上 下
295 / 383

下−220 隠遁の村 と思っていたら、、、

しおりを挟む

魔王は憂いていた。
今日も飯に爆弾が仕込まれていた。
いや、正確に言うと、研修生のおかずが混じっていた。なぜか見た目だけは良いのでどれがそうなのかがわからない。なぜ見た目だけ良いのだろう?
今日は食ったら失神した。

おかんに聞いても「味見ですから」ととりあってくれない。
「おまえも食べているの?」と聞くと、魔人向けの食事なんで、、と卑怯なことを言う。



「なので逃げてきました!」まおー
ここは魔物の森の宿。一階食堂の隅の席。

「それは、、、、お気の毒様としか言いようがねーなー」イサム
「だろう?ひどいよな!まともに作れるようになってから出してくれりゃーいいのによう!!」
それが当たり前だよなー、、

「なんか、心当たりないか?」イサム
「???何の?」魔王
「そうされちゃうよーな、、、ご飯を残すとか、一口だけかじってぽいとか、口に入れたもの戻すとか、、そういったスラムの者でさえ絶対やらないような下品なこと」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「うん、おまえも気をつけような、、」
「おう、、、わかった、、、でも言ってくれないとわからんよ、、、、」
「だよな、人間でも”言わなくてもわかるべきだろう!!”とか逝かれたこと言うキチガイ多いからな、、」
「あ、魔人でもたまに居るな、、いや、むかしいたな、、」

征伐されちゃったのかな?
「ああ、イサムにな」
え?そうだったの?
「イサムもしらねーよ、サゴに混じって一気に消えたから奴等全部w」
お掃除ですか、、

魔王はかなり前から魔都に居るときは人間形態ではなく素のゴジ*系で、大きさは人間ほどの2m程度担っていることが多い。「楽ちんだからな」だと。
でも他の国は人間の国なので、そこに行くときはたいてい人間形態のおっさんになっている。
が、今日はあせったのか、ゴ*ラ形態のままだ。イスもきしんでいる。

だが、それでもぐい呑とか箸とか持てるのがすごいものだ。なんか張り付いている感じ?
なので、支障がなさそうなのでイサムはナニも言わない。
酒や肴を持ってくるメフィも、多分魔王が気がついていないとわかってて何も言わない。楽しんでるんだろう。


飲みながらの飯を食い終え、外に散歩に出てみる。
・・・
誰もほとんど見ない。気にしない。

まぁ、、皆月一度の闘技大会をビジョンで見ているからこの姿が魔王だとわかるだろう。しかもイサムと一緒なのだ。イサムが何を連れ歩いても不思議ではないのだここでは。

もしイサムが歩くうんこを連れ歩いても、誰も不思議とすら思わないだろう。
(いや、ねーよ)
今はまだ、な。
・・・・・

その程度なのだ。

村は奥に伸びている。
奥には引退した冒険者の集落がある。ちゃんといくつかの店などもあり、一つの集落として成り立ち、イサムの宿の方には依存しないでいる。大したもんである。

引退した冒険者と言っても皆老人とかけが人とかというわけではない。半分以上がまだ若い。
「引きこもりたいなーと思って引退しました」引退冒険者A君
「村人以外には会わずに済み、ぼくにはぴったりです」B君
「今、村で魔導サーバー立ち上げようとしています。魔導ネットは大本から無線なのでインフラゼロだから最高になりますと言いたい。」なんかすげーC君

「もしかして、フルダイブMMOとかはじめるの?」イサム
「それはまだ、、やりたいけど、、、人手が、、、」
だよねー、、

そのうちそっちの業界からのがこっちに来そう、、ブラックもいいとこなんで毎日のように誰かしら過労死しているからなー。

でも、引きこもりと自称するわりには皆自分の畑を持っている。手入れもよくされている。

「流石人間の畑だな、、魔国のよりなんか良さげだわ」
魔王にもそのよくできた畑がわかるようだ。

「あ、魔王様」
「リアルだ」
「なままおー」
「手形ほしい」
「さいんでもいいかも」
「顔がたがいいかな、ふぃぎゅあ作りたい」
「動画がいんじゃね?」
「「「それだ」」」

と、遠巻きにしている連中。

しかたねーなー、と言いながらそっちに行っていろいろ相手にしてやるマメな魔王。

イサムは村の小さな商店街を見て回る。

アニメニート
ちんだらけ
にゃしんばん
うなぎのあな
にゃんぐる
つもく

どっかのパチもん屋っすか、、
覗いてみると、、
うん、この世界に無いもののフィギュアばかりとか、それらのイラストばかりとか、コーヒーカップとか茶碗とか箸とか、ボードゲームとか、なぜ2つ山のマウスパッドがあるのか知らんけど、のれんとか、Tシャツとか、ふんどしとか、・・・。

最後の店にはPCみたいのがあったんでとびついてONボタン、、、あれ?
木で作ったモック、、もくもっく、樫の木か?
どんな意味あるんだろう、、あ、、Popで「インテリアにどーぞ!」だって、、、

そういう転生者達の村かよ、、、いつの間に、、、

と思うと、向こう側には露天市場らしく、20人ほどがむしろ敷いてる。やさい、木工製品の普通のまともな仕えるやつ、布製品の一般向けのふつうのまともなやつ、乾物、肉、さかな、など日常のモノ。それに串焼き、煮込み、カレー?!、串かつ、、おにぎり、飲み物、の屋台。
「・・・レベル高ぇ、、、」
思わず言うと、

「そうでござるよ、我が村は。この隠れ村こそ、この世界の別天地でござる、ふっふっふ」
ちょとぽっちゃりさんのおにいさん。眼帯してるね!でも全く不具合無いよねその目。伊達眼帯?
左手の包帯は、その痛々しさ(おつむの)山盛りである。
村、隠してないけどね。

「・・・おまえら、いまコンビで漫画本売られているの、知ってた?」
「・・・・・・・こんび???え??あるの??どこに??」
迫ってこないでください!!
「いや、、王都の各警備所のそばにあるけど、、勿論24時間だし、、」
「ぽ、ぽてちはあるでござるか?!!!」

「あ、、ああ、、こっちのだけど、、少し厚めだけど、紙袋だけど、、売ってるぜ、、」
「やま、山はっつ?!!!」
え?な?コンビで山?
「たぎのこの山でござるっつ!!」
ああ、
「ぎのこの里なら、、」
「くっつ、、、ここでは敗北か、、、」
「いや、なんならそのうち出すから、、、」

「え?お主、、こんびますたーでござるか?!!」
・・・・なんだよそれ、、、
「わかった、この村に出すからっつ!そうしがみつくなっつ!!!!」

(メフィ!!メーデーメーデー!!やべー!!たすけてちょっ!!!)
(まったく、何やってんですか、、)
(できたら今すぐここにコンビ出してほしいっす、、、あと菓子でたぎのこの山も売ってほしい、、)
(仕方がないですねぇ、、んじゃ、その先の空き地でいいですね?)
(おう!わるいな!任せたっつ!!)

「今通信終了したからっつ!!はなせよっつ、、ふう、、、そこの空き地に・・・
どんどこん!ばすんぼっすん!どーん!がちゃがちゃがちゃがちゃがっこんがっこんがんがんがんがん、、
・・・・・・・・
目の先で、組み立てセットみたいな感じ、、元の世界の建売や安っぽい最先端技術のビルを作るような感じで、コンビのお店が降って来た材料で勝手に建った。

「すげぇ、、メフィ、、、」
(おそまつさまです)

「え?メフィ様がおこなわれなさったですますかっつ!!」
日本語でおk!

この音と現場の有様に気づき、マオーと取り巻き達もやってきた。
「どーしたんだイサム」
「ああ、メフィが、遠隔でアレ作った。」
「・・・すげーな?遠隔?」
「材料も転送してきた」
「おまえ、メフィを異界に連れてった?」
「いんや、でも元からそれ以上だし、、」
「まぁ、な、、」

(え?イサム氏なのか?あの子、、)
(ああ、あのチン子ん時に少し映っただけだからなぁ、わからんかった)
いや、闘技場開会式とか映ってたとおもうけど、、、なかったかな?放映、、、
なんか寂しい、、ちんこ関連だけって、、

(で、メフィ氏がコンビの首領だとか今さっき聞いた)
言ってねーけどな
(((((((こんび?この世にこんびがあるのか?!!!)))))))
(ああ、今作ってるやつがそーだ、、)

この間にも看板がくっつけられ、一面にガラスが貼られ、ぢどードアが勝手に開け閉めしてテストしているようで、、
全てメフィの遠隔?!!

空間から商品が現れて棚に並べられていく・・・・・・・
あっという間に店内に商品が、、、最後に窓際の本の棚に、イサム出版のコピー本がどんどん並べられ、、

ぱっぱかぱー!!回転で、、いや、開店しまーっす!!と、店の外の拡声器からメフィの声!
いつの間にか魔導レジの奥に魔人店員さん2名!ちゃんとしましまの解禁シャツ!!

っわーーーーーーーー!!!!と、叫びながら押しかける転生ヲタ達!!

(メフィ、今日だけは、全部俺のツケにしといてやって。ご苦労様でした!すごかったぞ!)
(ラジャー!お褒めいただきありがとうございます。)

「俺らも買いに行こうぜ!」魔王
「おう、、酒とツマミ、買おうか」イサム
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

W職業持ちの異世界スローライフ

Nowel
ファンタジー
仕事の帰り道、トラックに轢かれた鈴木健一。 目が覚めるとそこは魂の世界だった。 橋の神様に異世界に転生か転移することを選ばせてもらい、転移することに。 転移先は森の中、神様に貰った力を使いこの森の中でスローライフを目指す。

9番と呼ばれていた妻は執着してくる夫に別れを告げる

風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から言いたいことを言えずに、両親の望み通りにしてきた。 結婚だってそうだった。 良い娘、良い姉、良い公爵令嬢でいようと思っていた。 夫の9番目の妻だと知るまでは―― 「他の妻たちの嫉妬が酷くてね。リリララのことは9番と呼んでいるんだ」 嫉妬する側妃の嫌がらせにうんざりしていただけに、ターズ様が側近にこう言っているのを聞いた時、私は良い妻であることをやめることにした。 ※最後はさくっと終わっております。 ※独特の異世界の世界観であり、ご都合主義です。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。

今さら、私に構わないでください

ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。 彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。 愛し合う二人の前では私は悪役。 幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。 しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……? タイトル変更しました。

召還社畜と魔法の豪邸

紫 十的
ファンタジー
魔法仕掛けの古い豪邸に残された6歳の少女「ノア」 そこに次々と召喚される男の人、女の人。ところが、誰もかれもがノアをそっちのけで言い争うばかり。 もしかしたら怒られるかもと、絶望するノア。 でも、最後に喚ばれた人は、他の人たちとはちょっぴり違う人でした。 魔法も知らず、力もちでもない、シャチクとかいう人。 その人は、言い争いをたったの一言で鎮めたり、いじわるな領主から沢山のお土産をもらってきたりと大活躍。 どうしてそうなるのかノアには不思議でたまりません。 でも、それは、次々起こる不思議で幸せな出来事の始まりに過ぎなかったのでした。 ※ プロローグの女の子が幸せになる話です ※ 『小説家になろう』様にも「召還社畜と魔法の豪邸 ~召喚されたおかげでデスマーチから逃れたので家主の少女とのんびり暮らす予定です~」というタイトルで投稿しています。

【第一部】異世界を先に生きる ~先輩転移者先生との異世界生活記!~

月ノ輪
ファンタジー
―私達と共に来てくれないか? 帰る方法も必ず見つけ出そう。 平凡な中学生の雪谷さくらは、夏休みに入った帰り道に異世界に転移してしまう。 着いた先は見慣れない景色に囲まれたエルフや魔族達が暮らすファンタジーの世界。 言葉も通じず困り果てていたさくらの元に現れたのは、20年前に同じ世界からやってきた、そして今は『学園』で先生をしている男性“竜崎清人”だった。 さくら、竜崎、そして竜崎に憑りついている謎の霊体ニアロン。彼らを取り巻く教師陣や生徒達をも巻き込んだ異世界を巡る波瀾万丈な学園生活の幕が上がる! ※【第二部】、ゆっくりながら投稿開始しました。宜しければ! 【第二部URL】《https://www.alphapolis.co.jp/novel/333629063/270508092》 ※他各サイトでも重複投稿をさせて頂いております。

【ありがとうございます!!底辺の壁突破!!】拉致放置?から始まる異世界?生活?【進めー!!モフ☆モフ!!】

uni
ファンタジー
** この物語は他の世界で生きています。この文字を打っている者は、ただの打ち込み者です。禿げ老人が手を、指をぷるぷるさせながら、この物語電波を受信してそのまま打ち込んでいるだけです。なので誤字、誤変換、脱字は禿老人のミスであります。ご了承ください。 ** ** ある日、いきなりどっかに放り出されていた少しオマヌケ資質な少年。折角受かった家から最も近い高校に一度も通った記憶はない。が、自転車で3時間ほど走った覚えはある。多分入学式には行ったのだろう。そこらも曖昧である。  そこからギリギリなんとか死なずに済んで、辺鄙な村に住み着くことになる。チートゼロ。水くみ面倒くさいので水を引く。ぽっとん便所、手が出てきそうで怖いので水洗を。あれやこれやでいつの間にか村の近代化?  村の連中ものんびりしていてオマヌケ資質があったのだろう、どんどん主人公の間抜けに感染していく。  幼女の体に転生した江戸期の武士といつの間にかコンビになり・・戦いや間抜けに明け暮れる。モフ多し。精霊多し。 ** 【多くの方に愛読され、おかげさまでなろうでは13万PV達成しました。どうもありがとうございます!!同じ面白さを堪能してくれる方々がいるということがモチベーションになります。本当にどうもありがとうございます!!!】2021.10.15

夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~

狭山ひびき@バカふり160万部突破
恋愛
もう耐えられない! 隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。 わたし、もう王妃やめる! 政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。 離婚できないなら人間をやめるわ! 王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。 これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ! フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。 よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。 「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」 やめてえ!そんなところ撫でないで~! 夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――

旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます

おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。 if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります) ※こちらの作品カクヨムにも掲載します

処理中です...