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下−237 ももんが まんじゅう 一択
しおりを挟む桜の差し出したまんじゅうの匂いに反応する茶まんじゅう獣。
むっくりと顔が出てきた、まんじゅうに顔が乗っかった形、、すんすんと桜のまんじゅうのにおいを嗅ぎ、、
ぱくり、、
一口で食べ、それからまた桜を見つめる
クッ、、小さなうめきをあげ、桜は袖に手を突っ込む。
またまんじゅうがそのまま出てくる。何かに包まれてはいない、そのまま。
(そのまま、ですね?)
(おう、、なんか、、すごいの満たちゃった感半端ないな?)
(冒険者もポケットに干し肉入れているんじゃないですか?)
(ありゃからからだし、潰れて中身出るとか無いからな)
・・・・
茶まんじゅう獣はまた一口で食べ、桜を見つめ、桜は「くっ、、」とかいいながらまたまんじゅうを出す。
10個ほど出したら
「もうこれが最後だ、この袖にもう入っていない、味わって食べるが良い」桜
ぱくっ!!
で、その茶まんじゅうは今度は桜の右袖を見つめる。
・・・・・・・
(何か、はいってるんでしょうかね?)
(うん、獣の能力はすごいからな)
ワクワクしながら成り行きを見つめるイサムとメフィ。
今日はこれを見られただけでも大収穫だ!!と、メフィとイサムは各々心の中で思っていた。
・・・・
じーーーー、、
・・・・・
じーーーーーーーー、、
・・・クッ、、、
左手を右袖に突っ込むのではない。右手を袖から引っ込め、袖の中で右手で右袖の中にある何かを取り出す。
「こ、これは、、おまえには食べにくいと、凄く思うのだが、、、」
と、桜が、獣が届かないところに取り出したせんべい。
「え!!この世界にせんべいなんかあったのっつ!!!!!」イサム
「これは開発中のコメ菓子だ。そんな名前ではない。」
「え、おせんべいだよ?ボクが教えたやつだよね?」
いつの間にか戻ってきていたアラタ。
ぼごん!!
桜の左腕は空いていた。それがアラタのみぞおちにめりこむ。
そのまま崩れ落ちるアラタ。
(あいつ、まっちょだよな?)
(ええ、まっちょでも、みぞおちは厳しいんですかね?)
(いや、桜の殺人パンチが半端無いんじゃ?)
(!!なるほど!!)
「おまえらもいつまで三文芝居やってるんだ!何かこいつにやる餌ないのか?!」
「いや、王宮の食堂にでも転位で連れてけばいいだろ?」イサム
・・・・・・・・・・・・・・・
シュン!!
何も言わずに獣だけ連れて行ってしまった桜。
仕方ないので白目向いているアラタを連れ、イサムとメフィは王宮の食堂に転移する。
「いたいた、、」
獣だけ食堂のテーブルの上に丸まって載っていた。おかず?メインディッシュとか思える?
「お皿に載ってないと」
「ああ、そうだな」
「何わからんことを、、」
といいながら桜が厨房から皿に山盛りにまんじゅうを、、
獣の餌はまんじゅう以外ないのかな?
(いくら獣と言っても、同じものだけというのも気の毒ですね)メフィ
(しかも、まんじゅうだぜ?)
(胸焼けさせたいのでしょうかね?)
桜は右手にでかいまんじゅう山盛り皿、左手にミルク?の入ったボールを持っている。
「確かに、あんこのまんじゅうにミルクって合うんだよなー」イサム
「ほう、お主、なかなかやるもんだな?」桜
・・・・どこでどういう評価が付くのか、さっぱりだな?
「アイスクリームとあんこは合いますからね」メフィ
「・・・おれ、アイスクリームなんか食べたことないけど?」
「面倒くさいんですよ」
・・・・・・・・・
「うちの連中は仕事の魔法は上手い。いつでも作ってくれるぞ?言っておいてやるから、いつでも食べに来い」
「まじ?!!ありがとーーー!!いいやつだなー桜はっつ!!」
「でしょう?!!」アラタ
真っ赤になって照れてる桜。憎まれ口すら出ないほど。
そのまま皿を獣の前に置くと、獣はまた頭をもたげ、ぽくぱく食べ始めた。
そしてその横にボールを置くと、獣はふんふんと匂いを嗅ぎ、ぺろぺろと飲み始めた。
まんじゅー食っちゃミルクを飲んで、を繰り返す獣。
「ほれ、この獣も優秀だな!まんじゅうとミルクの相性の良さをわかっとる!」桜、得意げ。
「さて、こやつに名前をつけねばならんな」桜
(来ると思った)
(ええ、まさに)
「ブラウンむっちゃすまっちょスとかどうかな?」アラタ
「脚下。茶まんじゅう、とかどうかな?」
笑いを堪えながら
「す、少し長いんじゃ、ないか?」イサム
平然としながら、
「茶、か、まんじゅう、か、どっちかにしたほうがよいのでは?」メフィ
「ならば一択、まんじゅうしかなかろう?」桜
まったくわかりません!!!
ふつー、茶だろっつ!!!
結局まんじゅうになった様子。桜が「ほれまんじゅう、これも食べろ」とか、あの秘蔵のせんべいを割ってやった。
が、匂いを飼いだだけで食べない。
せんべいとミルクの相性も最高なのに、、とぶつぶつこぼす桜。
いや、せんべいの醤油が良いだけで、、醤油系せんべいじゃないと合うとは言えないぞ?
まんじゅうが切れたので皿を持って桜が厨房に向かおうとしたら、獣が立ち上がり、四肢でぴょーんと高く飛び跳ね、四肢を広げて、バッと翼?を広げた。
ひゅーん!ばしっ!、と、獣は桜の背中に飛びついた。
飼い主認定?
「ももんがじゃん・・」
「奇しくも、主様の予言通りでしたね?」メフィ
なんだその胡散臭いのは、、
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