上 下
10 / 409

10 姫、占領地総督をやる。もともと貧民街な王都で

しおりを挟む

「姫って呼んでいいっすか?」
「殴られてぇのか?」

「だって、これから行くところの奴ら、知らないでしょう?中身おっさんだって事。だったら見た目で行動しないと」
「俺が幼女姫らしく行動できると、お前は本当に思うのか?」
「ごめんなさい、無理言いました!!絶対ムリっす!!」
「それはそれでなんかアレだが、、、だからこのまま押し通す」
「んじゃ俺は白泉さんの配下らしくしますから!とっても配下らしくっ!!」
「・・・・いや、仕事を押し付けようとは思ってないから。ただ、オレにはできないことが多そうなので、手伝ってくれってぇだけだから」
「はぁ、、それが問題で、、なので、向こうでいい部下みっけて手駒にしますからね?じゃないとオレ死ぬから、確実に!!」
「まぁ、好きにしろ、雇うときはオレにも会わせろよ?」
「当然っす!!」



占領地
うちの領主サンのお城が和洋折衷みたいなもんだとしたら、占領地の城はもろ中世欧州のこぶりな城。
中は、、逃げていくときに洗いざらい持っていこうと努力したんだろうなぁ、、と努力の跡が見えるありさま。
うちんちの皆はお宝とか全く興味ないんでどーでもいいんだが、
効率的ではない城の作りとかが、この人たち「白泉占領地管理チーム」の面々には問題と映るだろうな。
わかりにくい通路など、一応防衛の一つらしいんだが。でも城内部に入られた時点で終わりだろう?とっとと隠し通路から逃げればいいだけじゃね?
いろんなものを持っていこうとするから時間稼ぎが必要になる。結局そういうバカだから負けるんだろうな。目的が曖昧なんだよバカは。


んー、、なんか、町中酷いなー?戦争うんぬんというより、もともと貧乏くさい?
貧民街がそのまま王都になりましたー♪、みたいな?

上の方の連中は皆一族郎党首を刎ねたらしいが、一般人の下級官吏達は残っている。
顔つきみただけで、こいつはダメだ、ってのがほぼ全部。無能だわ下劣だわずうずうしいわ卑劣だわ、みたいなのだけ。だが、中に一人「なんでここにいるの?」みたいな普通のがいた。

「おにいさんこっちこっち、、」とその彼を呼び、町中を一緒に歩いた。連れ回した。
あっちは何?こっちは何?いろいろ質問しながら。
で、顔の反応見る限り、この人かなりまともっぽい。思考の基礎がまともな教育じゃないと、いろいろ厳しいことになるけど、もともとの資質自体は悪くないと思う。素直かな。人間性高いし。一応白泉さんに面接してもらってから側付きにした。

この王都までの道中を見る限り、田畑面積は少なくはない。農家のご子息である俺の見立て。でも手入れの程度が良くない。人手が足りないのか、質が悪いのか。収穫量も、土地の持つ資質の半分いくかいかないか、くらいじゃないかな?かなりの飢饉レベルだ。完全な人災。それがこの国の政権だったわけだ。その尻拭いを、我が国が望んで行った?
どこまで人が良いのやら、、、ココの奴ら、きっと感謝なんかしないぞ?
・・・ただ戦闘したかった、とかじゃ、ないよな?ないよな?、、、他の国への牽制等正統な理由があるんだよねきっと多分。



小さいながらの首都に残った敗戦国民達を広場に集めた。


「あー、占領軍の占領地管理長官の白泉氏と、オレが副官小館だ。
状況を見る限り、おまえらの政府は最悪だった。

農地の収穫量は半分行くか行かないか程度だろう?耕す者がいない。手入れをする者がいない。人手が足りず、収穫時期をのがしてしまう。などなど。

だが、そんなこた、家族が兵隊に取られたときにわかったこと。

収穫ができても全部持っていかれてしまうなら、やらないでも同じだろう?
ならば、なぜ逃げなかった?

ここにいたら、延々と同じことの繰り返しだとなぜ気づかない?

気付いていても見ないふりするほうが楽だからだろう?無意識にそうしているんだお前らは。

それがお前らの罪。


お前らが逃げないから、この国は先日まで生き延びてきてしまっていた。生き延びさせたのはお前たちだ。

この戦争をこの国が始めることができたのは、お前らが耕したからだ。お前らがこの戦争好きな国を支えていた。

逃げなかったらだ。お前らが、生きていくのもやっとの状況からさえ、逃げようとしなかったからだ。

もしお前らの半分が、逃げていたら?

うちの国(領地)に来ていれば、うちの国は人手が増え、田畑は倍になっていたろう。
お前らは、最低3年は衣食住を保証され、開墾に精を出すことができたのだ。

そして、この国は人手を失い、収穫は無く、貴族王族どもは食うものに困るほどになっていたはずなのだ。
その場合、戦争は起こり得なかった。

だが、現実は、お前らはこの奴隷よりひどい状況から逃げることすら考えず、兵士や貴族王族のためのみに、畑を耕し続けた。
自分たちの食い分さえも取り上げられると知りながら!!

その王族、貴族、兵士たちは、皆 俺 達 が 成敗した。うちの国に侵略をしたのだから当然だ。
おまえらは、お前らの家に入り込んだ盗賊を許すか?お前らの家族を殺した盗賊を許すか?しないよな?
俺達の国の者たちも当然怒り心頭だ! お前たち全員を殺害しても気が収まらないだろう。

そして、
べつに俺達の国は、お前たちを一人たりとも必要ともしていない。
この国の土地をも必要としていない。

だが、残しておくと、再度我が国を侵略してくるだろう。そういう国だから、そういう者たちの国だからだ。


俺達の国はとても強い。だが、侵略はしない。売られた喧嘩を買うだけだ。今までもそうであったし、これからもそうだ。

だから、うちの国の者たちは

「お前らの国の者たち全員を排除し、国土を荒廃させ、誰もいさせないようにすればいい。必要なのは国境の砦と街道だけだ。」

と主張している。
とても正しいことだ。
この国の者達以外の、全ての国の者たちは、同様に考えている。

お前たちは、人類の誰からも「不要」だと言い切られている。害悪だと!!


さて、
お前ら、
人類に貢献するか?
害悪のままか?
選ぶ権利だけ、くれてやろう。」




白泉氏に代わる。

「たった5000人の我が国精鋭に、お前ら8万人の部隊が完全に滅ぼされた。歴史上まれに見るほどの弱軍ぶりだった。
私はその戦場で先頭に立ち、お前らの陣に切り込んでいった。だからわかる。弱すぎると。

だから暴虐な貴族王族に逆らうことも、逃げ去ることすらできないうぬらの心の弱さ。うさぎのほうが強心臓だな。
うさぎだって戦うことを知っている。実際戦うからなぁうさぎ達は。お前たちとは違うのだ。

昔は、お前らのこの国も、我が国以外の国に侵略し、奪い尽くしていた。
お前らの国に負ける国など国として意味ないのでそれもいいだろう。

だが、バカだけはいただけない。なぜ自分たちの何十倍も強い者たちに喧嘩を売ったのか?
底なしのバカがお前らでありお前らの集合体であるお前らのこの国だ。

我が国全体で、お前らの国を完全に滅ぼして、この世から災悪の根幹を完全になくそう、と話は進んでいる。
他国も完全に同調している。

お前らが全く反省しないならば、一人残らず、一人残らず粛清するしかない。悪意は伝染するからな。

お前らが、「どう反省をしたのか?」を、世界に見せつけることができるか?

お前らが、「どう世界に貢献できるか?」を見せつけられるか?

もし、その2つができるのであれば、世界がどう言おうと、私がお前らを守ることをしてやろう。

何もしなければ、お前らは終わるだけだ。私達は仕事を終えて、国に帰り、領地の民と幸せに暮らすだけだ。

俺の主である領主様の領民はお前らと違う。

我が国では、
悪い領主になれば領民達は総出で一揆を起こす。一揆が起きれば国王が動き、悪い領主は罰される。
悪い国王になれば、領主達が許さない。武力もつかう。
安全装置は、民も持っているのだ。領主も持っているのだ、勿論国王も。
だから、うちの国は、内外でも常にほぼ正しい国と呼ばれている。たまに間違いを起こしても、すぐ修正できる力量があるのだ。
お前たちと我が領民は全く違うのだ。

お前たちが領主らの横暴を許すから、抵抗して領主を滅ぼすことをしないから、悪徳は肥大化していった。

まともなオツムがあればそのくらい予測は付けられるのだ、しかし、自分に都合の良いことだけ考えようとする者達には絶対にできないが、な。

お前らが、「どう反省をしたのか?」を、世界に見せつけることができるか?

お前らが、「どう世界に貢献できるか?」を見せつけられるか?

猶予を3日やる。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたり奴隷を買ったりする話

菊池 快晴
ファンタジー
無難に生きて、真面目に勉強して、最悪なブラック企業に就職した男、君内志賀(45歳)。 そんな人生を歩んできたおっさんだったが、異世界に転生してチートを授かる。 超成熟、四大魔法、召喚術、剣術、魔力、どれをとっても異世界最高峰。 極めつけは異世界にいながら元の世界の『ネットショッピング』まで。 生真面目で不器用、そんなおっさんが、奴隷幼女を即購入!? これは、無自覚チートで無双する真面目なおっさんが、元の世界のネットショッピングを楽しみつつ、奴隷少女と異世界をマイペースに旅するほんわか物語です。

25歳のオタク女子は、異世界でスローライフを送りたい

こばやん2号
ファンタジー
とある会社に勤める25歳のOL重御寺姫(じゅうおんじひめ)は、漫画やアニメが大好きなオタク女子である。 社員旅行の最中謎の光を発見した姫は、気付けば異世界に来てしまっていた。 頭の中で妄想していたことが現実に起こってしまったことに最初は戸惑う姫だったが、自身の知識と持ち前の性格でなんとか異世界を生きていこうと奮闘する。 オタク女子による異世界生活が今ここに始まる。 ※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。

死霊王は異世界を蹂躙する~転移したあと処刑された俺、アンデッドとなり全てに復讐する~

未来人A
ファンタジー
主人公、田宮シンジは妹のアカネ、弟のアオバと共に異世界に転移した。 待っていたのは皇帝の命令で即刻処刑されるという、理不尽な仕打ち。 シンジはアンデッドを自分の配下にし、従わせることの出来る『死霊王』というスキルを死後開花させる。 アンデッドとなったシンジは自分とアカネ、アオバを殺した帝国へ復讐を誓う。 死霊王のスキルを駆使して徐々に配下を増やし、アンデッドの軍団を作り上げていく。

いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太
ファンタジー
 ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。  ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。

月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!  見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに 初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、 さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。 生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。 世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。 なのに世界が私を放っておいてくれない。 自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。 それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ! 己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。 ※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。 ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。  

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

【HIDE LEVELING】転生者は咎人だと言われました〜転生者ってバレたら殺されるらしいから、実力を隠しながらレベルアップしていきます〜

久遠ノト@マクド物書き
ファンタジー
【ステータス1の最弱主人公が送るゆるやか異世界転生ライフ】✕【バレたら殺される世界でハイドレベリング】✕【異世界人達と織り成すヒューマンドラマ】 毎日更新を再開しました。 20時に更新をさせていただきます。 第四創造世界『ARCUS』は単純なファンタジーの世界、だった。 しかし、【転生者】という要素を追加してしまってから、世界のパワーバランスが崩壊をし始めていた。挙句の果てに、この世界で転生者は罪人であり、素性が知られたら殺されてしまう程憎まれているときた! こんな世界オワコンだ! 終末までまっしぐら――と思っていたトコロ。  ▽『彼』が『初期ステータス』の状態で転生をさせられてしまった! 「こんな世界で、成長物語だって? ふざけるな!」と叫びたいところですが、『彼』はめげずに順調に協力者を獲得していき、ぐんぐんと力を伸ばしていきます。 時には強敵に負け、挫折し、泣きもします。その道は決して幸せではありません。 ですが、周りの人達に支えられ、また大きく羽ばたいていくことでしょう。弱い『彼』は努力しかできないのです。 一章:少年が異世界に馴染んでいく過程の複雑な感情を描いた章 二章:冒険者として活動し、仲間と力を得ていく成長を描いた章 三章:一人の少年が世界の理不尽に立ち向かい、理解者を得る章 四章:救いを求めている一人の少女が、歪な縁で少年と出会う章 ──四章後、『彼』が強敵に勝てるほど強くなり始めます── 【お知らせ】 他サイトで総合PVが20万行った作品の加筆修正版です 第一回小説大賞ファンタジー部門、一次審査突破(感謝) 【作者からのコメント】 成長系スキルにステータス全振りの最弱の主人公が【転生者であることがバレたら殺される世界】でレベルアップしていき、やがて無双ができるまでの成長過程を描いた超長編物語です。 力をつけていく過程をゆっくりと描いて行きますので「はやく強くなって!」と思われるかもしれませんが、第四章終わりまでお待ち下さい。 第四章までは主人公の成長と葛藤などをメインで描いた【ヒューマンドラマ】 第五章からは主人公が頭角を現していくバトル等がメインの【成り上がり期】 という構成でしています。 『クラディス』という少年の異世界ライフを描いた作品ですので、お付き合い頂けたら幸いです。 ※ヒューマンドラマがメインのファンタジーバトル作品です。 ※設定自体重めなのでシリアスな描写を含みます。 ※ゆるやか異世界転生ライフですが、ストレスフルな展開があります。 ※ハッピーエンドにするように頑張ります。(最終プロットまで作成済み) ※カクヨムでも更新中

処理中です...