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22 モフ☆モフに対する信仰

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入植地


農地に作物が実り始めた。
まだ開拓途中の場所もあるが、出来上がったところから種まきを始めている。
何回か収穫を終えれば、土もでき、土地に見合った収穫量を期待できるようになる。
それまでは、最初は荒れ地に強い作物、とうもろこし、じゃがいも、トマトなどを植えていく。

当初は狩りが主な収入源になっていたが、最近は少しづつ農作物も売る余裕ができて、収入になるようになってきた。

村人たちも、食物を領主に頼り切らずにすむようになってきて、心に余裕ができてきた。
顔が明るくなってきている。
「自分たちで自立でき始めているんだ!」という自信が芽生え始めたのだろう。

そういう村人たちの表情を見るのが、白泉は好きだった。


風呂も最初から大浴場。各家々も高床にして夏も涼しくなるように、冬は配管し床暖房になるように。

そして、自警団は、2つに分け、領都警護と村警護のローテーションにしている。
「少しでも領主様の役に立ちたい、どうしても!」
と村民たちから請願された結果だ。


白泉が村を散策していると、、
ふと、開け放した家々の中に神棚があるのに気がついた。

「おい、そこの、ちょっと尋ねていいか?」
「へぇ、、なんでしょう?」
「以前見なかったのだが、なんか各家に神棚ができているようなのだが、、」
「ああ、あれはモフ神様ですよ。領都から帰ってきた者達が聞いてきたのです。毛艶をよくし、獣人達の幸せを見守ってくれる良い神様だと。なので、皆祀ってますよ」
・・・・・
学のアレだよなぁ、、
まぁ、それで皆が幸せを得られるなら、、大本が学だし、不安要素は無いな?


更に歩いていると、獣人の子どもたちの学校に着いた。
子どもたちが元気よく笑っているのを見るのも好きなのだ。平和の象徴だ。

「モフ☆モフの神様へのお祈りの歌だよ♪、さあ一緒に!」
「「「「もっふもふー♪もっふもふー♪もっふもっふはせーいーぎー♪、もっふもふー♪もっふもふー♪もっふもっふは神だー♪、もっふもふー♪もっふもふー♪もっふもっふは愛だよー♪、もっふもふー♪もっふもふー♪もっふもっふは最強っ!!」」」」」

おっふ!!!
おいおい!こりゃ、学とカタリーナが歌ってた、、、


神の、というより、
まさに
モフ☆モフに対する信仰そのものなんじゃないか?
と、
白泉は、
学に説明された「モフラー」を思い出した。
あの変質的な嗜好が、この国に、ひろまるのか?
いやいやいやいや、そこまではなぁ?だって、広まっているのは獣人たちだけだろう?
モフラーってのは、ひと、が、獣人のモフ☆モフを愛でるモノなのであって、、、、、


白泉は、まだ”祠ができた後の王都”には行っていなかった。





「モフ☆モフの神様へのお祈りの歌だよ♪、さあ一緒に!」
「「「「もっふもふー♪もっふもふー♪もっふもっふはせーいーぎー♪、もっふもふー♪もっふもふー♪もっふもっふは神だー♪、もっふもふー♪もっふもふー♪もっふもっふは愛だよー♪、もっふもふー♪もっふもふー♪もっふもっふは最強っ!!」」」」」
「よし、皆!モフ神様に礼拝!!」
皆学の声に合わせ、正座して手を合わせて拝む。

「各自、神様が健やかでありますように、神様が健やかであれば、われわれも健やかでいられますから。
我らが健やかで、いつまでもこのように神様をお祀りできますように
と祈るのが基本。
お前らが今みたいに幸せな毎日だと、神様も幸せな毎日なのだ。
お前らが努力して幸せな毎日を送って、神様を幸せにしてやれよ?」

「えー?神様が俺らを幸せにしてくれるんじゃないの?」
「そんな考え、神様が泣くぞ? お前らの両親は、大人になってもいつまでたっても親にくっついて世話されていたら、どうだ?
それと同じ。神様は生き物を生み出し見守る。だけど生きるのは自分で、だ。子どもたちががんばっていろいろ覚えて、狩りをできるようになって、大きな獲物を採れるようになって一人前になって、親は幸せを感じるだろう?。
親孝行をするように、神様にも孝行するんだよ。見守ってくれてありがとうございます。ってな」

「「「「うーん、よくわかんないけど、わかったー」」」」

学は知らなかったが、これらもいずれ王都等にひろまっていくだろう。が、このような小難しい系は広まりにくかった。


そんちょ屋敷
「あれ?そんちょ?なぜそんちょがモフ神さまを?」
「・・・・いーじゃろ、そんなの、わしのかってじゃろーが・・・」
・・・・
「・・・ダイジョブ、そのうち狼のようにもりもりなよるの生活も、、」
「ちがうわ!!ぼーぼーになりたいんじゃわっ!!」
そっちっすか、、
んーーー、、、、、・・・・・
んんーーーーー・・・・
んんんーーーーーーーー・・・
「お前がなぜ悩む?」

モフがみ様もいろいろ大変になってくるなぁ、、

って、いるの?モフ神様?

いつの間にか、学の手から自立していっていたモフ神様であった。
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