対にw」
「だよなぁ、、」
「人狼達、絶対酔いますよ、、」
「いずみ村の連中も、恩を返す時だ!とか行って、絶対参加したがるだろうけど、、酔うよな」
「ガク、おまえ、揺れない船とか、考えられない?」
「いやー、、俺の世界でも最先端の科学でやっと揺れが少ない、までだったんで、、無理っすわ」
「むう、、、あとは、、魔法使いが居てどにかしてくれればいーんだが、無理だよなー」
「ええ、めったに見つかるもんじゃない、っていうし」
「あ、海の妖精とか居てくれて、揺れないようにしてくれるとかー」
「あっはっは、そっちのほうがありそーも無いだろーw」
「っすよねぇ」
・・・・
「・・売店行ってきますけど、なんか要ります?」
「お?、んじゃ、ケーキたのむ」
でケーキと酒の小瓶を買ってきた。ケーキは泉さんに渡し、酒は、、船べりで、スクレから貰った髪留めに手を当てて
「どーか航海の無事をお願いいたします」、酒を海に投げ入れる。
戻ると、よく見えていなかったのか、
「何したんだ?」
「え、スクレが言っていたじゃないすか、髪留めくれた時。」
「あーあー、、海の妖精なー」
「ええ。念の為にっす。」
「よく気がついたなー、忘れてたわ」
そのおかげかどうかはわからないけど、数日後、船は無事武国沖にまで到着。明日昼に入港するとアナウンスされた。(船員が、客室周辺と甲板で、明日入港でーすと言って回る)
入港予定の朝。
甲板に出てみると、もうかなり先に港だろう、高い帆柱が幾つかかたまってる場所が見えた。1-2時間で着きそうな先だ。
また売店に行って酒の小瓶を買ってきて、船べりから海に放り込んだ。「無事到着しそうです。ありがとうございました」。
「今度はお礼か?」
江戸期の人だからわかるんだろう。
「そうです。もう無事着きそうですからね」
港の入り口に到着してから、水先案内を待ち、搭乗させ、静かに港に入った。ゆっくり時間を掛けて桟橋に着けた。
武国、南部領だ。
ここから中南部領を越して、やっと東武領に入る。
南部領は辺境領になるので広い。東武領にはいるまで一ヶ月くらいかかるだろう、と言われた。船では、ここから王都まで一気に行くという者も少なくなかった。
「戦時でもなければとても行く気にならんわ、、」泉さん
馬車一ヶ月乗りっぱなし?きっついわ、、、
「まず、ここで泊まろう!風呂入って、魚の飯だ!ここで魚食わなけりゃ、海の魚はもう食えないからな、」
「ですね!海の魚を堪能してから、北上しましょう!」
船員や他の客から聞きまくって、この港付近の良い宿を幾つか目星つけていた。
3つ目に、やっと空きがあった。
「凄い混み様っすねー」と帳場で訊くと
「今は季節ですからね、、暖流でも今の季節は魚が締まってきて、でも脂が乗っててうまいんですよ」
「おう!丁度よいな!!」泉さん
「はっはっは、堪能していってくださいね!」
「おう!勿論!!」泉さん
まだ晩飯の時間にはかなり早いので、ちびちびやりにいくか、、と外に出る。
まずは銭湯に行って船旅で風呂に入れなかった垢を落とす。
銭湯は近くにあった。デカかった。船員達が入りに来るんだろう。乗船中は風呂なしだもんな。
案の定混んでいて、皆何度も体を洗っていた。かく言う俺も3度洗ってやっとさっぱりした気がした。
混んでるのでのんびりはできないが、でもゆっくり浸かった。
外の縁台で結構待って、やっと泉さんがおばさんたちに囲まれて出てきた。毎度のことだな。
おばさんたちに礼を言い、
「んじゃ早速飲みに行くぞ!」泉さん
「晩飯前なんで、ちびちびですよ?」
「わかったわかった、ほれ、あそこの店、混んでるぞ?」
確かに混んでいた。
が、、あれー?
「おい、、アレ見てみろ、、」
泉さんが指し示す方、、
「ケーキっすか?」
「っぽいなぁ、、」
並ぶ客に混じって注文する。注文後、泉さんが座っているテーブルにつく。
ほどなく、ケーキと紅茶が来る。
恐る恐る食べてみる。
「・・・・・・?、、」
「ああ、ケーキ、、だよな、、」
「和風ケーキ、っすかね?」
「ああ、そうだなー、、、まぁ慣れれば美味いと思うぞ?」
「まぁ、、」俺は元の世界で慣れているけどね、あんことクリームのケーキとか、、
「ただ、スポンジが固めなのが、、、」
「うん、、柔らかいと食った気しないんじゃないか?こっちの連中」
「あー、そうかも、、、」
「王都に行かねば、あっちのと同じのは食えないかもなぁ、、」
「ですねぇ、、どうせそのうち会合とかで呼ばれるでしょ」
「ああ、だな、、」
でも結局泉さんは2度お代わりした。
その後、そこの付近の食堂で、夕食に焼き魚定食を食べ、刺し身で燗酒をちびちびやって、宿に戻った。
「久々の刺し身、というか、、こっち(の世界)に来て初めての刺し身だったなぁ、、港だからか、うまかったわー」
「ですねぇ、、明日も食いたいですねー」
「おう、、ここには少し長居しそうだな」
ケーキはともかくも、魚はここでしか食べられないものが多すぎだ。次はないだろうし、、長居もしかたがないというものだ。
「あ、明日、商会無いか探してみましょうね」
「あ?もう武国だぞ?」
「ええ、でも外国との玄関口なので、もしかしたら、、、」
「ああ、わかった、、、おやすみー」
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