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下−269 狐、犬、マサシ

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** お詫び **

昨日は落としてごめんなさいでしたっつ!!!!!

いつも読んでくださってありがとうございます!!
皆さんに読んでもらえるのが最大のモチベーションです!!

さて、
大変もうしわけありません。これから12月くらいまで、落としてしまうことがあるかもしれません。私事でいろいろあると予想されるのでそういうこともありそうです。できるだけ頑張って面白いのを書いてUPしようと思っていますが、ぎりぎりだと面白くならないかも、その場合はボツにしてUPできません。自分で面白いとか思えないとあとで困ることに成るのでUPできないのです。
どうか了承のほど、お願いいたします!。

いつも読んでくださってありがとうございます!!
これからもどうか宜しくお願い申し上げます!!

ーーーー

本文行きます!!

ある日あるところで鳶が油揚げをかっさらっていった。
三浦半島の街なかではない。あそこいらの公園で弁当食ってたら襲われるとかではないのだ。
そういう闘いの日々はいらないのだ。釣りびとが悪い!!

それはそれとして!!

油揚げをかっさらわれる。当然被害者は狐である。
お供えにあげられた油揚げを「いっただきまーっす!!」と今まさにお口にいれようとしたその時!
ひゅーと微かな音とともに黒い影、次の瞬間油揚げが無くなっていた。
ちなみに俺はおかずを盗られたことは一度もない!!
はいはいえらいねよかったね(棒)

で、その烏の上位互換機はこれみよがしに狐の上空で油揚げをあむあむと飲み込む。
むっきぃいいいい!!!!狐、怒る!
9本のオッポを振るうと、

どっごおおおおんんんん・・・・
山々にこだまする轟音
焼け落ちた羽がいくつか落ちてくる。
ぼっとん、頃合いが良く焦げた鳥の丸焼きが落ちてきた。
ただ、内蔵が入っているから中側の肉は生焼けであろう。

くそ不味そうなその肉に、フンッと鼻を鳴らした狐は後ろ足で砂を掛け、森に戻っていく。

この森で狐にちょっかい出すバカはいない。そのバカな鳥達何十羽は何かの拍子に転位でもしてこちらにきてしまったのだろう。自然の中で生きていないので、野生がゼロで何が脅威なのかもわからなかったのだろう。烏のほうがまだマシかも?

最近なんかろくでもないのが多い。
犬もなんかあほうなのがいきなり湧き出てきている。
押さえつけて上下をわからせ、話を聴くと、どう見ても「飼い主に捨てられたな」としか思えない。が、当人(犬)は違うと言い張る。

様子を見に来た森の面々達も、こりゃだけめだ、のポーズを取ってから森の中に戻っていく。

野生があればこの森では大概の生き物は生きていける。
狐も巣に戻る。

犬は一匹取り残される。
その首輪を付けた犬は、くーんくーん、と小さく情けなく鳴き、そこにうずくまった。


ここは中央王国からかなり南に降りて海を越えた先。
その浜辺には朽ち始めた筏が引き上げられていた。半年以上放置されているようだ。

その筏の持ち主は、狐の森に入っていた。

がさがさがさ・・
犬の前にデカイ影が立つ。

「おう、よしよし、首輪か・・お前は転生、転位犬だな?他の世界から来たんだな。お前らよわっちいからなあ、よしよし」
犬はひとに出会えた嬉しさで、もうさほど体力も残っていないのにマサシ(下85話)の脇に鼻をツッコミくんくん喜んで嗅いでいた。

マサシは弱々しい生命力に反応して探しに来たのだ。
なんか、懐かしい感じで放って置けなかった。
現物を見たらその感じは確実なものになった。なんか、脇の下をくんくんやられるのがものすごくなつかしく、また、股間に鼻をつっこまれくんくんされるのもまたものすごく懐かしいとても古い古い記憶の掘り起こしのようだった。

「おまえは、・・ぼっち、いや、ぼちだ。はるか昔、そういう名前を犬だかなにかだかに付けた覚えがあるような気がしないでもないんだ。懐かしい名前の気がする。ぼち、ぼち、うん、多分、ぼち、であってると思う」

おしいっつ!!!

マサシは犬を回復してやり、水、餌を与え、そこで数日休養させた。
ぼちが何日もここにいても襲われなかったのだ、ここは良い場所なのかも知れないと思った。

狐は、犬に餌をやることはしなかった。それはすべきことではない。だが、犬が襲われることを阻止することは狐の自由である。狐はきままだった。

犬のぼちも元気になり、森を出ることにした。
マサシはぼちを引き連れ獣道を山の方に向かう。そのうち、人のとおるようなほそい山道に当たった。それを下ると程なく脇に小さい祠があった。稲荷様。

マサシは思い出した。かなり昔にストレージに大量の油揚げがあったことを。
タカシの訓練を受けて、どうにか終了したあとのこと。街でおいなりさんにハマって毎日食い続けていた。
多分、訓練で逝かれた頭がどうにかしていたのだろう。で、どこにいくにも「おいなりさんがなかったらどうしよう!
?!!?」という恐怖があった。

で、問屋でおいなりさん用の油揚げを大量に買い、ストレージに仕舞っておいたのだ。
幸い、今は脳みそはまともに成っている。

祠を魔力で探ると、そのほこらになにか棲みついているようなので、油揚げを全部出して山積みにした。というか祠が完全に埋まってしまったが。

やっと在庫を吐き出し、一つ責任を果たした気持ちのマサシ。気分良く山を降りていった。

狐大狂乱♪
その晩、山では全ての獣達まじえて祭りだった様子。主催狐。


犬は生まれて初めて物扱いしない主を得た。犬本人はそんなこと気が付かないが。
マサシも、無茶はしなくなるだろう。

どっこーーんんんん・・・

やまのあなたのそらとおく、でっけー爆音鳴り響く

今日も鶏肉のこげたよいにほいがあたりに

ここらの空も少しはマシに成っていくだろう。
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