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下−224 モフら

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中央王国にも獣人がいる。
昔はほとんど居なかった。
中央王国なんぞに来ちゃうと奴隷にされちゃってたからね。
「魔人は敵だああああ!!獣人は奴隷だああああ!!」
が、デフォだったという。

今残っている者達はほぼそういうのと無縁だったという。
無縁っても黙認ではない。黙認は共犯だからね!
かわいいもふもふの獣人達を捕まえたり嫌がらせをする奴等にわからないように嫌がらせをしていたという。
たまたますごくうまく行き過ぎて死んだりする奴等も多かったらしいが、そいつらには一般人たちもひどい目にあっていたので、屠れたら街角に撃墜マークが書かれたという。

「なかなか頑張ったんだ。」イサム
「ああ、ヤることなかったしなぁ、、アレダメこれダメ、やりたかったら許可トレ、許可代金すんげー高いの。王都から逃げる者も多かったが、夜逃げな。まともに逃げようとすると引っ越し許可とれって、膨大な額を請求される。だから自給自足の最低限の生活して、暇な時間は役人や衛兵どもを潰すことのみに心血注いでいた者が多かったぞ」

元王宮そばの蕎麦屋。
イサムは珍しく昼間の暇な時間に居た客に声をかけてみたのだ。

で、
「習慣ってのはなかなか抜けなくってなー、いい街になったんだけど、未だニートみたいだなー」
と他人事のように言うのはニートデフォなのだろうか。

で、魔国と仲良くなって中央王国にも魔人が来るようになって獣人も増えたらしい。

「獣人って、何の獣人が多いの?」
「圧倒的に猫。」
あっとうてき?

「なぜに?」
「さあ?増えるのが多いのはネズミ人なんだけどね、猫に食われてるのかなぁ、、」
いいのか?

「ほら、餌が増えるとそれを狩る個体数が増えるって言うじゃん?」
もう「人」っての、ほぼ関係なくない?猫とネズミそのものだよね

猫人は移動するのが好きなのかな?
得物追ってて遠くに行っちゃうのかな?
近所の猫嫌いが勝手に遠くに捨てても戻ってくるし、、旅は得意そうだよな。

「俺、ココイラでも見ないんだけど、獣人達ってどこで何やってるの?」
「犬人は防衛隊で衛兵やってるって聞いたな、見たことあるし。猫はどうだろ、冒険者やっているのは結構見たなー。勿論ソロだけど」
「勿論?」

「・・・まず、集団行動苦手。次に、連携とれない。これはあれだ、気になるとこがあると一点集中そこしか見ないで待って飛びかかって行ってしまう。なのでやられる奴が多い。で、気まぐれ。
まずパーティに入れたがる者なんぞモフラーくらいだ」

「それじゃ、ソロでも危ないだろ?」
「当然そうなる。でもあまり危険なところには行かないようなので、自分のことわかってるんだろ?」
なるほど、、

「他には?」
「うさぎ、もるもっと、ハムスター、だな。あとは他にもなんかいるようだけど、毛が強いのとか爬虫類とかは興味ないのでしらないわ」
こいつがモフラーなんじゃん、、、

「ちなみにおにーさんナニやって暮らしてんの?」
「最近はー、獣人の散髪やトリミングだなー、、そこそこの収入になってるよ」
ガチモフラーか!!


それからイサムは転位を多用せず、景色が見える速度で飛んだり、歩いたりすることが多くなった。
そうしているとやっと獣人を見ることが出来た。

へぇ、ほんとに来てるんだなぁ、、
魔都なら結構見るけど、ここでは見たことなかったんじゃないかなー

でも、結構、、、、

「すみませんっつ!!モフらしてくださいっつ!!」
「・・・いやです。」
「えーーー!!そんなこと言わずにぃいいい!!」
「だめです」
ええい!!と突っ込んでいくアホウ。
惨!!
そいつの顔に4本の筋が、、じわじわと血が染み出、ぶっしゅーっつ!!

外でも、数人がかりで襲いかかっても逆襲されてる奴等とか、、
猫の身体能力舐めすぎ


ある日蕎麦屋でおばちゃんにそれを言ったら、
「ああ、以前あの男がなんか言っていたけど、、獣人が来なくなていたってのは、そういう奴等が大杉でさ、王も獣人狩りしていたのはモフるためだったって言うし、、」

行き過ぎた衝動が抑えきれないモフラーどもらしい、、ここの奴等。

あの男は、ここではかなりまともな方だったんだなぁ、、


ある日ギルドでギルダーに、
「なぜここの者達は猫を飼わないの?」
聞いてみた。

「・・・モフリすぎるんで、猫達も王都から逃げ出して一匹もいなくなった」ギルダー

うん、獣人の入国禁止にしよう。
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