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下−296 タカシ神とアラタと

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「我は神である!」

タカシとアラタはイサムに頼まれてからその足ですぐに南に転移した。イサムの遠目で見たとこを共有して場所を教えてもらったから一発で行けた。

で、いきなりタカシは大陸中の首都全ての上空をでかいスクリーンにして己の顔を投影した。
で、先程のセリフ。


世界中で大狂乱!
「てめーら静かに聴け!」
タカシは言霊を使った。
それから8時間ほどタカシはねちねちぐちぐちとどうでもいいようなことまで喋った。
最初は叱られていたのがわかった南の大陸の者達も、そのうち何を聞いているのかわからなくなってきて、最終的に精神が混乱をきたして・・・
しかも全く身動きとれないで延々と時間が過ぎていく。
しかし!
無意味な時間ほど経つのが遅く感じることはない。
皆、全員がその8時間ほどを、365日×24時間ほどに感じたかもしれない。

「少なくともボクはそのくらいに感じました」アラタ

話を終え、解放直後、各国王は怒り狂った。
「とっとと討伐しろ!!」
と、そういうようなことを吠えた王はその場で土留色の炎に包まれて、ゆっくり生きながら燃えていく。
水をかけると、
「いたたたたたぁあああああ!!!いたいいたいいたいやめろおおおお!!!」
と、なんかすんごく痛いみたいなので、水が使えない。

ならば、と土を掛けてみる
「げははははげははははははっははは!!くっ!くすぐったいんでっや、やめろうううううう!!」

ここらで周囲の者達は面倒くさくなってきていた。
別にこの王が燃え尽きても問題ないんじゃないか?って。

で、ぞろぞろ退去しようとしたら、
だだだだっ!がバッツ!!!ぼっつ!!
王が逃げる部下たちに追いついて一人に抱きついた!
同じクズ系統なので当然火が燃え移る!!

「うぎゃーーーー!!」
燃え移った者はパニックで、逃げようとする者にすがりつき・・・
で、どんどん増えていく。

で、なかなか死なないので、中には馬車に乗って貴族街に繰り出す者も。
この際だ、あいつも・・・とか思ったのだろう。
そういう奴を見て、「あ、俺もっ!!」と思った者も多いらしく、馬車が何台も繰り出され、

貴族街はそれから数日は悲鳴が耐えなかったという。

で、

数日後。
山でタカシが魔獣達を捕まえてはリリースする遊びをしてて魔獣たちに恐れられてると・・・

「タカシサーン!なんかかなり変化起ったみたいですよー」
と、アラタが来た。

「魔獣追い回すより大事なこと?」タカシ
「・・・どうだろう?」アラタ

「まぁいいや、何?」
「各国王家、貴族が軒並み滅亡したとのことです。」
「へぇ、頑張ったね!よくやった!」
「いや、タカシさんがやったんですよ?」
「へぇ?魔獣を追い回していると滅亡してくれるんだ?」
・・・・・

「いや、最初に燃やしたでしょう?それか他の奴らに延焼していって、結局全員、赤子まで燃えちゃったらしいです。ここの奴ら頭おかしいですね?」
「先進国だからな!!」
「・・・?」
「科学技術がすごいんだってね、ここいら」
「あー、まぁそうらしいっすね、飛行機すら見たこと無いけど」

「ま、そういう奴らは自分がすげーって思いたいんだよ!許してやって!」
「はぁ、タカシさんがそういうのなら・・・」
話しになってないけど気にしないアラタ。

「で?何が問題なの?」
「統治者がいないんでカネか力がある者達が支配しはじめて、エライことになってるようです。」
「・・めんどくさいね?」

「・・・・そうっすね、、も少し様子見て、出揃った所で消しますか?」
「うん、それがいいね、一発で済む!♪」

で、も少し様子見ということに落ち着いた。
が、
アラタはタカシと違って、子どもたちの被害が気になった。
なので、

シュン!


ぼき!
ごきっつ!
ばこん!
ずばっ!!!
ずぼっつ!!
ぶちっつ!

折ったり(後ろから蹴って背骨を)、外したり(頸から頭を)、破壊したり(頭部を一撃)、切り分けたり(手刀で全身を縦に)、押したつもりが穴開けちゃったり(手のひらで腹をおしたつもりが向こうに突き抜けた)、ねじ切ったり(あたま、くび)
とか、全く魔法を使わずに(アラタは魔法苦手だし)、街で乱暴を働いていた奴ら全員をものの数分で全て生命活動を永遠に停止させてしまっていた。

まぁ、これでどうにか?
と思って森に帰った。
それから森の中心に街を作り、魔王宮を作った。
魔法が得意ではないので、材料を自分で用意してはじめて魔法を使って作り始められるのだ。
初心者に近いが、魔力量がそこそこしか無いので数日に分けて作られる。

街が大体完成したかな?と思った頃、また人間の街のほうを遠目で覗いてみた。
??

奴隷商とか?
なんか騙されて、とか?
騙す奴らがのさばりまくってる?
めんどくせぇ
ボッツ!!
街のあちこちで火の手が上がる!

騙すやつ、と限定して燃やした。

イサムみたいに性根に悪意があるヤツ全部燃えろ、でいいのに、そこまで気が周っていないのだろう。
それなら少なくとも幼児と、小さい子でも良い子は残る。それだけで十分なのだ。
もしくは全部消してその罪を(無実の幼児と良い子を害してしまった事実)自覚して生きて行けば良い。

その後、燃やすと別の種類の悪党が台頭しだし・・・
寄生虫とか徒党を組んで弱いものを威圧するとか、口先で人をけむいまいて奪うとか、まぁ、よくもこんだけいろいろ種類あるもんだ、というくらいに。
そのたんびにそれらを燃やしていた。

ある時気がついた。
悪意が鍵だ。優しさや情けがある者は、その心根に悪意はない。何かの拍子に出るくらいで、そのあとそのものは悪意を持った自分を嫌悪し、反省する。
なので、心根に悪意が染み付いている者だけを選って燃やせばいいんだ、と。

あの敗戦国の奴らを消した時の応用だ。できないことはない。
で、やってみた。
できた。

その後はいくら経ってもひどくはならず、皆助け合って街や村を守っていっていた。

アラタは他の国でもやってみた。そこもずっと問題なく、ゆっくりとであるが良くなっていった。

アラタはタカシやイサムほど魔力はない。言ってしまうと、冒険者であった銀翼の翔太や銀猿のゴッツよりも魔力は少ない。
コンプレックスはなぜか感じていない。人それぞれだと感じていた。既婚者の余裕だろうか?わからんがw
しかも「ボクには筋肉がある!」とかも思っていたし。
首をねじ切るとかふつーできねーよね?しかもこっちの世界の悪人共、結構頑丈なんだけど?

なので、一度に一つの国くらいしかできない。数日開けて、次の国ができるくらいだ。
その後、半月に一度、次々に退治していった。

「タカシサーン!」
「おー!どしたー?おれんとこはもう調教終わったぜ?魔獣は全部お手とおすわりするようになったぞ!」
・・・・・・それで?としか言いようが無いんですけども・・・困惑するアラタw

「いや、そんなこっちゃないす。大体この大陸の各国を平定しました。悪党は皆消えました。」
「よくやった!エライぞアラタ!だからこその俺よりずっと勇者だ!!」タカシ

よくわからんが、タカシの褒め言葉なのだろう。
「そう言ってもらえると頑張った甲斐があります。」と受け取っておいた。

「・・貝は、うまいよな!」タカシ
なんか、最初に会った時よりもどんどんポンコツ化していってないか?
と思うアラタ。

タカシは染まっているだけだろう。
この世界にいるとどんどんそっち系になっていくのだ!

未だそれほどなっていないアラタが強すぎる?

で、アラタはタカシと相談の結果、魔獣地域を森林の中央部にして、森の外側を普通の獣の森にして開放する。魔獣側には入れないようにし、魔獣も外には出られないように魔法で永続結界を張った。

ある日
びょーーーん!
と擬音とともに、この大陸全ての街や村の上空にスクリーンが張られ、タカシの顔が映った。

「我は神である!この大陸は平定された、皆平和にクラスが良い。善いクラスはE組だぞ?タカシクラスだ。
だが、もし、この平和を乱すモノが湧き出たら、燃やすからな?土留色の神が常に見ているぞ?心して生きよ!
我が名はタカシ!土留色の神である!」
びよーーん!

スクリーンは消えた。

今回はどこの街でも村でも混乱は無く、皆静かに見ていた。
イマイチ理解できないところもあったようで、それはその後歴史的議論が繰り返されることになる。

魔獣の調教しかしなかったタカシ。大陸を平定し平和を作り上げ、おまけに魔国の街まで造ったアラタ。
任務を遂行し終え、2人は魔物の森の宿に戻った。


「・・・・・どうしたんですか?その顔」アラタ
「いや、お前たちが戻ってくるの遅いって、毎週のように襲ってくる凶暴なのが居てな」イサム
「はぁ、、お気の毒で・・。」判っていないアラタ。

最近はサンタブクーロの中身がネコ大量になってて、それをぶちまけられた日にゃ・・・
袋の中に押し込められてストレス溜まったネコがイサムの上からぶちまけられるのだ。

ヨーコも
「あまり口出しできることでもないし・・」
とヨメの立場である桜に同情していたりしたり・・

「何はともあれ、半年も、お疲れ様でした」イサム
「え?半年?」アラタ。
月日の概念欠落しているのかよてめー・・・そのおかげである!
まぁわかってても同じ時間かかるから仕方なかったんだけどね!!

タカシは何も言わず嗅ぎに部屋に戻っていく。

ただ、
まだ、
正確にはまだ終えていなかった。
善意の者でも技術開発というものの先を読むことが出来る者などいない。
あの大陸に魔法が満るまで、その危険性は続く。
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